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往復摺動用潤滑グリース組成物およびその製造法

申请号 JP2011511173 申请日 2010-10-08 公开(公告)号 JPWO2011046079A1 公开(公告)日 2013-03-07
申请人 Nokクリューバー株式会社; 发明人 幸 橋田; 幸 橋田; 英徳 若松; 英徳 若松; 泰広 岡本; 泰広 岡本; 敏夫 新田; 敏夫 新田;
摘要 非フッ素系基油に脂肪族ジカルボン酸とモノアミドモノカルボン酸または脂肪族モノカルボン酸との複 合金 属石けん増稠剤を含有させた、 滴点 が250℃以上のグリースおよび非フッ素系基油と相溶性のないフッ素系基油にフッ素樹脂粉末を含有させたグリースの2種のグリース混合物よりなる往復摺動用潤滑グリース組成物。この潤滑グリース組成物は、非フッ素系基油およびフッ素系基油よりなる基油混合物に増稠剤およびフッ素樹脂を含有させた潤滑グリース組成物であって、往復摺動用潤滑グリースにとって必要な特性を有する。
权利要求
  • 非フッ素系基油に脂肪族ジカルボン酸とモノアミドモノカルボン酸または脂肪族モノカルボン酸との複合金属石けん増稠剤を含有させた、滴点が250℃以上の非フッ素系グリースおよび非フッ素系基油と相溶性のないフッ素系基油にフッ素樹脂粉末を含有させたフッ素系グリースの2種のグリース混合物よりなる往復摺動用潤滑グリース組成物。
  • 非フッ素系基油が合成炭化水素油またはエーテル系合成油である請求項1記載の往復摺動用潤滑グリース組成物。
  • いずれも40℃における動粘度が15〜350mm 2 /秒の非フッ素系基油およびフッ素系基油が用いられた請求項1記載の往復摺動用潤滑グリース組成物。
  • いずれも40℃における動粘度が20〜300mm 2 /秒の非フッ素系基油およびフッ素系基油が用いられた請求項1記載の往復摺動用潤滑グリース組成物。
  • 非フッ素系基油1〜95重量%に対し、フッ素系基油が99〜5重量%の割合で用いられた請求項1記載の往復摺動用潤滑グリース組成物。
  • 非フッ素系基油6〜89重量%に対し、フッ素系基油が94〜11重量%の割合で用いられた請求項1記載の往復摺動用潤滑グリース組成物。
  • 非フッ素系基油1〜90重量%、フッ素系基油5〜80重量%、複合金属石けん0.5〜30重量%およびフッ素樹脂粉末0.1〜20重量%よりなり、これらの合計が100重量%である請求項5記載の往復摺動用潤滑グリース組成物。
  • 非フッ素系基油5〜80重量%、フッ素系基油10〜80重量%、複合金属石けん1〜25重量%およびフッ素樹脂粉末1〜15重量%よりなり、これらの合計が100重量%である請求項6記載の往復摺動用潤滑グリース組成物。
  • 複合金属石けんがバリウム複合石けんまたはリチウム複合石けんである請求項1記載の往復摺動用潤滑グリース組成物。
  • マイクロスイッチ用または電磁駆動弁用として用いられる請求項1記載の往復摺動用潤滑グリース組成物。
  • マイクロスイッチまたは電磁駆動弁のアクチュエータ部位に用いられる請求項10記載の往復摺動用潤滑グリース組成物。
  • 非フッ素系基油、脂肪族ジカルボン酸およびモノアミドモノカルボン酸または脂肪族モノカルボン酸を加熱攪拌し、そこに金属水酸化物を加えて複合金属石けんを非フッ素系基油中で形成させることにより調製させた非フッ素系グリースと、フッ素系基油およびフッ素樹脂粉末から調製されたフッ素系グリースとを、混練することを特徴とする請求項1記載の往復摺動用潤滑グリース組成物の製造法。
  • 非フッ素系グリースとフッ素系グリースとの混練が3本ロールミルまたは高圧ホモジナイザを用いて行われる請求項12記載の往復摺動用潤滑グリース組成物の製造法。
  • 非フッ素系基油として合成炭化水素油またはエーテル系合成油が用いられる請求項12記載の往復摺動用潤滑グリース組成物の製造法。
  • 金属水酸化物として水酸化バリウムまたは水酸化リチウムが用いられる請求項12記載の往復摺動用潤滑グリース組成物の製造法。
  • 说明书全文

    本発明は、往復摺動用潤滑グリース組成物およびその製造法に関する。 さらに詳しくは、互いに相溶性のない非フッ素系基油およびフッ素系基油よりなる基油混合物を用いた往復摺動用潤滑グリース組成物およびその製造法に関する。

    往復摺動機構を有する代表的な産業用小型部品としては、マイクロスイッチや電磁駆動弁等がある。 例えば、封入形マイクロスイッチは、アクチュエータ部位に加えられた外が、内部のバネ機構に伝わり、可動接点を動かし、スイッチの開閉を行わせる部品である。 アクチュエータに加えられた外力は、スイッチの開閉を行うためのプランジャの往復動に置き換えられる。 その場合、プランジャと封入ケース部材との間の摺動は、可動範囲が数mmの往復動がくり返し行われる。

    この種の用途には、従来鉱油系や合成炭化素油〔PAO〕系のグリースが使用されてきたが、近年は例えば120〜150℃あるいはそれ以上の高温条件下において使用される封入形マイクロスイッチにおいては、グリースの耐久性が不足するという問題が発生している。

    高温耐久性という点では、従来からフッ素系のグリースが使用されており、高温耐久性のみならず、低温特性、酸化安定性、耐薬品性などが必要とされる苛酷な条件下で使用されている。 フッ素系のグリースは、一般にパーフルオロポリエーテル油を基油として、テトラフルオロエチレンの単独重合体〔PTFE〕やテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロペンとの共重合体〔HFP〕等を増稠剤として構成されている。 しかしながら、これらのフッ素系グリースは、被潤滑材料である樹脂、ゴム、金属等とのなじみが悪いという欠点を有する。

    転がり軸受に代表される転動装置等に使用される場合には、ボールと転送面との間に介在するグリースが潤滑に寄与するばかりではなく、摺動に寄与していない周囲部分に存在するグリースも、回転運動により軸受内を移動し、摺動部に供給されることで、後々潤滑に寄与することが可能であるから、この場合には問題がみられない。

    これに対し、一定間隔のくり返し摺動となる往復動では、グリースが摺動部から掻き取られ易く、また一度摺動部から掻き取られたグリースは、再度摺動部に供給され難いため、特にフッ素系グリースにあっては潤滑に必要な油膜が形成されず、その結果摩耗が発生したり、摩擦係数が高くなったりして、耐久性が得られなくなるといった問題を発生させる。

    特許文献1には、特定の混合割合で用いられた水素添加鉱油および/または合成潤滑油、フルオロポリエーテルおよび増稠剤を含んでなるグリースが記載されており、エステル油、12-ヒドロキシステアリン酸、アゼライン酸および水酸化リチウムよりなるグリースに過フッ素化油およびPTFEを添加したグリースが、実施例4として示されているが、それの評価試験は固着温度、蒸発による重量損失、油分離性についてのみなされており、軸受高温寿命については評価されておらず、それの用途についての具体的記載はみられない。

    電気接点等の摺動部に用いられるグリースについては、本出願人自身がいくつかの提案を行っている。

    特許文献2には、パーフルオロポリエーテル油、合成潤滑油および増稠剤を含有する潤滑グリース組成物が記載されており、それの評価は低温トルク、回転寿命、摩耗痕径(シェル摩耗試験)について行われている。

    特許文献3には、合成炭化水素油、エステル油またはエーテル系合成油よりなる基油に、フッ素化油およびリチウム系複合石けん増稠剤を含有する潤滑グリース組成物が記載されており、それの評価はピンオンディスク摩耗試験について行われている。

    特許文献4には、極圧性および耐摩耗性にすぐれた潤滑グリース組成物として、パーフルオロポリエーテル基油に増稠剤として脂肪酸金属塩とフッ素樹脂とが混合されたものとして構成されている。

    特開平7−268370号公報

    特開2003−096480号公報

    特開2006−182923号公報

    特開2007−154084号公報

    本発明の目的は、非フッ素系基油およびフッ素系基油よりなる基油混合物に増稠剤およびフッ素樹脂を含有させた往復摺動用潤滑グリース組成物であって、往復摺動用潤滑グリースにとって必要な特性を有するものを提供することにある。

    かかる本発明の目的は、非フッ素系基油に脂肪族ジカルボン酸とモノアミドモノカルボン酸または脂肪族モノカルボン酸との複合金属石けん増稠剤を含有させた、滴点が250℃以上の非フッ素系グリースおよび非フッ素系基油と相溶性のないフッ素系基油にフッ素樹脂粉末を含有させたフッ素系グリースの2種のグリース混合物よりなる往復摺動用潤滑グリース組成物によって達成される。

    非フッ素系基油に複合金属石けん増稠剤を含有させた非フッ素系グリースおよびフッ素系基油にフッ素樹脂粉末を含有させたフッ素系グリースの2種のグリース混合物よりなり、非フッ素系基油に複合金属石けんを含有させた非フッ素系グリースとして、グリースとして成立する上限温度に相当する滴点が250℃以上であるものを用いることにより、蒸発損失および離油度が少なく、またSRV試験(往復動試験)での摩擦係数の変動幅が小さくかつその変動が少なく、安定している潤滑グリース組成物が得られる。

    このように、フッ素系グリースが摺動部に十分保持され難く、また供給され難いような条件下においても、互いに相溶性のない非フッ素系基油およびフッ素系基油よりなる基油混合物中に、金属複合石けん増稠剤およびフッ素樹脂粉末を含有せしめた潤滑グリース組成物を用い、かつ金属複合石けん含有非フッ素系基油(非フッ素系グリース)の滴点が一定温度以上のものを用いることにより、フッ素系グリースの耐熱耐久性を維持しながら、摺動部にグリースを保持し易く、かつ摩擦係数を改善し得るという効果を奏する。

    本発明で用いられる基油混合物である非フッ素系基油とフッ素系基油との間では、互いに相溶性のないものが用いられる。 互いに相溶性のないということは、これら両者を単純に混合したとき均質な基油混合物を形成し得ないことを意味する。

    非フッ素系基油としては、例えばポリ-α-オレフィン、エチレン-α-オレフィンオリゴマー、ポリブテンまたはこれらの水素化物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等の合成炭化水素油、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル等のエーテル系合成油、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステル等の芳香族多価カルボン酸エステル、ネオペンチルグリコールエステル、トリメチロールプロパンエステル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールエステル等のポリオールエステル、さらに脂肪族二塩基酸エステル、リン酸エステル、亜リン酸エステル、炭酸エステル等のエステル系合成油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油またはこれらを精製した鉱油等の少くと� �一種、好ましくは合成炭化水素油またはエーテル系合成油が用いられる。

    これらの非フッ素系基油は、40℃における動粘度(ASTM D445に対応するJIS K2283準拠)が約15〜350mm 2 /秒、好ましくは約20〜300mm 2 /秒のものが一般に用いられる。 動粘度がこれ以下のものは高温耐久性が悪く、すなわち蒸発量が多くなり、一方これ以上の動粘度以上のものは、摺動時の隙間への浸透性が悪化し、グリース切れが生じ易くなる。

    フッ素系基油としては、非フッ素系基油の場合と同じ理由により、40℃における動粘度(JIS K2283準拠)が約15〜350mm 2 /秒、好ましくは約20〜300mm 2 /秒のものが一般に用いられ、より具体的には一般式
    RfO(CF 2 O) x (C 2 F 4 O) y (C 3 F 6 O) z Rf
    で表わされるものが用いられる。 具体的には、例えば下記一般式(1)〜(4)で表わされるようなものが用いられ、この他一般式(5)で表わされるようなものも用いられる。 なお、Rfはパーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基等の炭素数1〜5、好ましくは1〜3のパーフルオロ低級アルキル基である。
    (1) RfO(CF 2 CF 2 O) m (CF 2 O) n Rf
    ここで、m+n=3〜200、m:n=10〜90:90〜10であり、またCF 2 CF 2 O基およびCF 2 O基は主鎖中にランダムに結合しているものであり、テトラフルオロエチレンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にフッ素化することによって得られる。
    (2) RfO〔CF(CF 3 )CF 2 O)〕 m (CF 2 O) n Rf
    ここで、m+n=3〜200、m:n=10〜90:90〜10であり、またCF(CF 3 )CF 2 O基およびCF 2 O基は主鎖中にランダムに結合しているものであり、ヘキサフルオロプロピレンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にフッ素化することによって得られる。
    (3) RfO[CF(CF 3 )CF 2 O] p (CF 2 CF 2 O) q (CF 2 O) r Rf
    ここで、p+q+r=3〜200でqおよびrは0であり得、(q+r)/p=0〜2であり、またCF(CF 3 )CF 2 O基、CF 2 CF 2 O基およびCF 2 O基は主鎖中にランダムに結合しているものであり、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にフッ素化することにより得られる。
    (4) RfO[CF(CF 3 )CF 2 O] s (CF 2 CF 2 O) t Rf
    ここで、s+t=2〜200でtは0であり得、t/s=0〜2であり、またCF(CF 3 )CF 2 O基およびCF 2 CF 2 O基は主鎖中にランダムに結合しているものであり、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にフッ素化することにより、あるいはフッ化セシウム触媒の存在下にヘキサフルオロプロピレンオキサイドまたはテトラフルオロエチレンオキサイドをアニオン重合させ、得られた末端-CF(CF 3 )COF基を有する酸フロライド化合物をフッ素ガスで処理することによって得られる。
    (5) F(CF 2 CF 2 CF 2 O) 2〜100 C 2 F 5
    これは、フッ化セシウム触媒の存在下に2,2,3,3-テトラフルオロオキセタンをアニオン重合させ、得られた含フッ素ポリエーテル(CH 2 CF 2 CF 2 O) nを紫外線照射下に約160〜300℃でフッ素ガスで処理することによって得られる。

    これらの非フッ素系基油とフッ素系基油とは、一般に前者が1〜95重量%、好ましくは6〜89重量%に対し、後者が99〜5重量%、好ましくは94〜11重量%の割合で用いられる。 非フッ素系基油の混合割合がこれよりも少ないと、耐荷重性は良くなるものの、耐摩耗性、耐熱性、せん断安定性など劣るようになり、一方これよりも多い混合割合では、耐摩耗性は良くなるもの、耐熱性、耐荷重性、せん断安定性などに劣るようになる。

    増稠剤としての複合金属石けんは、脂肪族ジカルボン酸とモノアミドモノカルボン酸または脂肪族モノカルボン酸との複合金属石けんとして形成される。 複合金属石けんの形成は、後述の如く潤滑グリース組成物の調製時に行われる。

    脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数2〜20の飽和または不飽和のジカルボン酸が用いられる。 飽和ジカルボン酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナメチレンジカルボン酸、デカメチレンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ペンタデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ヘプタデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸等が挙げられ、好ましくはアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナメチレンジカルボン酸、デカメチレンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ペンタデカンジカルボン酸、ヘキ� ��デカンジカルボン酸、ヘプタデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸等が用いられる。 また、不飽和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、さらに2-メチレンコハク酸、2-エチレンコハク酸、2-メチレングルタル酸等のアルケニルコハク酸などが用いられる。 これらの飽和または不飽和のジカルボン酸は、単独であるいは2種以上混合して用いられる。

    モノアミドモノカルボン酸は、上記ジカルボン酸のモノカルボキシル基がアミド化されたものであり、アミド化されるアミンとしては、例えばブチルアミン、アミルアミン、へキシルアミン、へプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン等の脂肪族第1級アミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジラウリルアミン、モノメチルラウリルアミン、ジステアリルアミン、モノメチルステアリルアミン、ジミリスチルアミン、ジパルミチルアミン等の脂肪族第2級アミン、アリルアミン、ジアリルアミン、オレイルアミン、ジオレイルアミン等の脂肪族不飽和アミン、シクロプロピルア� �ン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂環式アミン、アニリン、メチルアニリン、エチルアニリン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、α-ナフチルアミン等の芳香族アミンなどが挙げられ、好ましくはへキシルアミン、へプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、モノメチルラウリルアミン、モノメチルステアリルアミン、オレイルアミン等が用いられる。

    また、脂肪族モノカルボン酸としては、例えば酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸またはオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレン酸等の不飽和脂肪酸が用いられ、好ましくは12-ヒドロキシステアリン酸が用いられる。

    これらの脂肪族ジカルボン酸とモノアミドモノカルボン酸または脂肪族モノカルボン酸とは、前者に対し後者が0.1〜10、好ましくは0.5〜5のモル比で用いられる。 これ以外の混合割合で用いられると、滴点が低下するなどして好ましくない。 これら両者は、水酸化物、酸化物等の形で用いられるリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、銅、鉄、コバルト、亜鉛、アルミニウム等の金属化合物によって複合金属石けんを形成させて用いられるが、好ましくは複合バリウム石けんまたは複合リチウム石けんとして用いられる。 複合金属石けん調製に用いられる金属化合物は、けん化反応に必要な理論量に対しほぼ当量程度用いられる。

    また、フッ素樹脂粉末としては、PTFE粉末、HFP粉末、パーフルオロアルキレン樹脂粉末等が用いられる。 これらのフッ素樹脂粉末は、一般にその平均一次粒径が約500μm以下、好ましくは約0.1〜30μmのものが用いられる。

    PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、テトラフルオロエチレンの乳化重合、けん濁重合、溶液重合などの方法によってポリテトラフルオロエチレンを製造し、それを熱分解、電子線照射分解、物理的粉砕などの方法によって処理して数平均分子量Mnを約1000〜1000000程度としたものが用いられる。 また、HFP粉末の場合には、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロペンとの共重合反応および低分子量化処理も、ポリテトラフルオロエチレンの場合と同様にして行われ、数平均分子量Mnを約1000〜600000程度としたものが用いられる。 なお、分子量の制御は、共重合反応時に連鎖移動剤を用いても行うことができる。

    複合金属石けん増稠剤含有非フッ素系基油であるグリース(非フッ素系グリース)およびフッ素樹脂粉末含有フッ素系基油であるグリース(フッ素系グリース)の2種類のグリースを混合することによって、本発明の潤滑グリース組成物は調製される。

    複合金属石けんの形成および潤滑グリース組成物の調製は、次の如くにして行われる。
    (a-1) 加熱攪拌が可能な反応釜に、非フッ素系基油、脂肪族ジカルボン酸およびモノアミドモノカルボン酸または脂肪族モノカルボン酸を加え、攪拌可能な温度であり、反応を効率的に進めかつ基油の劣化を生じさせない温度である約80〜180℃に加熱して攪拌し、そこに金属水酸化物または金属酸化物を加えて複合金属石けんを非フッ素系基油中で形成させる。 冷却後、そこにアミン系酸化防止剤等を所定量、例えば非フッ素系基油中約0.1〜5重量%を占めるような割合で配合し、3本ロールミルまたは高圧ホモジナイザで混練して、非フッ素系グリースを調製する。 混練に先立って、最初に用いられた非フッ素系基油以外の他の非フッ素系基油を添加して用いることもできる。
    (a-2) フッ素系基油とフッ素樹脂粉末とを混合釜中で混ぜ、その後3本ロールミルまたは高圧ホモジナイザを用いて混練し、フッ素系グリースを調製する。
    (a-3) これら2種類のグリースを混合釜中で混ぜ、3本ロールミルまたは高圧ホモジナイザ、好ましくは3本ロールミルを用いて混練し、潤滑グリース組成物を調製する。 なお、混練に用いられる3本ロールミルとしては、一般に油圧式のものが用いられる。

    (b) 上記の如くにして調製された非フッ素系グリースに、フッ素系基油およびフッ素樹脂を加え、混合釜中で混ぜた後、3本ロールミルまたは高圧ホモジナイザで混練しても、本発明の潤滑グリース組成物を調製することもできる。

    この際、複合金属石けん増稠剤含有非フッ素系基油であるグリース(非フッ素系グリース)は、グリースとして成立する上限温度に相当する滴点が250℃以上のものが用いられる。 滴点が250℃未満の非フッ素系グリースを用いると、120〜150℃あるいはそれ以上の温度での往復摺動用途への適用に際し、製品信頼性の低下が問題となる場合がある。 なお、滴点は、ISO 2176に対応するJIS K2220.8に準拠して測定される。

    以上の必須各成分よりなる潤滑グリース組成物において、非フッ素系基油は1〜90重量%、好ましくは5〜80重量%の割合で、非フッ素系基油と前記の如き混合割合で用いられるフッ素系基油は5〜80重量%、好ましくは10〜80重量%の割合で、複合金属石けんは0.5〜30重量%、好ましくは1〜25重量%の割合で、またフッ素樹脂粉末は0.1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%の割合でそれぞれ用いられる。

    このような割合での各成分の配合により、非フッ素系基油にあっては、フッ素系基油に相溶性のないあるいは乏しい増稠剤の添加を可能とし、それによって耐摩耗性の向上、摩擦係数の低減、防錆性や腐食防止効果の向上を図ることができ、フッ素系基油にあっては、耐熱性の向上を図ることができ、複合金属石けんにあっては、耐摩耗性の向上が図られ、またフッ素樹脂粉末にあっては、フッ素系基油と複合金属石けんとの相溶性の向上を図ることができる。

    潤滑グリース組成物中にはさらに、酸化防止剤、防錆剤、腐食防止剤、極圧剤、油性剤、固体潤滑剤などの従来潤滑剤に使用されている添加剤を必要に応じて配合することができる。 酸化防止剤としては、例えば2,6-ジ第3ブチル-4-メチルフェノール、4,4′-メチレンビス(2,6-ジ第3ブチルフェノール)等のフェノール系の酸化防止剤、C 4 〜C 20のアルキル基を有するアルキルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、アルキル化フェニル-α-ナフチルアミン、フェノチアジン、アルキル化フェノチアジン等のアミン系の酸化防止剤、さらにはリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられる。

    防錆剤としては、例えば脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミン、アルキルスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸アミン塩、酸化パラフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられ、また腐食防止剤としては、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、チアジアゾール等が挙げられる。

    極圧剤としては、例えばリン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩等のリン系化合物、スルフィド類、ジスルフィド類等のイオウ系化合物、ジアルキルジチオリン酸金属塩、ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩等のイオウ系化合物金属塩、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル等の塩素系化合物などが挙げられる。

    油性剤としては、例えば脂肪酸またはそのエステル、高級アルコール、多価アルコールまたはそのエステル、脂肪族エステル、脂肪族アミン、脂肪酸モノグリセライド、モンタンワックス、アミド系ワックス等が挙げられる。 また、他の固体潤滑剤としては、例えば二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、窒化シラン、メラミンシアヌレート等が挙げられる。 これらの他の固体潤滑剤についても、その平均一次粒径は30μm以下、好ましくは0.1〜20μmのものが用いられる。

    さらに、増稠剤として従来一般的に使用されている他の増稠剤、例えばシリカ、粘土、グラファイト、酸化亜鉛、ウレア化合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、有機顔料、金属石けん等を適宜添加して用いることもできる。

    次に、実施例について本発明を説明する。

    参考例1
    ポリ-α-オレフィン油(40℃粘度:30mm 2 /秒)中で、増稠剤として非フッ素系グリース中30重量%を占めるセバシン酸とセバシン酸モノステアリルアミドとのバリウム複合石けんを前記の如き方法(a-1)で合成し、これに2重量%のアミン系酸化防止剤(KING INDUSTRIES製品NA-LUBE AO-120;アルキルジフェニルアミン)を添加した後、3本ロールミルで2回混練して、グリースAを調製した。 得られたグリースAの滴点は、283℃であった。

    参考例2
    ポリ-α-オレフィン油(40℃粘度:30mm 2 /秒および400mm 2 /秒のものを1:1の重量比で混合したもの)中で、増稠剤として非フッ素系グリース中25重量%を占めるアゼライン酸とアゼライン酸モノオクチルアミドとのバリウム複合石けんを前記の如き方法(a-1)で合成し、これに2重量%のアミン系酸化防止剤(NA-LUBE AO-120)を添加した後、3本ロールミルで2回混練して、グリースBを調製した。 得られたグリースBの滴点は、277℃であった。

    参考例3
    アルキルナフタレン(40℃粘度:114mm 2 /秒)中で、増稠剤として非フッ素系グリース中25重量%を占めるアゼライン酸とアゼライン酸モノオクチルアミドとのバリウム複合石けんを前記の如き方法(a-1)で合成し、これに2重量%のアミン系酸化防止剤(NA-LUBE AO-120)を添加した後、3本ロールミルで2回混練して、グリースCを調製した。 得られたグリースCの滴点は、273℃であった。

    参考例4
    ジフェニルエーテル油(40℃粘度:100mm 2 /秒)中で、増稠剤として非フッ素系グリース中15重量%を占めるセバシン酸とセバシン酸モノステアリルアミドとのバリウム複合石けんを前記の如き方法(a-1)で合成し、これに2重量%のアミン系酸化防止剤(NA-LUBE AO-120)を添加した後、3本ロールミルで2回混練して、グリースDを調製した。 得られたグリースDの滴点は、262℃であった。

    参考例5
    ジフェニルエーテル油(40℃粘度:100mm 2 /秒)中で、増稠剤として非フッ素系グリース中25重量%を占めるセバシン酸とセバシン酸モノステアリルアミドとのバリウム複合石けんを前記の如き方法(a-1)で合成し、これに2重量%のアミン系酸化防止剤(NA-LUBE AO-120)を添加した後、3本ロールミルで2回混練して、グリースEを調製した。 得られたグリースEの滴点は、270℃であった。

    参考例6
    ポリ-α-オレフィン油(40℃粘度:46mm 2 /秒)中で、増稠剤中として非フッ素系グリース中20重量%を占めるアゼライン酸と12-ヒドロキシステアリン酸とのリチウム複合石けんを前記の如き方法(a-1)で合成し、これに2重量%のアミン系酸化防止剤(NA-LUBE AO-120)を添加した後、3本ロールミルで2回混練して、グリースFを調製した。 得られたグリースFの滴点は、280℃であった。

    参考例7
    ジフェニルエーテル油(40℃粘度:100mm 2 /秒)中で、増稠剤として非フッ素系グリース中20重量%を占めるセバシン酸と12-ヒドロキシステアリン酸とのリチウム複合石けんを前記の如き方法(a-1)で合成し、これに2重量%のアミン系酸化防止剤(NA-LUBE AO-120)を添加した後、3本ロールミルで2回混練して、グリースGを調製した。 得られたグリースGの滴点は、269℃であった。

    参考例8
    ポリ-α-オレフィン油(40℃粘度:30mm 2 /秒)中で、増稠剤中として非フッ素系グリース中10重量%を占める12-ヒドロキシステアリン酸のリチウム石けんを合成し、これに2重量%のアミン系酸化防止剤(NA-LUBE AO-120)を添加した後、3本ロールミルで2回混練して、グリースHを調製した。 得られたグリースHの滴点は、182℃であった。

    参考例9
    分子構造RfO〔CF(CF 3 )CF 2 O〕 m Rfを有する基油(40℃粘度:230mm 2 /秒)に、フッ素系グリース中18重量%を占める量のPTFE粉末(平均粒子径0.3μm)を混合し、3本ロールミルで2回混練して、グリースIを調製した。 得られたグリースIの滴点は、300℃以上であった。

    参考例10
    分子構造RfO(CF 2 CF 2 O) m (CF 2 O) n Rfを有する基油(40℃粘度:85mm 2 /秒)に、フッ素系グリース中27重量%を占める量のPTFE粉末(平均粒子径0.3μm)を混合し、3本ロールミルで2回混練して、グリースIIを調製した。 得られたグリースIIの滴点は、300℃以上であった。

    参考例11
    分子構造RfO(CF 2 CF 2 O) m (CF 2 O) n Rfを有する基油(40℃粘度:85mm 2 /秒)に、フッ素系グリース中15重量%を占める量のPTFE粉末(平均粒子径0.3μm)を混合し、3本ロールミルで2回混練して、グリースIIIを調製した。 得られたグリースIIIの滴点は、300℃以上であった。

    参考例12
    分子構造F(CF 2 CF 2 CF 2 O) 2〜100 C 2 F 5を有する基油(40℃粘度:65mm 2 /秒)に、フッ素系グリース中31重量%を占める量のPTFE粉末(平均粒子径0.3μm)を混合し、3本ロールミルで2回混練して、グリースIVを調製した。 得られたグリースIVの滴点は、300℃以上であった。

    実施例1〜8、比較例1〜5
    上記各参考例で調製された非フッ素系グリースA〜Hおよびフッ素系グリースI〜IVの内の1種または2種を所定の重量比で混合し、混合釜中で十分に攪拌混合した後、3本ロールで2回混練し、潤滑グリース組成物を調製した。

    調製された潤滑グリース組成物について、次の各項目の測定を行った。
    蒸発損失(耐熱性):直径37mm、高さ5mmのアルミニウム製皿に、各試料
    の比重に応じ、例えば比重1の場合0.3gに相当する
    重量の試料を均一に塗布し、150℃の恒温槽中に24
    時間静置した後恒温槽から取り出し、試料の蒸発損
    失を算出
    (この値が小さい程良い)
    離油度(耐熱性):JIS K2220.11準拠
    180℃、24時間後の離油度を測定
    (この値が小さい程良い)
    SRV試験(往復動試験):ASTM D5707準拠
    試験片100CR6シリンダ/100CR6プレート
    試験条件 温度:室温
    荷重:50N
    摺動幅:4mm
    振動数:10Hz
    試験時間:1時間
    上記試験条件下で、試験後の摩擦係数、試験中
    の摩擦係数の挙動を評価
    摩擦係数の挙動については、試験開始10〜60分
    間の間で摩擦係数の(最大値)−(最小値)=変動
    幅とし、摩擦係数の変動が少なく、安定してい
    る場合を○、摩擦係数の変動が大きく、安定し
    ない場合を×と評価した

    測定結果は、次の表1(実施例)および表2(比較例)に示される。

    表2


    比較例


    〔非フッ素系グリース〕


    A (重量%) 100 − − − −


    B (重量%) − − − − −


    C (重量%) − − − − −


    D (重量%) − − − − −


    E (重量%) − 3 − − −


    F (重量%) − − − − −


    G (重量%) − − − − −


    H (重量%) − − 80 − −


    〔フッ素系グリース〕


    I (重量%) − − 20 100 −


    II (重量%) − − − − 100


    III (重量%) − 97 − − −


    IV (重量%) − − − − −


    〔測定項目〕


    蒸発損失 (重量%) 14.0 0.6 13.9 1.8 0.4


    離油度 (重量%) 2.4 4.5 5.2 5.5 5.0


    SRV試験


    1時間後摩擦係数 0.170 0.240 0.130 0.279 0.232


    変動幅 0.015 0.155 0.025 0.076 0.204


    摩擦係数挙動 ○ × ○ × ×

    本発明に係る潤滑グリース組成物は、往復摺動用潤滑グリースとして、例えば120〜150℃もしくはそれ以上の高温条件下で使用されるマイクロスイッチや電磁駆動弁等のアクチュエータ部位などに用いられる。 この他に、往復摺動用潤滑グリースとして作用するガイドレール、スライドレール、ピストン、カム機構等の部位に好適に用いられる。

    かかる本発明の目的は、非フッ素系基油に脂肪族ジカルボン酸とモノアミドモノカルボン酸との複合金属石けん増稠剤を含有させた、滴点が250℃以上の非フッ素系グリースおよび非フッ素系基油と相溶性のないフッ素系基油にフッ素樹脂粉末を含有させたフッ素系グリースの2種のグリース混合物よりなるマイクロスイッチまたは電磁駆動弁のアクチュエータ部位に用いられる往復摺動用潤滑グリース組成物によって達成される。

    増稠剤としての複合金属石けんは、脂肪族ジカルボン酸とモノアミドモノカルボン酸との複合金属石けんとして形成される。 複合金属石けんの形成は、後述の如く潤滑グリース組成物の調製時に行われる。

    これらの脂肪族ジカルボン酸とモノアミドモノカルボン酸とは、前者に対し後者が0.1〜10、好ましくは0.5〜5のモル比で用いられる。 これ以外の混合割合で用いられると、滴点が低下するなどして好ましくない。 これら両者は、水酸化物、酸化物等の形で用いられるリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、銅、鉄、コバルト、亜鉛、アルミニウム等の金属化合物によって複合金属石けんを形成させて用いられるが、好ましくは複合バリウム石けんまたは複合リチウム石けんとして用いられる。 複合金属石けん調製に用いられる金属化合物は、けん化反応に必要な理論量に対しほぼ当量程度用いられる。

    複合金属石けんの形成および潤滑グリース組成物の調製は、次の如くにして行われる。
    (a-1) 加熱攪拌が可能な反応釜に、非フッ素系基油、脂肪族ジカルボン酸およびモノアミドモノカルボン酸を加え、攪拌可能な温度であり、反応を効率的に進めかつ基油の劣化を生じさせない温度である約80〜180℃に加熱して攪拌し、そこに金属水酸化物または金属酸化物を加えて複合金属石けんを非フッ素系基油中で形成させる。 冷却後、そこにアミン系酸化防止剤等を所定量、例えば非フッ素系基油中約0.1〜5重量%を占めるような割合で配合し、3本ロールミルまたは高圧ホモジナイザで混練して、非フッ素系グリースを調製する。 混練に先立って、最初に用いられた非フッ素系基油以外の他の非フッ素系基油を添加して用いることもできる。
    (a-2) フッ素系基油とフッ素樹脂粉末とを混合釜中で混ぜ、その後3本ロールミルまたは高圧ホモジナイザを用いて混練し、フッ素系グリースを調製する。
    (a-3) これら2種類のグリースを混合釜中で混ぜ、3本ロールミルまたは高圧ホモジナイザ、好ましくは3本ロールミルを用いて混練し、潤滑グリース組成物を調製する。 なお、混練に用いられる3本ロールミルとしては、一般に油圧式のものが用いられる。

    実施例1〜 、比較例1〜
    上記各参考例で調製された非フッ素系グリースA〜Hおよびフッ素系グリースI〜IVの内の1種または2種を所定の重量比で混合し、混合釜中で十分に攪拌混合した後、3本ロールで2回混練し、潤滑グリース組成物を調製した。

    測定結果は、次の表1(実施例)および表2(比較例)に示される。
    表1
    実施例
    〔非フッ素系グリース〕
    A (重量%) 80 − − − − 30
    B (重量%) − 50 − − − −
    C (重量%) − − 60 − − −
    D (重量%) − − − 50 − −
    E (重量%) − − − − 10 −
    F (重量%) − − − − − −
    G (重量%) − − − − − −
    H (重量%) − − − − − −
    〔フッ素系グリース〕
    I (重量%) 20 − − 50 − −
    II (重量%) − 50 − − − −
    III (重量%) − − − − 90 70
    IV (重量%) − − 40 − − −
    〔測定項目〕
    蒸発損失 (重量%) 6.5 6.7 2.9 1.7 0.9 1.2
    離油度 (重量%) 1.1 0.9 1.0 1.5 2.0 1.7
    SRV試験
    1時間後摩擦係数 0.179 0.171 0.163 0.175 0.177 0.171
    変動幅 0.017 0.028 0.020 0.025 0.023 0.021
    摩擦係数挙動 ○ ○ ○ ○ ○ ○

    表2
    比較例
    〔非フッ素系グリース〕
    A (重量%) − − 100 − − − −
    B (重量%) − − − − − − −
    C (重量%) − − − − − − −
    D (重量%) − − − − − − −
    E (重量%) − − − 3 − − −
    F (重量%) 80 − − − − − −
    G (重量%) − 70 − − − − −
    H (重量%) − − − − 80 − −
    〔フッ素系グリース〕
    I (重量%) 20 − − − 20 100 −
    II (重量%) − − − − − − 100
    III (重量%) − − − 97 − − −
    IV (重量%) − 30 − − − − −
    〔測定項目〕
    蒸発損失 (重量%) 3.2 1.9 14.0 0.6 13.9 1.8 0.4
    離油度 (重量%) 3.0 2.7 2.4 4.5 5.2 5.5 5.0
    SRV試験
    1時間後摩擦係数 0.176 0.165 0.170 0.240 0.130 0.279 0.232
    変動幅 0.019 0.017 0.015 0.155 0.025 0.076 0.204
    摩擦係数挙動 ○ ○ ○ × ○ × ×