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Lubricating oil composition friction characteristics are improved

申请号 JP2003564170 申请日 2003-01-31 公开(公告)号 JP2005516110A 公开(公告)日 2005-06-02
申请人 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー; 发明人 デックマン,ドウグラス,エドワード; バック,ウィリアム,エッチ.; ベイラージオン,ディビッド,ジェイ.; マクスウェル,ウィリアム,エル.; ワインミラー,マーク,ディ.;
摘要 本発明は、 芳香族化合物 、エステル、基油の狭い混合物および/または非晶質オレフィンコポリマーなどの非晶質ポリマーの特定の群を含む潤滑油組成物中で用いるための摩擦低減剤に関する。 これらの組成物は、不安定性、好ましくない高い 粘度 および堆積物などの有害な作用なしで、潤滑油に混合された時に摩擦係数の実質的な減少および省燃費性改善の恩恵を提供することが可能である。 本発明の一態様において、ペンタエリスリトールエステルおよび任意にトリオールエステルは、減少した摩擦および改善された省燃費性を提供するために潤滑油組成物に添加される。 本発明の第2の態様において、グループII基油とグループIII基油の一種以上を含有する潤滑油組成物に、ヒドロカルビル芳香族化合物を添加することにより類似の結果が得られる。 第3の態様において、本発明は、非晶質オレフィンコポリマーおよびグループII基油とグループIII基油の一種以上を含む潤滑油組成物に関する。 一実施形態において、第3の態様は、組成物の一部としてヒドロカルビル芳香族化合物とポリオールエステルの一種以上も含む。 第4の態様において、中程度の濃度のヒドロカルビル芳香族化合物は、パラフィン基材油および好ましくは 硼 素化ポリイソブテニルコハク酸イミド無灰分散剤を含む潤滑油組成物中で用いられる。
权利要求
  • 全潤滑油組成物を基準にして、
    (a)少なくとも20重量%の、グループII基油、グループIII基油およびワックス異性化油からなる群から選択された一種以上の基油と、
    (b)少なくとも4重量%のヒドロカルビル芳香族化合物との、
    混合物を含むことを特徴とする潤滑油組成物。
  • ヒドロカルビル基が1000〜5000のM を有する硼素化ヒドロカルビルコハク酸イミドを含むことを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
  • 前記硼素化ヒドロカルビルコハク酸イミドは、硼素化ポリイソブテニルコハク酸イミドであり、0.3〜3.3重量%の活性種で提供されることを特徴とする請求項2に記載の潤滑油組成物。
  • (a)グループII基油、グループIII基油およびワックス異性化油からなる群から選択された少なくとも40%の一種以上の基油、
    (b)少なくとも20%のヒドロカルビル芳香族化合物、および (c)2重量%の活性硼素化ポリイソブテニルコハク酸イミドを提供する無灰分散剤を含むことを特徴とする請求項3に記載の潤滑油組成物。
  • 前記一種以上の基油が20〜60重量%を含むことを特徴とする請求項3に記載の潤滑油組成物。
  • 前記硼素化ヒドロカルビルコハク酸イミドは、硼素化ポリイソブテニルモノコハク酸イミドおよび硼素化ポリイソブテニルビスコハク酸イミドを含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  • 说明书全文

    本発明は、内燃機関中で用いるために適する潤滑油組成物に関する。

    内燃機関のための潤滑油は、少なくとも一種の基油に加えて、潤滑油の性能を強化する添加剤を含有する。 清浄剤、分散剤、摩擦低減剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、腐食防止剤、摩耗防止剤、流動点降下剤、シール適合添加剤および消泡剤などの様々な添加剤は潤滑油組成物中で用いられる。

    様々な運転温度で低い摩擦を維持するとともに金属部品の摩耗を減少させるのに十分に厚い潤滑膜厚さを金属表面上に維持することが決定的に重要である。 摩耗を最少に減少させつつ運転条件の範囲全体にわたって清浄度を維持するとともに、最も過酷な運転条件下で良好な総合的潤滑油性能を維持することも重要である。 従来の潤滑油およびエンジン油技術は、アルコール、ヒドロカルビルジオール、ヒドロカルビルトリオール、アルカンジオールまたはトリオール、エステル、脂肪酸エステル、ヒドロキシエステル、オレアミドなどの脂肪酸アミド、ヒドロキシアルキルヒドロカルビルアミド、ビス(2−ヒドロキシエチル)オレアミドなどのビスヒドロキシアルキルヒドロカルビルアミド、ヒドロキシアルキルヒドロカルビルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチル)オレイルアミンなどのビスヒドロキシアルキルヒドロカルビルアミン、上の素化物、上のアシル化物、トリオレイルホスフィットなどの燐系組成物、モリブデンジチオカルバメート、モリブデンホスホロジチオエート、アミン部分および/またはアルコール部分のモリブデン錯体を含む無機モリブデン化合物および/または有機モリブデン化合物などのモリブデン化合物によって例示される摩擦低減化合物の一つ以上のクラスから選択できる伝統的摩擦低減剤に極端に頼っている。 摩擦低減剤は、上の成分クラスの二種以上の混合物を含むことが多い。 上の先行技術の摩擦低減組成物の幾つかは、重大且つ多くの場合好ましくない副作用を有することが分かっている。 従って、高品質省燃費性改善潤滑油の配合物から選択できる改善された省燃費性の幾つかの成分および/または幾つかの系を有することが望ましい。

    米国特許第4,956,122号明細書

    米国特許第4,827,064号明細書

    米国特許第4,827,073号明細書

    米国特許第4,149,178号明細書

    米国特許第3,382,291号明細書

    米国特許第3,742,082号明細書

    米国特許第3,769,363号明細書

    米国特許第3,876,720号明細書

    米国特許第4,239,930号明細書

    米国特許第4,367,352号明細書

    米国特許第4,413,156号明細書

    米国特許第4,434,408号明細書

    米国特許第4,910,355号明細書

    米国特許第4,956,122号明細書

    米国特許第5,068,487号明細書

    米国特許第4,218,330号明細書

    米国特許第5,055,626号明細書

    欧州特許出願第168534号明細書

    米国特許第4,658,072号明細書

    米国特許第5,075,269号明細書

    米国特許第2,817,693号明細書

    米国特許第4,975,177号明細書

    米国特許第4,921,594号明細書

    米国特許第4,897,178号明細書

    英国特許第1,429,494号明細書

    英国特許第1,350,257号明細書

    英国特許第1,440,230号明細書

    英国特許第1,390,359号明細書

    欧州特許出願第464546号明細書

    欧州特許出願第464547号明細書

    米国特許第4,594,172号明細書

    米国特許第4,943,672号明細書

    米国特許第6,080,301号明細書

    米国特許第6,090,989号明細書

    米国特許第6,165,949号明細書

    米国特許第4,941,984号明細書

    米国特許第2,443,264号明細書

    米国特許第2,471,115号明細書

    米国特許第2,526,497号明細書

    米国特許第2,591,577号明細書

    米国特許第3,770,854号明細書

    米国特許第4,501,678号明細書

    米国特許第4,758,362号明細書

    米国特許第5,693,598号明細書

    米国特許第5,034,141号明細書

    米国特許第5,034,142号明細書

    米国特許第4.798,684号明細書

    米国特許第5,084,197号明細書

    米国特許第3,595,791号明細書

    米国特許第6,034,039号明細書

    米国特許第3,172,892号明細書

    米国特許第3,215,707号明細書

    米国特許第3,219,666号明細書

    米国特許第3,316,177号明細書

    米国特許第3,341,542号明細書

    米国特許第3,444,170号明細書

    米国特許第3,454,607号明細書

    米国特許第3,541,012号明細書

    米国特許第3,630,904号明細書

    米国特許第3,632,511号明細書

    米国特許第3,787,374号明細書

    米国特許第4,234,435号明細書

    米国特許第3,036,003号明細書

    米国特許第3,200,107号明細書

    米国特許第3,254,025号明細書

    米国特許第3,275,554号明細書

    米国特許第3,438,757号明細書

    米国特許第3,454,555号明細書

    米国特許第3,565,804号明細書

    米国特許第3,413,347号明細書

    米国特許第3,697,574号明細書

    米国特許第3,725,277号明細書

    米国特許第3,725,480号明細書

    米国特許第3,762,882号明細書

    米国特許第4,454,059号明細書

    米国特許第3,329,658号明細書

    米国特許第3,449,250号明細書

    米国特許第3,519,565号明細書

    米国特許第3,666,730号明細書

    米国特許第3,687,849号明細書

    米国特許第3,702,300号明細書

    米国特許第4,100,082号明細書

    米国特許第5,705,458号明細書

    欧州特許出願第471071号明細書

    米国特許第3,087,936号明細書

    米国特許第3,172,892号明細書

    米国特許第3,219,666号明細書

    米国特許第3,272,746号明細書

    米国特許第3,322,670号明細書

    米国特許第3,652,616号明細書

    米国特許第3,948,800号明細書

    カナダ特許第1,094,044号明細書

    米国特許第4,426,305号明細書

    米国特許第4,767,551号明細書

    米国特許第3,697,574号明細書

    米国特許第3,703,536号明細書

    米国特許第3,704,308号明細書

    米国特許第3,751,365号明細書

    米国特許第3,756,953号明細書

    米国特許第3,798,165号明細書

    米国特許第3,803,039号明細書

    米国特許第3,275,554号明細書

    米国特許第3,438,757号明細書

    米国特許第3,565,804号明細書

    米国特許第3,755,433号明細書

    米国特許第3,822,209号明細書

    米国特許第5,084,197号明細書

    米国特許第1,815,022号明細書

    米国特許第2,015,748号明細書

    米国特許第2,191,498号明細書

    米国特許第2,387,501号明細書

    米国特許第2,655,479号明細書

    米国特許第2,666,746号明細書

    米国特許第2,721,877号明細書

    米国特許第2,721,878号明細書

    米国特許第3,250,715号明細書

    米国特許第2,719,125号明細書

    米国特許第2,719,126号明細書

    米国特許第3,087,932号明細書

    オラー(Olah G.A.)(編)「フリーデルクラフトおよび関連反応(Friedel−Crafts and Related Reactions)」、ニューヨーク、インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers)、1963年出版 オラー(Olah G.A.)(編)「フリーデルクラフトおよび関連反応(Friedel−Crafts and Related Reactions)」、第2巻、一部、章14、17および18、ニューヨーク、インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers)、1964年出版 「クラマン潤滑剤および関連製品(Klamann in Lubricants and Related Products)」、フロリダ州ディアフィールドビーチのフェアラークヘミー(Verlag Chemie(Deerfield Beach,FL)、ISBN0−89573−177−0 ラニー(M.W.Ranney)著「潤滑剤添加剤(Lubricant Additives)」、ニュージャージー州パークリッジのノエス・データ・コーポレーション(Noyes Data Corporation(Parkridge,NJ)、1973年 API刊行物1509;www.API.org ガンダーソン(Gunderson)およびハート(Hart)著「合成潤滑油(Synthetic Lubricants)」、ニューヨーク州のラインホールド出版社(Reinhold Publ.Corp.)、1962年 ACS石油化学予稿集(ACS Petroleum Chemistry Preprint)1053〜1058、エーペン(Eapen)ら著「ポリn−アルキルベンゼン化合物:熱安定性および広液体範囲流体のクラス(Poly n−Alkylbenzene Compounds:A Class of Thermally Stable and Wide Liquid Range Fluids)」、フィラデルフィア(Phila.)、1984年 ドレスラー(Dressler,H)著「合成潤滑油および高性能機能流体(Synthetic Lubricants and High Performance Functional Fluids)」,第5章(シュブキン(R.L.Shubkin)(編)),ニューヨーク州のマーセル・デッカー(Marcel Dekker)、1993年 スモールハー(C. V. Smallheer)およびスミス(R.K.Smith)著「潤滑剤添加剤(Lubricant Aditives)」という表題の書籍、オハイオ州クリーブランドのレジウス・ヒルズ(Lezius−Hiles Co.)、1967年

    本発明は、芳香族化合物、エステル、基油の狭い混合物および/または非晶質オレフィンコポリマーなどの非晶質ポリマーの特定の群を含む潤滑油組成物中で用いるための摩擦低減剤に関する。 これらの組成物は、不安定性、好ましくない高い粘度および堆積物などの有害な作用なしで、潤滑油に混合された時に摩擦係数の実質的な減少および省燃費性改善の恩恵を提供することが可能である。

    本発明の一態様において、ペンタエリスリトールエステルおよび任意にトリオールエステルは、減少した摩擦および改善された省燃費性を提供するために潤滑油組成物に添加される。 本発明の第2の態様において、グループII基油、IグループII基油およびワックス異性化基油の一種以上を含有する潤滑油組成物にヒドロカルビル芳香族化合物を添加することにより類似の結果が得られる。 第3の態様において、本発明は、非晶質オレフィンコポリマーならびにグループII基油、グループIII基油およびワックス異性化基油の一種以上を含む潤滑油組成物に関する。 一実施形態において、第3の態様は、組成物の一部としてヒドロカルビル芳香族化合物とポリオールエステルの一種以上も含む。 第4の態様において、中程度の濃度のヒドロカルビル芳香族化合物は、パラフィン基材油および好ましくは硼素化ポリイソブテニルコハク酸イミド無灰分散剤を含む潤滑油組成物中で用いられる。

    エンジン油は、基油および様々な添加剤を含有する。 これらの添加剤には、清浄剤、分散剤、摩擦低減剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、腐食防止剤、摩耗防止剤、流動点降下剤、シール適合添加剤および消泡剤が挙げられる。 有効であるために、これらの添加剤は、油溶性または油分散性でなければならない。 油溶性とは、通常のブレンディング条件下で化合物が基油または潤滑油組成物に可溶性であることを意味する。

    本発明は、不安定性、好ましくない高い粘度および堆積物などの有害な作用なしで、潤滑油に混合された時に、摩擦係数の実質的な減少および省燃費性改善の恩恵を提供することが可能である芳香族化合物、エステル、基油の混合物および/または非晶質オレフィンコポリマーなどの非晶質ポリマーの特定の群に関する。

    一態様において、本発明は、ヒドロカルビル芳香族組成物を含有する潤滑油に配合された時、意外で大幅な省燃費性改善(摩擦減少)の恩恵を提供することが見出されている特定のペンタエリスリトールエステルに関する。 この省燃費性改善の強化は、上述したペンタエリスリトールエステルへの特定のエステルの添加により更に改善することが可能である。 特に、この追加的省燃費性改善は、アルキル化ナフタレンなどの比較的低い濃度のヒドロカルビル芳香族化合物の存在下で、混合されたトリオールエステルとペンタエリスリトールエステル系で見られる。 ヒドロカルビル芳香族化合物の有用な濃度は約1%以上の範囲である。 本発明者らは、約2%〜約45%、より好ましくは約2%〜約30%、なおより好ましくは約3%〜約15%のこうしたヒドロカルビル芳香族化合物が多くの場合に好ましいと考えている。

    望ましいエステルには、混合ヒドロカルビル酸(RCO H)と反応させたモノペンタエリスリトールポリオール、ジペンタエリスリトールポリオールおよびポリペンタエリスリトールポリオールから誘導されたペンタエリスリトールエステルであって、有効−OH基の実質的な量がエステルに転化されているペンタエリスリトールエステルが挙げられる。 酸部分およびエステルの置換ヒドロカルビル基、Rは、約C 〜約C 16以上を含み、好ましい範囲は約C 〜約C 14であり、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、直鎖、分岐および関連したヒドロカルビル基を含んでもよく、そして任意にS、Nおよび/またはO基を含むことが可能である。 置換ヒドロカルビル基、Rの混合基を有するペンタエリスリトールエステルは多くの場合に好ましい。 例えば、置換ヒドロカルビル基、Rは、約1:4〜4:1の比率でC とC 10のヒドロカルビル部分の実質的な量を含んでもよい。 一態様において、好ましいペンタエリスリトールエステルは、およそ約55%のC 、約40%のC 10 、および残りの約5%のC 部分およびC 12+部分を含むR基を有する。 例えば、有用な一種のペンタエリスリトールエステルは、約148の粘度指数、約3℃の流動点および100℃で約5.9cStの動粘度を有する。 ペンタエリスリトールエステルは、約3%〜約30%、好ましくは約4%〜約20%、より好ましくは約5%〜約15%の濃度で潤滑油組成物中で用いることが可能である。

    エステルは、トリメチロールプロパンおよびトリメチロールエタンなどのエステルを含んでもよい。

    使用できるヒドロカルビル芳香族化合物は、ベンゼノイド部分またはナフテノイド部分などの芳香族部分から誘導されたヒドロカルビル芳香族化合物またはヒドロカルビル芳香族化合物誘導体の重量の少なくとも約5%を含むあらゆるヒドロカルビル分子であることが可能である。 これらのヒドロカルビル芳香族化合物には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルオキシド、アルキルナフトール、アルキルジフェニルスルフィド、アルキル化ビス−フェノールAおよびアルキル化チオジフェノールなどが挙げられる。 芳香族化合物は、モノアルキル化、二アルキル化、多アルキル化などをされることが可能である。 芳香族化合物は一官能化または多官能化されることが可能である。 ヒドロカルビル基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基および関連した他のヒドロカルビル基の混合基からなることも可能である。 ヒドロカルビル基は、約C 〜約C 60までの範囲であることが可能であり、約C 〜約C 40の範囲が多くの場合に好ましい。 ヒドロカルビル基の混合基は多くの場合に好ましい。 ヒドロカルビル基は、任意に、硫黄含有置換基、酸素含有置換基および/または窒素含有置換基を含むことが可能である。 芳香族基は、分子の少なくとも約5%が上のタイプの芳香族部分からなるかぎり、天然(石油)源から誘導することも可能である。 約3cSt〜約50cStの100℃における粘度はヒドロカルビル芳香族成分のために好ましく、約3.4cSt〜約20cStの粘度はヒドロカルビル芳香族成分のためにより好ましい。 一実施形態において、アルキル基が主として1−ヘキサデセンからなるアルキルナフタレンが用いられる。 芳香族化合物の他のアルキレートは有利に用いることができる。 例えば、ナフタレンは、オクテン、デセン、ドデセン、テトラデセンまたはより高級のオレフィン、および類似オレフィンの混合物などのオレフィンでアルキル化することが可能である。 潤滑油組成物中のヒドロカルビル芳香族化合物の有用な濃度は、用途に応じて約2%〜約25%、好ましくは約4%〜約20%、より好ましくは約4%〜約15%であることが可能である。

    本発明のヒドロカルビル芳香族化合物などのアルキル化芳香族化合物は、芳香族化合物の周知されたフリーデルクラフトアルキル化によって製造してもよい。 非特許文献1を参照すること。 例えば、ベンゼンまたはナフタレンなどの芳香族化合物は、フリーデルクラフト触媒の存在下でオレフィン、アルキルハロゲン化物またはアルコールによってアルキル化される。 非特許文献2を参照すること。 多くの均一触媒および不均一固体触媒は当業者に知られている。 触媒の選択は、出発材料の反応性および製品の品質要件に応じて異なる。 例えば、AlCl 、BF またはHFなどの強酸を用いてもよい。 場合によって、FeCl またはSnCl などのより穏やかな触媒は好ましい。 他のアルキル化技術はゼオライトまたは固体スーパーアシッドを用いる。

    省燃費性の強化は、(a)ワックス異性化基油を含むグループIIパラフィン油ブレンドまたはグループIIIパラフィン油ブレンドと(b)ヒドロカルビル芳香族化合物の相乗的混合物で見られる。 特に、低濃度のポリオール系エステル(トリメチロールプロパンおよび混合ヒドロカルビル酸から誘導されたエステルなど)およびヒドロカルビル芳香族化合物(アルキル化ナフタレンなど)の存在下での特定の素処理基油を含む上述した基油は、1−デセンのオリゴマーなどのオレフィンオリゴマーから誘導された高品質合成流体約40%の比較的多い量を含む潤滑油と直接比較する時、意外で大幅な省燃費性改善(摩擦減少)の恩恵を提供することが見出されている。 比較のために、基油の両方のグループは、100℃で約4〜約50cStの粘度および約110〜約150以上の類似粘度指数有する。

    本発明のもう一つの態様において、特定の非晶質オレフィンコポリマーは、約110〜約150以上の粘度指数を有する、潤滑油に配合された時、特にワックス異性化油を含む著しい量のグループII基油またはグループIII基油を含有する潤滑油に配合された時、意外で大幅な省燃費性改善(摩擦減少)の恩恵を提供することが見出されている。 こうしたオレフィンコポリマーは主として結晶質ではない。 本発明におい用いられるコポリマーは、約20,000以上、好ましくは60,000以上、より好ましくは100,000以上、なおより好ましくは150,000以上の範囲内の分子量を有する。 例えば、一実施形態において、著しい量から主要な量のプロピレン誘導コポリマーを含む非晶質エチレン−プロピレンコポリマーは約20,000以上の範囲内の分子量を有する。 本発明者らは、最終配合潤滑油中で約1%〜約30%以上、好ましくは約2%〜約25%、より好ましくは約3%〜約20%の濃度での伝統的なエステルおよび/またはアルキルナフタレンなどのヒドロカルビル芳香族化合物の存在下で上の非晶質オレフィンコポリマーを用いる時に、省燃費性の恩恵をさらに強化できると考えている。

    本発明において、これらの非晶質オレフィンコポリマーを用いると、潤滑油組成物において驚くほどの低温ポンプ効果性能をもたらす。

    本発明のもう一つの態様において、大幅な省燃費性の強化は、好ましくはワックス異性化油を含む少なくとも微小濃度のグループIIまたはグループIII水素化分解基油および/または水素化処理基油の存在下での中程度の濃度のヒドロカルビル芳香族化合物の使用で達成される。 これらのヒドロカルビル芳香族化合物は上で記載されている。 グループII基油およびグループIII基油ならびにワックス異性化基油を以下に記載する。 本発明者らは、特定の無灰分散剤の存在が観察された省燃費性の強化に大幅に寄与できるとも考えている。

    例えば、約20%のヒドロカルビル芳香族化合物、約40%のグループIIパラフィン基油、約3重量%の硼素化ポリイソブチルコハク酸イミド無灰分散剤を含む好ましい一種の組成物は特に有用であることが見出されている。 有用な無灰分散剤を以下に記載する。

    ワックス異性化油を含むグループIIおよび/またはグループIII水素処理基油または水素化分解基油、あるいはポリアルファオレフィン潤滑油などのそれらの合成基油は、本発明の態様の各々の成分と合わせて用いられる時に潤滑油基油として好ましい。 全組成物の少なくとも約20%は、ワックス異性化油を含むこうしたグループII基油またはグループIII基油を含むべきであり、場合により少なくとも約30%はより好ましく、場合により少なくとも約50%はより好ましく、場合により約80%を上回るのはなおより好ましい。 気−液(GTL)基油も最終潤滑油を配合するために用いられる基油の一部または全部として本発明の成分と合わせて優先的に用いることが可能である。 こうした基油の全部または一部の混合物は有利に用いることが可能であり、多くの場合に好まれうる。 本発明者らは、C 12 、C 14 、C 16および/またはC 18アルキル化ナフタレンによって例示されるような上述したヒドロカルビル芳香族化合物などのより少ない量の代替流体と合わせて本発明の成分がワックス異性化油を含むグループII基油および/またはグループIII基油から主としてなる潤滑系に添加される時、改善および恩恵が最善であると考えている。 場合によって、モノアルキル化ナフタレンを実質的に含むヒドロカルビル芳香族化合物製品は好まれうる。

    有効量の共基油および種々の性能添加剤を含む他の成分は、本発明の成分と合わせて有利に用いることが可能である。 これらの共基油には、ポリアルファオレフィンオリゴマー低粘度油、ポリアルファオレフィンオリゴマー中粘度油およびポリアルファオレフィンオリゴマー高粘度油、二塩基酸エステル、ポリオールエステル、気−液(GTL)型技術から誘導された油などの他の炭化水素油および補足的ヒドロカルビル芳香族化合物などが挙げられる。 これらの共基油は、少量のデセン誘導トリマーおよびテトラマーも含み、少量のグループI基油も含まれる。 但し、ワックス異性化油を含む上のグループII型基油および/またはグループIII型基油が主たるものであり、こうした基材油の実質的な部分を必要とする上の発明の要素からなる流体中に含まれる全基油の少なくとも約50%を構成することを条件とする。 基油、共基油および他の性能添加剤を以下でより詳しく論じる。

    本発明は、例えば、極性および/または非極性潤滑油基油などの潤滑油組成物中の有効量の別の潤滑油成分、ならびに例えば酸化防止剤、金属分散剤および非金属分散剤、金属清浄剤および非金属清浄剤、腐食防止剤および錆防止剤、金属不活性化剤、摩耗防止剤(金属型および非金属型、燐含有型および非燐型、硫黄含有型および非硫黄型)、極圧添加剤(金属型および非金属型、燐含有型および非燐型、硫黄含有型および非硫黄型)、焼付防止剤、流動点降下剤、ワックス調整剤、粘度調整剤、シール適合剤、摩擦調整剤、潤滑性剤、汚染防止剤、色素剤、消泡剤、抗乳化剤およびその他に限定されないが、それらなどの性能添加剤と合わせて用いることが可能である。 多くの一般に用いられた添加剤のレビューについては、以下で論じる多くの潤滑油添加剤の良好な議論も与える非特許文献3を参照すること。 非特許文献4にも述べられている。

    [基油]
    広範囲の潤滑油が技術上知られている。 本発明において有用な潤滑油は、天然油と合成油の両方である。 天然油および合成油(またはそれらの混合物)は、未精製、精製、または再精製で用いることが可能である(後者は再生油または再処理油としても知られている)。 未精製油は、天然源または合成源から直接得られる油であり、精製を加えずに用いられる。 これらには、レトルト運転から直接得られたシェール油、一次蒸留から直接得られた石油およびエステル化プロセスから直接得られたエステル油が挙げられる。 精製油は、少なくとも一つの潤滑油特性を改善するために精製油が一つ以上の精製工程を受けていることを除き、未精製油について論じた油に似ている。 当業者は多くの精製プロセスに精通している。 これらのプロセスには、溶媒抽出、二次蒸留、酸抽出、塩基抽出、濾過およびパーコレーションが挙げられる。 再精製油は、精製油に似ているが以前に用いられた油を用いるプロセスによって得られる。

    グループI、II、III、IVおよびVは、潤滑油基油のための指針を設けるためにアメリカ石油協会(American Petroleum Institute)(非特許文献5)によって開発され定義された基材油の広い分類である。 グループI基油は、一般に約80〜120の間の粘度指数を有し、約0.03%を上回る硫黄および/または約90%未満の飽和分を含有する。 グループII基油は、一般に約80〜120の間の粘度指数を有し、約0.03%以下の硫黄および約90%以上の飽和分を含有する。 グループIII基油は、一般に約120を上回る粘度指数を有し、約0.03%以下の硫黄および約90%を上回る飽和分を含有する。 グループIVは、ポリアルファオレフィン(POA)を含む。 グループV基油は、グループI〜IVに含まれない基油を含む。 以下の表は、これらの5グループの各々の特性をまとめている。

    天然油には、動物油、植物油(例えば、ヒマシ油およびラード油)および鉱油が挙げられる。 好ましい熱酸化安定性を有する動物油および植物油を用いることが可能である。 天然油の中で鉱油が好ましい。 鉱油は、原油源に関して、例えば、パラフィン性、ナフテン性または混合パラフィン性−ナフテン性かどうかに関して広く異なる。 石炭またはシェールから誘導される油も本発明において有用である。 天然油も、生産および精製のために用いられる方法に関して、例えば、蒸留範囲と、直留であるか、または分解されているか、水素精製されているか、あるいは溶媒抽出されているかどうかに関して異なる。

    合成油には炭化水素油が含まれる。 炭化水素油には、ポリマー化オレフィンおよびインターポリマー化オレフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレンイソブチレンコポリマー、エチレン−オレフィンコポリマーおよびエチレン−アルファオレフィンコポリマー)などの油が挙げられる。 ポリアルファオレフィン(PAO)基油は、一般に用いられる合成炭化水素油である。 例として、C 、C 10 、C 12 、C 14オレフィンまたはそれらの混合物から誘導されたPAOを用いてもよい。 特許文献1、特許文献2および特許文献3を参照すること。 これらの特許文献は全体的に本明細書に引用して援用する。

    既知材料であるとともに、エクソン・モービル(ExxonMobil Chemical Company)、シェブロン・フィリップス(Chevron−Phillips)、BP−アモコ(BP−Amoco)およびその他から商業的に大規模で一般に入手できるPAOの数平均分子量は、PAOを約100cSt(100℃)までの粘度で製造できるけれども、典型的には約250〜約3,000まで異なる。 PAOは、C 〜約C 32アルファオレフィンに限定されないが、典型的にはそれらを含むアルファオレフィンの比較的低分子量の水素添加ポリマーまたはオリゴマーからなる。 1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセンなどのC 〜約C 16アルファオレフィンは好ましい。 好ましいポリアルファオレフィンは、ポリ−1−オクテン、ポリ−1−デセンおよびポリ−1−ドデセンならびにそれらの混合物および混合オレフィン誘導ポリオレフィンである。 しかし、許容可能に低い揮発度の低粘度基油を提供するために、C 14 〜C 18の範囲内のより高次のオレフィンのダイマーを用いてもよい。 粘度グレードおよび出発オリゴマーに応じて、PAOは、1.5〜12cStの粘度範囲を有するより高次の少量のオリゴマーを含んだ出発オレフィンの主としてトリマーおよびテトラマーであってもよい。

    PAO流体は、例えば、三塩化アルミニウム、三弗化硼素あるいは三弗化硼素と水、エタノール、プロパノールまたはブタノールなどのアルコール、カルボン酸あるいは酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステルとの錯体を含むフリーデルクラフト触媒などの重合触媒の存在下でのアルファオレフィンの重合によって便利に製造してもよい。 例えば、特許文献4または特許文献5によって開示された方法を本明細書で便利に用いてもよい。 PAO合成のその他の記載は、特許文献6〜15において見られる。 C 14 〜C 18オレフィンのダイマーは特許文献16に記載されている。 前述した特許文献のすべては全体的に本明細書に引用して援用する。

    有用な他の合成潤滑基油オイル、例えば、非特許文献6の独創的な研究に記載された合成潤滑基油も用いてよい。 この参考文献は本明細書に引用して援用する。

    アルキル化芳香族基材油において、アルキル置換基は、典型的には炭素原子数約8〜25、通常は炭素原子数10〜18のアルキル基であり、非特許文献7においてアルキルベンゼンについて記載されたように3個までのこうした置換基は存在してもよい。 トリ−アルキルベンゼンは、特許文献17に記載されたように炭素原子数8〜12の1−アルキンの環化二量化によって製造してもよい。 他のアルキルベンゼンは、特許文献18および特許文献19に記載されている。 アルキルベンゼンは、特に低温用途(北極車両サービスおよび冷凍機油)のための潤滑油基油として、および製紙油において用いられる。 アルキルベンゼンは、ビスタ・ケム(Vista Chem.Co.)、ハンツマン・ケミカル(Huntsman Chemical Co.)、シェブロン・ケミカル(Chevron Chemical Co.)および日本石油(Nippon Oil Co.)などの直鎖アルキルベンゼン(LAB)の製造業者から市販されている。 直鎖アルキルベンゼンは、添加剤のための良好な溶解と合わせて良好な低流動点および低温粘度ならびに100を上回るVI値を有する。 必要な時に用いてもよい他のアルキル化芳香族化合物は、例えば、非特許文献8に記載されている。

    有用な他の潤滑油基油には、水素異性化ワックス基材油(例えば、ガスオイル、スラックワックス、燃料水素化分解炉塔底油など)、水素異性化フィッシャートロプシュワックスを含むワックス異性化基油、気−液(GTL)基油、ならびに他のワックス異性化水素異性化基油、またはそれらの混合物が挙げられる。 フィッシャートロプシュ合成の高沸点残留物であるフィッシャートロプシュワックスは、硫黄含有率が非常に低い高度パラフィン炭化水素である。 こうした基油の製造のために用いられる水素処理は、特殊潤滑油水素化分解(LHCD)触媒または結晶質水素化分解/水素異性化触媒の一方、好ましくはゼオライト触媒などの非晶質水素化分解/水素異性化触媒を用いてもよい。 例えば、有用な一種の触媒は、特許文献20に記載されたZSM−48である。 この特許文献の開示は全体的に本明細書に引用して援用する。 水素化分解/水素異性化留出物および水素化分解/水素異性化ワックスを製造するプロセスは、例えば、特許文献21〜28に記載されている。 前述した特許文献の各々は全体的に本明細書に引用して援用する。 特に好ましいプロセスは、特許文献29および特許文献30に記載されている。 これらの特許文献も本明細書に引用して援用する。 フィッシャートロプシュワックス原料を用いるプロセスは、特許文献31および特許文献32に記載されている。 これらの特許文献の開示は全体的に本明細書に引用して援用する。 気−液(GTL)基油、フィッシャートロプシュワックス誘導基油および他のワックス誘導水素異性化(ワックス異性化)基油は本発明において有利に用いられ、100℃における約4.0cStの動粘度および約141の粘度指数を有するGTL4によって例示されるように、約3cSt〜約50cSt、好ましくは約3cSt〜約30cSt、より好ましくは約3.5cSt〜約25cStの100℃における有用な動粘度を有しうる。 これらの気−液(GTL)基油、フィッシャートロプシュワックス誘導基油および他のワックス誘導水素異性化基油は、約−20℃以下の有利な流動点を有する場合があり、ある条件下で約−25℃以下の有利な流動点を有する場合があり、有用な流動点は約−30℃〜約−40℃以下である。 気−液(GTL)基油、フィッシャートロプシュワックス誘導基油およびワックス誘導水素異性化基油の有用な組成は、例えば、特許文献33〜35に挙げられており、これらの特許文献は全体的に本明細書に引用して援用する。

    気−液(GTL)基油、フィッシャートロプシュワックス誘導基油は、従来のグループII基油およびグループIII基油に比べて有益な動粘度の利点を有し、その利点は、本発明と合わせて非常に有利に用いることが可能である。 気−液(GTL)基油は、100℃で約20〜50cStまでの大幅により高い動粘度を有しすることが可能であるのに対して、比べると商用グループII基油は、100℃で約15cStまでの動粘度を有することが可能であり、商用グループIII基油は、100℃で約10cStまでの動粘度を有することが可能である。 グループII基油およびグループIII基油のより限定的な動粘度範囲と比べて気−液(GTL)基油のより高い動粘度範囲は、本発明と組み合わせて潤滑油組成物の配合において追加な有益な利点をもたらすことが可能である。 適するオレフィンオリゴマー基油および/またはアルキル芳香族化合物基油の低い硫黄含有率と組み合わせて、且つ本発明と組み合わせて、気−液(GTL)基油および他のワックス誘導水素異性化基油の格別に低い硫黄含有率は、非常に低い総合的硫黄含有率が潤滑油性能に有益に影響を及ぼしうる潤滑油組成物における追加的利点をもたらすことが可能である。

    アルキレンオキシドポリマーおよびインターポリマーならびに例えばエステル化またはエーテル化によって得られる変性末端ヒドロキシル基を含むそれらの誘導体は有用な合成潤滑油である。 例として、これらの油は、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド、これらのポリオキシアルキレンポリマーのアルキルエーテルおよびアリールエーテル(例えば、約1000の平均分子量を有するメチル−ポリイソプロピレングリコールエーテル、約500〜1000の分子量を有するポリエチレングリコールのジフェニルエーテル、および約1000〜1500の分子量を有するポリプロピレングリコールのジエチルエーテル)、またはそれらのモノカルボン酸エステルおよびポリカルボン酸エステル(例えば、酸性酸エステル、混合C 3〜8脂肪酸エステルまたはテトラエチレングリコールのC 13オキソ酸ジエステル)の重合によって得てもよい。

    エステルは有用な基油を構成する。 添加剤の溶解力およびシール適合性の特性は、二塩基酸とモノアルカノールのエステルおよびモノカルボン酸のポリオールエステルなどのエステルの使用によって確保してもよい。 前者のタイプのエステルには、例えば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸ダイマー、マロン酸、アルキルマロン酸、アルケニルマロン酸などのジカルボン酸と、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールなどの様々なアルコールのエステルが挙げられる。 エステルのこれらのタイプの特定の例には、ジブチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ−n−ヘキシルフマレート、ジオクチルセバケート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソデシルアゼレート、ジオクチルフタレート、ジデシルフタレート、ジエイコシルセバケートなどが挙げられる。

    特に有用な合成エステルは、一種以上の多価アルコール、好ましくはヒンダードポリオール(ネオペンチルポリオール、例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトールなど)と、少なくとも約4個の炭素原子を含むアルカン酸(好ましくは、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸およびベヘン酸を含む飽和直鎖脂肪酸などのC 〜C 30酸、または対応する分岐鎖脂肪酸あるいはオレイン酸などの不飽和脂肪酸またはこれらの材料のどれかの混合物)との反応によって得られるエステルである。

    適する合成エステル成分には、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールおよび/またはジペンタエリスリトールと約5〜約10個の炭素原子を含む一種以上のモノカルボン酸のエステルが挙げられる。 これらのエステル、例えば、「モービル(Mobil)」P−41およびP−51エステル(エクソン・モービル(ExxonMobil Chemical Company))は広く市販されている。

    珪素系油は、有用な合成潤滑油のもう一つのクラスである。 これらの油には、ポリアルキル−、ポリアリール−、ポリアルコキシ−、およびポリアリールオキシ−シロキサン油およびシリケート油が挙げられる。 適する珪素系油の例には、テトラエチルシリケート、テトライソプロピルシリケート、テトラ−(2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(4−メチル−ヘキシル)シリケート、テトラ−(p−t−ブチルフェニル)シリケート、ヘキシル−(4−メチル−2−ペントキシ)ジシロキサン、ポリ(メチル)シロキサンおよびポリ−(メチル−2−メチルフェニル)シロキサンが挙げられる。

    合成潤滑油のもう一つのクラスは燐含有酸のエステルである。 これらには、例えば、トリクレシルホスフェート、トリオクチルホスフェート、デカンホスホン酸のジエチルエステルが挙げられる。 油のもう一つのクラスには、高分子テトラヒドロフランなどが挙げられる。

    本発明のヒドロカルビル芳香族化合物および高分子量オレフィンオリゴマーの独特の添加剤作用に加えて、本発明者らは、上で文書化した優れた性能特性をもたらすために、本発明の成分と組み合わせて用いられる基油としてグループIV基油およびグループV基油の代わりに、またはグループIV基油およびグループV基油に加えて、高度に精製された低硫黄グループII基油/低硫黄グループIII基油(水素処理油、HDPなど)およびワックス異性化基油を用いてもよいと考えている。

    潤滑油組成物中で本発明と組み合わせて用いられる性能添加剤の種類および量は、例示として本明細書で示した実施例によって限定されない。

    [摩耗防止剤およびEP添加剤]
    内燃機関の潤滑油は、内燃機関のために適切な摩耗防止保護を提供するために摩耗防止剤および/または極圧(EP)添加剤の存在を必要とする。 エンジン油のための仕様書は、油の摩耗防止特性の改善に関する傾向をますます示してきた。 摩耗防止剤およびEP添加剤は、金属部品の摩擦および摩耗を減少させることにより、この役割を果たす。

    異なる多くのタイプの摩耗防止剤が存在する一方で、数十年にわたって内燃機関のクランクケース油のための主たる摩耗防止剤は、一次金属成分が亜鉛またはジアルキルジチオ燐酸亜鉛(ZDDP)である金属アルキルチオホスフェート、より特に金属ジアルキルジチオホスフェートである。 ZDDP化合物は、一般に、式:Zn[Sn(S)(OR )(OR )] (式中、R およびR は、C 〜C 18アルキル基、好ましくはC 〜C 12アルキル基である)の化合物である。 これらのアルキル基は直鎖または分岐であってもよい。 ZDDPは、全潤滑油組成物の典型的には約0.4〜1.4重量%の量で用いられる。 但し、より多くの量またはより少ない量を多くの場合に有利に用いることが可能である。

    しかし、これらの添加剤の燐が触媒コンバーター中の触媒に、および自動車の酸素センサーにも有害な影響を及ぼすことが分かっている。 この影響を最少にする一方法は、燐のない摩耗防止剤をZDDPの一部または全部の代わりに用いることである。

    様々な非燐添加剤も摩耗防止剤として用いられる。 硫化オレフィンは摩耗防止剤およびEP添加剤として有用である。 硫黄含有オレフィンは、約3〜30個の炭素原子、好ましくは3〜20個の炭素原子を含む脂肪族、アリール脂肪族または脂環式オレフィン炭化水素を含む種々の有機材料の硫化によって調製することが可能である。 オレフィン化合物は少なくとも一個の非芳香族二重結合を含む。 こうした化合物は式:
    C=CR
    によって定義される。
    式中、R 〜R の各々は独立して水素または炭化水素基である。 好ましい炭化水素基はアルキル基またはアルケニル基である。 環式環を形成させるためにR 〜R のどれか二個を連結してもよい。 硫化オレフィンおよび硫化オレフィンの調製に関する追加情報は特許文献36で見ることが可能である。 この特許文献は全体的に本明細書に引用して援用する。

    チオ燐酸およびチオ燐酸エステルの多硫化物の潤滑油添加剤としての使用は、特許文献37〜40で開示されている。 摩耗防止剤、酸化防止剤およびEP添加剤としての二硫化ホスホロチオニルの添加は、特許文献41で開示されている。 モリブデン化合物(例えば、オキシモリブデンジイソプロピルホスホロジチオエートスルフィド)および燐エステル(例えば、ジブチル水素ホスフィット)と組み合わせたアルキルチオカルバモイル化合物(例えば、ビス(ジブチル)チオカルバモイル)の潤滑油中の摩耗防止剤としての使用は特許文献42で開示されている。 特許文献43には、改善された摩耗防止特性および極圧特性を提供するためにカルバメート添加剤の使用が開示されている。 摩耗防止剤としてのチオカルバメートの使用は、特許文献44で開示されている。 モリ−硫黄アルキルジチオカルバメートトリマー錯体(R=C 〜C 12アルキル)などのチオカルバメート/モリブデン錯体も有用な摩耗防止剤である。 前述した特許文献の各々は全体的に本明細書に引用して援用する。

    グリセロールのエステルは、摩耗防止剤として用いてもよい。 例えば、モノオレエート、ジオレエートおよびトリオレエート、モノパルミテートおよびモノミリステートを用いてもよい。

    ZDDPは、摩耗防止特性を提供する他の組成物と組み合わされる。 特許文献45には、チオジキサントゲン化合物(例えばオクチルチオジキサントゲン)および金属チオホスフェート(例えばZDDP)の組み合わせが摩耗防止特性を改善できることが開示されている。 特許文献46には、ZDDPと組み合わせた金属アルキオキシアルキルキサンテート(例えばニッケルエトキシエチルキサンテート)およびジキサントゲン(例えば、ジエトキシエチルジキサントゲン)の使用が摩耗防止特性を改善することが開示されている。 前述した特許文献の各々は全体的に本明細書に引用して援用する。

    好ましい摩耗防止剤には、ジチオ燐酸亜鉛および/または硫黄、窒素、硼素、モリブデンホスホロジチオエートなどの燐および硫黄化合物、モリブデンジチオカルバメート、およびヘテロ環式化合物、例えば、ジメルカプトチアジアゾール、メルカプトベンゾチアジアゾールおよびトリアジンなどを含む種々の有機モリブデン誘導体が挙げられ、脂環式化合物、アミン、アルコール、エステル、ジオール、トリオールおよび脂肪酸アミンなども用いることが可能である。 こうした添加剤は、約0.01〜6重量%、好ましくは約0.01〜4重量%の量で用いてもよい。

    [粘度指数向上剤]
    粘度指数向上剤(VI向上剤、粘度調整剤および粘度向上剤としても知られている)は、高温運転適性および低温運転適性を潤滑油に与える。 これらの添加剤は、高温での剪断安定性および低温での許容可能な粘度を付与する。

    適する粘度指数改善剤には、高分子量炭化水素、ポリエステルおよび粘度指数向上剤と分散剤の両方として機能する粘度指数向上剤分散剤が挙げられる。 これらのポリマーの典型的な分子量は、約10,000〜1,000,000の間、より典型的には約20,000〜500,000、なおより典型的には約50,000〜200,000の間である。

    適する粘度指数向上剤の例は、メタクリレート、ブタジエン、オレフィンまたはアルキル化スチレンのポリマーおよびコポリマーである。 ポリイソブチレンは一般に用いられる粘度指数向上剤である。 適するもう一種の粘度指数向上剤は、ポリメタクリレート(例えば、種々の鎖長のアルキルメタクリレートのコポリマー)であり、その一部の配合物は、流動点降下剤としても機能する。 適する他の粘度指数向上剤には、エチレンとプロピレンのコポリマー、スチレンとイソプレンの水素添加ブロックコポリマーおよびポリアクリレート(例えば、種々の鎖長のアクリレートのコポリマー)が挙げられる。 特定の例には、分子量50,000〜200,000のスチレン−イソプレン系ポリマーまたはスチレン−ブタジエン系ポリマーが挙げられる。

    粘度指数向上剤は、約0.01〜8重量%、好ましくは約0.01〜4重量%の量で用いてもよい。

    [酸化防止剤]
    酸化防止剤は、使用中の基油の酸化劣化を遅らせる。 こうした劣化は、金属表面上の堆積物、スラッジの存在または潤滑油の粘度増加を招きうる。 当業者は、潤滑油組成物中で有用である様々な酸化防止剤を知っている。 例えば、前掲の非特許文献3並びに特許文献47および特許文献48を参照すること。 これらの参考文献の各々は全体的に本明細書に引用して援用する。

    有用な酸化防止剤には、ヒンダードフェノールが挙げられる。 これらのフェノール系酸化防止剤は、無灰(無金属)フェノール系化合物あるいは特定のフェノール系化合物の中性金属塩または塩基性金属塩であってもよい。 典型的なフェノール系酸化防止剤化合物は、立体的に封鎖されたヒドロキシル基を含む化合物であるヒンダードフェノール化合物であり、これらには、ヒドロキシル基が互いにo−位置またはp−位置にあるジヒドロキシアリール化合物の誘導体が挙げられる。 典型的なフェノール系酸化防止剤には、C +アルキル基で置換されたヒンダードフェノールおよびこれらのヒンダードフェノールのアルキレン連結誘導体が挙げられる。 この種のフェノール系材料の例には、2−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール、2−t−ブチル−4−オクチルフェノール、2−t−ブチル−4−ドデシルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ドデシルフェノール、2−メチル−6−t−ブチル−4−ヘプチルフェノールおよび2−メチル−6−t−ブチル−4−ドデシルフェノールが挙げられる。 有用な他のヒンダードモノフェノール系酸化防止剤には、例えば、ヒンダード2,6−ジ−アルキル−フェノール系プロピオン酸エステル誘導体を挙げることができる。 ビス−フェノール系酸化防止剤も、本発明と組み合わせて有利に用いることが可能である。 オルト連結フェノールの例には、2,2'−ビス(6−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール)、2,2'−ビス(6−t−ブチル−4−オクチルフェノール)および2,2'−ビス(6−t−ブチル−4−ドデシルフェノール)が挙げられる。 パラ連結ビスフェノールには、例えば、4,4'−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)および4,4'−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)が挙げられる。

    用いてもよい非フェノール系酸化防止剤には、芳香族アミン酸化防止剤を挙げることができ、これらは、それ自体単独またはフェノールと組み合わせてのいずれかで用いてもよい。 非フェノール系酸化防止剤の典型的な例には、式:R 10 N[式中、R は脂肪族基、芳香族基または置換芳香族基であり、R は芳香族基または置換芳香族基であり、R 10はH、アルキル、アリールまたはR 11 S(O) 12 (ここで、R 11はアルキレン、アルケニレンまたはアラルキレン基であり、R 12は、より高級のアルキル基またはアルケニル、アリールまたはアルカリール基であり、xは0、1または2である)]の芳香族モノアミンなどのアルキル化芳香族アミンおよび非アルキル化芳香族アミンが挙げられる。 脂肪族基R は1〜約20個の炭素原子を含んでもよく、好ましくは約6〜12個の炭素原子を含む。 脂肪族基は飽和脂肪族基である。 好ましくは、R とR の両方は芳香族基または置換芳香族基であり、芳香族基は、ナフチルなどの縮合環芳香族基であってもよい。 芳香族基R およびR は、Sなどの他の基と合わせて連結してもよい。

    典型的な芳香族アミン系酸化防止剤は、少なくとも約6個の炭素原子のアルキル置換基を有する。 脂肪族基の例には、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシルが挙げられる。 一般に、脂肪族基は約14個を上回る炭素原子を含まない。 本組成物中で有用なアミン系酸化防止剤の一般タイプには、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジン、イミドジベンジルおよびジフェニルフェニレンジアミンが挙げられる。 二種以上の芳香族アミンの混合物も有用である。 高分子アミン酸化防止剤も用いることが可能である。 本発明において有用な芳香族アミン酸化防止剤の特定の例には、p,p'−ジオクチルジフェニルアミン、t−オクチルフェニル−アルファ−ナフチルアミン、フェニル−アルファナフチルアミンおよびp−オクチルフェニル−アルファ−ナフチルアミンが挙げられる。

    硫化アルキルフェノールおよびそれらのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩も有用な酸化防止剤である。 低硫黄過酸化物分解剤は酸化防止剤として有用である。

    潤滑油組成物中で用いられる酸化防止剤のもう一つのクラスは油溶性銅化合物である。 適するいかなる油溶性銅化合物も潤滑油中にブレンドしてもよい。 適する銅酸化防止剤の例には、銅ジヒドロカルビルチオホスフェートまたは銅ジヒドロカルビルジチオホスフェートおよびカルボン酸の銅塩(天然または合成)が挙げられる。 適する他の銅塩には、銅ジチオカルバメート、スルホネート、フェネートおよびアセチルアセトネートが挙げられる。 アルケニルコハク酸または酸無水物から誘導された塩基性、中性または酸性銅(I)および/または銅(II)塩は特に有用であることが知られている。

    好ましい酸化防止剤には、ヒンダードフェノール、アリールアミン、低硫黄過酸化物分解剤および他の関連成分が挙げられる。 これらの酸化防止剤は、タイプ別に個々に、または互いに組み合わせて用いてもよい。 こうした添加剤は、約0.01〜5重量%、好ましくは約0.01〜1.5重量%の量で用いてもよい。

    [清浄剤]
    清浄剤は潤滑油組成物中で一般に用いられる。 典型的な清浄剤は、分子の長鎖親油性部分および分子のより小さいアニオン部分または疎油性部分を含むアニオン材料である。 清浄剤のアニオン部分は、典型的には、サルファ酸、カルボン酸、燐酸、フェノールまたはそれらの混合物などの有機酸から誘導される。 対イオンは、典型的には、アルカリ土類金属またはアルカリ金属である。

    実質的に化学量論量の金属を含む塩は中性塩と表現され、0〜8の全塩基価(ASTM D2896によって測定されるTBN)を有する。 多くの組成物は、過剰の金属化合物(例えば、金属水酸化物または金属酸化物)と酸性ガス(二酸化炭素など)の反応によって達成される大量の金属塩基を含有して、過塩基化されている。 有用な清浄剤は、中性であることが可能であるか、軽く過塩基化されうるか、または非常に過塩基化されうる。

    少なくとも多少の清浄剤が過塩基化されることが望ましい。 過塩基化された清浄剤は、燃焼プロセスによってもたらされた酸性不純物を中和するのを助け、油中に閉じ込められることになる。 典型的には、過塩基化された材料は、当量基準で約1.05:1〜50:1の清浄剤の金属イオン対アニオン部分の比を有する。 より好ましくは、比は約4:1〜約25:1である。 得られた清浄剤は、典型的には約150以上、多くの場合に約250〜450以上のTBNを有する過塩基化された清浄剤である。 好ましくは、過塩基化するカチオンは、ナトリウム、カルシウムまたはマグネシウムである。 異なるTBNの清浄剤の混合物を本発明において用いることが可能である。

    好ましい清浄剤には、スルフェート、フェネート、カルボキシレート、ホスフェートおよびサリシレートのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が挙げられる。

    スルホネートは、アルキル置換芳香族炭化水素のスルホン化によって典型的に得られるスルホン酸から調製してもよい。 炭化水素の例には、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ビフェニルおよびそれらのハロゲン化誘導体(例えば、クロロベンゼン、クロロトルエンおよびクロロナフタレン)のアルキル化によって得られるものが挙げられる。 アルキル化剤は、典型的には約3〜70個の炭素原子を有する。 アルカリールスルホネートは、典型的には約9〜約80個以上の炭素原子、より典型的には約16〜60個の炭素原子を含む。

    前掲の非特許文献3には、潤滑油中の清浄剤および分散剤として有用な種々のスルホン酸の過塩基化された金属塩の多くが開示されている。 非特許文献9には、分散剤/清浄剤として有用な過塩基性化されたスルホネートの多くが同様に開示されている。

    アルカリ土類金属フェネートは清浄剤のもう一つの有用なクラスである。 これらの清浄剤は、アルカリ土類金属水酸化物または酸化物(例えば、CaO、Ca(OH) 、BaO、Ba(OH) 、MgO、MG(OH) )とアルキルフェノールまたは硫化アルキルフェノールの反応によって製造することが可能である。 有用なアルキル基には、直鎖または分岐C 〜C 30アルキル基、好ましくはC 〜C 20アルキル基が挙げられる。 適するフェノールの例には、イソブチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、ノニルフェノールおよび1−エチルデシルフェノールなどが挙げられる。 出発アルキルフェノールが、それぞれ独立して直鎖または分岐である1個を上回るアルキル置換基を含んでもよいことが注意されるべきである。 非硫化アルキルフェノールを用いる時、硫化製品は技術上周知された方法によって得てもよい。 これらの方法には、アルキルフェノールと硫化剤(元素硫黄および二塩化硫黄などの硫黄ハロゲン化物などを含む)の混合物を加熱し、その後、硫化フェノールをアルカリ土類金属塩基と反応させることを含む。

    カルボン酸の金属塩も清浄剤として有用である。 これらのカルボン酸清浄剤は、塩基性金属化合物を少なくとも一種のカルボン酸と反応させ、反応生成物から遊離水を除去することにより調製してもよい。 これらの化合物は、所望のTBNレベルをもたらすために過塩基化してもよい。 サリチル酸から製造された清浄剤はカルボン酸から誘導された清浄剤の好ましい一つのクラスである。 有用なサリチル酸には、長鎖アルキルサリシレートが挙げられる。 組成物の有用な一つの系統は以下の式のものである。

    式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜約30のアルキル基であり、nは1〜4の整数であり、Mはアルカリ土類金属である。 好ましいR基は、少なくともC 11 、好ましくはC 13以上のアルキル鎖である。 Rは、清浄剤の機能を妨げない置換基で任意に置換されてもよい。 Mは、好ましくは、カルシウム、マグネシウムまたはバリウムである。 より好ましくは、Mはカルシウムである。

    ヒドロカルビル置換サリチル酸は、コルベ反応によってフェノールから調製してもよい。 これらの化合物の合成に関する追加的情報については、特許文献49を参照すること。 この特許文献は全体的に本明細書に引用して援用する。 ヒドロカルビル置換サリチル酸の金属塩は、水またはアルコールなどの極性溶媒中での金属塩の複分解によって調製してもよい。

    アルカリ土類金属ホスフェートも清浄剤として有用である。

    清浄剤は、単純清浄剤、あるいは混成(ハイブリッド)清浄剤または複合清浄剤として知られている清浄剤であってもよい。 後者の清浄剤は、別個の材料をブレンドする必要なしに2種の清浄剤の特性を提供することが可能である。 例えば、特許文献50を参照すること。 好ましい清浄剤には、カルシウムフェネート、カルシウムスルホネート、カルシウムサリシレート、マグネシウムフェネート、マグネシウムスルホネート、マグネシウムサリシレートおよび他の関連成分(硼素化清浄剤を含む)が挙げられる。 全清浄剤濃度は、典型的には約0.01〜約6.0重量%、好ましくは約0.1〜0.4重量%である。

    [分散剤]
    エンジン運転中、油不溶性酸化副生物が生じる。 分散剤は、これらの副生物を溶液中に保つのを助け、こうして金属表面上の副生物の堆積物を減らす。 分散剤は、事実上無灰または灰生成性であってもよい。 好ましくは、分散剤は無灰である。 いわゆる無灰分散剤は、燃焼しても灰を実質的に全く生じない有機材料である。 例えば、非−金属含有分散剤または硼素化無金属分散剤は無灰と考えられる。 それに反して、上で論じた金属含有清浄剤は燃焼すると灰を生成する。

    適する分散剤は、典型的には、比較的高い分子量の炭化水素鎖に結合された極性基を含む。 極性基は、典型的には、窒素、酸素または燐の少なくとも一種の元素を含む。 典型的な炭化水素鎖は50〜400個の炭素原子を含む。

    多くの分散剤は、フェネート、スルホネート、硫化フェネート、サリシレート、ナフテネート、ステアレート、カルバメート、チオカルバメート、燐誘導体として化学的に特徴づけることが可能である。 分散剤の特に有用なクラスは、長鎖置換アルケニルコハク酸化合物、通常は置換無水コハク酸とポリヒドロキシ化合物またはポリアミノ化合物の反応によって典型的に製造されたアルケニルコハク酸誘導体である。 油への溶解度を付与する分子の親油部分を構成する長鎖基は、通常はポリイソブチレン基である。 この種の分散剤の多くの例は商業的に且つ文献において周知されている。 こうした分散剤を記載している代表的な米国特許は、特許文献51〜62である。 他のタイプの分散剤は、特許文献63〜83に記載されている。 分散剤の更なる記載は、例えば、この目的のため分散剤について述べている特許文献84で見ることができる。 前述した特許文献のすべては全体的に本明細書に引用して援用する。

    ヒドロカルビル置換コハク酸化合物は普及している分散剤である。 炭化水素置換基中に好ましくは少なくとも50個の炭素原子を有する炭化水素置換コハク酸化合物と少なくとも1当量のアルキレンアミンの反応によって調製された特にコハク酸イミド、コハク酸エステルまたはコハク酸エステルアミンは特に有用である。

    コハク酸イミドは、アルケニル無水コハク酸とアミンとの間の縮合反応によって形成される。 モル比はポリアミンに応じて異なることが可能である。 例えば、アルケニル無水コハク酸対TEPAのモル比は、約1:1から約5:1まで異なることが可能である。 代表的な例は、特許文献85〜92に示されている。 これらの特許文献は全体的に本明細書に引用して援用する。

    コハク酸エステルは、アルケニル無水コハク酸とアルコールまたはポリオールとの間の縮合反応によって形成される。 モル比は、用いられるアルコールまたはポリオールに応じて異なることが可能である。 例えば、アルケニル無水コハク酸とペンタエリスリトールの縮合製品は有用な分散剤である。

    コハク酸エステルアミドは、アルケニル無水コハク酸とアルカノールアミンとの間の縮合反応によって形成される。 例えば、適するアルカノールアミンには、エトキシル化ポリアルキルポリアミン、プロポキシル化ポリアルキルポリアミンおよびポリエチレンポリアミンなどのポリアルケニルポリアミンが挙げられる。 一例はプロポキシル化ヘキサメチレンジアミンである。 代表的な例は、特許文献93に示されている。 この特許文献は本明細書に引用して援用する。

    前パラグラフで用いられたアルケニル無水コハク酸の分子量は、典型的には800〜2,500の間の範囲である。 上の製品は、硫黄、酸素、ホルムアルデヒド、オレイン酸などのカルボン酸およびボレートエステルまたは高度硼素化分散剤などの硼素化合物などの種々の試薬と後反応させることが可能である。 分散剤は、分散剤反応製品モル当たり硼素約0.1〜約5モルで硼素化することが可能である。

    マンニッヒ塩基分散剤は、アルキルフェノール、ホルムアルデヒドおよびアミンの反応から製造される。 特許文献94を参照すること。 この特許文献は本明細書に引用して援用する。 加工助剤ならびにオレイン酸およびスルホン酸などの触媒も反応混合物の一部であることが可能である。 アルキルフェノールの分子量は、800〜2,500の範囲である。 代表的な例は、特許文献95〜101に示されている。 これらの特許文献は全体的に本明細書に引用して援用する。

    本発明において有用な典型的な高分子量脂肪酸変性マンニッヒ縮合製品は、高分子量アルキル置換ヒドロキシ芳香族化合物またはHN(R) 基含有反応物から調製することが可能である。

    高分子量アルキル置換ヒドロキシ芳香族化合物の例は、ポリプロピルフェノール、ポリブチルフェノールおよび他ポリアルキルフェノールである。 これらのポリアルキルフェノールは、フェノールのベンゼン環上に平均で600〜100,000の分子量を有するアルキル置換基を与えるためにBF などのアルキル化触媒の存在下で、高分子量ポリプロピレン、ポリブチレンまたは他のポリアルキレン化合物によるフェノールのアルキル化によって得ることが可能である。

    HN(R) 基含有反応物の例は、アルキレンポリアミン、主としてポリエチレンポリアミンである。 マンニッヒ縮合製品の調製において用いるために適する少なくとも一個のHN(R) 基を含む他の代表的な有機化合物は周知されており、それらには、モノアミノアルカンおよびジアミノアルカンならびにそれらの置換類似体、例えば、エチルアミンおよびジエタノールアミン、芳香族ジアミン、例えば、フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン、ヘテロ環式アミン、例えば、モルホリン、ピロール、ピロリジン、イミダゾール、イミダゾリジンおよびピペリジン、メラミンおよびそれらの置換類似体が挙げられる。

    アルキレンポリアミド反応物の例には、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミン、ヘキサエチレンヘプタアミン、ヘプタエチレンオクタアミン、オクタエチレンノナアミン、ノナエチレンデカアミンおよびデカエチレンウンデカアミンならびに前述した式:H N−(Z−NH−) H(前の式のZは二価エチレンであり、nは1〜10である)におけるアルキレンポリアミンに対応する窒素含有率を有するこうしたアミンの混合物が挙げられる。 プロピレンジアミンおよびジ−、トリ−、テトラ−、ペンタプロピレントリ−、テトラ−、ペンタ−およびヘキサアミンなどの対応するプロピレンポリアミンも適する反応物である。 アルキレンポリアミンは、通常、アンモニアとジクロロアルカンなどのジハロアルカンの反応により得られる。 従って、2〜11モルのアンモニアと、2〜6個の炭素原子および異なる炭素上に塩素を有する1〜10モルのジクロロアルカンの反応から得られたアルキレンポリアミンは、適するアルキレンポリアミン反応物である。

    本発明において有用な高分子量製品の調製において有用なアルデヒド反応物には、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドおよびホルマリンとしても)などの脂肪族アルデヒド、アセトアルデヒドおよびアルドール(b−ヒドロキシブチルアルデヒド)が挙げられる。 ホルムアルデヒド反応物またはホルムアルデヒド産出反応物は好ましい。

    ヒドロカルビル置換アミン無灰分散剤添加剤は当業者に周知されている。 例えば、特許文献102〜107を参照すること。 これらの特許文献は全体的に本明細書に引用して援用する。

    好ましい分散剤には、モノコハク酸イミド、ビスコハク酸イミドおよび/またはモノコハク酸イミドとビスコハク酸イミドの混合物から誘導されたものを含む硼素化コハク酸イミドおよび非硼素化コハク酸イミドが挙げられる。 ここで、ヒドロカルビルコハク酸イミドは、約500〜約5000、好ましくは約1000〜3000、より好ましくは約1000〜2000、なおより好ましくは約1000〜1600のMnを有するポリイソブチレンなどのヒドロカルビレン基またはこうしたヒドロカルビレン基の混合物から誘導される。 好ましい他の分散剤には、コハク酸エステルおよびアミド、アルキルフェノール−ポリアミン連結マンニッヒ付加体、それらの封止誘導体および他の関連化合物が挙げられる。 こうした添加剤は、約0.1〜20重量%、好ましくは約0.1〜8重量%の量で用いてもよい。

    [流動点降下剤]
    従来の流動点降下剤(潤滑油流動向上剤としても知られている)は、必要ならば本発明の組成物に添加してもよい。 これらの流動点降下剤は、流体が流れるか、または流体を流動させることができる最低温度を下げるために本発明の潤滑油組成物に添加してもよい。 適する流動点降下剤の例には、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアリールアミド、ハロパラフィンワックスと芳香族化合物の縮合製品、ビニルカルボキシレートポリマーならびにジアルキルフマレート、脂肪酸のビニルエステルおよびアリルビニルエーテルのターポリマーが挙げられる。 特許文献108〜116には、有用な流動点降下剤および/または流動点降下剤の調製が記載されている。 これらの参考文献の各々は全体的に本明細書に引用して援用する。 こうした添加剤は、約0.01〜5重量%、好ましくは約0.01〜1.5重量%の量で用いてもよい。

    [腐食防止剤]
    腐食防止剤は、潤滑油組成物に接触している金属部品の劣化を減少させるために用いられる。 適する腐食防止剤にはチアジアゾールが挙げられる。 例えば、特許文献117〜119を参照すること。 これらの特許文献は全体的に本明細書に引用して援用する。 こうした添加剤は、約0.01〜5重量%、好ましくは約0.01〜1.5重量%の量で用いてもよい。

    [シール適合添加剤]
    シール適合剤は、流体中で化学反応またはエラストマー中で物理的変化を引き起こすことによりゴム弾性シールを膨潤させるのを助ける。 潤滑油のために適するシール適合剤には、有機ホスフェート、芳香族エステル、芳香族炭化水素、エステル(例えば、ブチルベンジルフタレート)およびポリブテニル無水コハク酸が挙げられる。 こうした添加剤は、約0.01〜3重量%、好ましくは約0.01〜2重量%の量で用いてもよい。

    [消泡剤]
    消泡剤は潤滑油組成物に有利に添加することができる。 これらの薬剤は、安定した泡の生成を遅らせる。 シリコーンおよび有機ポリマーは典型的な消泡剤である。 例えば、シリコン油などのポリシロキサンまたはポリジメチルシロキサンは消泡特性を提供する。 消泡剤は市販されており、抗乳化剤などの他の添加剤に加えて従来通り少量で用いてもよい。 組み合わされたこれらの添加剤の量は、通常は1%未満、多くの場合に0.1%未満である。

    [錆止め剤および防錆剤]
    錆防止添加剤(または腐食防止剤)は、水または他の異物による化学的浸食に対して潤滑された金属表面を保護する添加剤である。 多様なこれらの錆防止添加剤は市販されている。 こうした錆防止剤は、前掲の非特許文献3に述べられている。

    錆防止添加剤の一つのタイプは、金属表面を優先的に濡らし、よって油膜で金属表面を保護する極性化合物である。 錆防止添加剤のもう一つのタイプは、油のみが金属表面に触れるように油中水エマルジョン中に錆防止添加剤を導入することにより水を吸収する。 錆防止添加剤のなおもう一つのタイプは、金属に化学的に接着して非反応性表面をもたらす。 適する添加剤の例には、ジチオ燐酸亜鉛、金属フェノレート、塩基性金属スルホネート、脂肪酸およびアミンが挙げられる。 こうした添加剤は、約0.01〜5重量%、好ましくは約0.01〜1.5重量%の量で用いてもよい。

    [摩擦調整剤]
    摩擦調整剤は、こうした材料を含有するあらゆる潤滑油または流体の摩擦係数を変えることができるあらゆる材料である。 摩擦低減剤あるいは潤滑性剤または油性剤としても知られている摩擦調整剤、および潤滑油基油、配合された潤滑油組成物または機能性流体の摩擦係数を変えるこうした他の薬剤は、必要ならば本発明の基油または潤滑油組成物と組み合わせて効果的に用いてもよい。 摩擦係数を下げる摩擦調整剤は、本発明の基油および潤滑油組成物と組み合わせると特に有利である。 摩擦調整剤は、金属含有化合物または材料、および無灰化合物または材料、あるいはそれらの混合物を含んでもよい。 金属含有摩擦調整剤は金属塩または金属−配位子錯体を含んでもよい。 ここで、金属はアルカリ金属、アルカリ土類金属または遷移群金属を含んでもよい。 こうした金属含有摩擦調整剤は低灰特性も有してよい。 遷移金属には、Mo、Sb、Sn、Fe、Cu、Znおよびその他を挙げることができる。 配位子には、アルコール、ポリオール、グリセロール、部分エステルグリセロール、チオール、カルボキシレート、カルバメート、チオカルバメート、ジチオカルバメート、ホスフェート、チオホスフェート、ジチオホスフェート、アミド、イミド、アミン、チアゾール、チアジアゾール、ジチアゾール、ジアゾール、トリアゾールのヒドロカルビル誘導体、および有効量のO、N、SまたはPを個々にまたは組み合わせて含む他の極性分子官能基を挙げることができる。 特に、例えば、Mo含有ジチオカルバメート[Mo(DTC)]、Mo−ジチオホスフェート[Mo(DTP)]、Mo−アミン[Mo(Am)]、Mo−アルコレート、Mo−アルコール−アミドなどのMo含有化合物は特に有効でありうる。

    無灰摩擦調整剤は、有効量の極性基を含む潤滑油材料、例えば、ヒドロキシル基含有ヒドロカルビル基油、グリセリド、部分グリセリドおよびグリセリド誘導体なども含んでもよい。 摩擦調整剤中の極性基は、有効量のO、N、SまたはPを個々にまたは組み合わせて含むヒドロカルビル基を含んでもよい。 特に有効でありうる他の摩擦調整剤には、例えば、脂肪酸の塩(灰含有誘導体と無灰誘導体の両方)、脂肪アルコール、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ヒドロキシル含有カルボキシレート、および匹敵する合成長鎖ヒドロカルビル酸、アルコール、アミド、エステルおよびヒドロキシカルボキシレートなどが挙げられる。 場合によって、脂肪有機酸、脂肪アミンおよび硫化脂肪酸は適する摩擦調整剤として用いてもよい。

    摩擦調整剤の有用な濃度は、約0.01重量%〜10−15重量%以上の範囲であってもよく、多くの場合、好ましい範囲は約0.1重量%〜5重量%である。 モリブデン含有材料の濃度は、Mo金属濃度に関して記載されることが多い。 Moの有利な濃度は、約10ppm〜3000ppm以上の範囲であってもよく、多くの場合、好ましい範囲は約20ppm〜2000ppmであり、場合によって、より好ましい範囲は約30〜1000ppmである。 すべてのタイプの摩擦調整剤は、単独で、または本発明の材料との混合物中で用いてもよい。 多くの場合、二種以上の摩擦調整剤の混合物、または摩擦調整剤と別の表面活性材料の混合物も望ましい。

    [典型的な添加剤量]
    潤滑油組成物が上で論じた一種以上の添加剤を含有する時、添加剤は、添加剤が所期の機能を果たすのに十分な量で組成物中にブレンドされる。 本発明において有用なこうした添加剤の典型的な量を以下の表2に示している。

    添加剤の多くが製造業者から出荷され、配合物中で特定量の基油溶媒と合わせて用いられることに注意すること。 従って、以下の表中の重量およびこの特許中で挙げた他の量は活性原料の量を示している(すなわち、原料の非溶媒部分または非希釈剤部分)。 以下で示した重量%は潤滑油組成物の全重量を基準にしている。

    特に明記がない限り、40℃または100℃での動粘度をASTM試験法D445に準拠して決定し、粘度指数をASTM試験法D2270によって決定し、流動点をASTM試験法D97によって決定し、TBNをASTM試験法D2896によって決定する。

    以下の実施例におけるヒドロカルビル芳香族化合物は、100℃で約4.6cStの動粘度を有するアルキル化ナフタレン(主としてモノアルキル化されたもの)である。 主としてモノアルキル化されたナフタレンは、1−ヘキサデセンから主としてなるオレフィンによるナフタレンのアルキル化によって調製される。

    実施例において、以下に記載した成分を潤滑油組成物中で用いる。

    本明細書で示されたすべての実施例は本発明を例示するが、この発明に関する組成物を限定しない。

    試験潤滑油の省燃費性に及ぼす組成変更の影響を決定するために、一連の工業承認シーケンスVIB省燃費性エンジン試験(ASTM研究報告D02−1469)を行った。 種々のSAE粘度グレードに関する省燃費性改善(FEI)限界はASTM D4485において示されている。 表4を参照すると、比較例3.1は標準エンジン試験配合を示し、本発明実施例のFEI値と比較して用いられる基準FEI値を確立している。 比較例3.1と規格D4485限界との間のFEIに関する%相違(正または負)を最初に計算する。 同様に、種々の候補油と規格D4485限界との間のFEIに関する%相違(正または負)を次に計算する。 比較例3.1のFEI値を上回る候補FEI値の%優位を次に計算する。 候補油の各々に関する%優位値を以下の表4にまとめている。

    上述したペンタエリスリトールエステル(PEエステル)の約8−9〜約15%の添加が大幅且つ驚くほどの省燃費性強化をもたらしたことが意外にも見出されている。 SAE10W−30自動車用エンジン油へのこうしたPEエステル9.4%の添加は、驚くほどの44%省燃費性強化を示した。 SAE10W−30自動車用エンジン油へのこうしたPEエステル12%の添加は、驚くほどの65%省燃費性強化を示した。 SAE10W−30自動車用エンジン油へのこうしたPEエステル15%の添加は、驚くほどの77%省燃費性強化を示した。 こうしたPEエステルの増加する濃度が、より大きい省燃費性強化をもたらしたことが分かる。 これらの試験油の各々はヒドロカルビル芳香族基油を含有していた。 こうしたヒドロカルビル芳香族の存在が得られた好ましい結果に寄与した場合があることが考えられる。

    任意に2%のトリメチロールプロパンエステルの添加と相俟った上述したペンタエリスリトールエステル(PEエステル)の約8%以上の添加が、シーケンスVIBエンジン試験において少なくとも25%のなおより大幅且つより驚くほどの省燃費性強化をもたらしたことが意外にも見出されている。 これらの試験油はヒドロカルビル芳香族化合物を含有し、こうしたヒドロカルビル芳香族化合物の存在が得られた好ましい結果に寄与した場合があることが考えられる。

    表4の実施例3.2、3.3および3.4によって示されたように、78%までの省燃費性強化は、こうした組み合わせで見られる。 この恩恵は、約0%〜約20%のヒドロカルビル芳香族化合物、約20%〜約60%のグループII型パラフィン基油および約0.5重量%〜約5重量%の純硼素化ポリイソブテニルコハク酸イミド無灰分散剤(活性原料0.33重量%〜3.3重量%)の使用により最高に達しうる。 ここで、ポリイソブテニルモノコハク酸イミドおよびポリイソブテニルビスコハク酸イミドは、PIB基に関しておよそ1300のM を有するポリイソブテニル無水コハク酸とアミンの反応によって製造される。 好ましい量は、約4%〜約15%のヒドロカルビル芳香族化合物、約30%〜約50%のグループII型パラフィン基油および図1の分散剤のHFRR試験に対応する重量により受領したままの約1%〜約4%の硼素化ポリイソブテニルコハク酸イミド無灰分散剤であってもよい。 純硼素化ポリイソブテニルコハク酸イミド無灰分散剤は、およそ2/3が活性原料であり、油ブレンドに添加された時に約2%の活性原料を提供する。

    当業者は、これらの発見をどのパラフィン基油にも拡大して当てはめてもよいことに容易に気付くであろう。 本発明者らは、この発見がグループIII基油、好ましくは気−液(GTL)基油またはフィッシャートロプシュ基油も用いうることに気付いている。 従って、非限定的な例証的サンプルとして、本発明者らは、約70重量%のグループIII基油、約8〜9重量%のペンタエリスリトール誘導エステルおよび約5〜6重量%のヒドロカルビル芳香族化合物で、残りが性能添加剤パッケージである混合物も同じ驚くほどの省燃費性の向上を達成することにも気付いている。

    試験潤滑油の省燃費性に及ぼす組成変更の影響を決定するために、一連の工業承認シーケンスVIB省燃費性エンジン試験を行う。 表5を参照すると、比較例4.1は、上述したような後続の計算において用いられる基準FEI値を確立するために標準エンジン試験配合として用いられる。

    ヒドロカルビル芳香族化合物とトリメチロールプロパンから誘導されたものなどのポリオールエステルの両方の存在下で比較的高濃度のグループII/III型パラフィン基油を潤滑油組成物に含める時、大幅なFEI強化をシーケンスVIBエンジン試験において意外にも見出すことは驚くべき発見である。 約44%のこうしたパラフィン基油、約2%のトリメチロールプロパンエステルおよびヒドロカルビル芳香族化合物としての約5%のアルキル化ナフタレンを用いることにより、30%の省燃費性強化が観察される。 約44%のこうしたパラフィン基油、約2%のトリメチロールプロパンエステルおよびヒドロカルビル芳香族化合物としての約5.5%のアルキル化ナフタレンを用いることにより、26%の省燃費性強化が見られる。 この恩恵は、約3%〜30%のヒドロカルビル芳香族化合物、約40%〜約90%のパラフィン基油および約1%〜約20%のトリメチロールプロパンエステルの使用により最高に達しうる。 好ましい量は、約4%〜約20%のヒドロカルビル芳香族化合物、約40%以上のパラフィン基油および約2%〜約10重量%のトリメチロールプロパンエステルである。 これらのエンジン試験は、こうした省燃費性改善配合の利点を明確に実証している。

    本発明者らは、最終配合潤滑油中の約1%〜約10%以上のあらゆる伝統的ポリオールエステルおよび/またはアルキルナフタレンなどのヒドロカルビル芳香族化合物および/または他の共基油の存在下で、上のグループII/III型パラフィン基材油を用いる時に省燃費性の恩恵が更に強化できると考えている。

    当業者は、これらの発見をどのパラフィン基油にも拡大して当てはめてもよいことに容易に気付くであろう。 本発明者らは、この発見がグループIII基油、好ましくは気−液(GTL)基油またはフィッシャートロプシュ基油も用いうることに気付いている。 従って、非限定的な例証的サンプルとして、本発明者らは、約40重量%のグループIII基油、約30〜35%のPAO、約2重量%のトリメチロールプロパンおよび約4〜6重量%のヒドロカルビル芳香族化合物で、残りが性能添加剤パッケージである混合物も同じ驚くほどの省燃費性の向上を達成することにも気付いている。

    特定の非晶質オレフィンコポリマーは、潤滑油に配合された時、特に約110〜約150以上の粘度指数を有する著しい量のグループII基油またはグループIII基油を含有する潤滑油に配合された時、意外で且つ大幅な省燃費性改善(摩擦減少)の恩恵を提供することが見出されている。 試験潤滑油の省燃費性に及ぼす組成変更の影響を決定するために、一連の工業承認シーケンスVIB省燃費性エンジン試験を行う。 比較例5.1は上述したような後続の計算において用いられる基準FEI値を確立するために標準エンジン試験配合として用いられる。

    混合グループII/IIIおよびデセン型オレフィンから誘導されたポリアルファオレフィン基油とブレンドされた配合油に5%の非晶質オレフィンコポリマーを添加すると、シーケンスVIBエンジン試験における省燃費性強化が驚くほどの26%〜38%の強化であることは驚くべき発見である。 これらの結果は、約1%〜約20%、好ましくは約2%〜約15%、最も好ましくは約3%〜約10%の非晶質オレフィンコポリマーを含むこうした配合物の意外な省燃費性改善の恩恵を明確に示している。

    本発明者らは、最終配合潤滑油中の約1%〜約10%以上のあらゆる伝統的ポリオールエステルおよび/またはアルキルナフタレンなどのヒドロカルビル芳香族化合物および/または他の共基油の存在下で、上の非晶質オレフィンコポリマーを用いる時に省燃費性の恩恵が更に強化できることを見出した。

    当業者は、これらの発見をどのパラフィン基油にも拡大して当てはめてもよいことに容易に気付くであろう。 本発明者らは、この発見がグループIII基油、好ましくは気−液(GTL)基油またはフィッシャートロプシュ基油も用いうることに気付いている。 従って、非限定的な例証的サンプルとして、本発明者らは、約30重量%のグループIII基油、約40重量%のPAO、約2重量%のトリメチロールプロパンおよび約4〜10重量%のヒドロカルビル芳香族化合物で、残りが性能添加剤パッケージである混合物も同じ驚くほどの省燃費性の向上を達成することにも気付いている。

    シーケンスVIBエンジン試験は、好ましくはワックス異性化油を含むグループII基油またはグループIII基油あるいは水素化分解および/または水素化処理基油の少なくとも小濃度の存在下で中程度の濃度のヒドロカルビル芳香族化合物の使用により大幅な省燃費性強化を達成できることを示している。 特定の無灰分散剤の存在も観察される省燃費性強化に大幅に寄与することが可能である。 試験潤滑油の省燃費性に及ぼす組成変更の影響を決定するために、一連の工業承認シーケンスVIB省燃費性エンジン試験を行う。 比較例6.1は上述したような後続の計算において用いられる基準FEI値を確立するために標準エンジン試験配合として用いられる。

    中程度の濃度のヒドロカルビル芳香族化合物の存在下で、好ましくは特定の硼素化ポリイソブテニルコハク酸イミド無灰分散剤の存在下で、特定のパラフィン基油の使用により省燃費性強化を達成できることは驚くべき発見である。 表7の実施例6.2、6.3および6.4によって示されたように、77%までの省燃費性強化は、こうした組み合わせで見られる。 この恩恵は、約0%〜約20%のヒドロカルビル芳香族化合物、約20%〜約60%のグループII型パラフィン基油および約0.5重量%〜約5重量%の受領したままの硼素化ポリイソブテニルコハク酸イミド無灰分散剤の使用により最高に達しうる。 好ましい量は、約4%〜約15%のヒドロカルビル芳香族化合物、約30%〜約50%のグループII型パラフィン基油および図1の分散剤のHFRR試験に対応する重量により受領したままの約1%〜約4%の硼素化ポリイソブテニルコハク酸イミド無灰分散剤であってもよい。 シーケンスVIB省燃費性エンジン試験の結果は、本発明の成分を用いることによって得ることができる意外な利点を明確に示している。

    当業者は、これらの発見をどのパラフィン基油にも拡大して当てはめてもよいことに容易に気付くであろう。 本発明者らは、この発見がグループIII基油、好ましくは気−液(GTL)基油またはフィッシャートロプシュ基油も用いうることに気付いている。 従って、非限定的な例証的サンプルとして、本発明者らは、約30重量%のグループIII基油、約30〜40%のPAO、約2重量%のトリメチロールプロパンおよび約5〜40重量%のヒドロカルビル芳香族化合物で、残りが性能添加剤パッケージである混合物も同じ驚くほどの省燃費性の向上を達成することにも気付いている。

    本願に引用したすべての米国特許、非米国特許および出願ならびに非特許文献は全体的に本明細書に引用して援用する。

    種々の組成物に関する温度の関数としての摩擦係数のプロットである。