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首页 / 专利库 / 信息化学物质 / Chemical substance database, chemical substance management system having it, chemical substance information usage, and data analogy program

Chemical substance database, chemical substance management system having it, chemical substance information usage, and data analogy program

申请号 JP2002353535 申请日 2002-12-05 公开(公告)号 JP2004185473A 公开(公告)日 2004-07-02
申请人 Konica Minolta Holdings Inc; コニカミノルタホールディングス株式会社; 发明人 YAMAMOTO TAKESHI; YAMAZAKI MASAHIKO; GOTO MISAKO; NAGAI TATSURO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a chemical substance database, a chemical substance management system having it, a chemical substance information usage method, and a data analogy program capable of comprehensively using the chemical substance database and various support systems using it without constructing any in-house dedicated network and offering information effective to a new chemical substance and a mixture. SOLUTION: This chemical substance management system 1 is constructed by integrating the chemical substance database 6 for a classification by chemical substance, a product composition database 7 for a classification by product, a test result database 8 storing test results about safety and the like of the chemical substances and the products, the various support systems 10-14 using these databases, and a data analogy means 15 analogizing a property of a new chemical substance or a product. The chemical substance management system 1 is stored or installed in a management server of a service provider to be available on the Internet. COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI
权利要求
  • 複数の化学物質に関する情報を記憶したデータベースであって、
    前記データベースは、化学物質毎に情報を分類した第1のデータベースと、複数の化学物質を含む製品毎に情報を分類した第2のデータベースと、前記化学物質又は前記製品の性状を確認するためのテストに関する情報を記録した第3のデータベースとを含むことを特徴とする化学物質データベース。
  • 前記データベースには、各々の前記化学物質の構造を特定する情報を含み、前記構造特定情報は、他の化学物質の性状を類推する際の検索条件として利用されることを特徴とする請求項1記載の化学物質データベース。
  • 前記データベースでは、成分の構成が同一であって成分の比率又は不純物の含有量が異なる混合物の各々に対して異なる識別番号が付与され、各々の前記混合物は異なる化学物質として管理されることを特徴とする請求項1又は2に記載の化学物質データベース。
  • 前記データベースでは、成分の構成が同一であって製造ロットが異なる混合物の各々に対して異なる識別番号が付与され、各々の前記混合物は異なる化学物質として管理されることを特徴とする請求項1又は2に記載の化学物質データベース。
  • 前記データベースに、複数の化学物質で構成される混合物又は製品に含有される不純物に関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の化学物質データベース。
  • 請求項1乃至5のいずれか一に記載のデータベースと、該データベースを利用してサービスを提供するための複数のシステムとがセットとしてインターネット上で利用可能に提供されることを特徴とする化学物質管理システム。
  • 前記複数のシステムに、化学物質のリスクを金額に換算する機能を備える経済性評価システムを含むことを特徴とする請求項6記載の化学物質管理システム。
  • 少なくとも、複数の化学物質に関する情報を記憶したデータベースと、前記データベースを利用して化学物質に関する書類の作成を支援するシステムと、前記データベースを利用して化学物質の環境負荷に関する評価を行うシステムと、前記データベースを利用して化学物質のリスクを金額に換算する機能を備える経済性評価システムとがセットとしてインターネット上で利用可能に提供されることを特徴とする化学物質管理システム。
  • 前記化学物質管理システムに、予め記憶された基準データに基づいて、前記データベースに記憶された化学物質に関する情報を参照して、他の化学物質の性状を類推するデータ類推手段を備えることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一に記載の化学物質管理システム。
  • 前記データ類推手段は、第1の化学物質に関する情報の中から該化学物質の構造を特定する情報を抽出する手段と、予め記憶された抽出基準データを参照して、データベースの中から前記構造特定情報で特定される構造と同一の部分構造を少なくとも備える化学物質群を抽出し、該化学物質群の中から類推対象となる第2の化学物質を選択する手段と、予め記憶された類推基準データを参照して、前記第2の化学物質の性状から前記第1の化学物質の性状を類推する手段とを含むことを特徴とする請求項9記載の化学物質管理システム。
  • 前記構造特定情報は、化学物質の母核構造、官能基、含有元素、酸/アルカリの種別、アルキル基の長さ、イオン性のいずれかを含むことを特徴とする請求項10記載の化学物質管理システム。
  • 請求項1乃至6のいずれか一に記載のデータベースと、該データベースを利用してサービスを提供するための複数のシステムとを含む化学物質管理システムをセットとしてインターネット上で利用可能に提供することを特徴とする化学物質情報利用方法。
  • 少なくとも、複数の化学物質に関する情報を記憶したデータベースと、前記データベースを利用して化学物質に関する書類の作成を支援するシステムと、前記データベースを利用して化学物質の環境負荷に関する評価を行うシステムと、前記データベースを利用して化学物質のリスクを金額に換算する機能を備える経済性評価システムとを含む化学物質管理システムをセットとしてインターネット上で利用可能に提供することを特徴とする化学物質情報利用方法。
  • 前記化学物質管理システムにデータ類推手段を備え、予め記憶された基準データに基づいて、前記データベースに記憶された化学物質に関する情報を参照して、他の化学物質の性状を類推することを特徴とする請求項12又は13に記載の化学物質情報利用方法。
  • 前記データ類推手段において、第1の化学物質に関する情報の中から該化学物質の構造を特定する情報を抽出するステップと、予め記憶された抽出基準データを参照して、データベースの中から前記構造特定情報で特定される構造と同一の部分構造を少なくとも備える化学物質群を抽出するステップと、前記化学物質群から類推対象となる第2の化学物質を選択するステップと、予め記憶された類推基準データを参照して、前記第2の化学物質の性状から前記第1の化学物質の性状を類推するステップとを行うことを特徴とする請求項14記載の化学物質情報利用方法。
  • 前記構造特定情報は、化学物質の母核構造、官能基、含有元素、酸/アルカリの種別、アルキル基の長さ、イオン性のいずれかを含むことを特徴とする請求項15記載の化学物質利用方法。
  • 請求項12乃至16のいずれか一に記載の化学物質利用方法を用いたサービスであって、
    前記サーバをアプリケーションサービスプロバイダーとして機能させ、
    インターネット接続機能を備え、予めブラウザがインストールされた端末を用いて前記化学物質管理システムを利用可能とすることを特徴とする化学物質情報利用サービス。
  • コンピュータを、
    第1の化学物質に関する情報の中から該化学物質の構造を特定する情報を抽出する手段、
    予め記憶された抽出基準データを参照して、データベースの中から前記構造特定情報で特定される構造と同一の部分構造を少なくとも備える化学物質群を抽出し、前記化学物質群の中から類推対象となる第2の化学物質を選択する手段、
    予め記憶された類推基準データを参照して、前記第2の化学物質の性状から前記第1の化学物質の性状を類推する手段として機能させることを特徴とするデータ類推プログラム。
  • 前記構造特定情報は、化学物質の母核構造、官能基、炭素数、含有元素、酸/アルカリの種別、アルキル基の長さ、イオン性のいずれかを含むことを特徴とする請求項18記載のデータ類推プログラム。
  • コンピュータを、
    有機物である第1の化学物質に対して、
    前記第1の化学物質の母核構造及び官能基を抽出する手段、
    データベースの中から、前記母核構造を少なくとも備える第1の化学物質群を抽出する手段、
    第1の化学物質群の中から、前記官能基を少なくとも備える第2の化学物質群を抽出する手段、
    前記第2の化学物質群の中から、有害性のある第3の化学物質群を抽出する手段、
    前記第3の化学物質群の中から、予め記憶された抽出基準データを参照して類推対象となる第2の化学物質を選択する手段、
    予め記憶された類推基準データを参照して、前記第2の化学物質の性状から前記第1の化学物質の性状を類推する手段、
    として機能させることを特徴とするデータ類推プログラム。
  • コンピュータを、
    無機物である第1の化学物質に対して、
    前記第1の化学物質の構成元素を抽出する手段、
    データベースの中から、前記構成元素を少なくとも備える第1の化学物質群を抽出する手段、
    前記第1の化学物質群の中から、有害性のある第2の化学物質群を抽出する手段、
    前記第2の化学物質群の中から、予め記憶された抽出基準データを参照して類推対象となる第2の化学物質を選択する手段、
    予め記憶された類推基準データを参照して、前記第2の化学物質の性状から前記第1の化学物質の性状を類推する手段、
    として機能させることを特徴とするデータ類推プログラム。
  • コンピュータを、
    混合物である第1の製品に対して、
    前記第1の製品の成分を抽出する手段、
    データベースの中から、前記成分の構成が略等しい第1の製品群を抽出する手段、
    前記第1の製品群の中から、有害性のある第2の製品群を抽出する手段、
    前記第2の製品群の中から、予め記憶された抽出基準データを参照して類推対象となる第2の製品を選択する手段、
    予め記憶された類推基準データを参照して、前記第2の製品の性状から前記第1の製品の性状を類推する手段、
    として機能させることを特徴とするデータ類推プログラム。
  • 前記抽出基準データとは、化学物質の母核構造、官能基、酸/アルカリの種別、アルキル基の長さ、イオン性、成分の構成及び含有率、危険有害性因子の有無及び含有率の少なくとも一を用いて、前記第1の化学物質又は前記第1の製品に類似する化学物質又は製品を抽出するための条件を定めたデータであることを特徴とする請求項18乃至22のいずれか一に記載のデータ類推プログラム。
  • 前記類推基準データとは、化学物質の有害性、炭素数、酸/アルカリの種別、アルキル基の長さ、イオン性、成分の構成及び含有率、危険有害性因子の有無及び含有率の少なくとも一を用いて、前記第1の化学物質又は前記第1の製品と前記第2の化学物質又は前記第2の製品との性状の同一性を判定するための条件を定めたデータであることを特徴とする請求項18乃至22のいずれか一に記載のデータ類推プログラム。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、化学物質データベース及び該データベースを備えた化学物質管理システム、化学物質情報利用方法並びにデータ類推プログラムに関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    現在、国内で工業的に生産されている化学物質は約10万種類におよび、その中には環境負荷の大きい数100種類の化学物質が含まれている。 それらの化学物質の製造、使用、運搬等に従事する事業者は、該化学物質の取り扱いに関して環境関連の規定等を遵守して化学物質を厳格に管理することが求められている。
    【0003】
    化学物質を厳格に管理するためには事業者の各従業員が該化学物質の性状を把握する必要があり、そのためには化学物質に関する情報を蓄積したデータベースが必須である。 しかしながら、化学物質データベースの構築には時間と労力を要し、また化学物質に関する専門知識を必要とするために各事業者が独自にデータベースを構築することは容易ではなく、また効率的ではない。 そこで、データベース会社が独自に収集した各種データベースを事業者に提供するシステムが提案されている。
    【0004】
    また、原料や中間製品に含まれる化学物質については製品安全データシート(MSDS:Material Safety Data Sheet)の作成が義務付けられているが、このMSDSには化学物質の名称、CAS(Chemical Abstract Services)番号、構造、融点、沸点、引火点、比重等の物性値、危険性、毒性等の性状、取り扱い、貯蔵、廃棄上の注意事項、応急措置方法、適用法規等記載すべき項目が多く、MSDSの作成には手間を要する。 そこで、特開2002−73631号公報には、化学物質購入元業者などから提供された電子媒体に格納されたMSDSテキストデータから化学物質取扱情報や化学物質排出量集計に必要な情報のデータベース構築を簡単に行うことができる化学物質管理方法及び装置が開示されている。
    【0005】
    また、環境関連の規定として、PRPT制度(Pollutant Release and Transfer Register:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)が施行され、2001年4月から実行されており、各事業者は事業所等で使用、販売している化学物質のうち、国が指定した有害化学物質を一定量以上取り扱っている場合には、化学物質の管理状況を記載した報告書や届出書等の書類を作成し、自治体等に提出しなければならないことが定められている。 従来、この種の書類は、各事業所の専任者が環境関連の法令を参照しながら作成していた。
    【0006】
    しかしながら、この種の書類の作成に際して参照すべき法令の種類が多く、また、法令の改正や法規制の細分化に伴い書類作成の負担が大きくなっていることから、法規制により自治体等に提出義務が課せられている書類の作成を支援するためのシステムも提案されている。 例えば、特開2001−273383号公報には、法規制により書類の提出義務が定められている対象物の管理状況を管理データとして登録した管理データベースと、法規制を登録した法規制データベースと、管理データベースに登録された管理データに関連する法規制を法規制データベースより検索する法規制検索手段と、法規制検索手段による検索結果に基づいて書類の作成支援を行う書類作成支援手段とを備えた環境関連書類作成支援システムが開示されている。
    【0007】
    また、同様のシステムとして、特開2002−92092号公報には、材料或いは製品の成分組成情報をデータベース化した材料組成データベースと、法規により管理が必要とされる化学物質をリスト化した管理物質データベースとを少なくとも備え、製造工程で投入される材料或いは製品について材料組成データベースにより材料或いは製品を構成する化学物質を特定し、該特定した化学物質を管理物質データベースにより法規により管理を必要とする化学物質かどうかを特定して材料或いは製品を構成する化学物質を管理する化学物質総合管理システムに、特定された化学物質がその法規に基づいて管理が必要であるかを検索する機能を設けた化学物質管理システムが開示されている。
    【0008】
    【特許文献1】
    特開2001−273383号公報(第3−5頁、第1図)
    【特許文献2】
    特開2002−92092号公報(第3−6頁、第1図)
    【特許文献3】
    特開2002−73631号公報(第6−12頁、第1図)
    【0009】
    【発明が解決しようとする課題】
    このように化学物質の管理及び利用を容易にするために、データベースを提供するシステムやデータベースを利用して各種書類の作成を支援するシステム等が提案されているが、従来のシステムには以下に示す問題がある。
    【0010】
    まず、第1の問題は、これらのシステムを事業者の各従業員が常時利用するには、事業者毎に上記データベースや上記システムを運用するためのネットワークやシステムを構築しなければならず、簡単にシステムを導入することができないということである。 また、事業者毎にシステムを導入した場合には、データベースの更新作業やシステムの管理を行わなければならず、その維持にも多大な労力を必要とするという問題もある。
    【0011】
    また、第2の問題は、上記データベースは各種事業を行っている事業者全般が利用できるように汎用的に構成されているために、必ずしも各々の事業者に適した構成とはなっていないということである。 例えば、化学物質には単体として取り扱われるものもあれば、化学反応によって製造された化合物もあれば、複数の化学物質を混合した混合物もあり、特に混合物を取り扱う事業者にとっては混合物としての性状を把握することが求められるが、従来のデータベースは成分比率や不純物等の差異による性状の変化等の混合物特有の問題に対して有効な情報を提供することができない。
    【0012】
    また、第3の問題は、従来のデータベースは既存の化学物質に関する情報を提供することを目的として作成されているため、化学物質の名称や各種キーワードを用いて該当する化学物質を検索することはできるが、新しい化学物質や混合物、製品に対して有効な情報を提供することはできず、新しい化学物質や混合物、製品を随時製造する事業者にとって有効なデータベースとはなっていないということである。
    【0013】
    また、第4の問題は、化学物質は化学物質を取り扱う従業員の安全衛生の観点や、新しい化学物質の開発や化学物質を使用した場合のリスクの観点等、総合的に利用、管理されるべきであるが、上述したMSDS作成支援システムや法規に基づく書類の作成を支援するシステムは化学物質を特定の目的で利用する場合に特化したシステムであり、多岐に渡る包括的なサービスを提供するシステムがないため、化学物質のデータベースが有効に利用されていないということである。
    【0014】
    本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、自社内に専用のネットワークやシステムを構築することなく、化学物質データベースや該データベースを用いた各種支援システムを包括的に利用することができ、かつ、新しい化学物質や混合物に対しても有効な情報を提供することができる化学物質データベース及び該データベースを備えた化学物質管理システム、化学物質情報利用方法並びにデータ類推プログラムを提供することにある。
    【0015】
    【問題を解決するための手段】
    上記目的を達成するため、本発明の化学物質データベースは、複数の化学物質に関する情報を記憶したデータベースであって、前記データベースは、化学物質毎に情報を分類した第1のデータベースと、複数の化学物質を含む製品毎に情報を分類した第2のデータベースと、前記化学物質又は前記製品の性状を確認するためのテストに関する情報を記録した第3のデータベースとを含むものである。
    【0016】
    本発明においては、前記データベースには、各々の前記化学物質の構造を特定する情報を含み、前記構造特定情報は、他の化学物質の性状を類推する際の検索条件として利用される構成とすることができる。
    【0017】
    また、本発明においては、前記データベースでは、成分の構成が同一であって成分の比率又は不純物の含有量が異なる混合物の各々に対して異なる識別番号が付与され、各々の前記混合物は異なる化学物質として管理される構成、又は、成分の構成が同一であって製造ロットが異なる混合物の各々に対して異なる識別番号が付与され、各々の前記混合物は異なる化学物質として管理される構成とすることができる。
    【0018】
    また、本発明においては、前記データベースに、複数の化学物質で構成される混合物又は製品に含有される不純物に関する情報を含む構成とすることもできる。
    【0019】
    本発明の化学物質管理システムは、データベースと、該データベースを利用してサービスを提供するための複数のシステムとがセットとしてインターネット上で利用可能に提供されるものであり、前記複数のシステムに、化学物質のリスクを金額に換算する機能を備える経済性評価システムを含むことが好ましい。
    【0020】
    また、本発明の化学物質管理システムは、少なくとも、複数の化学物質に関する情報を記憶したデータベースと、前記データベースを利用して化学物質に関する書類の作成を支援するシステムと、前記データベースを利用して化学物質の環境負荷に関する評価を行うシステムと、前記データベースを利用して化学物質のリスクを金額に換算する機能を備える経済性評価システムとがセットとしてインターネット上で利用可能に提供されるものである。
    【0021】
    本発明においては、前記化学物質管理システムに、予め記憶された基準データに基づいて、前記データベースに記憶された化学物質に関する情報を参照して、他の化学物質の性状を類推するデータ類推手段を構成とすることができ、前記データ類推手段は、第1の化学物質に関する情報の中から該化学物質の構造を特定する情報を抽出する手段と、予め記憶された抽出基準データを参照して、データベースの中から前記構造特定情報で特定される構造と同一の部分構造を少なくとも備える化学物質群を抽出し、該化学物質群の中から類推対象となる第2の化学物質を選択する手段と、予め記憶された類推基準データを参照して、前記第2の化学物質の性状から前記第1の化学物質の性状を類推する手段とを含むことが好ましい。
    【0022】
    本発明の化学物質情報利用方法は、上記データベースと、該データベースを利用してサービスを提供するための複数のシステムとを含む化学物質管理システムをセットとしてインターネット上で利用可能に提供するものである。
    【0023】
    また、本発明の化学物質情報利用方法は、少なくとも、複数の化学物質に関する情報を記憶したデータベースと、前記データベースを利用して化学物質に関する書類の作成を支援するシステムと、前記データベースを利用して化学物質の環境負荷に関する評価を行うシステムと、前記データベースを利用して化学物質のリスクを金額に換算する機能を備える経済性評価システムとを含む化学物質管理システムをセットとしてインターネット上で利用可能に提供するものである。
    【0024】
    また、本発明の化学物質情報利用サービスは、上記化学物質利用方法を用いたサービスであって、前記サーバをアプリケーションサービスプロバイダーとして機能させ、インターネット接続機能を備え、予めブラウザがインストールされた端末を用いて前記化学物質管理システムを利用可能とするものである。
    【0025】
    また、本発明のデータ類推プログラムは、コンピュータを、第1の化学物質に関する情報の中から該化学物質の構造を特定する情報を抽出する手段、予め記憶された抽出基準データを参照して、データベースの中から前記構造特定情報で特定される構造と同一の部分構造を少なくとも備える化学物質群を抽出し、前記化学物質群の中から類推対象となる第2の化学物質を選択する手段、予め記憶された類推基準データを参照して、前記第2の化学物質の性状から前記第1の化学物質の性状を類推する手段として機能させるものである。
    【0026】
    また、本発明のデータ類推プログラムは、コンピュータを、有機物である第1の化学物質に対して、前記第1の化学物質の母核構造及び官能基を抽出する手段、データベースの中から、前記母核構造を少なくとも備える第1の化学物質群を抽出する手段、第1の化学物質群の中から、前記官能基を少なくとも備える第2の化学物質群を抽出する手段、前記第2の化学物質群の中から、有害性のある第3の化学物質群を抽出する手段、前記第3の化学物質群の中から、予め記憶された抽出基準データを参照して類推対象となる第2の化学物質を選択する手段、予め記憶された類推基準データを参照して、前記第2の化学物質の性状から前記第1の化学物質の性状を類推する手段、として機能させるものである。
    【0027】
    また、本発明のデータ類推プログラムは、コンピュータを、無機物である第1の化学物質に対して、前記第1の化学物質の構成元素を抽出する手段、データベースの中から、前記構成元素を少なくとも備える第1の化学物質群を抽出する手段、前記第1の化学物質群の中から、有害性のある第2の化学物質群を抽出する手段、前記第2の化学物質群の中から、予め記憶された抽出基準データを参照して類推対象となる第2の化学物質を選択する手段、予め記憶された類推基準データを参照して、前記第2の化学物質の性状から前記第1の化学物質の性状を類推する手段、として機能させるものである。
    【0028】
    また、本発明のデータ類推プログラムは、コンピュータを、混合物である第1の製品に対して、前記第1の製品の成分を抽出する手段、データベースの中から、前記成分の構成が略等しい第1の製品群を抽出する手段、前記第1の製品群の中から、有害性のある第2の製品群を抽出する手段、前記第2の製品群の中から、予め記憶された抽出基準データを参照して類推対象となる第2の製品を選択する手段、予め記憶された類推基準データを参照して、前記第2の製品の性状から前記第1の製品の性状を類推する手段、として機能させるものである。
    【0029】
    このように本発明は、化学物質単体のみならず複数の化学物質を含む混合物や製品に対しても有効に利用できるように構成された複数種のデータベースと、該データベースを包括的に活用することができる各種システムとを統合した化学物質管理システムをサービス提供者のサーバに記憶又はインストールし、アプリケーションサービスプロバイダー(ASP:Application Service Provider)としてインターネット上で利用可能とすることにより、事業者は化学物質管理システムを使用するための専用のネットワークやシステムを自社内に構築する必要がなく、化学物質に関連する様々なサービスの提供を受けることができる。 また、化学物質管理システムに、データベースを用いて他の化学物質や混合物、製品の性状等を類推する機能を備えているため、既存の化学物質に関する情報を検索できるのは勿論のこと、新規化学物質や混合物、製品に対しても簡単かつ迅速に有効な情報を入手することができる。
    【0030】
    【発明の実施の形態】
    従来技術で示したように、化学物質の管理に際して、膨大な量の化学物質に関する情報を有効に利用できるように、化学物質データベースを提供したり、MSDSの作成や法規制により提出が義務付けられた書類の作成を支援する各種支援システムを提供するサービスが提案されているが、このようなサービスの提供を受けるためには事業者が自社内にネットワークやシステムを構築する必要があり、日々更新される情報の管理やシステムの管理も事業者側で行わなければならず、簡単に利用できるものではなかった。 更に、該データベースを利用した各種支援システムも特定の用途に特化したものであり、化学物質に関する情報を包括的に利用できるものではなかった。
    【0031】
    また、従来のデータベースは既成の化学物質に関する情報を利用するためのものであり、新たな化学物質や混合物、製品等を利用する際に必要となる有効な情報を提供できるものではなかった。 特に、写真感材を製造する事業者では、複数の化学物質を所定の成分比率で混合して新たな製品を製造する場合が多く、成分の比率や製品に微量に含有される不純物の量によって製品の性状が大きく異なってしまうため、成分が同じでその比率がわずかに異なる製品や製造ロットの異なる製品に対してその都度新たに性状を調査してデータベースを作成しなければならず、データベースを有効に利用することができなかった。
    【0032】
    そこで本発明では、まず第1に、化学物質データベースを単に多数の化学物質の情報を記録するのではなく、化学物質毎に分類したデータベースと、製品毎に分類したデータベースと、化学物質の性状を確認するためのテスト結果を記憶するデータベース等の複数のデータベースで構成して複数の化学物質を含む製品に対しても有効に利用できるようにすると共に、特に写真感材の分野で利用される化学物質は主成分のみならず微量に混入している不純物の量によってその性状が著しく変化するという特質に鑑みて化学物質データベースを独自の項目で構成して利用しやすいデータベースを構築し、第2に、化学物質データベースと該データベースを利用する各種支援システム(MSDS作成システム、危険物輸送判定システム、製品アセスメントシステム、化成品リスクの経済性評価システム等)とを統合した化学物質管理システムをサービス提供者のサーバに記憶又はインストールし、インターネット上で利用可能とすることにより、事業者側でネットワークやシステムを新たに構築することなく化学物質に関する包括的なサービスの利用を可能とし、第3に、予め定めた基準及び手法に従って新規化学物質や混合物、製品の性状を類推する機能を化学物質管理システムに設けて既存の化学物質の検索のみならず新規化学物質や混合物、製品に対して迅速かつ簡単に情報を提供できるようにしている。 以下、図面を参照して説明する。
    【0033】
    【実施例】
    上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る化学物質データベース及び該データベースを備えた化学物質管理システム、化学物質情報利用方法について、図1乃至図5を参照して説明する。 図1は、本実施例の化学物質管理システムの一利用形態を模式的に示す図であり、図2は、化学物質管理システムの構成例を示すブロック図である。 又、図3は、化学物質データベースの構成例を示す図であり、図4及び図5は、化学物質管理システムを用いた安全性試験業務の流れを示すフローチャート図である。
    【0034】
    図1に示すように、本実施例の化学物質管理システム1の一利用形態として、化学物質データベースと該データベースを利用する各種支援システムとを統合した化学物質管理システム1を記憶又はインストールし、ASPとして利用可能に提供する管理サーバ2と、化学物質データベースの元となる化学物質に関する情報を提供し随時情報を更新するデータベース会社3と、化学物質管理システムを会社内で利用する1以上の事業者4(ここでは、事業者A〜C)とがインターネット等の通信ネットワーク5を介して接続されている。 なお、通信ネットワーク5は、有線でデータの通信を行う場合に限らず、無線、赤外線等を利用してデータの通信を行うものであってもよく、管理サーバ2は本実施例の化学物質管理システム1のみを実行するサーバとしても良いし、他のサービスを提供するサーバと兼用する構成としてもよい。
    【0035】
    このようにASPとして化学物質管理システム1を提供することにより、化学物質管理システム1を導入するにあたって、事業者4は自社内に専用のシステムやネットワークを構成する必要がなくなり、インターネットに接続する環境を備え、ブラウザが予めインストールされた端末があれば化学物質管理システム1を利用することができ、事業者4の負荷を軽減することができる。
    【0036】
    また、図2に示すように、管理サーバ2に記憶される化学物質管理システム1は、化学物質毎の性状等の情報(性状とは一般的に物質の性質及び状態を意味するが、本明細書では、これらに加えて化学物質の各種名称、危険性、有害性、関連する法令等の化学物質に関する情報を総称するものとする。)が記録された化学物質データベース6と、該データベースを利用して各種支援を行うシステム(例えば、MSDS及びラベルの作成支援を行うMSDS作成システム10、危険物の輸送方法、輸送容器、法規性情報等の輸送に関する書類の作成を支援する危険物輸送判定システム11、化学物質の環境に対する適性を判断し、環境適性評価結果を出力する製品アセスメントシステム12、化成品のリスクを金額に換算し経済性を評価する化成品リスクの経済性評価システム13、化学物質の在庫を管理する在庫管理システム14等)とを備えている。 このようにデータベースと該データベースを利用する各種システムとをセットとして事業者4に提供することにより、事業者4は本実施例の化学物質管理システム1のみを利用すればよく、複数のサービス提供会社のシステムを導入した場合のようにシステムの整合を図る必要もなく、データベースと各種システムとを連携させて利用することができ便利である。
    【0037】
    また、本実施例のデータベースには、化学物質毎の情報が記録された化学物質データベース6の他に、化学物質を利用した製品毎の情報が記録された製品組成データベース7と、各化学物質や各製品の安全性等を確認するために行う各種テストの結果が記録されたテスト結果データベース8とを含んでいる。 なお、データベースとして製品組成データベース7を設けるのは、特に写真感材等の複数の化学物質を混合した製品を製造する場合に、製品を構成する成分の比率や製品に微量に含まれる不純物等の影響により基本成分が同じであっても製造ロット毎にその特性が変化するという特質を考慮して製品の管理を容易にするためである。 また、テスト結果データベース8を設けるのは、製造ロット毎にその性状が変化する場合があることから、テスト結果を格納し、複数のテスト結果を総合的に勘案してその性状を特定することが好ましいと考えられるからである。 データベースをこのような分類方法の異なる複数のデータベースで構成することにより、各種事業を行う事業者4に対して使い勝手のよいカスタマイズされたデータベースを提供することができる。
    【0038】
    なお、化学物質データベース6、製品組成データベース7及びテスト結果データベース8は各事業者4が利用できるようにしてもよく、ID、パスワード等により特定の事業者4のみが利用できるようにしてもよく、また、製品組成データベース7やテスト結果データベース8は事業者4毎に特有な情報が記録されている場合があることから、これらのみを特定の事業者4のみが利用できるようにしてもよい。 また、各データベースは事業者4の各従業員が自由に利用できるようにしてもよく、従業員毎にアクセスできるデータベースを設定する構成としてもよい。
    【0039】
    また、化学物質の中には、単体で製造、使用される金属等の化学物質もあれば、複数の化学物質の化学反応により製造される化合物もあれば、複数の化学物質を混合した混合物もあり、事業者4毎に製造、使用する化学物質の種類は異なる。 そこで、化学物質データベース6には各種事業者4が必要とする情報を網羅するように構成し、事業者4毎に使用する化学物質のみ(例えば、金属材料メーカの場合は金属材料のみ)を記録した事業者データベース9を別途構築できる構成とすることもできる。
    【0040】
    また、化学物質データベース6を利用した各種支援システム10〜14は例示であり、化学物質管理システム1内に上記システムの全てを含む必要はなく、また、上記以外の化学物質データベース6を利用可能なシステムを含んでもよい。 その場合において、本実施例の化学物質管理システム1は化学物質に関連する包括的なサービスを提供することを目的としていることから、少なくとも各種書類の作成を支援するシステムと化学物質を環境負荷の観点から評価するシステムと化学物質を経済性の観点から評価するシステムとを含むことが好ましい。 また、本実施例においては、各事業者4は化学物質管理システム7に含まれるシステム全てを利用する必要はなく、各事業者4が必要とする任意のシステムのみを利用することができる。
    【0041】
    上記化学物質データベース6は、単に化学物質の性状を記録するのみならず、混合物に関しても有効な情報が提供できるように、図3に示すように、独自の情報が記録されたテーブルを備えて構成されている。 以下にその具体例を示す。
    【0042】
    1. 構造式テーブル6a:化学物質を推定するために利用される構造式(母核構造(官能基を含まない基本となる部分(例えば、ベンゼン環)の構造や母核構造に付加される官能基)、該構造式を特定するための付与された番号、化学式、分子量等の化学物質の構造に関する情報が記録されたテーブル、
    2. 分解、濃縮性テーブル6b:化学物質に付与されたID(識別)番号、分解性、濃縮性等の環境負荷に関連する情報が記録されたテーブル、
    3. 危険性テーブル6c:化学物質のID番号、引火性、発火性、爆発性、可燃性等の危険性に関する情報が記録されたテーブル、
    4. 有害性テーブル6d:ID番号、急性毒性、刺激性、感作性、変異原生、慢性毒性等の毒性に関する情報が記録されたテーブル、
    5. 同義語テーブル6e:化学物質のID番号、構造式テーブルで付与された構造式番号、該化学物質を使用する事業者が使用する社内略号、実用化番号、商品名、CAS(Chemical Abstract Services)番号等が関連付けて記録されたテーブル、
    6,法規制テーブル6f:化学物質のID番号、労働安全衛生法、化審法(化学物質の審査及び製造等の既成に関する法律)、毒劇物取締法、消防法等の法規制に関連する情報が記録されたテーブル、
    7. 届出テーブル6g:ID番号、労働安全衛生法、化審法、TSCA(米国法)、EINECS(EU法)等に対する届出に関連する情報が記録されたテーブル、
    8. 環境適性テーブル6h:ID番号、環境適性評価、ポイント計算等の環境適性を判断するための情報が記録されたテーブル、
    9. 物化性テーブル6i:ID番号、沸点、融点、溶解性、臭気、溶解度等の物理的、化学的性質に関する情報が記録されたテーブル、
    10. 不純物テーブル:混合物や製品に含有する不純物の名称、含有量等、不純物に関する情報が記録されたテーブル。
    【0043】
    なお、図に示す化学物質データベース6に記録されるテーブルは例示であり、その全てを含む必要はなく、また、上記以外の項目を追加してもよく、各テーブルの分類方法、各テーブルに記録される項目も任意に設定することができるが、少なくとも化学物質の性状に関する情報の他に、化学物質の構造を特定する情報を含むことが好ましく、更に混入している不純物に関する情報を含むことが好ましい。
    【0044】
    上記構成の化学物質データベース6、製品組成データベース7及びテスト結果データベース8の利用方法について、製品に使用する化学物質の安全性試験業務を例にして、図4及び図5のフローチャート図を参照して説明する。
    【0045】
    まず、ステップS101で、化学物質管理システム1を使用する従業員等(以下、使用者と呼ぶ。)は製品の企画段階で製品に使用する化学物質の決定を行った後、使用者の端末に予めインストールされたブラウザを用いてインターネットを介して管理サーバ2にアクセスする。 管理サーバ2は、必要に応じて所定のID、パスワードの入力を求めて使用者の認証を行った後、端末の表示手段上に化学物質管理システム1の画面を表示する。 なお、化学物質管理システム1で通信されるデータは秘匿性の高いデータである場合が多いことからデータは所定の暗号化処理を施して通信されることが好ましく、ファイアウォール等により外部からの不正なアクセスを防止することが好ましい。
    【0046】
    次に、ステップS102で、使用者は表示手段に表示される画面に従って化学物質データベース6を用いて製品に使用する化学物質の検索を行う。 なお、端末の表示手段上に表示される画面の構成、検索方法等は特に限定されず、使用者が端末の操作手段を用いて化学物質の商品名やCAS番号等の化学物質を特定可能な情報を直接入力してもよく、画面上に表示される化学物質のリストの中から選択する構成としてもよい。
    【0047】
    次に、ステップS103で、化学物質管理システム1は、使用者が指定した化学物質が化学物質データベース6に登録されているかを判断する。 その際、化学物質データベース6中の同義語テーブル6eを参照して、使用者が指定した名称と同義語テーブル6eに記録されているいずれかの名称と一致する化学物質があるかを判断し、一致する化学物質がある場合は、ステップS105で化学物質データベース6又はテスト結果データベース8から安全性試験の履歴を調査し、履歴がある場合にはテスト履歴を読み出す。
    【0048】
    一方、ステップS103で化学物質データベース6中に対応する化学物質が存在しない場合は新規化学物質と判断し、ステップS104で化学物質の性状(構造式、危険性、有害性、環境適性、法規制、物化性等)の入力を行い、化学物質データベース6への新規登録を行う。 なお、第2の実施例で詳述するが、本実施例の化学物質管理システム1では、化学物質データベース6の構造式テーブル6aに化学物質の構造に関する情報が記録されているため、この構造に関する情報を参照して各項目の情報が自動的に入力される構成とすることもできる。
    【0049】
    次に、ステップS106で、化学物質データベース6の情報を参照して製品毎の使用化学物質の登録とテスト項目の設定を行い、製品組成データベース7に製品組成の登録を行う。 ここで、従来の化学物質データベースの場合は、化学物質毎の情報はデータベースとして登録されているが、実際の管理においては、該化学物質がどのような製品にどのような形態で使用されているかが重要であり、製品に複数の化学物質が使用されている場合に単に化学物質毎にデータベースを構築しても製品自体の安全性等の評価を行うことができない。 そこで、本実施例では、化学物質データベース6の他に製品組成データベース7を設け、製品と化学物質の関係を管理すると共に、化学物質の合成工程における最終物と中間体の関連も管理し、製品組成の一覧で参照できる情報の中に化学物質同士の関連が確認できるようにしている。
    【0050】
    次に、ステップS107で製品情報を化学物質データベース6に登録し、化学物質データベース6からも製品情報が検索できるようにする。 その後、ステップS108でテスト項目で定めた試験依頼票の受付を行う。
    【0051】
    次に、ステップS109で、テストの開始処理を行う。 具体的には、製品組成データベース7からテスト項目を読み出して、テスト結果データベース8に対してテスト単位にテストの開始を通達し、テスト結果データベース8へのレコードを追加する。
    【0052】
    次に、ステップS110でテスト項目に関連する文献調査を行い、ステップS111で文献が存在する場合にはステップS112で該文献の調査結果をテスト結果としてテスト結果データベース8に登録する。 また、ステップS111で文献が存在しない場合は、予め定められた手法に従ってテストを実施し、その結果をテスト結果データベース8に登録する。 そして、ステップS114でテスト結果の判定を行い、テスト結果が信頼できない場合はステップS113に戻って再びテストを実施する。
    【0053】
    次に、ステップS114でテスト結果が信頼できる場合及びステップS112で文献の調査結果をテスト結果として登録した後、ステップS115でテスト結果データベース8に記録されたデータを基に最終報告書を作成し、ステップS116でテストの終了日付けを入力してテストの最終処理を行う。
    【0054】
    ここで、ステップS109のテスト開始からS116の最終報告書作成までのテストに関する情報は通常記録されることないが、複数の化学物質を混合した製品の場合には成分比率の違いや含有される不純物の量等によってテストの結果に違いが生じる場合があり、また、このような情報が製品の性状の特定や後に行うテストに際して重要な情報となることが多い。 そこで、本実施例では化学物質データベース6とは別にテスト結果データベース8を設け、テストに関する情報を蓄積してテスト結果の信頼性を高めると共に有益な情報を提供することを可能としている。
    【0055】
    その後、ステップS117で、今回のテスト結果と以前に行ったテスト結果とを比較し、今回のテスト結果をチャンピオンデータとして登録するかを判定し、登録する場合にはステップS118で化学物質データベース6に該チャンピオンデータを登録し、登録しない場合は、ステップS119で化学物質データベース6にコメントを追加する。
    【0056】
    そして、ステップS120で、試験結果完了情報を化学物質データベース6に登録して一連の作業を終了する。 なお、上記一連のテストに関して、化学物質管理システム1で、製品組成データベース7やテスト結果データベース8を参照してテストの進捗状況や報告書を定期的に出力する構成としてもよく、進捗を把握することにより製品企画を計画的に行うことができ好ましい。
    【0057】
    このように、構造式に関する情報や不純物に関する情報等の独自の情報が記録された化学物質データベース6と、製品毎に分類された製品組成データベース7と、性状を確認するためのテストに関する情報を蓄えるテスト結果データベース8と、これらのデータベースを利用して各種書類の作成や評価を支援するシステムとを備える化学物質管理システム1を、サービス提供者の管理サーバ2に記憶又はインストールしてインターネット上で利用可能とすることにより、各事業者4の自社内に専用のシステムやネットワークが構築されていない場合であっても従業員等は各自の端末を用いて化学物質管理システム1を利用することができる。 特に、複数の化学物質の混合物で製品を製造する事業者4にとっては製品組成データベース7によってデータの検索が容易となり、また、テスト結果データベース8によって安全性等の試験結果の信頼性を高め、混合物に関する有益な情報を得ることができる。 更に、化学物質管理システム1の支援システムとして化学物質のリスクを金額に換算する経済性評価を可能とするシステムを含めることにより、化学物質に関する情報を単なる書類の作成にとどまらず製品の企画等にも利用することができ、化学物質管理システム1の利用価値を高めることができる。
    【0058】
    なお、上記リスクの経済性評価システムとして、本願出願人の先願(特願2001−145207号)に記載されたシステムが好適である。 上記先願によれば、社会における企業等の経済活動により生じる環境の負荷に対してのコストを金額に算定し、定量的に求める仕組みを整備するために、事前に環境への影響の可能性を予測し、この影響が発生した場合のリスクの費用を予め算定し、環境会計へこれを含めて事前に費用算定し、これを元に種々の施策や投資判断への利用などを可能にする環境会計の環境リスクの算定コンピュータプログラム、環境会計の環境維持費用の管理システム及び管理方法が開示されている。
    【0059】
    具体的には、先願記載の方法は、環境会計の環境維持費用の一つである環境リスク費用を算定する方法であって、1)算定しようとする「生活圏へ影響を与える因子」の該生活圏の人への「被爆量」を算定する工程、2)上記「被爆量」から「疾病確率」を算定する工程、3)上記「疾病確率」と該生活圏の人口分布から「疾病人口」を算定する工程、4)疾病被害者の「被害金額」を「疾病人口」に積算して「生活圏へ影響を与える因子」の「環境リスク」費用を算定する工程とを有することを特徴とするものであり、従前ではできなかった環境リスクの算定がそのリスク発生前にでき、環境会計へこれを含めて事前に費用算定できることから、例えば、企業などの「経済活動体」は、ある事業投資を行う際に事前にその環境会計面からのリスクを見ることができ、投資の判断材料とすることができる。 また、現状事業における環境会計面では、事前に環境への影響の可能性を規模を含めて予測ができ、従って、「経済活動体」はこれを元にリスク発生を計画的に防止することが可能となり、「経済活動体」の活動自体が事前に環境に対して対応でき、結果として「経済活動体」のトータルコストの低減と社会的環境保護が同時に達成できるという効果が得られる。
    【0060】
    [実施例2]
    次に、本発明の第2の実施例に係る化学物質データベース及び該データベースを備えた化学物質管理システム、化学物質情報利用方法並びにデータ類推プログラムについて、図6乃至図9を参照して説明する。 図6は、化学物質管理システムの構成を示すブロック図であり、図7は、化学物質管理システムに含まれるデータ類推手段の構成を示すブロック図である。 また、図8及び図9は、データの類推手順を示すフローチャート図であり、図8は素材(単体の化学物質)、図9は製品(複数の化学物質の混合物)の場合を示している。 なお、本実施例は、第1の実施例で示した化学物質管理システムを用いて新規化学物質や混合物、製品の性状を類推する方法について説明するものである。
    【0061】
    すなわち、第1の実施例で示した化学物質管理システム1では、データベースとして化学物質毎の情報が記録された化学物質データベース6と、製品毎の情報が記録された製品組成データベース7と、新規化学物質や混合物、製品の性状を特定するための試験に関する情報が記録されたテスト結果データベース8とを備えることによって、特に複数の化学物質の混合物を利用する事業者4の利便性を向上させているが、例えば、写真感材の製造を行う事業者4の場合は、製品の基本となる成分は同じで成分比率を若干変化させることによって新規製品が製造される場合が多い。 また、混合物の場合は製造段階において意図せずに混入される不純物の含有量によってもその性状が著しく変化する場合がある。
    【0062】
    そのような場合に、新規製品を製造するたびに該製品に対する性状等を逐一調査したりテストを実施するのでは事業者の負担が大きくなる。 そこで、図6に示すように本実施例の化学物質管理システム1には、第1の実施例の構成(データベース6〜9及び各種支援システム10〜14)に加えて、データ類推手段15を設け、化学物質データベース6に記録された情報を参照して新規化学物質や混合物、製品の性状を類推できるようにしている。
    【0063】
    具体的には、データ類推手段15は、図7に示すように、性状を類推する化学物質や混合物、製品の構造上の特徴を抽出する特徴抽出手段15aと、抽出基準データを参照して、予め定められた手順に従って化学物質データベース6の中から該特徴を備えた化学物質群を抽出する類似化学物質抽出手段15bと、該抽出基準データを記憶する抽出基準データ読み取り手段15cと、類推基準データを参照して、予め定められた手順に従って抽出された類似化学物質の性状から化学物質の性状を類推する類推手段15dと、該類推基準データを記憶する類似基準データ読み取り手段15eとを備え、新規化学物質や混合物、製品に対してもデータベースを有効に利用できるようにしている。
    【0064】
    なお、ここでは抽出基準データ及び判定基準データをデータ類推手段15中に記憶する構成としているが、これらの基準データを化学物質データベース6に記録し、適宜化学物質データベース6から読み取る構成としてもよい。 また、上記各手段はハードウェアとして構成されていてもよく、コンピュータを上記各手段として機能させるデータ類推プログラムとして管理サーバ2にインストールされていてもよい。
    【0065】
    上記構成のデータ類推手段15を用いて、素材(単体の化学物質)のデータを類推する具体的手順について図8のフローチャート図を参照して説明する。
    【0066】
    まず、第1の実施例で示した安全性試験の場合と同様に、事業者4の従業員は各自の端末にインストールされたブラウザを用いて通信ネットワーク5を介して管理サーバ2にアクセスし、所定のID、パスワード等を入力して認証を行った後、端末の表示手段上に化学物質管理システムの画面を表示する。 次に、表示手段に表示される画面に従って性状の類推を行う化学物質や素材(以下、化学物質Aと呼ぶ。)に関する情報を入力する。 入力する情報としては少なくとも該化学物質の構造や組成を特定することができる情報(構造式番号や構造式の名称、化学物質の名称、化学式等)を含むことが好ましい。
    【0067】
    次に、ステップS201で、特徴抽出手段15aを用いて化学物質Aが有機物であるか無機物であるかを判定し、有機物の場合は、ステップS202で化学物質Aの構造を分析し、化学構造の基幹となる構造(母核構造と呼ぶ。)と、反応性を示す置換基(官能基とその他の部分)とを抽出する。
    【0068】
    次に、ステップS203で化学物質データベース6の構造式テーブル6a及び抽出基準データ読み取り手段15cに記憶された抽出基準データを参照して、例えば表1に示す手法(番号1〜3)を用いて、化学物質データベース6の中から抽出した母核構造をその構造式に有する化学物質群(化学物質群Xとする。)を抽出し、ステップS204で、化学物質群Xの中から化学物質Aと同じ官能基を有する化学物質群(化学物質群Yとする。)を抽出し、更にステップS205で、化学物質群Yの中から有害性が明確である化学物質群(化学物質群Zとする。)を抽出する。
    【0069】
    次に、ステップS206で、化学物質群Zの中から性状を類推する対象となる化学物質(化学物質Bと呼ぶ。)を選択する。 そして、ステップS207で、類似基準データ読み取り手段15eに記憶された類似基準データを参照して、例えば表2に示す手法(番号1〜5)を用いて、化学物質Bの性状から化学物質Aの性状を類推する。
    【0070】
    また、ステップS201で化学物質Aが無機物と判定された場合は、ステップS208で、特徴抽出手段15aを用いて化学物質Aの成分を分析し、化学物質Aを構成する元素を抽出する。
    【0071】
    次に、ステップS209で化学物質データベース6の構造式テーブル6a及び抽出基準データ読み取り手段15cに記憶された抽出基準データを参照して、例えば表1に示す手法(番号4〜5)を用いて、化学物質データベース6の中から抽出した元素を有する化学物質群(化学物質群Yとする。)を抽出し、ステップS210で、化学物質群Yの中から有害性が明確である化学物質群(化学物質群Zとする。)を抽出する。
    【0072】
    次に、ステップS211で、化学物質群Zの中から性状を類推する対象となる化学物質(化学物質Bと呼ぶ。)を選択する。 そして、ステップS212で、類似基準データ読み取り手段15eに記憶された類似基準データを参照して、例えば表2に示す手法(番号6)を用いて、化学物質Bの性状から化学物質Aの性状を類推する。
    【0073】
    【表1】

    【0074】


    【表2】


    【0075】


    次に、製品(処理剤やインクジェットインク等の複数の化学物質の混合物)の性状を類推する具体的手順について図9のフローチャート図を参照して説明する。


    【0076】


    まず、ステップS301で、特徴抽出手段15aを用いて性状を類推する製品(製品Aと呼ぶ。)を分析し、製品Aを構成する成分を抽出する。


    【0077】


    次に、ステップS302で化学物質データベース6の構造式テーブル6a及び抽出基準データ読み取り手段15cに記憶された抽出基準データを参照して、例えば表3に示す手法を用いて、化学物質データベース6の中から抽出した成分の種類が共通あるいは近い製品群(製品群Xとする。)を抽出し、ステップS303で、製品群Xの中から有害性が明確である製品群(製品群Yとする。)を抽出する。


    【0078】


    次に、ステップS304で、製品群Yの中から性状を類推する対象となる製品(製品Bと呼ぶ。)を選択する。 そして、ステップS305で、類似基準データ読み取り手段15eに記憶された類似基準データを参照して、例えば表4及び表5に示す手法を用いて、製品Bの性状から製品Aの性状を類推する。


    【0079】


    【表3】


    【0080】


    【表4】


    【0081】


    【表5】


    【0082】


    なお、上記表1から表5に示す手法は本願発明者の経験及び知見によって得られたものであり、特に有機物に関して、母核、官能基、炭素数、酸/アルカリのpH、アルキル基の長さ、危険有害性決定因子、有害性を指標とする手法、無機物に関して、含有元素、イオン性、危険有害性決定因子、有害性を指標とする手法、混合物に関して、成分組成、各成分の含有率の差の範囲、危険有害性決定因子の含有率の差の範囲、有害性を指標とする手法は、本願発明者が案出した新規な手法である。


    【0083】


    このように、新規の化学物質や混合物、製品の性状を特定するに際して、データ類推手段15を用いて、類似化学物質や類似製品を抽出し、これらから新規化学物質や混合物、製品の性状を類推することにより、事業者は新規化学物質や混合物、製品がどのような性状を有するかを迅速に判断することができ、データベースの利用価値を高めることができる。 また、新規化学物質や混合物、製品をデータベースに登録する際に一つ一つの項目を順次調査する手間を省くことができ、特に混合物を取り扱う事業者にとってはデータベース作成の負荷を軽減することができる。


    【0084】


    【発明の効果】


    以上説明したように、本発明の化学物質データベース及び該データベースを備えた化学物質管理システム、化学物質情報利用方法並びにデータ類推プログラムによれば下記記載の効果を奏する。


    【0085】


    本発明の第1の効果は、システムやネットワークを新規に構築することなく化学物質に関する情報を利用することができるということである。


    【0086】


    その理由は、本発明の化学物質管理システムは、サービス提供者の管理サーバに記録又はインストールされており、事業者はインターネットへの接続が可能でブラウザがインストールされている端末があれば該化学物質管理システムを利用することができるからである。


    【0087】


    また、本発明の第2の効果は、化学物質に関する情報を包括的に利用することができるということである。


    【0088】


    その理由は、本発明の化学物質管理システムには、化学物質のデータベースと、該データベースを利用する各種システム(特に、MSDS作成システム等の書類作成支援システム、製品アセスメントシステム等の環境負荷を調査するシステム、化成品リスクの経済性評価システム等の化学物質を利用する場合のリスクを金額に換算する経済性評価システム等)が含まれているため、本化学物質管理システムのみで化学物質に関する包括的な処理を行うことができるからである。


    【0089】


    また、本発明の第3の効果は、特に混合物を取り扱う事業者の利便性を向上させることができるということである。


    【0090】


    その理由は、本発明の化学物質管理システムには、データベースとして、化学物質毎に分類した化学物質データベースと、製品毎に分類した製品組成データベースと、安全性等のテストに関する情報を記録したテスト結果データベースとを備え、これらのデータが互いに関連して記録されているため、複数の化学物質からなる製品の性状も簡単に検索することができ、また、テスト結果を利用して成分組成や不純物含有量が性状に及ぼす影響等について有益な情報を得ることができるからである。


    【0091】


    また、本発明の第4の効果は、新規化学物質や混合物、製品に対しても迅速かつ簡単に性状を特定することができるということである。


    【0092】


    その理由は、化学物質データベースに化学物質の構造に関する情報が記録されており、また、化学物質管理システムにデータ類推手段を備え、該データ類推手段では、予め定めた手順や経験則に基づいてデータベースの中から新規化学物質や混合物、製品に類似する物質を抽出し、該物質の性状から新規化学物質や混合物、製品の性状を類推することができるからである。


    【図面の簡単な説明】


    【図1】本発明の第1の実施例に係る化学物質管理システムの一利用形態を模式的に示す図である。


    【図2】本発明の第1の実施例に係る化学物質管理システムの構成を示すブロック図である。


    【図3】本発明の第1の実施例に係る化学物質データベースの構成の一例を示す図である。


    【図4】本発明の第1の実施例に係る安全性試験業務の流れを示すフローチャート図である。


    【図5】本発明の第1の実施例に係る安全性試験業務の流れを示すフローチャート図である。


    【図6】本発明の第2の実施例に係る化学物質管理システムの構成を示すブロック図である。


    【図7】本発明の第2の実施例に係る化学物質管理システムに備えるデータ類推手段の構成を示すブロック図である。


    【図8】本発明の第2の実施例に係る新規化学物質(単体)の性状を類推する手順を示すフローチャート図である。


    【図9】本発明の第2の実施例に係る新規製品(混合物)の性状を類推する手順を示すフローチャート図である。


    【符号の説明】


    1 化学物質管理システム2 管理サーバ3 データベース会社4 システム利用会社5 通信ネットワーク6 化学物質データベース6a〜6j テーブル7 製品組成データベース8 テスト結果データベース9 事業者データベース10 MSDS作成システム11 危険物輸送判定システム12 製品アセスメントシステム13 化成品リスクの経済性評価システム14 在庫管理システム15 データ類推手段15a 特徴抽出手段15b 類似化学物質抽出手段15c 抽出基準データ読み取り手段15d 類推手段15e 類推基準データ読み取り手段