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Graphene, easy synthesis of graphene derivatives and abrasive nanoparticles, as well as use the beginning and to various uses of them as a tribologically beneficial lubricant additives

申请号 JP2013558182 申请日 2012-03-15 公开(公告)号 JP2014514231A 公开(公告)日 2014-06-19
申请人 ピアレス・ワールドワイド・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーPeerless Worldwide,Llc; 发明人 リチャード・エス・シャンクマン;
摘要 ポリッシング剤として有用なグラフェン、グラフェン 酸化 物、還元グラフェン酸化物、他のグラフェン誘導体構造およびナノ粒子のex situ合成方法を開示する。 エンジン、ターボ、タービン、トラック、レース、車輪、ベアリング、ギアシステム、防護具、熱遮蔽体、ならびに相互作用する硬質表面を用いている他の物理および機械システムをはじめとする、装置およびシステム内の可動および不動部分を、潤滑組成物からin situおよび場合によってはex situで形成されたナノポリッシング剤の使用により、ポリッシュする、硬化する、保護する、該部分の耐用寿命を追加する、および該部分を潤滑するための組成物および方法、ならびにそれらの様々な使用も開示する。
权利要求
  • グラフェンを合成する方法であって、
    a)少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの炭素質材料とを含む反応混合物を、該炭素質材料の完全燃焼を抑制する条件下で還流させる段階;
    b)その後、前記反応混合物の還流により生成された蒸気を捕集する段階;
    c)前記蒸気を基板に誘導し、それによりグラフェンを該基板の表面に堆積させる段階;および
    d)前記基板の表面からグラフェンを回収する段階を含む方法。
  • 多環式芳香族炭化水素形成を促進する前記少なくとも1つの炭素質材料が、ピラノース、フラノース、環式カルボマー、ベンゼノイド、糖、糖アルコール、代用糖、糖誘導体、シクロメチコン、ステロイド、シンナマート、フェニルプロパノイド(phenylphopanoid)、ベンゾアート、カルボキシラート、ベンゾピラン、天然に存在するもしくは合成のフラボンもしくはイソフラボン、サリチラート、酸化防止剤、環式酸化防止剤、4−ビニルフェノール、アントシアニジン、もしくはクロメニリウム、環式アミノ酸、シクロヘキサン誘導体、ベンゼン誘導体、1,2−ジヒドロキシベンゼン(カテコール)、1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)、ナフトアート、アクリラート、フタラート、スク� �ナート、カルパート、蛍光体、医薬、ホスファート、市販可食個人用/性交用潤滑組成物(糖もしくは代用糖両親媒性物質を含む)、市販紫外線日焼け止め製剤、市販スキンクリーム製剤、市販ハンドサニタイザー製剤、市販ヒトまたは動物用ヘアケア製品、市販毛染め製剤、市販有害生物駆除剤、前記反応混合物の還流中に上述の添加剤の1つ以上に減成する化合物、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  • 多環式芳香族炭化水素形成を促進する前記少なくとも1つの炭素質材料が、少なくとも1つのC 1からC 5炭化水素ラジカルの形成を促進する化合物を含む、請求項2に記載の方法。
  • 前記溶剤が、鉱油、水、アルコール、メタノール、合成メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはこれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の方法。
  • 前記反応混合物が、少なくとも1つの補助炭素源をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  • 前記補助炭素源が、天然グラファイト、合成グラファイト、1つ以上の多環式芳香族炭化水素、グラフェン、活性炭、ナノ石炭、「活性化ナノ石炭」、バイオ炭、糖炭、コールフレム、1つ以上のベンゼノイド、ナフタレン、アルコール、メタノール、合成メタノール、エタノール、イソプロパノール、糖、スクロース、デンプン、セルロース、オレフィン、アセタート、1つ以上の非グラファイト状炭化水素、アルカン、アルケン、アルキン、ケトン、トルエン、ガソリン、ディーゼル燃料、灯油、石炭、コールタール、コークス、またはこれらの組み合わせを含む、請求項5に記載の方法。
  • 前記基板が、親水性基板を含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記条件が、熱分解を含む、請求項1に記載の方法。
  • グラフェン酸化物生成方法であって、
    a)少なくとも1つの溶剤と少なくとも1つの酸化剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を、該炭素源の二酸化炭素または一酸化炭素への完全燃焼を防止する条件下で還流させる段階;
    b)その後、前記反応混合物の還流により生成された蒸気流を捕集する段階;
    c)その後、前記蒸気流を基板に誘導し、それによりグラフェン酸化物を該基板の表面に堆積させる段階;および
    d)前記基板の表面からグラフェン酸化物を回収する段階を含む方法。
  • 前記条件が、熱分解を含む、請求項9に記載の方法。
  • 機械システム用の潤滑組成物であって、
    ベース潤滑剤と、
    少なくとも1つの炭素含有添加剤であって、前記潤滑組成物が、それが利用される機械システム内で局所熱分解条件を生じさせるのに十分な熱に曝露されたとき、摩擦学的に有効な量の少なくとも1つのグラファイト状炭素含有構造を形成するものである炭素含有添加剤とを含む潤滑組成物。
  • 前記炭素含有添加剤が、環式分子を含む、請求項11に記載の潤滑組成物。
  • 前記炭素含有添加剤が、芳香族分子を含む、請求項12に記載の潤滑組成物。
  • 前記炭素含有添加剤が、炭化水素を含む、請求項12に記載の潤滑組成物。
  • 前記炭素含有添加剤が、炭素原子、水素原子および酸素原子から本質的に成る、請求項12に記載の潤滑組成物。
  • 前記炭素含有添加剤が、ピラノース、フラノース、環式カルボマー、ベンゼノイド、糖、糖アルコール、代用糖、糖誘導体、シクロメチコン、ステロイド、シンナマート、フェニルプロパノイド(phenylphopanoid)、ベンゾアート、カルボキシラート、ベンゾピラン、天然に存在するもしくは合成のフラボンもしくはイソフラボン、サリチラート、酸化防止剤、環式酸化防止剤、4−ビニルフェノール、アントシアニジン、もしくはクロメニリウム、環式アミノ酸、シクロヘキサン誘導体、ベンゼン誘導体、1,2−ジヒドロキシベンゼン(カテコール)、1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)、ナフトアート、アクリラート、フタラート、スクシナート、カルパート、蛍光体、医薬、ホスファート、市販可食個人用/性交用潤滑組成物(糖もしくは代用糖両親媒性物質を含む)、市販紫外線日焼け止め製剤、市販スキンクリーム製剤、市販ハンドサニタイザー製剤、市販ヒトまたは動物用ヘアケア製品、市販毛染め製剤、市販有害生物駆除剤、前記反応混合物の還流中に上述の添加剤の1つ以上に減成する化合物、またはこれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の潤滑組成物。
  • 機械システム用の潤滑組成物であって、
    ベース潤滑剤;および グラフェンを含み、
    前記グラフェンが、前記ベース潤滑剤と併せる前に形成されたものである、
    潤滑組成物。
  • 前記グラフェンが、請求項1のプロセスによって形成される、請求項17に記載の潤滑組成物。
  • 多環式芳香族炭化水素形成を促進する前記少なくとも1つの炭素質材料が、ピラノース、フラノース、環式カルボマー、ベンゼノイド、糖、糖アルコール、代用糖、糖誘導体、シクロメチコン、ステロイド、シンナマート、フェニルプロパノイド(phenylphopanoid)、ベンゾアート、カルボキシラート、ベンゾピラン、天然に存在するもしくは合成のフラボンもしくはイソフラボン、サリチラート、酸化防止剤、環式酸化防止剤、4−ビニルフェノール、アントシアニジン、もしくはクロメニリウム、環式アミノ酸、シクロヘキサン誘導体、ベンゼン誘導体、1,2−ジヒドロキシベンゼン(カテコール)、1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)、ナフトアート、アクリラート、フタラート、スクシナート、カルパート、蛍光体、医薬、ホスファート、市販可食個人用/性交用潤滑組成物(糖もしくは代用糖両親媒性物質を含む)、市販紫外線日焼け止め製剤、市販スキンクリーム製剤、市販ハンドサニタイザー製剤、市販ヒトまたは動物用ヘアケア製品、市販毛染め製剤、市販有害生物駆除剤、前記反応混合物の還流中に上述の添加剤の1つ以上に減成する化合物、またはこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載の潤滑組成物。
  • 多環式芳香族炭化水素形成を促進する前記少なくとも1つの炭素質材料が、少なくとも1つのC 1からC 5炭化水素ラジカルの形成を促進する化合物を含む、請求項18に記載の潤滑組成物。
  • 前記溶剤が、鉱油、水、アルコール、メタノール、合成メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載の潤滑組成物。
  • 前記反応混合物が、少なくとも1つの補助炭素源をさらに含む、請求項18に記載の潤滑組成物。
  • 前記補助炭素源が、天然グラファイト、合成グラファイト、1つ以上の多環式芳香族炭化水素、グラフェン、活性炭、ナノ石炭、「活性化ナノ石炭」、バイオ炭、糖炭、コールフレム、1つ以上のベンゼノイド、ナフタレン、アルコール、メタノール、合成メタノール、エタノール、イソプロパノール、糖、スクロース、デンプン、セルロース、オレフィン、アセタート、1つ以上の非グラファイト状炭化水素、アルカン、アルケン、アルキン、ケトン、トルエン、ガソリン、ディーゼル燃料、灯油、コールタール、コークス、またはこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載の潤滑組成物。
  • 前記基板が、親水性基板を含む、請求項18に記載の潤滑組成物。
  • 前記条件が、熱分解を含む、請求項18に記載の潤滑組成物。
  • 機械システム用の潤滑組成物であって、
    ベース潤滑剤;および グラフェン酸化物を含み、
    前記グラフェン酸化物が、前記ベース潤滑剤と併せる前に形成されたものである、
    潤滑組成物。
  • 前記グラフェン酸化物が、請求項9のプロセスによって形成される、請求項26に記載の潤滑組成物。
  • 機械システム用の潤滑組成物であって、
    ベース潤滑剤;および
    1つ以上のバッキーダイヤモンドを含み、少なくとも1つの前記バッキーダイヤモンドが、鉄または鉄含有分子を含むものである、
    潤滑組成物。
  • 前記潤滑組成物が、局所熱分解条件を生じさせるのに十分な熱に曝露されたとき、前記少なくとも1つのバッキーダイヤモンドが、前記ベース潤滑剤への少なくとも1つの炭素含有添加剤から形成される、請求項28に記載の潤滑組成物。
  • ベース潤滑剤;および
    1つ以上のバッキーダイヤモンドを含む、機械システム用の潤滑組成物。
  • 前記潤滑組成物が、添加されるシステム内で局所熱分解条件を生じさせるのに十分な熱に前記潤滑組成物が曝露されたとき、前記少なくとも1つのバッキーダイヤモンドが、前記ベース潤滑剤への少なくとも1つの炭素含有添加剤から形成される、請求項30に記載の潤滑組成物。
  • 凹凸を有する少なくとも1つの内部摩擦面を含む機械システムを潤滑する方法であって、
    ナノポリッシング剤を含む潤滑組成物と共に前記機械システムを動作する段階、および前記機械システムの内部摩擦面から前記凹凸の実質的にすべてを除去する段階を含み、前記潤滑組成物が、ベース潤滑剤と、少なくとも1つの炭素含有添加剤であって、前記潤滑組成物が、それが利用される機械システム内で局所熱分解条件に曝露されたときに少なくとも1つのナノポリッシング剤を形成するものである炭素含有添加剤とを含む方法。
  • 前記炭素含有添加剤が、環式分子を含む、請求項32に記載の方法。
  • 前記炭素含有添加剤が、芳香族分子を含む、請求項32に記載の方法。
  • 前記炭素含有添加剤が、炭化水素を含む、請求項32に記載の方法。
  • 前記炭素含有添加剤が、炭素原子、水素原子および酸素原子から本質的に成る、請求項32に記載の方法。
  • 前記ナノポリッシング剤が、前記内部摩擦面から前記凹凸を実質的にすべて除去した後、前記潤滑組成物を含有する機械システムを動作させる段階をさらに含む、請求項32に記載の方法。
  • 前記ナノポリッシング剤によるポリッシング後の少なくとも1つの内部摩擦面のR aが、約50nm未満である、請求項32に記載の方法。
  • 前記ナノポリッシング剤によるポリッシング後の少なくとも1つの内部摩擦面のR aが、約5nm未満である、請求項38に記載の方法。
  • 说明书全文

    関連出願の参照 本願は、2012年2月9日に出願されたTribologically Beneficial Carbonaceous Materials and Nano−Abrasive Lubricant Molecules From Intentional In−Situ Pyrolysis of Sacrificial Cyclic Carbon Constituentsと題する米国特許仮出願第61/596936号;2011年12月23に出願されたGraphene and Graphene Derivatives Synthesis By Dehydration or Pyrolysis of Carbonaceous Materials,Vapor Exfoliation or PAH Formation,and Subsequent Hydrophobic Self−Assemblyと題する米国特許仮出願第61/579993号;2011年12月9日に出願されたSynthesis of Graphene,Graphene Derivatives,Carbon−Encapsulated Metallic Nanoparticles,and Nano−Steel,and the Use of Sequestered Carbonaceous Wastes and Greenhouse Gases in Such Synthesis Methodsと題する米国特許仮出願第61/568,957号;2011年10月12日に出願されたCombustion Synthesis of Graphene Oxide and Grapheneと題する米国特許仮出願第61/546,368号; 2011年9月30日に出願されたLubricating Additives,Polishing Compositions,Nanoparticles,and Tribological Coatings,and Uses Thereof,and Methods of Nanoparticle,Graphene,and Graphene Oxide Synthesisと題する米国特許仮出願第61/541,637号;2011年9月23日に出願されたLubricating Additives,Polishing Compositions,Nanoparticles,and Tribological Coatings,and Uses Thereof,and Methods of Nanoparticle,Graphene,and Graphene Oxide Synthesisと題する米国特許仮出願第61/538,528号;2011年6月30日に出願されたLubricating Additives,Polishing Compositions,and Nanoparticles,and Methods and Uses Thereof,and Methods of Nanoparticle Synthesisと題する米国特許仮出願第61/503,203号;2011年5月31日に出願されたLubricating Compositions,Lubricant Additives,Methods of Lubrication,and Methods of Polishing Surfacesと題する米国特許仮出願第61/491,633号;および2011年3月15日に出願されたLubricating Compositions,Lubricant Additives,and Methods of Lubricationと題する米国特許仮出願第61/452,781号の恩典を請求するものであり、前記仮出願各々の内容はそれら全体が参照により本明細書に援用されている。

    本発明は、グラフェン、グラフェン酸化物、還元グラフェン酸化物および他のグラフェン誘導体構造、およびナノ粒子の工業規模にできるex situ合成、ならびにそれらの使用に関し、該使用には、複合材、複合材作製およびコーティング、摩擦学、ナノテクノロジー、表面仕上げ、機械加工および工具整備、ボーリング、ドリリング、トンネル掘削、弾道学、対弾道学(anti−ballistics)、熱遮蔽、熱吸収、潤滑剤用添加剤、潤滑組成物、コーティング、潤滑方法、硬質表面のポリッシング方法、ならびに鋼および他の硬質表面の切断、穴あけ、硬化、保護および二次加工方法の分野が含まれるが、これらに限定されない。 本発明は、エンジン、ターボ、タービン、トラック、レース、車輪、ベアリング、ギアシステム、ならびに機械加工された相互に作用する硬質表面を用いている他の物理的および機械的システムをはじめとする(しかしこれに限定されない)、装置およびシステムの可動および不動部分のポリッシング用、硬化用、保護用、耐用寿命追加用および潤滑用の潤滑組成物における研磨剤ナノ粒子の使用にさらに関し、該研磨剤ナノ粒子は、該潤滑組成物からin situで形成され、または場合により、ex situで形成され、その後、それらの使用前に潤滑剤に添加される。

    グラフェンおよびグラフェン誘導体の合成 単層グラフェンは、大きな比表面積、高い固有移動度、高いヤング率(≒1.0TPa)、高い熱伝導率(≒5000 Wm −1 K −1 )、高い光透過率(≒97.7%)、低いガス透過性、および高い電子輸送能をはじめとするその実測および理論物性の結果として、近年、多数の研究、調査および議論の対象になっている(例えば、Geimら、「The Rise of Graphene」、Nat. Mater., 第6巻、183−191頁、2007;およびZhuら、「Graphene and Graphene Oxide:Synthesis, Properties, and Applications」、Adv. Mater., 第22巻、3906−3924頁、2010を参照されたし)。 グラフェンのこれらの特性に基づき、光触媒、エネルギー貯蔵、太陽電池、透明電極、半導体、高強度/低重量複合材料、保護コーティングおよび電界放出などの非常に多数の用途での使用が考えられている。 しかし、大規模かつ経済的生産方法は、依然として見つけられていない。

    純粋なグラフェンは、6員sp 2混成炭素環の蜂の巣状の格子での純粋な炭素の平面多環単原子層である。 グラフェンは、理論的には単一の純粋なグラファイト層であるが、グラフェンという用語は、グラファイトの数層積層された原子層、または小欠陥はあるが純粋なグラフェンと同様の材料特性をなお有するグラファイト状の層にも当てはまるように従来用いられている。 グラフェンは比較的に疎性であり、従来、超臨界二酸化炭素を使用して行うことができるグラファイトの剥離により、またはミクロ機械的劈開により、または炭化ケイ素もしくは一定の金属基板上でのエピタキシャル成長により形成されている。 大気圧マイクロ波プラズマ反応器においてエタノールの液滴をアルゴンプラズマに通すことにより気相中でグラフェンを形成することもできる(Datoら、「Substrate−Free Gas−Phase Synthesis of Graphene Sheets」、Nano Lett., 第8巻、2012−2016頁、2008)。

    エアロゾル熱分解法によるグラフェンナノチューブ合成も報告されている(Pinaultら、「Carbon nanotubes produced by aerosol pyrolysis:growth mechanisms and post−annealing effects」、Diamond and Related Materials、第13巻、1266−1269頁、2004)。 トルエンまたはシクロヘキサン中2.5〜5重量%のフェロセンの溶液がアルゴンでエアロゾル化され、800〜850℃で熱分解された。 カーボンナノチューブ形成の初期段階が観察された。 鉄を含むと考えられるナノ粒子層が、最初に固体基板上に形成された。 ナノ粒子各々から1本のナノチューブが成長して、このナノ粒子層から規則正しいナノチューブカーペットが成長した。 それらの試料の高温アニーリングは、ナノチューブ内からの鉄の除去をもたらし、ナノチューブにおける秩序を向上させた。

    幾つかの最近の出版物により、燃焼条件下でのグラフェン結合の形成が報告されている。 1つのケースでは、炭素の4形態、すなわちダイヤモンド、グラファイト、フラーレンおよび無定形、すべての微量のナノ粒子が、パラフィンろうそく炎中で検出された(Suら、「New insight into the soot nanoparticles in a candle flame」、Chem. Commun., 第47巻、4700−4702頁、2011)。 もう1つのさらに前のケースでは、少量のナノ粒子グラファイト状炭素が、メタン炎からのの酸処理時に発見された(Tianら、「Nanosized Carbon Particles From Natural Gas Soot」、Chem. Mater., 第21巻、2803−2809頁、2009)。 もう1つのさらに前のケースでは、高グラファイト状中空ナノチューブがエタノール炎から形成された(Panら、「Synthesis and growth mechanism of carbon nanotubes and nanofibers from ethanol flames」、Micron、第35巻、461−468頁、2004)。 同様に、カーボンナノチューブは、レーザーアブレーションされた鉄またはニッケルナノ粒子触媒の存在下、アセチレン炎で燃焼されるCO/H 2 /He/C 2 H 2ガス混合物を用いて合成されている(Vander Walら、「Flame Synthesis of Carbon Nanotubes using Catalyst Particles Prepared by Laser Ablation」、Am. Chem. Soc., Div. Fuel Chem., 第49巻、879−880頁、2004)。

    空中浮遊「煤」の一部として多環式芳香族炭化水素(PAH)形態が炭化水素の不完全燃焼、熱分解、または他の低酸素熱崩壊の残留粒子状物質(PM)中に含有されていた。 これらのPAHは、通常、不完全燃焼の望ましくない副生成物と見なされるので、非常に多くの研究が、燃焼過程での「煤」の形成を最小限するまたは完全に除去する方法に焦点を当てている(例えば、Coppalleら、「Experimental and Theoretical Studies on Soot Formation in an Ethylene Jet Flame」、Combust. Sci. and Techn., 第93巻、375−386頁、1993を参照されたし)。

    PAHは、水素原子がマトリックスの周囲炭素原子に結合している、縮合芳香族炭素環の略平面構造を有する。 PAHは、ミニチュア・ナノスコピック・スケールのグラフェンと考えることができる。

    グラフェン誘導体は、酸素などのヘテロ原子が部分的に組込まれているグラファイト状結合を有する構造、または炭素格子に他の構造的欠陥がある構造を含む。 本明細書に記載のグラフェン誘導体は、ナノチューブ、ナノバッド、フラーレン、ナノピーポッド、エンドフラーレン、ナノオニオン、グラフェン酸化物、レースカーボン、および構造的または化学的欠陥を含有し得るグラファイト状炭素の他の非グラフェン形態などの構造を含む。

    グラフェン酸化物(GO)は、格子マトリックス内の様々な炭素原子に結合しているヒドロキシルおよびエポキシド基を含む不純酸化形態のグラフェンの一科である。 GOの構造特性は、広範に研究されている(Mkhoyalら、「Atomic and Electronic Structure of Graphene−Oxide」、Nano Lett., 第9巻、1058−1063頁、2009参照)が、GOの正確な化学構造は、依然として多くの議論の対象であり、少なくとも研究された様々な試料において観察されたヒドロキシルおよびエポキシド基出現頻度および位置に関して、かなりのばらつきがある。

    GOが、炭素シートの縁部に位置すると考えられているカルボン酸基を含むことも公知である。 これらの様々な官能基がGOのさらなる化学的官能化を可能にする。 最近、グラフェン誘導体中のカルボキシル基のヒドロキシル基への変換は、「グラフェノール」と呼ばれている材料を生じさせることが報告された。 このグラフェノールを熱分解によりグラフェンに変換する様々な複雑な多段法が報告されているが、これらの方法は、ヒドラジンなどの毒性化学物質の使用を含む(Beallによる、Method and System for Producing Graphene and Graphenolと題する、2011年8月18日に発行された米国特許出願公開第2011/0201739号明細書を参照されたし)。

    グラフェンとの相違なく、GOは、従来、剥離したグラファイト酸化物から、またはグラフェン自体の酸化によって形成される。 広範な酸化レベルのGOシートを意図的に形成することができ、約1:2ほどもの高い酸素対炭素比が測定されている。 グラフェン酸化物は、グラフェンから離れてそれ自体の独特な物理的および化学的特徴を有するが、その構造の変動性が、それを多くの実験研究にとってあまり魅力のないものにしている。 グラフェンとは対照的に、GOは親水性であり、高剛性で高強度の電気絶縁体である(Dreyerら、「The chemistry of graphene oxide」、Chem. Soc. Rev., 第39巻、228−240頁、2010を参照されたし)。

    グラフェン酸化物は、最初、塩素酸カリウムおよび発煙硝酸でのグラファイトの処理により調製された(Brodie、「On the Atomic Weight of Graphite」、Proc. of the Royal Soc. of London、第10巻、249頁、1859を参照されたし)。 多少それより効率的なプロセスでは、グラファイトをグラフェン酸化物に変換するために、硫酸、硝酸ナトリウムおよび過マンガン酸カリウムが利用された(Hummersら、「Preparation of Graphitic Oxide」、J. Am. Chem. Soc., 第80巻、1339頁、1958を参照されたし)。 最近、硫酸、リン酸および過マンガン酸カリウムを使用する、よりいっそう効率的な方法が報告された(Marcanoら、「Improved Synthesis of Graphene Oxide」、ASC Nano、第4巻、4806−4814,2010を参照されたし)。

    水にコロイド状に分散されたGOは、ヒドラジン一水和物を使用して化学的にグラフェンに還元することができる。 GO用の他の化学的還元剤としては、ヒドロキノン、気体水素、および強塩基性溶液が挙げられる。 1050℃に加熱するとGOの熱剥離および還元が生じ、発生した二酸化炭素ガス副生成物が押し出されて除去される。 最後に、非導電性基板上のGO皮膜の両端に電極を配置し、その後、その皮膜に電流を印加することにより、GOの電気化学的還元を果たすことができる。

    今までGOのグラフェンへの完全な還元は文献で報告されていないが、多数の異なるプロセスによりGOを還元して、約1:24ほどもの低い測定酸素対炭素比を有する、いわゆる「rGO」(還元グラフェン酸化物)を生成することができる。

    rGOが、GOのものよりグラフェンのものに類似した多くの化学的、物理的、および電気的特性を呈示することが観察されていることは、注目に値する。

    グラフェンおよびその多くの誘導体は、一つにはそれらの多くの可能性のある用途のため、現在、非常に多数の研究および広範な調査の対象であり、該用途には、潤滑剤、複合材補強のための分子レベルのコーティング、熱遮蔽、バリスティックトランジスタ、集積回路、ならびに補強繊維およびケーブルが挙げられるが、これらに限定されない。

    グラフェン生成における隔離廃棄物炭素の使用。

    二酸化炭素からの「バイオ炭」または合成メタノールのような物への炭素含有廃棄物の変換を(これに限定されないが)含む、様々な形態の炭素廃棄物隔離が、当該技術分野に公知である(例えば、Hoganら、「Biochar:Concept to Sequester Carbon」、Encyclopedia of Earth、National Council for Science and the Environment、Washington, DC, 2011;Jiangら、「Turning carbon dioxide into fuel」、Phil. Trans. R. Soc. A、第368巻、3343−3364頁、2010参照)が、グラフェンの合成における炭素質原料または促進剤としてのかかる隔離または捕捉炭素廃棄物の有益な使用は、未だ報告されていない。

    埋め込み型医療用プロテーゼ装置 医療用プロテーゼ埋め込み成功の重要な要因は、耐用寿命と感染予防の両方の目的のために、摩擦面の均一性である。 医学的に埋め込まれる金属製装置の表面の凹凸は、細菌の住処となる場所になる。 脈管系または循環系における金属製装置の場合、それらは、心臓発作または卒中につながり得る危険な血小板凝集の位置にもなる。 原子レベルでほぼ完ぺきな平滑度への埋め込み型医療用プロテーゼ装置のナノポリッシングは、かかる装置の安全性および有効性を大きく発展させるだろう。

    ナノ医薬、腫瘍学、および医療イメージング 癌部位への放射線または化学療法薬の標的指向化の向上、および医療イメージングにコントラストをつける能力は、医療分野における活発な調査領域である。 磁気共鳴イメージング用の腫瘍造影剤として磁鉄鉱ナノ粒子が使用されている(例えば、Tiefenauerら、「In vivo evaluation of magnetite nanoparticles for use as a tumor contrast agent in MRI」、Magnetic Resonance Imaging、第14巻、第4号、391−402頁、1996を参照されたし)。 体内の腫瘍に標的薬物療法を施す手段としての「官能化された」バッキーボールの使用について、現在、多数、研究および調査されている(例えば、Yoonら、「Targeted medication delivery using magnetic nanostructures」、J. Phys.:Condens. Matter、第19巻、9頁、2007)。

    鋼生成 鋼の表面のくぼみおよび凹凸は、錆として公知の、酸化第二鉄の形態の破壊的酸化の形成に表面を供する。 これらのくぼみおよび凹凸の低減または排除は、かかる鋼構造の耐用寿命を増すであろう。

    グラフェンおよびGO反応環境 本発明の一部の実施形態において、グラフェンおよびグラフェン酸化物構造は、生物系において酵素が働く方法と同様の熱力学的にまたは別様に望ましくない反応が発生するようなナノ環境を作り出す反応エンベロープ(reaction envelope)として作用するように、様々な溶液中で使用される。 これらのグラフェン反応エンベロープ(GRE)およびグラフェン酸化物反応エンベロープ(GORE)は、反応エンベロープ外では通常発生しないような化学反応および原子の再編成、例えば、原子の結晶への再構成を生じさせる。 GREまたはGOREは、「ミクロまたはナノ反応容器」としての役割を果たし、そのとき、そのエンベロープの一部をナノ研磨剤または他のナノ粒子へと切り取り、それによって反応生成物の一部になることができる。 1つの実施形態において、前記エンベロープは、鉄からのナノ鋼の生成のためのナノ溶鉱炉としての機能を果たす。

    鋼は、それが作られる条件に依存して多数の異なる形態を呈することができ、それらとしては、フェライト、オーステナイト、パーライト、マルテンサイト、ベイナイト、レデブライト、セメンタイト、ベータフェライト、ヘキサフェルム(hexaferrum)、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。 GREまたはGORE中で形成される本発明のナノ鋼は、フェライト、オーステナイト、パーライト、マルテンサイト、ベイナイト、レデブライト、セメンタイト、ベータフェライト、ヘキサフェルム、およびこれらの任意の組み合わせの形態であり得る。

    ナノ鋼、ナノ粒子およびナノマシン作製 ナノ結晶金属合金合成は、当該技術分野において公知である(Alaviら、「Alkaline−Earth Metal Carbonate,Hydroxide and Oxide Nano−Crystals Synthesis Methods,Size and Morphologies Consideration」、Nanocrystalsにおける237−262頁、Matsuda編集、InTech、Rijeka、Croatia、2011)。 しかし、鋼補強ナノ粒子、ナノオニオンの合成、ニートナノ鋼結晶およびナノスコピック金属シートの生成方法は、未だ報告されていない。

    ナノロボット工学は、一般に、ナノテクノロジー工学の科学、およびナノスケール成分からの0.1から10μmの範囲のサイズの機械装置の作製を指す。 これらの理論的装置についての他の慣用名は、ナノボット、ナノイド、ナナイトおよびナノマイトである。 この分野の将来の開発は、数ある中でも、小型遠隔操作外科用器械類およびナノスケール電子装置の構築を可能にすることとなると主張されている。 小さな鋼結晶または鋼片の容易で安価なナノ加工方法は、この科学を多大に進歩させる可能性が高いだろう。

    コンクリート舗装およびアスファルト舗装技術 コンクリートおよびアスファルトコンクリートは、建築に使用される2つの一般的複合材料である。 コンクリートは、最低でもセメント質材料、細骨材、粗骨材および水から成る複合材である。 アスファルトコンクリートは、最低でも、アスファルトと、一部の原油および天然鉱床に存在する高粘度の粘着性ブラックタール様物質と、粗骨材とから概して成る複合材である。 これらの材料の強度を増そうとして長年にわたり多くのタイプの混合物および添加剤が開発されてきた。

    これらのコンクリート「添加剤」のうち最も普及しているものは、次の2つの一般的カテゴリーに分類される:減水性超可塑剤(高性能減水剤としても公知)、および繊維補強コンクリート(FRC)を生成するために使用される合成強化用繊維。 最新世代のポリカルボン酸エーテル系超可塑剤(PCE)およびポリプロピレングリコール誘導体混合物を含めて、前記超可塑剤は、複合材を形成するために要する水の量を低減させるのに役立つ。 超可塑剤はまた、コンクリートスラリーのレオロジー(流動特性)を向上させ、それによって硬化前の作業性を向上させる(Palaciosら、「Effect of superplasticizer and shrinkage−reducing admixtures on alkali−activated slag pastes and mortars」、 Cement and Concrete Research、第35巻、1358−1367頁、2004;Aitcinら、「Superplasticizers: How they Work and Why The Occasionally Don't」、Concrete International、第16巻、45−52頁、1994を参照されたし)。

    FRCの場合、合成繊維(典型的にはポリプロピレン繊維)は、マトリックスの強度を増し、コンクリートの変形性を改善するためのものである。 コンクリート補強用繊維は、コンクリート内の微小亀裂を架橋し、分離を低減させ、それにより、亀裂に沿った完全分離からの破損なく、コンクリートにその負荷量を支持するその能力を維持させることを意図したものである(Soroushianら、「Mechanical Properties of Concrete Materials Reinforced With Polyproplene or Polyethlene Fibers」、Materials Journal、第89巻、535−540頁、1992を参照されたし)。

    実際には、いずれのタイプの「添加剤」も、コンクリートまたはアスファルトコンクリート製品または系の強度の劇的増加を示さなかった。 グラフェンおよび一定のグラフェン誘導体を現状技術の方法の代わりにコンクリートおよびアスファルトに対する強化用「添加剤」として使用できると考えられる。

    軍事科学および弾道科学(Ballistics Science)
    コロンビア大学(米国、ニューヨーク州、ニューヨーク)での最近の調査によると、グラフェンは、地球上で最強の材料として同定される。 グラフェンの法外な強度は、コロンビア調査員により、その炭素−炭素共有結合マトリックスに起因するとされている。 試験されたグラフェン試料は、グラフェンの欠陥のない単層であった。 これらの試料の試験により、グラフェンの単一シートは42Nm −1の固有強度を有することが明らかになった。

    最先端の対弾道科学(anti−ballistics science)は、弾道発射体および榴散弾から保護する手段であって、益々薄い手段を開発しようと努めている。 この目的に向けて、ポリマーマトリックス複合材(PMC)の分子強化が研究され続けている。 現状技術では、S−ガラス、アラミド(例えば、Kevlar(登録商標)29、Kevlar(登録商標)49、Kevlar(登録商標)129、Kevlar(登録商標)KM2、Twaron(登録商標))、高配向超高分子量ポリエチレン(例えば、Dyneema(登録商標)、Spectra(登録商標))、PBO(例えば、Zylon(登録商標))およびポリピリドビスイミダゾール(PIPD)(M5(登録商標)と呼ばれている)などをはじめとする、数種類の高性能弾道糸(ballistic yarns)および繊維が利用されている。

    これらの繊維の典型的な特徴は、非常に低い密度および高い引張強度であり、相応じて高いエネルギー吸収力を有する。 ポリマーマトリックス複合材(PMC)弾道パネルの場合、繊維の力分散変形能力は、該複合材の周囲の樹脂によって重度に妨げられ、これは、発射体からの衝撃に基づき樹脂マトリックスが破断および離層する条件下では破損につながる。 織物複合材弾道パネルに組込まれた、グラフェンおよびその誘導体は、典型的なPMC樹脂・マトリックスと同じ制限を被らないだろう。

    グラフェンおよびその誘導体構造は、対弾道学のための独特の機会および材料を表す。 グラフェンおよびその誘導体は、特に高い弾性率および引張強度を有し、≒1000Gpaのヤング率および約13〜53Gpaの強度を有する。 従来の対弾道繊維(anti−ballistic fibers)および複合材と比較して、グラフェンおよびその誘導体の潜在能力は、現状技術の方法よりはるかに優秀である。

    米国陸軍ネイティック兵士センター(Natick Soldier Center)と共に研究している、Nanocomp Technologies Inc.(米国、ニューハンプシャー州、コンコード)として公知の会社は、カーボンナノチューブ(CNT)技術に基づき新世代の軽量弾道防護具を開発しようと努めている。 伝えられるところによると、2009年4月にこの会社は、≒5mm厚のCNT−複合材弾道パネルが9mm弾を止めることができることを実証した。 工業規模にできるグラフェンおよびグラフェン誘導体合成のさらなる進歩は、疑う余地なく、この技術をさらに商品化に近づけるだろう。

    機械システムの潤滑 すべての機械システムは、相互作用する構成部品間の摩擦を伴う。 かかる相互作用は、レースに沿ってスライドするボールベアリング、シリンダスリーブに対して移動するピストンリング、またはカムシャフトのローブとそのカムフォロアの接触と同様の単純なものである場合もある。 これらの例のすべてにおいて、相互作用表面間の摩擦は、考慮すべき因子である。 いずれのシステムにおいても摩擦は、応力、疲労、摩耗、加熱、ノイズ、短振動およびことによると破損の原因である。 上述の金属含有機械システムの他の共通の敵は、腐食である。

    殆どの状況で、工学科学は、相互作用面を有する物理および機械システムに固有の摩擦を、それらの表面を機械加工して最高実用平滑度に仕上げることにより低減させようと努める。 現行の摩擦面は、いずれも完璧には平滑でない、すなわち、凹凸が完全にないものはない。 これらの平坦でない表面凹凸の相互作用は、摩擦を増加させる。 必要に応じて、物理および機械システムの相互作用要素を機械化加工し、要求許容範囲へとポリッシュして、正しい動作を可能にし、固有摩擦を低減させる。 高い許容範囲(R a <50nm)へのいわゆる「スーパーポリッシング」による摩擦の顕著な低減は、今までは、相当な追加生産時間および費用を意味した。 一般に、最新の機械加工科学は、経済と引き換えに機械加工の正確さを手に入れることを強いられる。

    加えて、通常は吸気型とターボ過吸型両方のガソリンおよびディーゼル、ならびに他のギア含有システムを含めて、すべての内燃機関は、正しい動作のために潤滑を必要とする。 エンジンおよびギア潤滑分野では、それらの発足以来、これらの機械の最適な潤滑の提供しようとする様々な試みがなされてきた。 潤滑に対する最初のかかる試み、例えばオリーブオイルおよび一定の石炭酸石鹸、は、より高級な炭化水素系潤滑剤で代用されるようになったので、多くのものに、よりいっそう高級な添加剤パッケージを含有させ、かかる添加剤の各々に、これらのシステムを潤滑する上での様々な固有の問題に取り組ませることとなった。

    内燃機関などの金属含有機械システムの潤滑についての現状技術は、非圧縮性流体およびバリアコーティングを利用して金属間接触を防止することによる機械システムの相互作用金属面の凹凸の問題に「対処する」ための方法および材料を利用する弾性流体潤滑(EHL)の使用である。 これらのいずれの方法も、相互作用する金属製要素表面のいわゆるR a (粗度平均)値に影響を及ぼさず、いずれも凹凸自体の摩擦に起因する作用を改善しない。

    金属摩擦面およびそれらを含むシステムを予防および保護するために、様々な潤滑剤用添加剤、例えば、分散剤、腐食防止剤、粘度向上剤、シール膨潤剤、流動点降下剤、抑泡剤、摩耗防止剤および酸化防止剤が、様々な目的で使用されている。 摩擦を低減させるために開発されたかかる潤滑剤用添加剤としては、次のものが挙げられる:エラストマーガスケットおよびシールをゆっくりと攻撃することが公知だが航空潤滑剤では一般的なリン酸トリオルトクレシル(TOCP、または単にTCP);不完全燃焼生成物と化合して塩化水素酸を形成することが公知のナフテン系炭化水素洗浄剤;触媒コンバータを装備している車両には問題のあるジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP);水生生物に極めて有害と世界的に認定されている塩素化パラフィン;多数の人が潤滑に望ましくないと考えている浮遊物質、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE、商品名Teflon(登録商標));ベアリングを利用するシステムには望ましくないと多くの人が考えているグラファイト粉末;モリブデン、燃費を低� ��させると報告されている金属;二硫化タングステンナノオニオン、一時的バリア溶液(temporary barrier solution);バックミンスターフラーレン、もう1つの高価な一時的溶液(temporary solution);およびベアリングを含有するシステムにおいて使用されるグラファイトに異を唱える人が重ねて苦情を訴える、研磨剤粒子の典型的な凝集を阻害するためにグラファイトに懸濁させたナノダイヤモンド。 潤滑剤用添加剤は、多くの場合、リン酸塩および硫化物も含有し、これらは、分解すると、有害ガス生成の一因となり得る。

    機械システム内の炭素質堆積物は望ましくないとほぼあまねく考えられているため、多くの最新の潤滑剤は、一切の炭素質堆積物の形成を抑制および/または防止するように明確に設計され、配合される。 従来のEHL知識は、不完全燃焼および熱分解によるベース潤滑剤およびその添加剤の熱崩壊に耐え、それを助長しないように、できる限り物理的におよび化学的安定性であるように内燃機関油潤滑剤を配合しなければならないことを示唆している;これは、従来の潤滑剤のかかる熱的破壊の生成物が、弁を詰まらせる、ピストンリングを被覆するならびに一般にエンジンの動作率および推定耐用年数を減少させる傾向がある、有害な炭素質堆積物(例えば、スラッジ)を生じさせるためである。 スラッジの凝集を防止するために、通例、分散剤が潤滑油に使用される(例えば、Wonら、「Effect of Temperature on Carbon−Black Agglomeration in Hydrocarbon Liquid with Adsorbed Dispersant」、Langmuir、第21巻、924−932頁、2005;Tomlinsonら、「Adsorption Properties of Succinimide Dispersants on Carbonaceous Substrates」、Carbon、第38巻、13−28頁、2000;Wang、「Synthetic and Characterization of Ethylene Carbonate Modified Polyisobutylene Succinimide Dispersants」、University of Waterloo Masters Thesis、2010を参照されたし)。 不完全燃焼の結果であるエンジンからのブローバイ煤が、高摩耗性であり、金属部品を損傷させかねないことは証明されている(例えば、Jaoら、「Soot Characterisation and Diesel Engine Wear」、Lubrication Science、第16巻、111−126頁、2004;Ryasonら、「Polishing Wear by Soot」、Wear、第137巻、15−24頁、1990;Yamaguchiら、「Soot Wear in Diesel Engines」、Journal of Engineering Tribology、第220巻、463−469頁、2006;Gautamら、「Effect of Diesel Soot Contaminated Oil on Engine Wear − Investigation of Novel Oil Formulations」、Tribology International、第32巻、687−699頁、1999を参照されたし)。 「無灰」エンジン油は、潤滑配合物をできる限り炭素粒子が無いように保持しなければならないという概念、およびすべての炭素質エンジン堆積物が有害であり、悪いという概念を裏付ける、もう1つの製品例である。 現行のEHLパラダイムのもとでは、炭素質煤および堆積物を形成する結果となる潤滑剤用添加剤の熱崩壊および熱分解は、望ましくないとあまねく考えられている。

    潤滑剤およびそれらの添加剤についての現行の試験基準は、潤滑パラダイムのさらなる証拠であり、この潤滑パラダイムを支持する。 Noack揮発度試験(ASTM D5800)は、温度の関数として潤滑剤配合物の蒸発を測定する。 配合物は、蒸発増加に伴って粘稠になるからである。 この試験は、250℃で、試料上に絶えず空気を流しながら、1時間、Noack装置に多量のモーター油を入れることを含む。 それから、その後、試料を計量して、揮発性有機化合物(VOC)の損失に起因する質量の損失を判定する。 質量の許容され得る損失は、≒13から15%以下であらねばならない。 潤滑剤は、API CJ−4モーター油規格(米国)またはISLAC GF−4モーター油規格(欧州連合)のもとでの認可を得るためにこの試験を合格しなければならない。

    他の潤滑剤業界蒸発試験としては、ASTM D972およびASTM D2595が挙げられる。 ASTM D972試験は、100℃と150℃の間の温度で、試料上に絶えず空気を流しながら(2L/分)、潤滑剤配合物を試験する。 ASTM D2595試験は、93℃と316℃の間の温度で、試料上に絶えず空気を流しながら(2L/分)、潤滑剤配合物を試験する。

    当今の潤滑剤業界は、EHL潤滑配合物において、環式炭素含有添加剤、例えば一定の酸化防止剤「ヒンダード」フェノール、一定のサリチル酸塩および一定のアミンを場合により含む比較的高価な添加剤の少量の組み合わせと共に、直鎖または分岐鎖炭化水素のベース潤滑剤をほぼ排他的に使用している。 殆どの場合、先行技術における環式炭素含有潤滑剤用酸化防止添加剤の使用は、主としてin situ形成過酸化物のラジカルによるその酸化を抑制することにより、基礎をなすベース潤滑剤を改善または保護するための努力に限定されている。

    上述の全EHL潤滑パラダイムおよび業界試験基準は、不完全燃焼または熱分解の炭素質生成物が、エンジンおよび機械システム内であまねく有害であり、望ましくないという前提に基づく。 これは、洗浄剤、分散剤および境界膜を含有する潤滑剤の使用の最適な結果が、機械システムの被潤滑内部構造物を、できる限り、完全に清浄なように、かつ炭素質堆積物がないように、かつ摩損がないように維持することであることを示唆している。

    フラーレンの生成および潤滑における使用 フラーレンは、1985年に最初に発見され、ジオデシックドーム設計者故バックミンスター・フラー(Buckminster Fuller)にちなんで名づけられたものであり、完全に炭素環で構成された外殻を有する分子の一類である。 基本的な球形の種類のフラーレンは、バックミンスターフラーレンまたは単に「バッキーボール」である。 バッキーボールは、事実上、内包性であり得、様々な原子、イオンまたは錯体がそれらの中空コア内に捕捉されている。 金属イオンを含有する金属内包フラーレンは、有意な現行科学調査および研究の対象である。

    数学的に言うと、バッキーボールは、五形または六角形炭素環から成る三価凸多面体である。 バッキーボールは、V−E+F=2(式中、V、EおよびFは、ボールの外側の頂点、辺および面の数である)のオイラーの多面体式に従う。 非同型フラーレンに関しては、幾つかの214,127,713異種がある。 C 60およびC 70構造の純粋な単純バッキーボールは市販されているが、相当高価であり、一般に、材料100mgあたり$900から$1,000である。

    バッキーダイヤモンドは、フラーレンまたはフラーレン様外殻内のダイヤモンドコアのナノスケール炭素複合体である(例えば、Barnardら、「Coexistence of Bucky−diamond with nanodiamond and fullerene carbon phases」、Physical Review B、第68巻、073406、2003を参照されたし)。 この構造は、ナノオニオンとナノダイヤモンドの相互変換間の中間構造であると今は考えられている。 Barnardらは、バッキーダイヤモンドが、≒500から1,850原子のサイズ範囲(直径が≒1.4から2.2nm)のナノダイヤモンドとフラーレンの共存体のような準安定形態の炭素であると予測している。

    Barnardら(「Substitutional Nitrogen in Nanodiamond and Bucky−Diamond Particles」、J. Phys. Chem. B、第109巻、17107−17112頁、2005)は、ヘテロ原子、例えばこの場合は窒素、をバッキーダイヤモンド構造に組み込むことが可能であることを紹介している。 Recently, Yuら(2011年8月24日にJournal of Chemical Physicsに提出された「Is There a Stable Bucky−diamond Structure for SiC Cluster」)は、コンピュータ分子モデリングに基づき、安定なSi 68 C 79バッキーダイヤモンド構造を提案した。 この安定状態で、ナノダイヤモンドコアとフラーレン様の殻が互いに化学結合しているとは考えられない。 Yuらのモデリングは、このSi−C構造の加熱時に、35原子コアが、112原子殻より低い温度で分解し、その後、冷却すると、そのコアがその殻に組込まれてより大きな保持されたフラーレン様殻構造を形成すると予測した。

    フラーレンは、潤滑科学における有望な新規ナノテクノロジーである。 凹凸を埋めて可動部分に減摩皮膜を設けるためのバリア潤滑剤としてフラーレンを使用する多くの試みがある。 残念なことに、有用なフラーレンの大規模で商業的に実行可能な生産手段は、なかなか見つけられないことが判明した。 重ねて、摩擦学の現状技術は、可動部分の表面の減摩皮膜およびコーティングに焦点を当てている。 しかし、この古いパラダイムは、摩擦自体の基礎原因、相互作用金属部品上の凹凸、に取り組んでいない。

    ナノテクノロジーおよび摩擦学の科学の出現により、様々なナノ粒子の使用による幾つかの新しい潤滑方法が導入された。 Gauseによる「Trimetaspheres as Dry Lubricants,Wet Lubricants,Lubricant Additives,Lubricant Coatings,Corrosion−Resistant Coatings and Thermally−Conductive Materials」と題する、2007年12月20日に公開された米国特許出願公開第2007/0292698号には、単純な炭素フラーレンまたは「バッキーボール」の代わりに懸濁固体潤滑剤としての高温で急速に崩壊するスカンジウム含有メタロフラーレンバッキーボールの使用が開示されている。

    外部分離一桁ナノバッキーダイヤモンド(singular nano−Buckydiamond)(SNBD)の潤滑剤用添加剤としての使用は報告されているが、これらの分子は、それらを潤滑および他の用途において有用なものにするために必要な段階である望ましくない凝塊からの分離が、本質的に難しい。 (例えば、Ho,D.(編集)、Nanodiamonds:Applications in Biology and Nanoscale Medicine、第1章、Osawa,E. による「Single−Nano Buckydiamond Particles,Synthesis Strategies,Characterization Methodologies and Emerging Applications」、Springer Science+Business Media, LLC、New York、2010を参照されたし)。

    NanoMaterials, Ltd.(イスラエル、Nes Ziona)は、一連の二硫化タングステンナノパウダー含有潤滑剤を生産している。 これらの黒色硫化タングステンオニオン構造は、表面凹凸および脱離層を埋めて相互作用金属エンジン要素間の低摩擦相互作用バリア表面として作用することを意図したものである。

    NanoLube, Inc.(米国、イリノイ州、Lombard)は、摩擦を低減させるために潤滑剤に導入される、DiamondLobe(商標)の名での、非研磨剤カーボンナノスフェアの生産を主張している。 NanoLube(商標)製品は、軽量油に懸濁された高価だが単純なフラーレンであるようである。

    PlasmaChem GmbH(ドイツ、ベルリン)は、モーター油用の添加剤を商標ADDO(登録商標)で市販しており、これは、内部エンジン部品を鏡のような平滑度までポリッシングすることができる、デトネーション合成により形成されたダイヤモンドおよびグラファイトナノ粒子を含有すると主張されている。 前記グラファイトは、おそらく、ナノダイヤモンドの凝塊形成を低減させるために懸濁液に添加される。

    デトネーションナノダイヤモンドは、トリニトロトルエンとヘキソーゲンの酸素不足混合物の爆発デトネーションによって概して形成されるナノダイヤモンド製品である(例えば、Mochalinら、「The properties and applications of nanodiamonds」、Nature Nanotechnology、第7巻、11−23頁、2012を参照されたし)。 結果として生ずるナノダイヤモンドは、通常、5nmダイヤモンド様粒子の1μmクラスタの形態であり、各々の粒子が、表面官能基の層を有するダイヤモンドコアを備えている。

    ナノダイヤモンドの他の形成方法は、非デトネーション技術、例えばレーザーアブレーション、ダイヤモンド微結晶の高エネルギーボールミリング、プラズマアシスト化学蒸着、オートクレーブ合成、炭化物の塩素化、グラファイトのイオン照射、カーボンナノオニオンの電子照射、および超音波キャビテーションを用いる。 これらの結果として生ずる非デトネーションナノダイヤモンドは合成時にクラスタ化する傾向があり、塊状ナノダイヤモンド生成物をきれいに分離するためのプロセスの開発に多大な努力がささげられてきた。

    現状技術はもちろん、摩擦低減に対するこれらの解決策の大部分にも共通の要素は、この問題の根本原因−それら自体の凹凸−を除去および「解決」しない、機械システムの相互作用金属面の凹凸の問題に「対処する」ための方法および材料を利用する弾性流体潤滑(EHL)技術の使用である。 凹凸のポリッシングおよび低減に取り組もうとするこれらの方法および材料は、望ましくなく大きいクラスタへのそれらの凝塊形成を防止するために利用する材料に懸濁させなければならない外部添加研磨剤を利用することによって、それに取り組もうとする。 上述のいずれの方法および材料も、外部添加ナノダイヤモンド潤滑剤用研磨剤(lubricant abrasive)からの望ましくない粒子凝塊形成という現状技術における固有の問題に取り組む新規アプローチである、液体前駆体からの有益な炭素質減摩粒子またはナノ研磨剤のin situ形成のための技術または手段を伴わない。

    本発明は、グラフェン、グラフェン誘導体およびナノ粒子の容易な合成、ならびに摩擦学的に有益な潤滑剤用添加剤としてのそれらの使用に関する。 本発明の方法の生成物は、摩擦学、ナノテクノロジー、機械加工および工具整備、潤滑、金属加工、ドリリング、採鉱、塗料製造、腐食防止コーティング製造、山岳トンネル工法、ルーター加工、金型作製、光学レンズ製造、軍事工学、宝石カッティングおよびポリッシング、航空宇宙工学、自動車工学、高速鉄道、船舶工学、医学、核医学、医療イメージングおよび診断、トラック輸送、クレーンおよび重機製造、農機具製造、オートバイ製造、電気モーター作製、ケーブルおよび電線製造、サンダー仕上げ、原子力、太陽光、風力および従来の発電、水力発電、電子工学、集積回路技術、バッテリー技術、ポリッシングコンパウンド製造、鋼製造、金属ポリッシング、ならびに金属面の化学的硬化をはじめとする(しかし、これらに限定されない)多くの分野において、非常に多数の用途を有する。

    本発明は、潤滑剤と少なくとも1つの添加剤とを含む潤滑組成物であって、該添加剤が、通常動作部分熱分解条件下での摩擦学的に有用な炭素構造のin situ形成における犠牲炭素源として役立つように選択されるものである、潤滑組成物にさらに関する。 加えて、グラフェン、グラフェン酸化物、還元グラフェン酸化物、および他のグラフェン誘導体構造ならびに研磨剤ナノ粒子のex situ合成方法を開示する。 前記ex situ合成生成物を分離するための手段を「動的燃焼室(dynamic furnace)」装置の使用によりさらに明らかにする。

    加えて、本発明は、機械加工された相互作用する硬質表面を用いているエンジン、ターボ、タービン、トラック、レース、車輪、ベアリング、シャフト、トランスミッション、ギアシステムならびに他の物理的および機械的システムにおける可動部分をポリッシング、硬化および潤滑するための潤滑組成物および方法に関する場合、特に有用である。 1つの実施形態において、前記方法および潤滑組成物は、数ある中でも、金属製相互作用面にほぼ摩擦のない仕上げを提供する。

    1つの実施形態では、本発明の潤滑組成物により、エンジン、ターボまたはタービンは、従来の潤滑剤で潤滑されたときより大きい有用な馬力およびトルクを生じさせることが可能になる。 なぜなら本潤滑組成物および方法の潤滑およびポリッシング効果により摩擦が減少されるからである。 エンジン馬力およびトルクなどの効率指標は、エンジンへの潤滑組成物の最初の導入後、数日の使用期間から数週間の通常使用期間、数か月の通常使用期間にわたって増加することが観察される。 一部の実施形態において、本明細書に開示する方法および潤滑組成物からの恩恵は、潤滑された可動部分の表面でのナノ粒子およびナノシートの摩擦学的境界の形成を含み、かかるナノ粒子およびナノシートは、金属面から酸化を能動的に除去すること、それを封入すること、および摩擦低減における所期の役割の実行の際にそれらの酸化分子を有益に使用することに役立つ。

    医学、核医学、医療イメージングおよび診断の場合は、本発明は、放射性同位体、他の金属イオン、もしくはイオンに結合した他の治療薬を治療のために体内位置に送達するための、または磁気もしくは他の診断画像の解像度を向上させるための、高不活性、安全、かつ極微小のベクターを生成する。 加えて、これらの磁性または常磁性球状体を使用して、人工的に誘導された強磁場において、例えば磁気共鳴イメージング(MRI)において、腫瘍および癌細胞を根治させることができ、該球状体を激しく回転または長振動させ、それによって中から標的細胞または組織を熱的に除去するのに十分な熱を生じさせることができる。

    1つの実施形態において、本発明は、炭素質材料炭素源からグラファイト状炭素を形成するための経済的な脱水反応または還流熱分解を含む。 前記方法は、工業生産用に規模拡大できる。 前記炭素源は、好ましくは、糖または他の6炭素環含有構造であるが、他の炭素質材料を脱水、熱分解、酸化または不完全燃焼に付して、炭素源として役立ててもよい。 前記炭素源を還流熱分解、酸化/還元、不完全燃焼または酸脱水に付して、グラファイト状炭素反応体出発原料を形成する。 1つの実施形態では、グラファイト状炭素を液体溶剤での還流に付し、グラフェン/グラフェン酸化物(GO)を蒸気/水蒸気中に浮遊しているナノスコピックまたは「ナノスケール」として放出させる。 1つの実施形態では、熱分解、脱水または酸化段階を必要とすることなく、グラファイト状炭素源を高圧液体または蒸気による物理的攻撃に付して、機械的に剥離されたグラフェンスケールを生じさせることができる。 結果として生ずるグラフェン/GOスケールは蒸気中を移動することができ、それらを、放出蒸気との物理的に接触している固体基板上への直接堆積により捕集することができ、またはそれらのスケールのより大きいグラフェン/GOシートへの「疎水性自己組織化」を促進するために使用した水溶液もしくは水性液にその粒子含有蒸気を適用することにより捕集することができる。

    1つの実施形態では、チャンバ内の周囲酸素(O 2 )の量を制限するように反応環境を制御して、加熱中に反応体の完全燃焼を阻害する。 1つの実施形態では、添加溶剤の存在下で反応を行う。 1つの実施形態では、生成されたGOを、加熱または非加熱液体捕集媒体に懸濁している還元グラフェン酸化物(rGO)またはグラフェンシートに変換する。 結果として生じるrGOまたはグラフェンシートを使用して、広範な有用製品を製造することができ、それらとしては、保護コーティング、および低重量/高強度グラフェン補強複合材、電線および繊維が挙げられるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態では、炭素質出発原料を脱水反応または熱分解に付してグラファイト状炭素を形成する。 1つの実施形態において、前記炭素質源は、グラファイト状である。 そのグラファイト状炭素を溶剤の存在下で還流に付してグラフェン/GOスケールを生じさせる、または合成された多環式芳香族炭化水素(PAH)を還流させて、加熱の結果として生ずる蒸気中に放出させる。 それらのグラフェン/GOスケールまたはPAHを、放出蒸気と物理的に接触している固体基板上への堆積、またはグラフェン/GO疎水性自己組織化のための水性液体プールへの前記蒸気の適用、いずれかによって捕集する。 このプロセスは、工業規模にできる。 1つの実施形態では、生成されたGOを、加熱または非加熱液体媒体に懸濁している還元グラフェン酸化物(rGO)シートに変換する。

    1つの実施形態において、本発明は、ポリッシング剤として有用な研磨剤ナノ粒子の生成に関する。 この実施形態による研磨剤ナノ粒子は、反応混合物への金属酸化物またはナノダイヤモンドの添加によって作ることができる。

    1つの実施形態では、結果として生ずるグラフェンシートを使用して、低重量、高強度、グラフェン補強複合材をはじめとする(しかしこれに限定されない)、広範な有用製品を製造することができる。

    1つの実施形態において、従来の潤滑剤への適切な添加剤は、摩擦学的に有用なグラファイト状炭素含有ナノ粒子または微粒子の摩擦学的に有効な量でのin situ形成を促進する。 1つの実施形態において、前記添加剤は、少なくとも1つの炭素環を有する化学構造を備えている。 1つの実施形態において、前記ナノ粒子は、凹凸の低減または除去、それによる摩耗面間の摩擦の低減により摩擦面を高平滑度にナノポリッシュするためにナノポリッシング剤として作用する研磨剤ナノ粒子である。 1つの実施形態において、前記潤滑剤への添加剤は、潤滑組成物を形成するためのその潤滑剤への添加前にex situで形成される一定の形態のグラファイト状炭素を含む。

    1つの実施形態において、前記潤滑剤への添加剤は、鉄錯体分子を含む。 1つの実施形態において、前記添加剤は、炭素含有粒子状物質のナノ粒子を含む。 1つの実施形態では、前記添加剤を潤滑剤に溶解して、潤滑組成物を形成する。 1つの実施形態において、前記添加剤は、前記潤滑組成物を形成するための潤滑剤と混和性である。 1つの実施形態では、1つ以上の糖または糖様両親媒性物質の形態の炭素含有前駆体分子を利用して、システムの内部構成要素を凍結させるまたは詰まらせる傾向がない潤滑組成物中の糖または糖様成分を提供する。 1つの実施形態では、環式炭素含有前駆体分子を、かかる前駆体を既に含有している既存市販溶液形態で、潤滑剤に添加する。 合成されるグラファイト状炭素は、従来のベース潤滑剤の固有物理的潤滑特性を向上させるのではなく、むしろ、熱を伝達および吸収するように、内部部品上に減摩コーティングを形成するように、および被潤滑システムの金属面のナノポリッシングを促進して摩擦低減を生じさせるナノ研磨剤に変換するように作用する。

    1つの実施形態では、従来の潤滑剤であって、他の従来の潤滑剤より低い粘度を有する潤滑剤を使用することにより、摩擦のさらなる低減および潤滑効率増加を達成する。 ナノポリッシングによる凹凸の有効な排除は、高剪断(sheer)下で凹凸に接着する傾向が概してある粘稠配合物の使用を排除する。 より低粘度の流体を使用する結果として生ずる、2摩耗面間のより薄い潤滑皮膜で、金属部品を損傷することなくエンジンを動作させることが摩耗面の平滑性により可能になる。 より低粘度のベース流体は、より低い抵抗を可動部分にもたらし、その結果、潤滑系およびそれが潤滑している機械システムの効率が向上される。

    1つの実施形態において、前記方法は、循環する潤滑組成物により、それと同時に、自然に発生するエンジン燃焼生成物をさらに使用して皮膜またはコーティングを生成することにより、内部機械システムに摩擦低減皮膜またはコーティングを供給し、生成する。 他の実施形態において、前記方法は、循環する潤滑剤のみにより、摩擦低減皮膜またはコーティングを供給し、生成する。

    1つの実施形態において、前記潤滑組成物は、エンジン、ターボ、タービン、ギア、または他の要素もしくはシステム性能を向上させる。 1つの実施形態において、前記潤滑組成物は、摩擦学的摩擦低減皮膜およびコーティングを、自動車および航空宇宙船の潤滑油組成物および他の用途に提供し、該用途としては、ギア、ベアリングまたはジャーナルシステムの潤滑が挙げられる。 一部の実施形態において、前記潤滑組成物は、動作中にシステムを潤滑しながら経時的に摩擦面をより低い表面粗度にマイクロポリッシュすることにより、摩耗面間の摩擦を低減させる。

    1つの実施形態において、前記潤滑組成物は、自然に発生する燃焼生成物および副生成物と化学反応により化合して、自動車および航空宇宙船の機械部品の摩擦表面に摩擦学的摩擦低減皮膜およびコーティングを生じさせる。 1つの実施形態において、前記潤滑組成物中の添加剤は、化学反応により互いに化合して、自動車および航空宇宙船の機械部品の摩擦面に摩擦学的摩擦低減皮膜およびコーティングを生じさせる。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンの合成方法であって、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの炭素質材料とを含む反応混合物を、該炭素質材料の完全燃焼を抑制する条件下で還流させる段階、その後、前記反応混合物の還流により生成された蒸気を捕集する段階、前記蒸気を基板に誘導し、それによりグラフェンを該基板の表面に堆積させる段階、および前記基板の表面からグラフェンを回収する段階を含む方法を提供する。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェン酸化物生成方法であって、少なくとも1つの溶剤と少なくとも1つの酸化剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を、該炭素源の二酸化炭素または一酸化炭素への完全燃焼を防止する条件下で還流させる段階、その後、前記反応混合物の還流により生成された蒸気流を捕集する段階、その後、前記蒸気流を基板に誘導し、それによりグラフェン酸化物を該基板の表面に堆積させる段階、および前記基板の表面からグラフェン酸化物を回収する段階を含む方法を提供する。

    ベース潤滑剤と、局所熱分解条件下で摩擦学的に有効な量の少なくとも1つのグラファイト状炭素含有構造を形成する少なくとも1つの炭素含有添加剤とを含む潤滑組成物。

    1つの実施形態において、本発明は、ベース潤滑剤とグラフェンを含む潤滑組成物であって、該グラフェンが該ベース潤滑剤と併せる前に形成されたものである潤滑組成物を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、ベース潤滑剤と1つ以上のバッキーダイヤモンドとを含む潤滑組成物であって、該バッキーダイヤモンドの少なくとも一部が鉄または鉄含有分子を含むものである潤滑組成物を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、凹凸を有する少なくとも1つの内部摩擦面を含む機械システムを潤滑する方法を含み、この方法は、ナノポリッシング剤を含む潤滑組成物と共に前記機械システムを動作させて、その内部摩擦面から凹凸を除去する段階を含み、前記潤滑組成物は、前記機械システム内の局所熱分解条件下で少なくとも1つのナノポリッシング剤をin situで形成する少なくとも1つの炭素含有添加剤を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェン酸化物を含む減摩コーティングを含む。

    1つの実施形態において、本発明は、ベース潤滑剤と、局所熱分解条件下で摩擦学的に有効な量のグラフェン酸化物を形成する少なくとも1つの炭素含有添加剤とを含む、潤滑組成物を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、ベース潤滑剤と、局所熱分解条件下で摩擦学的に有効な量の還元グラフェン酸化物を形成する少なくとも1つの炭素含有添加剤とを含む、潤滑組成物を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、複数の表面グラファイト化研磨剤ナノ粒子を合成する方法であって、少なくとも1つの溶剤と、少なくとも1つの金属酸化物と、多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む混合物を還流させて、少なくとも1つの表面グラファイト化研磨剤ナノ粒子を形成する段階、およびその後、前記反応混合物から前記表面グラファイト化研磨剤ナノ粒子を捕集する段階を含む方法を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、薬物送達製剤、医療イメージング造影製剤(contrast formulation)、金属プロテーゼ装置、ポリッシング剤ならびに該ポリッシング剤によってポリッシュされた金属プロテーゼ装置および鋼装置、洗浄剤配合物、ならびに表面グラファイト化研磨剤ナノ粒子を含む巨視的固体材料における、グラフェンの使用方法を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、少なくとも1つの金属原子を含むコアと該コアの周囲の表面グラファイト化殻とを含む、ナノ粒子を含む。 1つの実施形態において、前記表面グラファイト化殻は、フラーレン炭素殻を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、微粒子凝塊であって、少なくとも1つの金属原子を含むコアと該コアの周囲の表面グラファイト化殻とを含む少なくとも1つのナノ粒子と、該ナノ粒子と会合している少なくとも1つのグラファイト状炭素構造とを含むものである凝塊を含む。 1つの実施形態において、前記表面グラファイト化殻は、フラーレン炭素殻を含み、前記グラファイト状構造は、グラフェンおよび/またはその誘導体を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、ベース潤滑剤と摩擦学的に有効な量の複数のナノ粒子とを含む潤滑組成物であって、該ナノ粒子が、少なくとも1つの金属原子を含むコアと該コアの周囲の表面グラファイト化殻とを含むものである潤滑組成物を含む。 1つの実施形態において、前記表面グラファイト化殻は、フラーレン炭素殻を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、ベース潤滑剤への添加用の添加剤配合物であって、基礎溶剤と、有効量の少なくとも1つの炭素含有添加剤を含み、その結果、該炭素含有添加剤が、局所熱分解により、摩擦学的に有効な量の少なくとも1つのグラファイト状炭素含有構造を形成するものである添加剤配合物を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、材料の表面に塗布されたコーティングであって、少なくとも1つの金属原子を含むコアと該コアの周囲の表面グラファイト化殻とを含む少なくとも1つのナノ粒子を含むものであるコーティングを含む。 1つの実施形態において、前記表面グラファイト化殻は、フラーレン炭素殻を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、マトリックス材料と該マトリックス材料に分散された少なくとも1つのナノ粒子とを含む材料であって、該ナノ粒子が、少なくとも1つの金属原子を含むコアと該コアの周囲の表面グラファイト化殻とを含むものである材料を含む。 1つの実施形態において、前記表面グラファイト化殻は、フラーレン炭素殻を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンを含む溶液でコーティングされた材料を含む複合材料を含み、前記グラフェンを含む溶液は、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を、その炭素源の二酸化炭素または一酸化炭素への完全燃焼を防止する条件下で還流させる段階、およびその後、前記反応混合物を複合材料の表面に塗布する段階を含むプロセスによって製造される。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンを含む溶液でコーティングされた繊維を含む複合材料を含み、前記グラフェンを含む溶液は、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を、その炭素源の二酸化炭素または一酸化炭素への完全燃焼を防止する条件下で還流させる段階、およびその後、複合材料を構成する前記繊維の表面に前記反応混合物を塗布する段階を含むプロセスによって製造される。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンを含む溶液でコーティングされた繊維メッシュを含む複合材料を含み、前記グラフェンを含む溶液は、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を、その炭素源の二酸化炭素または一酸化炭素への完全燃焼を防止する条件下で還流させる段階、およびその後、複合材料を構成する前記繊維メッシュの表面に前記反応混合物を塗布する段階を含むプロセスによって製造される。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンおよびその誘導体を含む溶液と混合されたコンクリートミックスを含み、前記グラフェンおよびその誘導体を含む溶液は、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を、その炭素源の二酸化炭素または一酸化炭素への完全燃焼を防止する条件下で還流させる段階、およびその後、前記反応混合物と前記コンクリートミックスを混合する段階を含むプロセスによって製造される。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンおよびその誘導体を含む溶液と混合されたアスファルトミックスを含み、前記グラフェンおよびその誘導体を含む溶液は、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を、その炭素源の二酸化炭素または一酸化炭素への完全燃焼を防止する条件下で還流させる段階、およびその後、前記反応混合物と前記アスファルトミックスを混合する段階を含むプロセスによって製造される。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンおよびその誘導体を含む溶液でコーティングされた繊維ガラスを含み、前記グラフェンおよびその誘導体を含む溶液は、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を、その炭素源の二酸化炭素または一酸化炭素への完全燃焼を防止する条件下で還流させる段階、およびその後、前記反応混合物を前記繊維ガラスに塗布する段階を含むプロセスによって製造される。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンおよびその誘導体を含む溶液でコーティングされたプラスチックを含み、前記グラフェンおよびその誘導体を含む溶液は、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を、その炭素源の二酸化炭素または一酸化炭素への完全燃焼を防止する条件下で還流させる段階、およびその後、前記反応混合物を前記プラスチックに塗布する段階を含むプロセスによって製造される。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンおよびその誘導体を含む溶液と混合された、プラスチックを調製するために構成されたポリマーのミックスを含み、前記グラフェンおよびその誘導体を含む溶液は、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を、その炭素源の二酸化炭素または一酸化炭素への完全燃焼を防止する条件下で還流させる段階、およびその後、前記反応混合物とプラスチックを調製するために構成されたポリマーのミックスとを混合する段階を含むプロセスによって製造される。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンおよびその誘導体を含む溶液でコーティングされたグラファイトを含み、前記グラフェンおよびその誘導体を含む溶液は、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を、その炭素源の二酸化炭素または一酸化炭素への完全燃焼を防止する条件下で還流させる段階、およびその後、前記グラファイトを前記反応混合物でコーティングする段階を含むプロセスによって製造される。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンおよびその誘導体を含む溶液でコーティングされた電線またはケーブルを含み、前記グラフェンおよびその誘導体を含む溶液は、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を、その炭素源の二酸化炭素または一酸化炭素への完全燃焼を防止する条件下で還流させる段階、およびその後、前記電線またはケーブルを前記反応混合物でコーティングする段階を含むプロセスによって製造される。

    1つの実施形態において、本発明は、ナノ鋼を合成する方法であって、少なくとも1つの溶剤と、少なくとも1つの金属酸化物と、多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む混合物を還流させて、少なくとも1つの表面グラファイト化研磨剤ナノ粒子を形成する段階、その後、前記表面グラファイト化研磨剤ナノ粒子を含有する反応混合物の還流により生成された蒸気流を捕集する段階、および捕集した蒸気流をアニール処理に付す段階を含む方法を提供する。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェン捕集方法であって、少なくとも1つの溶剤と、多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む混合物を還流させる段階、およびその後、前記反応混合物の還流により生成された蒸気流を捕集する段階を含む方法を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンの誘導体の捕集方法であって、少なくとも1つの溶剤と、多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む混合物を還流させる段階、およびその後、前記反応混合物の還流により生成された蒸気流を捕集する段階を含む方法を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を還流させることにより生成された蒸気を捕集するように構成された捕集アセンブリを含む。

    1つの実施形態において、本発明は、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む反応混合物を還流させることにより生成された蒸気からグラフェンおよびその誘導体を自己組織化するように構成された疎水性自己組織化体を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンの疎水性自己組織化方法であって、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの炭素質材料とを含む反応混合物を、該炭素質材料の完全燃焼を抑制する条件下で還流させる段階、その後、前記反応混合物の還流により生成された蒸気を捕集する段階、その後、前記蒸気を水性基板に誘導し、それによりグラフェンを該水性基板の表面に堆積させる段階、および前記水性基板の表面からグラフェンを回収する段階を含む方法を提供する。

    1つの実施形態において、本発明は、グラフェンの生成方法であって、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの炭素質材料とを含む反応混合物を、該炭素質材料の完全燃焼を抑制する条件下で還流させる段階、その後、前記反応混合物の還流により生成された蒸気を捕集する段階、前記蒸気を基板に誘導し、それによりグラフェンを該基板の表面に堆積させる段階、および前記基板の表面からグラフェンを回収する段階を含む方法を提供する。

    1つの実施形態において、本発明は、機械システムの潤滑方法であって、該機械システムを潤滑組成物と共に動作させることを含み、該潤滑組成物が、該機械システムの動作中に摩擦学的に有効な量の少なくとも1つの摩擦学的に有用なグラファイト状炭素含有構造のin situ化学形成を促進する有効量の少なくとも1つの炭素含有添加剤を含むものである方法を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、エンジンの効率を増加させる方法であって、該エンジンを潤滑組成物と共に動作させることを含み、該潤滑組成物が、この機械システムの動作中に摩擦学的に有効な量の少なくとも1つの摩擦学的に有用なグラファイト状炭素含有構造のin situ化学形成を促進する有効量の少なくとも1つの炭素含有添加剤を含むものである方法を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、エンジンのマイナス馬力(negative horsepower)を減少させる方法であって、該エンジンを潤滑組成物と共に動作させることを含み、該潤滑組成物が、この機械システムの動作中に摩擦学的に有効な量の少なくとも1つの摩擦学的に有用なグラファイト状炭素含有構造のin situ化学形成を促進する有効量の少なくとも1つの炭素含有添加剤を含むものである方法を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、エンジンのトルクを減少させる方法であって、該エンジンを潤滑組成物と共に動作させることを含み、該潤滑組成物が、この機械システムの動作中に摩擦学的に有効な量の少なくとも1つの摩擦学的に有用なグラファイト状炭素含有構造のin situ化学形成を促進する有効量の少なくとも1つの炭素含有添加剤を含むものである方法を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、減摩樹脂、皮膜、コーティングまたはラッカーの生成方法であって、少なくとも1つの溶剤と多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの炭素質材料とを含む反応混合物を、該炭素質材料の完全燃焼を抑制する条件下で還流させる段階、その後、前記反応混合物と樹脂、皮膜、コーティングまたはラッカーとを、該樹脂、皮膜、コーティングまたはラッカーの塗布またはセッティング前に混合する段階を含む方法を含む。

    1つの実施形態において、本発明は、表面グラファイト化研磨剤ナノ粒子の生成のために構成された動的燃焼室であって、該生成が、少なくとも1つの溶剤と、少なくとも1つの金属酸化物と、多環式芳香族炭化水素形成を促進する少なくとも1つの化合物とを含む混合物を還流させて、少なくとも1つの表面グラファイト化研磨剤ナノ粒子を形成する段階、その後、前記表面グラファイト化研磨剤ナノ粒子を含有する反応混合物の還流により生成された蒸気流を捕集する段階、および捕集した蒸気流を、高速回転、高周波長振動(oscillation)もしくは短振動(vibration)、流体力学的圧搾(hydrodynamic squeezing)、1つ以上の可動部分での摩擦衝撃、高速撹拌、またはこれらの任意の組み合わせに付す段階、その後、前記表面グラファイト化研磨剤ナノ粒子を捕集する段階を含むものである、動的燃焼室を含む。 1つの実施形態において、前記動的燃焼室は、ばり、ロッド、バンプ、へこみ、穴、凹凸、トンネルおよびこれらの任意の組み合わせを含む表面地形をさらに含む。

    添付の図面に関連して本発明を説明することとする。 これらの図面において、同様の要素は、同様の数字で照合される。

    図1Aおよび1Bは、本発明のある実施形態におけるグラフェン/GOおよびSGAN調製の略図をそれぞれ示す。

    図2Aは、本発明のある実施形態における炭素質またはグラファイト出発原料からのグラフェン/GO補強/コート基板またはグラフェン/GOスケール蒸気の形成についてのプロセスフローチャートを示す。

    図2Bは、本発明のある実施形態におけるグラフェン/GOスケール蒸気からのグラフェン/GO皮膜コート基板またはグラフェン/GO/rGOシートの形成についてのプロセスフローチャートを示す。

    図3は、本発明のある実施形態における模式的グラフェン/GO/SGAN合成および捕集システムを示す。

    図4は、本発明のある実施形態における試料採取領域に関する第一の蒸着法によりコーティングされたSEMスタブ上のSGAN球状体のSEM像を示す。

    図5Aは、第一の試料採取領域に関するSEMスタブ上の別のSGAN球状体のSEM像を示す。

    図5Bは、図5AのSGAN球状体の第二の試料採取領域を示す。

    図5Cは、図5AのSGAN球状体の第三の試料採取領域を示す。

    図6は、本発明のある実施形態における試料採取領域に関するSEMスタブ上の結晶構造のSEM像を示す。

    図7は、本発明のある実施形態におけるナノ鋼を含有するSGAN球状体のSEM像を示す。

    図8は、本発明のある実施形態における試料採取領域に関する第二の蒸着法によりコーティングされたSEMスタブ上のSGAN球状体のSEM像を示す。

    図9は、SEMスタブ上の別のSGAN球状体のSEM像を示す。

    図10は、SEMスタブ上の非常に多数のSGAN球状体を有する領域のSEM像を示す。

    図11は、SEMスタブの金/パラジウムコート領域のSEM像を示す。

    図12は、本発明のある実施形態における炭素TEMグリッド上のグラフェン生成物の第一の領域のTEM像を示す。

    図13は、図12のグラフェン生成物の第二の領域のTEM像を示す。

    図14は、図12のグラフェン生成物の第三の領域のTEM像を示す。

    図15は、図12のグラフェン生成物の第四の領域のTEM像を示す。

    図16は、図12のグラフェン生成物の第五の領域のTEM像を示す。

    図17は、図12のグラフェン生成物の第六の領域のTEM像を示す。

    図18は、本発明のある実施形態における銅TEMグリッド上のグラフェン生成物のある領域のTEM像を示す。

    図19は、本発明のある実施形態における銅TEMグリッド上の別のグラフェン生成物のある領域のTEM像を示す。

    図20は、本発明のある実施形態における潤滑組成物への曝露後の機械加工ステンレス鋼カムフォロアの非摩耗面に関する表面粗度測定の結果を示す。

    図21は、本発明のある実施形態における潤滑組成物への曝露後の機械加工ステンレス鋼カムフォロアの摩耗面に関する表面粗度測定の結果を示す。

    図22は、本発明のある実施形態における潤滑組成物への曝露後のカムフォロア止め輪の非摩耗面の第一の部分のSEM像を示す。

    図23は、カムフォロア止め輪の非摩耗面の第二の部分のSEM像を示す。

    図24は、カムフォロア止め輪の非摩耗面の第三の部分のSEM像を示す。

    図25は、カムフォロア止め輪の非摩耗面の第四の部分のSEM像を示す。

    図26は、カムフォロア止め輪の非摩耗面の第五の部分のSEM電子顕微鏡写真を示す。

    図27は、カムフォロア止め輪の非摩耗面の第六の部分のSEM像を示す。

    図28は、カムフォロア止め輪の非摩耗面の第七の部分のSEM像を示す。

    図29は、カムフォロア止め輪の非摩耗面の第八の部分のSEM像を示す。

    図30は、カムフォロア止め輪の非摩耗面の第九の部分のSEM像を示す。

    図31は、カムフォロア止め輪の非摩耗面の第十の部分のSEM像を示す。

    図32は、カムフォロア止め輪の非摩耗面の第十一の部分のSEM像を示す。

    図33は、図32の左側の結晶構造の第一のクローズアップのSEM像を示す。

    図34は、カムフォロア止め輪の非摩耗面の第十二の部分のSEM像を示す。

    図35は、図32の左側の結晶構造のSEM像を示す。

    図36は、図32の左側の結晶構造の第二のクローズアップのSEM像を示す。

    図37は、カムフォロア止め輪の非摩耗面の第十三の部分のSEM像を示す。

    図38Aは、第一の試料採取領域に関するカムフォロア止め輪の非摩耗面上の球状体のSEM像を示す。

    図38Bは、図38AのSGAN球状体の第二の試料採取領域を示す。

    図38Cは、図38AのSGAN球状体の第三の試料採取領域を示す。

    図39Aは、図35の結晶構造の第一の試料採取領域を示す。

    図39Bは、図35の結晶構造の第二の試料採取領域を示す。

    図39Cは、図35の結晶構造の第三の試料採取領域を示す。

    図39Dは、図35の結晶構造の第四の試料採取領域を示す。

    図39Eは、図35の結晶構造の第五の試料採取領域を示す。

    図39Fは、図35の結晶構造の第六の試料採取領域を示す。

    図39Gは、図35の結晶構造の第七の試料採取領域を示す。

    図40Aは、カムフォロア止め輪の非摩耗面上の別の球状体の第一の試料採取領域を示す。

    図40Bは、図40AのSGAN球状体の第二の試料採取領域を示す。

    図40Cは、図40AのSGAN球状体の第三の試料採取領域を示す。

    図41は、試料採取領域に関するカムフォロア止め輪の非摩耗面上の別の結晶構造のSEM像を示す。

    図42は、カムフォロアの表面からの材料の第一のTEM像を示す。

    図43は、カムフォロアの表面からの材料の第二のTEM像を示す。

    図44は、カムフォロアの表面からの材料の第三のTEM像を示す。

    図45は、カムフォロアの表面からの材料の第四のTEM像を示す。

    図46は、カムフォロアの表面からの材料の第五のTEM像を示す。

    図47は、カムフォロアの表面からの材料の第六のTEM像を示す。

    図48は、カムフォロアの表面からの材料の第七のTEM像を示す。

    図49Aは、カムフォロアの表面からの材料の第八のTEM像を示す。

    図49Bは、図49Aの画像の左上部分の拡大図を示す。

    発明の詳細な説明 本発明は、グラフェン、グラフェン誘導体およびナノ粒子の容易な合成、ならびに摩擦学的に有益な潤滑剤用添加剤としてのそれらの使用に関する。 本発明の方法の生成物は、複合材補強のための分子レベルコーティング、熱遮蔽、バリスティックトランジスタ、集積回路、補強繊維およびケーブル、ならびにナノポリッシング剤をはじめとする(しかしこれらに限定されない)、非常に多数の用途を有する。

    環式は、本明細書において用いる場合、少なくとも1つの5員以上の環を有する任意の分子であって、該環を構成する原子の少なくとも半分が炭素である分子を指す。 前記環は、芳香族であってもよく、または非芳香族であってもよい。

    摩擦学的に有効とは、本明細書において用いる場合、被潤滑システムに対する添加剤の任意の量また多数の添加剤の量であって、かかる被潤滑システムに摩擦学的に有益であるために十分な量を指す。

    摩擦学的に有益とは、本明細書において用いる場合、添加剤であって、それが形成される、見出されるまたは利用される機械システムにおいて摩擦を低減させる任意の添加剤を指す。

    減摩剤は、本明細書において用いる場合、分子であって、それが形成される、見出されるまたは利用される機械システムにおいて摩擦を測定可能に低減させる分子を指す。

    バッキーダイヤモンドまたはナノバッキーダイヤモンドは、本明細書において用いる場合、非炭素ヘテロ原子を含み得るナノダイヤモンドコアと該コアの周囲に形成されたフラーレン炭素殻とを有する任意のナノ粒子を指す。

    表面グラファイト化研磨剤ナノ粒子(SGAN)は、本明細書において用いる場合、実質的に炭素を含む外殻によって包まれている少なくとも1つの非炭素ヘテロ原子を含む任意のナノサイズ粒子を指す。

    球状体は、本明細書において用いる場合、必ずしも完璧に球形ではないが実質的に球体のような形をとる粒子を指す。

    マトリックス材料は、本明細書において用いる場合、2つ以上の材料の複合材中で連続相を形成する任意の材料を指す。

    スピネル構造は、本明細書において用いる場合、一般式A 2+ B 2 3+ O 4 2−の立方晶系鉱物結晶であって、酸化物アニオン(O)が立方晶最密格子状に配列されおり、Aカチオンが四面体サイトのすべてを占有しており、およびBカチオンが前記格子の八面体サイトのすべてを占有している、任意の立方晶系鉱物結晶を指す。

    逆スピネル構造は、本明細書において用いる場合、一般式A 2+ B 2 3+ O 4 2−の立方晶系鉱物結晶であって、酸化物アニオンが立方晶最密格子状に配列されおり、Aカチオンが八面体サイトの半分を占有しており、およびBカチオンが前記格子の八面体サイトの半分と四面体サイトのすべてを占有している、任意の立方晶系鉱物結晶を指す。

    グラファイト状炭素は、本明細書において用いる場合、炭素格子マトリックスを有する任意の構造であって、グラファイト、グラフェン、グラフェン酸化物、フラーレン、フラーレン様構造、エンドフラーレン、ナノオニオン、ナノピーポッド、ナノチューブ、ナノバッド、還元グラフェン酸化物、レースカーボン(lacy carbon)および多環式芳香族化合物を含む(しかし、これらに限定されない)、任意の構造を指す。

    炭素格子マトリックスは、本明細書において用いる場合、sp 2またはsp 3混成炭素原子で形成されている任意の2次元多環式炭素構造を指す。

    動的燃焼室は、本明細書において用いる場合、ナノ粒子生成物形成の合成段階中に撹拌、音波、遠心、求心、圧縮もしくは剪断力またはこれらの力の組み合わせを利用する、加熱されたナノ粒子合成炉装置を指す。

    グラフェン、グラフェン酸化物、還元グラフェン酸化物、ならびに他のグラフェン誘導体構造およびナノ粒子のex situ合成方法
    1つの態様において、本発明は、グラフェン、グラフェン酸化物、還元グラフェン酸化物ならびに他のグラフェン誘導体構造およびナノ粒子のex situ合成方法に関する。 経済的な脱水反応または還流熱分解を用いて、炭素質材料炭素源からグラファイト状炭素を形成することができる。 開示する方法を工業生産用に工業規模にできる。 前記炭素源は、好ましくは、6員環構造を含有する糖であるが、多くの他の炭素質材料を脱水、熱分解、または酸化に付すことができ、使用することができる。 前記炭素源を還流熱分解、酸化/還元、または酸脱水に付して、グラファイト状炭素反応体出発原料を形成する。 他の実施形態では、適するグラファイト状炭素を生成するための脱水/酸化/熱分解合成段階を迂回し、グラファイト状炭素自体を反応体出発原料として使用する。 グラファイト状炭素を液体溶剤での還流に付すことができ、グラフェン/グラフェン酸化物(GO)を蒸気/水蒸気中に浮遊しているナノスコピックスケールまたは「ナノスケール」として放出させることができる。 あるいは、または加えて、グラファイト状炭素源を高加圧液体または蒸気に付して、熱分解、脱水または酸化段階なしにグラフェンスケールを生成することができる。 結果として生ずるグラフェン/GOスケールは、蒸気中を移動し、該グラフェン/GOスケールを、放出蒸気との物理的に接触している固体基板上への直接堆積によって、または該スケールのより大きいグラフェン/GOシートへの「疎水性自己組織化」を促進するために使用した水溶液もしくは水性液にその粒子含有蒸気を適用することによって捕集する。

    1つの実施形態では、チャンバ内の周囲酸素(O 2 )の量を制限するように反応環境を制御し、それによって、加熱中に反応体の燃焼を阻害する。 1つの実施形態では、添加溶剤の使用なしで前記反応を行う。 1つの実施形態では、生成されたGOを、加熱または非加熱液体捕集媒体に懸濁している還元グラフェン酸化物(rGO)またはグラフェンシートに変換する。 結果として生ずる疎水性自己組織化シートは、rGOまたはグラフェンに容易に還元され、該rGOまたはグラフェンを工業で使用して、保護コーティング、および低重量/高強度グラフェン補強複合材、電線ならびに繊維をはじめとする(しかしこれらに限定されない)、一定の範囲の有用な製品を生産することができる。

    図を参照して、図1Aは、本質的に非グラファイト状の炭素質材料を含む反応混合物を反応させて熱分解、脱水、酸化/還元、または不完全燃焼によりグラファイト状炭素を形成する、本発明のある実施形態におけるグラフェン/GO調製段階の略図を図示するものである。 1つの実施形態では、熱分解または脱水反応段階の必要をなくして、グラファイト状炭素出発原料を使用する。

    1つの実施形態では、反応混合物を還流させて蒸気流を形成する。 グラフェン/グラフェン酸化物(GO)は、結果として生じた蒸気流中に運び去られ、スラリーまたは溶液の加熱中に放出される。 そのグラフェン/GOスケールを、好ましくは、該スケールを捕捉し、懸濁させる液体をその蒸気でバブリングすることにより捕集する。 あるいは、前記蒸気流を前記液体の表面に誘導すると、その表面にグラフェン/GOスケールが形成する。 本明細書において「疎水性自己組織化」と呼ぶプロセスでは、個々のグラフェン/GOスケールが接合して、前記液体の表面でグラフェン/GO層のシートを形成する。

    1つの実施形態では、熱分解または脱水反応中に外部加熱源により前記炭素源を直接加熱して、グラファイト状炭素および水を形成する。 1つの実施形態において、前記炭素源は、スクロースである。 1つの実施形態において、結果推して形成される水は、その反応生成物の還流を可能にするための溶剤として役立つ。 1つの実施形態において、グラファイト状炭素を形成する反応は、反応式1で本質的に表されるように進行する:

    1つの実施形態では、前記炭素源を熱分解または脱水反応中に酸に曝露して、グラファイト状炭素および水を形成する。 1つの実施形態において、前記炭素源は、スクロースであり、前記酸は、濃硫酸である。 1つの実施形態において、結果として形成される水は、その反応生成物の還流を可能にするための溶剤として役立つ。 1つの実施形態において、前記反応生成物は、グラファイト状フォームである。 1つの実施形態において、前記反応生成物は、グラファイト状スラリーである。 1つの実施形態において、グラフェンを形成する反応は、反応式2で本質的に表されるように進行する:

    1つの実施形態では、前記炭素源を酸化剤と反応させて、グラフェン酸化物の形態のグラファイト状炭素を形成する。 1つの実施形態において、GOを形成する反応は、反応式3で本質的に表されるように進行する:

    この場合、印加された熱が反応を駆動し、自由選択の添加剤は、この反応を触媒することおよび/または所望の反応生成物の収率を向上させることに役立つ。

    GO反応生成物を下に分子(1)として模式的に示す:

    上の実施形態では、反応が、炭素源の二酸化炭素への完全燃焼、または一酸化炭素を形成するような不完全燃焼をもたらさないように、反応条件を選択する。 好ましくは反応雰囲気の制御により、グラファイト状炭素−炭素結合を形成するように前記反応条件をさらに設計する。 一部の実施形態では、前記炭素源の一部分を意図的に燃焼させて、所望のグラファイト状結合を形成するための前記炭素源の別の部分の変換に必要とされる熱を供給する。 一部の実施形態では、前記反応を熱分解またはくん焼などの非理想的燃焼条件下で行う。

    熱分解は、本明細書において用いる場合、高温で低い酸素または他の酸化剤レベルでの炭素源の分解を指す。

    くん焼は、本明細書において用いる場合、固体または液体燃料源と直接反応する酸素からの熱によって維持される遅い、低温の、無炎反応を指す。

    スケールまたはナノスケールは、本明細書において用いる場合、グラフェンまたはグラフェン誘導体の別個の断片を指す。

    燃焼効率を向上させるための努力は、初期石炭炉の炭素質「フレム(phlegm)」などの、役に立たない廃棄物と以前には見なされていた(例えば、Coal−Tar and Ammonia、第5版、Lunge, D.著、Van Nostrand Co., New York、1916参照)、実際にはグラフェンをはじめとするグラファイト状材料を含有する、化合物の真の価値を分かりにくくしてきた。 同様に、近代の燃焼の進歩は、最終的にはグラフェン、グラフェン誘導体、炭素封入金属ナノ粒子、またはナノ鋼への煤微粒子形成の意図的最大化への適応が実際には可能である、今では時代遅れと思われている多くの古いプロセスの価値を見逃してきた。

    不完全燃焼の生成物としての炭素質微粒子「煤」中でのPAHの形成は公知であるが、当該現行技術分野において報告されているような、それらの限られたサイズおよび概して連続成長に必要な合成条件から外れて漂流するそれらの傾向のため、かかるPAHの有用性はこれまでは極微であった。 Wiersumら(「The Formation of Polyaromatic Hydrocarbons,Fullerenes and Soot in Combustion:Pyrolytic Mechanisms and the Industrial and Environmental Connection」、143−194頁、Gas Phase Reactions in Organic Synthesis、Vallee編集、Gordon and Breach Science Publishers、Amsterdam、1997)は、PAHを形成するための多数の異なる気相反応を報告している。 グラフェンまたは222炭素原子より大きいサイズの任意の形態の平面グラファイト状炭素の気相PAH合成方法は、今まで知られていない。

    1つの実施形態において、本明細書に開示する方法およびプロセスは、反応混合物の生成物蒸気を捕集および捕捉することによる好適な合成条件への長期曝露によってPAH生成を促進し、それにより、結果として生ずるPAHはグラフェンの一般特性を呈示するサイズに成長することができる。 本明細書に開示する他の実施形態、方法およびプロセスは、水蒸気が豊富な条件または水溶液条件での大きいグラフェンシートへのそれらの自己組織化による連続PAH成長状態を特異的に促進するように設計される。 PAH形成を促進する化合物のみ、またはPHA形成を促進する化合物と炭素質またはグラファイト状反応体材料、いずれからのグラフェン合成も可能にするこれらのプロセスを、工業生産量に見合う規模にすることができる。

    1つの実施形態では、PAH形成または成長を促進する1つ以上の化合物を、グラフェン、グラフェン誘導体、炭素封入金属ナノ粒子、またはナノ鋼の生産に使用する。 これらの化合物としては、PAH形成における公知中間体である化学物質、およびPAH形成の中間体を形成する化学物質を挙げることができるが、それらに限定されない。

    1つの実施形態では、後に大きいグラフェンシートに自己組織化するPAH単位の合成を促進するような還流条件下、溶剤系中で、初期反応を行う。 一部の実施形態において、前記還流条件は、共沸還流条件である(例えば、Udeyeら、「Ethanol heterogeneous azeotropic distillation design and construction」、Internat. J. of Phys. Sci., 第4巻、101−106頁、2009:Sunら、「ZrOCl 2・8H 2 O:An Efficient, Cheap and Reusable Catalyst for the Esterification of Acrylic Acid and Other Carboxylic Acids with Equimolar Amounts of Alcohols」、Molecules、第11巻、263−271頁、2006を参照されたし)。 一部の還流条件では、促進剤を添加する。 一部の実施形態において、前記促進剤は、一定の形態のグラファイト状炭素である。 一部の実施形態において、前記促進剤は、バイオ炭、コールフレム(coal phlegm)、ナノ石炭、活性化形態のナノ石炭、活性炭、グラファイト粒子、煤粒子状物質、または別の隔離炭素含有廃棄物形態である。

    隔離炭素含有廃棄物は、本明細書において用いる場合、合成、熱分解または不完全燃焼の任意の炭素含有廃棄生成物であり、典型的には、大気温室効果ガスへの変換または大気温室効果ガスとしての放出を防止するために回収され、単離される。 1つの実施形態では、炭素含有廃棄物を反応混合物中の炭素源として利用することができ、この場合、添加炭素は、一つには、熱伝導率を向上させる伝熱剤としての役割を果たすことにより反応を促進する(例えば、Babyら、「Enhanced Convective Heat Transfer Using Graphene Dispersed Nanofluids」、Nanoscale Research Letters、第6巻、第289号、2011を参照されたし)。

    ディーゼルトラックの排気または石炭火力発電所の排出物をはじめとする(しかしこれらに限定されない)、任意のプロセスの排出物から、隔離炭素含有廃棄物を捕集することができる。 一部の実施形態では、「ディーゼル排気制御戦略」の一部として炭素含有廃棄物を捕集するためにディーゼル微粒子フィルタを使用する。 他の実施形態では、炭素含有廃棄物を捕集するためにスクラバを使用する。 最近、カリフォルニア大気資源委員会(California Air Resources Board:CARB)は、トラックの排気システムにフィルタを加えることによる、ディーゼルトラックおよびバスからのものをはじめとする微粒子および有害ガス低減を要求する法律を制定した(California Code of Regulations、13編、3部、14章以下を参照されたし)。

    一部の実施形態では、捕集した煤を消費して環境に温室効果ガスを放出し続ける所謂「再生」技術の代案として設計された、再使用可能フィルタを利用する。 トラック運転手または他の使用者が、汚れた微粒子フィルタを取り替えるときにその汚れたフィルタの代わりに新たなフィルタを購入する際、その使用者は、汚染されたフィルタを清浄なものに交換する。 好ましくは、その使用済みフィルタに収容された隔離炭素含有廃棄物をその微粒子フィルタまたはスクラバから除去し、グラフェンまたはグラフェン誘導体合成の炭素源として使用する。 このプロセスは、温室効果ガス放出ではなく、離隔された炭素の大部分をグラフェン生成物に組み込もうと努めるので、前記フィルタまたはスクラバを好ましくは再使用してこのプロセスを繰り返して、排出物からさらなる炭素含有廃棄物を捕集する。 一部の実施形態では、有機溶剤への溶解により前記微粒子フィルタまたはスクラバから離隔炭素含有廃棄物を回収する。 他の実施形態では、水、水性混合物または蒸気を使用して、隔離炭素含有廃棄物を回収する。

    プロセスで使用するためのPAH促進化合物としては、ジメチルエーテル、プロピン、プロパジエン、アルコール(プロパルギルアルコールおよびイソプロパノールを含むが、これらに限定されない)、アセチレン、およびC 1からC 5炭化水素ラジカル形成を促進する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。

    メチルラジカル(CH 3・)がPAHs(Shuklaら、「Role of Methyl Radicals in the Growth of PAHs」、J. Am. Soc. Mass Spectrom., 第21巻、534−544頁、2010参照)とグラフェン(Wellmannら、「Growth of graphene layers on HOPG via exposure to methyl radicals」、Surface Science、第542巻、81−93頁、2003参照)、両方の成長を促進することは公知である。

    ジメチルエーテルはメチルラジカルを形成し、ガス燃焼条件下、別の炭素源の存在下でPAH形成を促進する(Yoonら、「Synergistic effect of mixing dimethyl ether with methane,ethane,propane,and ethylene fuels on polycyclic aromatic hydrocarbon and soot formation」、Combustion and Flame、第154巻、368−377頁、2008を参照されたし)。 C 2 H・、C 2 H 3・、C 3 H 3・、C 4 H 3・、C 4 H 5・、およびC 5 H 3・をはじめとする(しかしこれらに限定されない)他の炭化水素ラジカルも、PAHを成核および成長させることができる(Popeら、「Exploring Old and New Benzene Formation Pathways in Low−Pressure Premixed Flames of Aliphatic Fuels」、Proceedings of the Combustion Institute、第28巻、1519−1527頁、2000を参照されたし)。

    プロパルギルラジカル(C 3 H 3 )は、多数の動力学研究においてPAH形成のための重要な中間物として提案されている(McEnallyら、「Computational and Experimental Study of Soot Formation in a Coflow,Laminar Ethylene Diffusion Flame」、第27版、Symposium(International)on Combustion、1497−1505頁、1998;Shafirら、「Kinetics and Products of the Self−Reaction of Propargyl Radicals」、J. Phys. Chem. A、第107巻、8893−8903頁、2003;Tangら、「An Optimized Semidetailed Submechanism of Benzene formation from Propargyl Recombination」、J. Phys. Chem. A、第110巻、2165−2175頁、2006を参照されたし)。

    プロピンおよびプロパジエンもPAH形成を促進する(Gaziら、「A Modelling Study of Allene and Propyne Combustion in Flames」、Proceedings of the European Combustion Meeting、2011を参照されたし)。 アセチレンもPAH成核および成長において一定の役割を果たすことができる(Frenlachら、「Aromatics Growth beyond the First Ring and the Nucleation of Soot Particles」、Preprints of the 202nd ACS National Meeting、第36巻、1509−1516頁、1991を参照のこと)。

    図2Aおよび2Bは、非グラファイト状炭素質出発原料またはグラファイト状出発原料のいずれかから様々なグラフェン生成物を形成するためのプロセスフローチャートを示す。

    図2Aを参照して、非グラファイト状炭素質出発原料で出発するとき、該炭素質材料を幾つかの異なる経路によりグラファイト状材料に変換することができる。

    1つの実施形態では、炭素質材料を酸と併せ、熱の印加および試薬の還流を伴うまたは伴わない脱水反応によって変換する。 1つの実施形態において、前記炭素質材料は、糖である。 一部の実施形態において、前記糖は、スクロースである。 1つの実施形態において、前記酸は、濃硫酸である。

    1つの実施形態では、前記炭素質材料を溶剤なしで加熱する。 酸化剤、金属酸化物または触媒であり得る添加剤と共にまたはなしで、前記炭素質材料を加熱して、場合により、任意の生成ガスまたは蒸気を捕集および凝結して、グラファイト状材料を形成することができる。 酸化剤または金属酸化物の使用は、グラフェンよりGOの形成を促進するが、酸化剤または金属酸化物が不在の場合はグラフェンがGOより優先的に形成する。 1つの実施形態では、好ましくは、前記炭素質材料を、直火または間接的炎などにより、高温に加熱する。 1つの実施形態において、前記添加剤は、金属含有化合物である。 1つの実施形態において、前記金属は、鉄である。 一部の実施形態において、前記添加剤は、金属酸化物である。 1つの実施形態において、前記添加剤は、酸化第二鉄である。 他の実施形態において、前記添加剤は、フェロセンである。

    1つの実施形態では、前記炭素質材料を還流溶剤中で加熱して、グラファイト状材料を形成する。 前記炭素質材料を、酸化剤、金属酸化物、または触媒であり得る添加剤と併用してもよい。 酸化剤または金属酸化物の使用は、グラフェンよりGOの形成を促進するが、酸化剤または金属酸化物が不在の場合はグラフェンがGOより優先的に形成する。 1つの実施形態において、前記添加剤は、金属含有触媒化合物である。 一部の実施形態において、前記金属は、鉄である。 1つの実施形態において、前記添加剤は、金属酸化物である。 1つの実施形態において、前記金属酸化物は、酸化第二鉄である。 一部の実施形態において、前記添加剤は、フェロセンである。 一部の実施形態において、前記溶剤は、アルコール、水および鉱油のうちの1つ以上を含む。 好ましくは、前記溶剤により反応混合物の高温還流が可能になる。 好ましくは、前記溶剤は、反応体を溶解すること、反応体の燃焼を防止すること、および生成物を捕集するための蒸気生成を促進することにも役立つ。 一部の実施形態において、溶媒の使用は、反応収率を向上させ、試薬間の相互作用を増加させて、グラフェンまたはGO生成物の形成を促進する。

    1つの実施形態では、前記反応混合物において炭素質材料を金属酸化物と併用すると、SGAN球状体をはじめとする表面グラファイト化研磨剤ナノ粒子(SGAN)が形成される。 前記SGANをナノポリッシングなどの任意の使用のために、または潤滑剤への添加剤として、回収することができる。 前記反応混合物からのSGANの回収は、磁石または外部から印加される磁場の使用によって遂行することができると考えられる。 遠心分離によって回収を果たすこともできる。 1つの実施形態では、前記SGANを含有する反応混合物を潤滑油への添加剤として使用することができる。

    1つの実施形態では、大規模DCアーク放電装置、チャンバ、またはシリンダを使用してSGAN形成を促進することができる。 一部の実施形態では、酸化第二鉄を粉末としてシステムに供給して、SGAN形成を促進する。 1つの実施形態において、前記酸化第二鉄は、ナノパウダーである。 1つの実施形態では、高炭素含有率の蒸気をシステムに供給する。

    1つの実施形態では、「動的燃焼室」において高剪断環境でSGANを生成することができる。 「動的燃焼室」の高剪断環境は、高速での管状燃焼室の回転、高周波数での燃焼室の長振動または短振動、音波処理の利用、流体力学的圧搾、1つ以上の可動部分での摩擦衝撃、および「動的燃焼室」内容物の高速での撹拌をはじめとする(しかしこれらに限定されない)、任意の方法または方法の組み合わせによって生じさせることができる。 1つの実施形態において、前記「動的燃焼室」の回転速度は、だいたい約1,000から11,000RPMであり得る。 1つの実施形態において、前記「動的燃焼室」は、追加の剪断力を生じさせるための表面地形(ばり、ロッド、バンプ、へこみ、穴、凹凸およびトンネルを挙げることができるが、これらに限定されない)をさらに含み、それによって反応混合物の剪断を増加させることができる。 1つの実施形態では、反応ガスを「動的燃焼室」装置に供給することができる。 1つの実施形態では、SGAN合成を高温、高圧、または減圧で行うことができる。 「動的燃焼室」内の温度は、だいたい≒200から≒800°Fであり得る。

    1つの実施形態において、前記「動的燃焼室」は、SGANの形成のための組込型管状燃焼室を含む。 断熱部分が2本の同心回転可能シリンダを包囲する。 前記シリンダは、外シリンダ外部領域、2本のシリンダ間の領域、および内シリンダ内部領域の間を材料が通過できるようにする通り穴を備えることができる。 前記シリンダは、同軸であり得、および高剪断力を生じさせるために高速で反対方向に回転可能であり得る。 動的管状燃焼室(dynamic tube furnace)は、液体成分用の供給ライン、およびメインチャンバへと導く予熱器も備えることができる。 気体成分用の別の供給ラインも備えることができる。 メインチャンバは、単一チャンバであってもよく、または2ゾーンチャンバであってもよい。

    外シリンダの内表面または内シリンダの外表面は、システムに剪断をもたらすために、ばり、パドル、ロッド、バンプ、または類似の構造を含むことがある。 1つの実施形態では、摩擦接触、剪断(sheering)および圧搾を生じさせるためにワンケルエンジンの形態で管状燃焼室を設計して、SGAN形成を促進することができる。 「動的燃焼室」は、ハウジング、ロータ、偏心輪、および外側のギアと噛み合う内側のギアを備えることができる。 ロータは、「動的燃焼室」ハウジング内で動き回るので、摩擦接触、ロータとハウジンクの間の流体の剪断(sheering)および圧搾がSGAN形成を促進し得る。 1つの実施形態では、これらのうちの1つ以上の構造の表面が帯電している、または帯電可能である。 1つの実施形態において、帯電した表面は、内蔵管状燃焼室内の帯電カソードとして作用することができる。

    1つの実施形態において、前記炭素質材料は、非グラファイト状炭素源であり、それらとしては、糖、スクロース、糖両親媒性物質、グラフェン促進両親媒性物質(graphene−promoting amphiphile)、代用糖、デンプン、セルロース、オレフィン、酢酸塩、1つ以上の非グラファイト状炭化水素、アルカン、アルケン、アルキン、ケトン、トルエン、ガソリン、ディーゼル燃料、灯油、石炭、コールタール、コークス、またはこれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。 1つの実施形態では、石炭およびディーゼル燃料が好ましい炭素源である。 1つの実施形態において、前記石炭は、微粉炭である。 1つの実施形態において、前記石炭は、サブマイクロメートル範囲の粒径を有するナノ石炭、例えば、Fuels Technology, LLC(米国、ネバダ州、リーノ)によって販売されているナノ石炭である。

    糖両親媒性物質または糖様両親媒性物質は、親水性糖部分および疎水性部分を有する任意の分子であり得、それらとしては、Fenimore(「Interfacial Self−assembly of Sugar−based Amphiphiles:Solid−and Liquid−core Capsules」、University of Cincinnati Ph. D. 学位論文、2009年10月16日付け)Jadhavら(「Sugar−Derived Phase−Selective Molecular Gelators as Model Solidifiers for Oil Spills」、Angew. Chem. Int. Ed., 第49巻、7695−7698頁、2010)、Jungら(「Self−Assembling Structures of Long−Chain Sugar−Based Amphiphiles Influenced by the Introduction of Double Bonds」、Chem. Eur. J., 第11巻、5538−5544頁、2005)、Paletaら(「Novel amphiphilic fluoroalkylated derivatives of xylitol,D−glucose and D−galactose for medical applications:hemocompatibility and co−emulsifying properties」、Carbohydrate Research、第337巻、2411−2418頁、2002)、Germaneau(「Amphiphilic Sugar Metal C arbenes:From Fischer Type to N−Heterocyclic Carbenes (NHCs)」、Rheinische Friederich−Wilhems−Universitat Bonn Ph. D. 学位論文、2007)、およびYeら(「Synthesis of Sugar−Containing Amphiphiles for Liquid and Supercritical Carbon Dioxide」、Ind. Eng. Chem. Res., 第39巻、4564−4566頁、2000)によって記載されたものが挙げられるが、それらに限定されない。

    グラフェン促進両親媒性物質は、親水性グラフェン促進部分および疎水性部分を有する任意の分子であり得、それらとしては、Dow Chemical Company(米国、ミシガン州、ミッドランド)により商標TRITON(商標)またはTERGITOL(商標)で販売されているもの(TRITON XシリーズのオクチルフェノールエトキシラートおよびTERGITOL NPシリーズのノニルフェノールエトキシラートを含むが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。

    あるいは、グラファイト状出発原料を使用してもよい。 前記グラファイト状材料は、グラファイト状炭素を含む任意の材料であり得、それらとしては、天然グラファイト、合成グラファイト、1つ以上の多環式芳香族炭化水素(PAH)、グラフェン、活性炭、バイオ炭、コールフレム、1つ以上のベンゼノイド、ナフタレン、またはこれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。

    図2Aを参照して、溶剤中のグラファイト状材料を加熱する。 一部の実施形態において、前記溶剤は、アルコール、水および鉱油のうちの1つ以上を含む。 一部の実施形態では、前記混合物を沸騰温度に加熱する。 一部の実施形態では、沸騰溶剤を還流させる。

    1つの実施形態では、前記反応混合物の還流の結果として生じた液体グラフェン生成物を反応容器それ自体の中で捕集する。 そのグラフェン含有液を材料または基板に直接塗布して、グラフェン補強材料、グラフェンコート基板、GO補強材料、またはGOコート基板を形成することができる。

    あるいは、前記グラフェン含有液をさらに加熱して、グラフェン/グラフェン誘導体スケールを含有する蒸気を形成することができる。 グラフェン/グラフェン誘導体スケールは、本明細書において用いる場合、還流溶剤または溶剤混合物の蒸気流の中に運ばれた数層のグラフェンまたはグラフェン酸化物のうちの1層であると解される。 前記スケールにおける層は、主として平面であり、蒸気流中で捲縮または折り畳まれることがある。 前記層の長さおよび幅の寸法は、好ましくは、該層の厚さより有意に大きい。

    図2Bを参照して、グラフェン/グラフェン誘導体スケール含有蒸気を固体に塗布してもよいし、または液体に適用してもよい。

    前記蒸気流の中に固体基板を配置することにより、または固体基板に前記蒸気流を塗布することにより、グラフェン/グラフェン誘導体スケールを固体基板に塗布して、グラフェン/グラフェン誘導体皮膜がコーティングされた基板を形成することができる。 固体基板上への堆積により前記スケール層における一切の捲縮および折り畳みが好ましくは低減される。 一部の実施形態では、堆積後、堆積されたスケールを、それらの均一性を向上させるためにアニールする。 一部の実施形態では、堆積スケールを、その基板を加熱することによりアニールする。 一部の実施形態では、隣接堆積スケール上の反応性末端基が互いに反応して、より大きいグラフェン/グラフェン誘導体シートを形成する。 一部の実施形態では、還元剤を使用して、層中のGOをrGOに変換する。

    あるいは、前記グラフェン/グラフェン誘導体スケール含有蒸気を水性プール(aqueous pool)に適用してもよい。 前記蒸気を上から前記水性プールの表面に適用してもよいし、前記水性プールを前記蒸気でバブリングしてもよい。

    1つの実施形態において、前記水性プールは、添加剤を伴わない水プールである。 水プールが添加剤を含有しない場合、グラフェン/グラフェン誘導体スケールは、水面でグラフェン/グラフェン誘導体シートに疎水的に自己組織化する。 1つの実施形態では、堆積されたスケールを水面でアニールして、それらの均一性を向上させる。 1つの実施形態では、隣接スケール上の反応性末端基が互いに反応して、水面で、より大きいグラフェン/グラフェン誘導体シートを形成する。 一部の実施形態では、還元剤を使用して、組織化するまたは組織化した層中のGOをrGOに変換する。

    前記水性プールは、水面でのグラフェン/グラフェン誘導体スケールのグラフェン/グラフェン誘導体シートへの疎水性自己組織化を助ける添加剤として、1つ以上の界面活性剤を含むことがある。 前記スケール層のいずれの捲縮または折り畳みも、好ましくは、界面活性剤との相互作用により低減されるか、水面に到着すると低減される。 1つの実施形態では、堆積されたスケールを水面でアニールして、それらの均一性を向上させる。 1つの実施形態では、隣接スケール上の反応性末端基が互いに反応して、水面で、より大きいグラフェン/グラフェン誘導体シートを形成する。

    前記水性プールは、水面でのGOスケールのrGOシートへの疎水性自己組織化中にGOをrGOに変換するための1つ以上の還元剤を含むことがある。 1つの実施形態において、前記還元剤は、ヒドラジンである。 前記スケール層のいずれの捲縮または折り畳みも、好ましくは、水面に到着すると低減される。 1つの実施形態では、堆積されたスケールを水面でアニールして、それらの均一性を向上させる。 1つの実施形態では、隣接スケール上の反応性末端基が互いに反応して、水面で、より大きいグラフェン/グラフェン誘導体シートを形成する。

    グラフェン/グラフェン誘導体シートを固体に、該固体を該グラフェン/グラフェン誘導体シートに水面で接触させることより、塗布することができる。 前記固体表面を前記液面に縦向き、横向きまたは角度のある向きで浸漬することができる。 あるいは、固体表面を最初は水中に置き、そして縦向き、横向きまたは角度のある向きで液面に引き上げることができ、または排水して、グラフェン/グラフェン誘導体シートを固体表面に持って行くことができる。

    あるいは、前記水性プールから水の一部をゆっくりと蒸発させて、該プールの上部液体部分に粘稠のゲル化したグラフェンまたはグラフェンゼリーを残す。

    前記炭素源は、液化状、粉末状固体、または顆粒固体をはじめとする(しかしこれらに限定されない)、非常に多くの形態であり得る。 1つの実施形態において、前記炭素源は、好ましくは、少なくとも1つの6員炭素含有環を含有する化学構造を有する少なくとも1つの本質的に非グラファイト状の炭素質材料、例えばスクロース、を含み、その構造を分子2として示す:

    1つの実施形態において、前記炭素源は、有意な量のグラファイト状炭素を有する形態のものである。

    前記炭素質材料中の炭素含有環、特に、任意の芳香族環は、グラフェンまたはGO生成物の成長炭素環マトリックスの化学反応中にある程度保存されると考えられる。 すなわち、6員炭素環構造は、グラフェンまたはGO生成物それら自体の中にある程度保持されると考えられる。

    前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料としては、以下のものの1つまたは任意の組み合わせが、それらに限定されない:
    1. 糖(以下のものを含むが、これらに限定されない):
    a. 糖蜜もしくは代用糖蜜(次のものを含むが、これらに限定されない):サトウモロコシ、テンサイ糖蜜、ザクロ糖蜜、桑糖蜜、イナゴマメ糖蜜、ナツメヤシ糖蜜、ブドウ糖蜜、廃糖蜜、黒糖蜜、メープルシロップもしくはコーンシロップ(高果糖コーンシロップを含むが、これに限定されない);
    b. 転化糖(次のものを含むが、これに限定されない):転化液糖;
    c. デオキシ糖(次のものを含むが、これらに限定されない):デオキシリボース、フコースもしくはラムノース;
    d. 単糖類(次のものを含むが、これらに限定されない):グルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロースもしくはリボース;
    e. 二糖類(次のものを含むが、これらに限定されない):スクロース、ラクツロース、ラクトース、マルトース、トレハロースもしくはセロビオース;
    f. 多糖類(次のものを含むが、これらに限定されない):グリコーゲン、アラビノキシラン、セルロース、キチンもしくはペクチン;
    g. 糖アルコール(次のものを含むが、これらに限定されない):エリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、イジトール、イソマルト、マルチトールもしくはラクチトール;または
    h. 両親媒性物質(次のものを含むが、これらに限定されない):糖両親媒性物質もしくはグラフェン促進両親媒性物質;
    2. 代用糖(次のものを含むが、これらに限定されない):ステビア、アスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、または糖アルコール;
    3. 炭化水素(次のものを含むが、これらに限定されない):ナフタレン、ディーゼル燃料、灯油、ガソリン、またはアルカン(メタン、エタン、プロパン、シクロプロパン、ブタン、イソブタン、シクロブタン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、オクタンを含むが、これらに限定されない)、灯油、イソパラフィン、流動パラフィン、またはパラフィン蝋;
    4. 石炭形態(次のものを含むが、これらに限定されない):泥炭、亜炭、歴青炭、亜歴青炭、微粉炭、ナノ石炭、ボイラー用炭、燭炭、無煙炭、木炭、カーボンブラック、活性炭、「活性ナノ石炭」、または糖炭;
    5. アルコール(次のものを含むが、これらに限定されない):エタノール、メタノールまたはイソプロパノール;または
    6. 油(次のものを含むが、これらに限定されない):アマニ油、シトロネラ油、ゲラニオールまたは鉱油。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、ピラノース、フラノース、環式カルボマー、またはベンゼノイド(Katritzkyら、「Aqueous High−Temperature Chemistry of Carbo−and Heterocycles. 20. 1 Reactions of some Benzenoid Hydrocarbons and Oxygen−Containing Derivatives in Supercritical Water at 460℃」、Energy & Fuels、第8巻、487−497頁、1994参照)を含み、該ベンゼノイドは、酸素含有ベンゼノイドを含むが、これに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、糖を含む。 1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、スクロースを含む。 1つの実施形態において、前記糖は、糖蜜もしくは代用糖蜜を含み、該糖蜜または代用糖蜜は、サトウモロコシ、テンサイ糖蜜、ザクロ糖蜜、桑糖蜜、イナゴマメ糖蜜、ナツメヤシ糖蜜、ブドウ糖蜜、廃糖蜜、黒糖蜜、蜂蜜、メープルシロップもしくはコーンシロップ(高果糖コーンシロップを含むが、これに限定されない)を含み得るが、これらに限定されない。 一部の実施形態において、前記糖は転化糖を含み、該転化糖は転化液糖を含み得るが、これに限定されない。

    1つの実施形態において、前記糖はデオキシ糖を含み、該デオキシ糖は、デオキシリボース、フコースまたはラムノースを含み得るが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記糖は単糖類を含み、該単糖類は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロースまたはリボースを含み得るが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記糖は二糖類を含み、該二糖類は、スクロース、ラクツロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオースまたはソホロースを含み得るが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記糖は多糖類を含み、該多糖類は、デンプン、グリコーゲン、アラビノキシラン、セルロース、キチンまたはペクチンを含み得るが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は糖アルコールを含み、該糖アルコールとしては、エリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、イジトール、イソマルト、マルチトールまたはラクチトールを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は代用糖を含み、該代用糖としては、ステビア、アスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、アセスルファムカリウムまたはサッカリンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は糖誘導体を含み、該糖誘導体としては、ソホリトール(sophoritol)、フェノール配糖体、ステビオール配糖体、サポニン、配糖体、グルコシドまたはアミグダリンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はシクロメチコンを含み、該シクロメチコンは、フェニルトリメチコンまたはシクロペンタシロキサンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はステロイドを含み、該ステロイドとしては、サポゲニンまたはジオスゲニンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はシンナマートを含み、該シンナマートとしては、桂皮酸メチルまたはエチルを挙げることができるが、これらに限定されない。 1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、桂皮酸を含む。 1つの実施形態において、前記添加剤は、桂皮油を含む。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はフェニルプロパノイド(phenylphopanoid)を含み、該フェニルプロパノイド(phenylphopanoid)としては、桂皮酸、クマル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、5−ヒドロキシフェルラ酸、シナピン酸、シンナムアルデヒド、ウンベリフェロン、レスベラトロール、モノリグノール(これは、コニフェリルアルコール、クマリルアルコール、もしくはシナピルアルコールを含むが、これらに限定されない)、またはフェニルプロペン(これは、エンゲノール、カビコール、サフロール、もしくはエストラゴールを含むが、これらに限定されない)を挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はベンゾアートを含み、該ベンゾアートとしては、安息香酸第二鉄、安息香酸ベンジル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸フェニル、安息香酸シクロヘキサノール、2−フェニルベンゾアート、ペンタエリスリトルテトラベンゾアート、安息香酸ナトリウムまたは安息香酸カリウムを挙げることができるが、これらに限定されない。 1つの実施形態において、前記添加剤は、安息香酸を含む。 1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、アミノ安息香酸を含む。 1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、2−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルを含む。 1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、ユビキノンを含む。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はカルボキシラートを含み、該カルボキシラートとしては、トリメチルcis, cis−1,3,5−シクロヘキサントリカルボキシラートが挙げられるが、これに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はベンゾピランを含み、該ベンゾピランとしては、クロメン、イソクロメン、または置換ベンゾピランを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、天然に存在するまたは合成のフラボンまたはイソフラボンを含み、該フラボンとしては、フラバン−3−オールまたはフラバノンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はサリチラートを含み、該サリチラートとしては、サリチル酸第二鉄、メチル、エチル、ブチル、シンナミル、シクロヘキシル、エチルヘキシル、ヘプチル、イソアミル、オクチル、ベンジル、フェニル、p−クレゾール、o−クレゾール、m−クレゾールまたはナトリウムを挙げることができるが、これらに限定されない。 1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、サリチル酸を含む。 1つの実施形態において、前記添加剤は、アミノサリチル酸を含む。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、酸化防止剤を含む。 1つの実施形態前記酸化防止剤は、環式酸化防止剤(cyclic antioxidant)である。 1つの実施形態において、前記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤であり、該フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−terti−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−1−ブチルフェノール、2,6−ジ−シクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−オクタデシル−メチルフェノール、2,4,6−トリ−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミル−ヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,2'−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2'−メチレン−ビス−[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2'−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2'−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2'−エチリデン−ビス−(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、4,4'−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4'−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタン、2,6−ジ−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタン、および任意の天然に存在する植物由来フェノール系酸化防止剤を挙げることができるが、これらに限定されず、前記天然に存在する植物由来フェノール系酸化防止剤としては、アスコルビン酸、トコフェロール、トコトリエノール、ロスマリン酸(rosemarinic acid)、および他のフェノール酸およびフラボノイド、例えばブドウ、ベリー、オリーブ、大豆、茶葉、ローズマリー、バジル、オレガノ、シナモン、クミンおよびターメリックにおいて見つけられるものなどを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、4−ビニルフェノール、アントシアニジンまたはクロメニリウムを含む。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は環式アミノ酸を含み、該環式アミノ酸としては、フェニルアラニン、トリプトファンまたはチロシンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はシクロヘキサン誘導体を含み、該シクロヘキサン誘導体としては、1,3−シクロヘキサジエンまたは1,4−シクロヘキサジエンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はベンゼン誘導体を含み、該ベンゼン誘導体としては、ポリフェノール、ベンズアルデヒド、ベンゾトリアゾール、ベンジル1−ナフチルカルボナート、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、スチレン、ベンゾニトリル、フェノール、無水フタル酸、フタル酸、テレフタル酸、p−トルイル酸、安息香酸、アミノ安息香酸、ベンジルクロリド、イソインドール、エチルフタリルエチルグリコラート、N−フェニルベンズアミン、メトキシベンゾキノン、ベンジルアセトン、ベンジリデンアセトン、ヘキシルシンナムアルデヒド、4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン、3−アミノフェノール、またはバニリンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記ベンゼン誘導体は、ベンゼンジオールを含み、該ベンゼンジオールとしては、1,2−ジヒドロキシベンゼン(カテコール)、1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、または1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)を挙げることができる。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はナフトアートを含み、該ナフトアートとしては、2−メトキシ−1−ナフトエ酸メチルまたは3−メトキシ−2−ナフトエ酸メチルが挙げられるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はアクリラートを含み、該アクリラートとしては、2−プロピルアクリル酸ベンジルまたはメタクリル酸2−ナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はフタラートを含み、該フタラートとしては、フタル酸ジアリルが挙げられるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はスクシナートを含み、該スクシナートとしては、コハク酸ビス(2−カルボキシフェニル)が挙げられるが、これに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はカルパートを含み、該カルパートとしては、O−メチルポドカルピン酸メチルが挙げられるが、これに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は蛍光体を含み、該蛍光体としては、フルオレセイン、イソチオシアナート、ローダミン、フタロシアニンまたは銅フタロシアニンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は医薬を含み、該医薬としては、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、イブプロフェンまたはベンゾジアゼピンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料はホスファートを含み、該ホスファートとしては、リン酸クレシルジフェニル、リン酸ジクレシル、リン酸トリオルトクレシル、リン酸トリクレシル、リン酸パラクレシル、リン酸オルトクレシルまたはリン酸メタクレシルを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、エンジンまたは機械システムの動作条件の熱のもとで上述の添加剤のうちの1つ以上に減成することができる化合物、例えば、一定のテルペンまたは一定の天然芳香族もしくは非芳香族環式エステル、ケトンもしくはアルデヒドを含み、それらとしては、サリチル酸メチル(ウインターグリーン油)、シナモン葉/樹皮油(シンナムアルデヒド)、リモネン(ジペンテン)、ピネンおよびカンフェンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、糖または代用糖両親媒性物質をはじめとする市販の可食個人用/性交用潤滑組成物を含む。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、市販紫外線日焼け止め製剤を含み、該紫外線日焼け止め製剤としては、メトキシ桂皮酸オクチル(オクチノキサート(oxctinoxate))、ブチル−メトキシジベンゾイルメタン(B−MDM、Avobenzone)、オクチル−ジメチル−パラ−アミノ安息香酸(OD−PABA)、オクトクリレン、オキシベンゾン、安息香酸アルキル、ジエチルヘキシル2,6−ナフタレート、フェノキシ−エタノール、ホモサラート、エチルヘキシルトリアゾン、4−メチル−ベンジリデンカンファー(4−MBC)、またはポリソルベートを挙げることができる。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、市販のスキンクリーム製剤を含み、該スキンクリーム製剤としては、カルボマー、アスコルビン酸パルミタート、トコフェリルアセタート、ケトコナゾールまたは鉱油を挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、市販のハンドサニタイザー製剤を含み、該ハンドサニタイザー製剤としては、カルボマー、トコフェリルアセタートまたはプロピレングリコールを挙げることができる。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、市販のヒトまたは動物用ヘアケア製品を含み、該ヘアケア製品としては、ベンゾフェノン、安息香酸アルキル、フェノキシエタノール、ソルビタンオレアート、スチレンコポリマー、プロピレングリコール、ヒドロキシイソヘキシル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、ブチルヒドロキシトルエン、ケトコナゾール、ワセリン、鉱油または流動パラフィンを挙げることができる。

    1つの実施形態において、前記市販のヘアケア製品は、カール・アクティベーティングまたはリラクシング溶液(curl activating or relaxing solution)を含み、該溶液は、カルボマー、ヘキシルシンナマル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸トロラミン、安息香酸ベンジル、リモネン、オイゲノール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(DMDMヒダントイン)、パラ−アミノ安息香酸(PABA)、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Padimate O)、ブチルフェニルメチルプロピオナール、プロピルパラベン、フェノールスルホンフタレイン(PSP、フェノールレッド)、またはポリソルベートを含み得る。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、市販の毛染め製剤を含み、該毛染め製剤としては、水和酸化鉄(Fe(OH) 3 )、パラ−フェニレンジアミン、オルト−、メタ−もしくはパラ−アミノフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン、トリデセス−2カルボキサミドMEA、フェニルメチルピラゾロン、フェノキシエタノール、ポリクオタニウム、ヘキシルシンナマル、ブチルフェニルメチルプロピオナール、フェノールスルホンフタレイン(PSP、フェノールレッド)、ヒドロキシイソヘキシル3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、二酸化チタン、または酸化鉄が挙げられる。

    1つの実施形態において、前記本質的に非グラファイト状の炭素質材料は、市販の有害生物駆除剤を含み、該有害生物駆除剤としては、オルト−フェニルフェノール(OPP)、フェニルヒドロキノン(PHQ)またはフェニルベンゾキノン(PBQ)を挙げることができるが、これらに限定されない。

    前記酸化剤は、気体状、液化状、粉末状固体、または顆粒状固体を含めて(しかしこれに限定されない)、いずれの形態のものであってもよい。 前記酸化剤としては、次のものの1つまたは任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない:硝酸カリウム、気体酸素、硝酸ナトリウム、二クロム酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、硝酸カルシウム、過酸化水素、重炭酸ナトリウムまたはチオシアン酸水銀。

    1つの実施形態において、前記反応混合物は、溶剤を含む。 前記溶剤としては、次のものの1つまたは任意の組み合わせを含む(しかしこれらに限定されない)アルコールを挙げることができる:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、またはゲル化アルコール製剤[ゼリー状、変性アルコール製剤、例えば、Sterno(登録商標)ブランド・キャンド・ヒート(The Sterno Group, LLC、米国、イリノイ州、デスプレーンズ)中で見つけられるようなエタノールおよびメタノールを含む製剤;またはポリアクリル酸もしくはプロピレングリコールなどの増粘剤を含有する製剤を含むゲル化アルコール製剤、例えばハンドサニタイザー中で見つけられるもの、を含むがこれらに限定されない]。

    1つの実施形態において、前記反応混合物は、1つ以上の触媒または他の添加剤を含む。 前記添加剤または触媒としては、次のものの1つまたは任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない:重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、リン酸アルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、酒石英、クエン酸、アスコルビン酸、スクラーゼ、インバターゼ、フェロセン、または遷移金属酸化物触媒[次のものの1つまたは任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない:酸化鉄(酸化鉄(II)、酸化鉄(II,III)、酸化鉄(III)、水酸化鉄(III)もしくは水酸化酸化鉄(III)を含む);酸化アルミニウム;酸化銅(酸化銅(I)もしくは酸化銅(II)を含むが、これ らに限定されない);酸化ニッケル(酸化ニッケル(I)もしくは酸化ニッケル(II)を含むが、これらに限定されない);酸化チタン(二酸化チタン、酸化チタン(I)もしくは酸化チタン(II)を含むが、しこれらに限定されない);または酸化鉛(酸化鉛(II)、酸化鉛(IV)、四酸化鉛、もしくは三十二酸化鉛を含むが、これらに限定されない)]。

    1つの実施形態では、エタノールを溶剤として添加して、スクロースと重炭酸ナトリウムを約4:1容量比で併せて、反応混合物を形成する。

    1つの実施形態では、前記反応体を引火性溶剤、例えば、メタノール、エタノールまたはイソプロパノールと混合する。 これらの実施形態のうちの一部では、前記炭素源を引火性溶剤に溶解する。 他の実施形態では、反応体が前記溶剤と共にスラリーを形成する。

    1つの実施形態では、前記反応を溶剤の不在下で行う。

    1つの実施形態では、粉糖と重炭酸ナトリウム粉末を4対1の比で併せ、金属酸化物触媒と混合した後、熱に曝露する。

    1つの実施形態において、前記反応混合物は、追加として、または代替的に、重炭酸ナトリウム、ナフタレンおよびアマニ油のうちの1つ以上を含む。

    1つの実施形態では、スクロースと硝酸カリウムを約35:65の比で併せて反応混合物を形成する(Rocket Manual for Amateurs、BR Brinley著、Ballantine Books、New York、New York、1960、およびAmateur Experimental Rocketry、第7巻、Richard Nakka著、CDのみで自己出版、2011年1月を参照されたし)。 1つの実施形態において、前記反応混合物は、金属酸化物を約1%から約30%の範囲で、好ましくは約5%でさらに含む。

    1つの実施形態では、粉糖およびアルコール、好ましくはエタノールまたはイソプロパノール、を反応容器に入れ、混合してペースト反応混合物を形成する。 その反応混合物を加熱して、蒸気剥離グラフェン/グラフェン誘導体スケールを含有する蒸気を生成する。 一部の実施形態において、前記反応混合物は、酸化鉄をBayFerrox(登録商標)酸化鉄粉顔料(Lanxess、ドイツ、ケルン)の形態でさらに含む。 他の実施形態において、前記酸化鉄は、高純度Fe 3 O 4 (15〜20nm)ナノパウダー(US Research Nanomaterials, Inc., 米国、テキサス州、ヒューストン)の形態である。

    1つの実施形態では、粉糖と、水、ポリアクリル酸および≒60%イソプロピルアルコールを含む従来のハンドサニタイザーの形態のゲル化アルコールとを反応容器に入れ、混ぜ合わせて反応混合物を形成する。 その反応混合物を加熱して、蒸気剥離グラフェン/グラフェン誘導体スケールを含有する蒸気を生成する。 一部の実施形態において、前記反応混合物は、酸化鉄をBayFerrox(登録商標)酸化鉄粉顔料(Lanxess、ドイツ、ケルン)の形態でさらに含む。 他の実施形態において、前記酸化鉄は、高純度Fe 3 O 4 (15〜20nm)ナノパウダー(US Research Nanomaterials, Inc., 米国、テキサス州、ヒューストン)の形態である。

    1つの実施形態では、ホットプレートを使用して反応容器の中で粉糖とアルコール、好ましくはエタノール、の反応混合物を、直火を使用する、前に説明した実施形態の場合より低い温度に加熱する。 その反応混合物を、蒸気剥離グラフェン/グラフェン誘導体スケールを含入する蒸気の形成を生じさせるポイントまで加熱する。 1つの実施形態において、前記反応混合物は、酸化鉄をBayFerrox(登録商標)酸化鉄粉顔料(Lanxess、ドイツ、ケルン)の形態でさらに含む。 1つの実施形態において、前記酸化鉄は、高純度Fe 3 O 4 (15〜20nm)ナノパウダー(USResearch Nanomaterials, Inc., 米国、テキサス州、ヒューストン)の形態である。

    1つの実施形態において、前記酸化鉄源は、基板であり、その上に他の反応体を配置する。 1つの実施形態において、前記酸化鉄源は、さびた鉄系金属部分である。 その後、前に説明した実施形態のうちの1つの場合と同様にそれらの反応体を加熱する。

    1つの実施形態において、前記炭素質材料は、石炭または石炭誘導体である。 1つの実施形態において、前記石炭は、微粉炭である。 1つの実施形態において、前記石炭は、ナノ石炭である。 1つの実施形態において、前記炭素質材料は、石炭、コークスおよびコールタールのうちの1つ以上である。 1つの実施形態では、前記石炭または石炭誘導体を高沸点温度溶剤中で還流温度に加熱する。 1つの実施形態において、前記プロセスは、反応ガスが再凝縮され、滴り落ちて反応混合物に戻る、不良なまたは不適切な形態のコールタール蒸溜またはコークス炉である。

    1つの実施形態において、前記炭素質材料は、スクロースである。 一部の実施形態において、濃硫酸は、反応式4に示すような脱水反応によりスクロースをグラファイト状炭素に変換し、このグラファイト状炭素は、捕捉された反応ガスからフォーム形態で形成し得る:

    1つの実施形態では、脱水反応中に形成された任意の水蒸気または他のガスが反応混合物から放出されるように過剰な硫酸を使用し、グラファイト状炭素生成物は、フォームの形態でない。 1つの実施形態では、すべての反応ガスの放出を促進するようにシステムに過剰な熱を供給する。

    1つの実施形態では、反応式5に示すような脱水反応により、熱を用いてスクロースを炭素に変換する:

    1つの実施形態では、グラファイト状炭素源および液体を反応容器に入れ、混ぜ合わせてスラリー混合物を形成する。 前記グラファイト状炭素源は、グラファイト状炭素を含む任意の材料であり得、それらとしては、天然グラファイト、合成グラファイト、1つ以上の多環式芳香族炭化水素(PAH)、グラフェン、活性炭、バイオ炭、コールフレム、1つ以上のベンゼノイド、ナフタレン、またはこれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。 1つの実施形態において、前記グラファイト状炭素源は、天然または合成グラファイトである。 1つの実施形態では、グラファイトを微粉に粉砕する。 1つの実施形態において、前記グラファイト状炭素源は、活性炭である。 1つの実施形態において、前記液体は、アルコール、水または鉱油の1つまたは任意の組み合わせを含む。 1つの実施形態において、前記液体は、酸または強酸性溶液である。 1つの実施形態において、前記アルコールは、メタノールである。 前記スラリー混合物を加熱して、蒸気剥離グラフェン/グラフェン誘導体スケールを含有する蒸気を生成する。 1つの実施形態において、前記反応混合物は、酸化鉄をBayFerrox(登録商標)酸化鉄粉顔料(Lanxess、ドイツ、ケルン)の形態でさらに含む。 1つの実施形態において、前記酸化鉄は、高純度Fe 3 O 4 (15〜20nm)ナノパウダー(USResearch Nanomaterials, Inc., 米国、テキサス州、ヒューストン)の形態である。

    1つの実施形態では、スクロースの脱水からのグラファイト状炭素生成物および液体を反応容器に入れ、混ぜ合わせてスラリー混合物を形成する。 1つの実施形態において、前記溶剤は、アルコール、水および鉱油の1つまたは任意の組み合わせを含み得る。 1つの実施形態において、前記アルコールは、メタノール、エタノールまたはイソプロパノールである。 前記スラリー混合物を加熱して、蒸気剥離グラフェン/グラフェン誘導体スケールを含有する蒸気を生成する。 vにおいて、前記反応混合物は、酸化鉄をBayFerrox(登録商標)酸化鉄粉顔料(Lanxess、ドイツ、ケルン)の形態でさらに含む。 1つの実施形態において、前記酸化鉄は、高純度Fe 3 O 4 (15〜20nm)ナノパウダー(USResearch Nanomaterials, Inc., 米国、テキサス州、ヒューストン)の形態である。

    1つの実施形態において、前記熱源は、直裸火である。 1つの実施形態において、前記熱源は、点火源により点火される反応体と混合された燃料である。 1つの実施形態において、前記熱源は、ホットプレートである。 1つの実施形態では、追加の試薬を添加して、反応ガスの形成を促進する。 1つの実施形態において、前記追加の添加剤は、重炭酸ナトリウムであり、前記反応ガスは、二酸化炭素である。 1つの実施形態では、前記反応体を自然発火まで加熱する。

    1つの実施形態では、前記化学反応を意図的に熱分解条件下で行うことができる。 1つの実施形態では、意図的に、燃焼に不十分な酸素もしくは極微酸素の条件下または部分真空チャンバ内で反応を行う。 1つの実施形態では、制御された低酸素雰囲気で生成物形成中に反応体の少なくとも一部を加熱する。 1つの実施形態において、反応は、不完全燃焼を促進するためのおよび不完全燃焼または熱分解の煤または他の生成物の形成を促進するための添加剤を意図的に用いることがある。 1つの実施形態では、反応混合物を直火の熱に曝露することにより反応を行うことができる。

    1つの実施形態では、るつぼなどの反応容器の中で固体反応体を混合し、直火で加熱する。 火炎用の燃料は、本発明の精神の範囲内の任意の燃料であってよく、これらの実施形態における燃料は、好ましくは、比較的クリーンな燃焼の燃料、例えば、メタン、エタン、プロパンまたはブタンである。

    1つの実施形態において、前記熱源は、直火である。

    1つの実施形態では、前記システムが生成物の形成を開始する自然発火温度の直前の温度に前記システムを外部から加熱する。

    1つの実施形態では、発泡性防炎物質(intumescent)の加熱生成物としてグラフェンまたはGOを形成する。 発泡性防炎物質は、一般に、難燃剤として使用される。 発泡性防炎物質は、本明細書において用いる場合、熱に曝露されたときに膨張するが燃えない任意の炭素質材料である。 発泡性防炎物質としては、次のものの1つまたは任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない:リン酸ジクレシル;リン酸トリクレシル(リン酸パラクレシル、リン酸オルトクレシルもしくはリン酸メタクレシルポリマー樹脂前駆体を含むが、これらに限定されない);一定のエポキシ樹脂(フェノール−ホルムアルデヒド(PF)樹脂、メラミン樹脂、シアン酸エステル樹脂もしくはポリシアヌラートを含むがこれらに限定されない熱硬化性樹脂を、これらに限定されないが含む);ポリフェニレンエーテル(PPO)樹脂;エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)樹脂;またはポリオレフィンプラストマー(POP)樹脂。

    1つの実施形態では、前記発泡性防炎物質の加熱は、熱伝導性不良の軽い炭(light char)を生じさせる。 1つの実施形態では、前記発泡性防炎物質の加熱は、重い炭(heavy char)を生じさせる。 1つの実施形態では、結果として生じた炭を溶剤攻撃に付し、再加熱してグラフェンまたはGO生成物を生成する。 1つの実施形態において、結果として生じた炭は、その後、酸化剤への添加および酸化剤との反応のための炭素質材料として役立ち得る。 1つの実施形態では、前記炭を油と併せ、加熱してグラフェンまたはGO反応生成物を生成することができる。

    上で略述したような1つの実施形態において、反応体に添加する炭素質材料炭素源としては、次のものの1つまたは任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない:アマニ油、軽質パラフィン油、ナフタレン系化合物、樹脂、樹脂前駆体、アルキド、アルキド樹脂、またはアルキド前駆体[ポリオール(マルチトール、キシリトール、ソルビトール、イソマルト、ペンタエリスリトールを含むがこれらに限定されない)、エチレングリコール、グリセリンもしくはポリエステルを含むが、これらに限定されない]。

    1つの実施形態において、前記反応体は、1つ以上のポリオール、1つ以上の酸無水物、または1つ以上の不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む。

    グラフェンまたはGOのより容易な捕集のために上記方法に変更を施すことができ、該変更はより高い収率を生じさせることができると想定される。

    1つの実施形態では、液体またはゲル混合媒体を使用しない。 1つの実施形態において、前記混合媒体は、メタノールである。 1つの実施形態において、前記混合媒体は、水である。 1つの実施形態において、前記混合媒体は、前記炭素源と混合することができる、固体、半固体またはゼラチン状可燃性材料である。 1つの実施形態において、前記可燃性材料は、変性アルコール、水およびゲルから製造されたゲル燃料、例えば、Sterrno(登録商標)ブランド・キャンド・ヒート(The Sterno Group, LLC、米国、イリノイ州、デスプレーンズ)である。 1つの実施形態において、前記変性アルコールは、1つ以上の添加剤を伴うエタノールを含み、該添加剤としては、次のものの1つまたは任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない:メタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、またはデナトニウム。

    1つの実施形態では、前記ゲル燃料は、ビネガー、炭酸カルシウムおよびイソプロパノールから製造される。 かかる実施形態では、反応体と混合するためにより流動性になるように前記ゲル燃料を穏やかに加熱し、その後、冷却して再びゲルにすることができる。 かかる実施形態では、最初にゲル燃料を点火して反応を開始させるためだけに直火を使用することがあり、そのゲル燃料自体の燃焼によって炎が維持される。

    1つの実施形態では、前記蒸気浮遊(vapor−borne)グラフェンまたはグラフェン誘導体スケールを、該蒸気浮遊スケールと接触する固体表面への堆積によって捕集する。

    1つの実施形態では、前記蒸気浮遊グラフェンまたはグラフェン誘導体を、クリーン・コール・テクノロジーを用いて捕集する。 1つの実施形態では、スクラバ(例えばSemrau、「Practical process design of particulate scrubbers」、Chem. Eng., 第84巻、87−91頁、1977参照)、好ましくは、湿式スクラバを使用して、一切の蒸気浮遊グラフェンまたはGOスケールを捕集する。 1つの実施形態では、燃料ガスを水蒸気で処理して、一切の蒸気浮遊グラフェンまたはGOスケールを含む蒸気浮遊粒子を捕集する。

    1つの実施形態では、前記蒸気浮遊グラフェンまたはグラフェン誘導体を、生成された蒸気流で液体をバブリングすることによって捕集する。 1つの実施形態において、前記液体は、水である。 他の実施形態において、前記液体は油であり、該油としては、植物油または潤滑油を挙げることができるが、これらに限定されない。 1つの実施形態では、界面活性剤を前記水に添加して、水面でのグラフェンまたはグラフェン誘導体の均一な層の形成を助長する。 1つの実施形態では、前記液体を加熱して、該液体の表面でのグラフェンまたはグラフェン誘導体の均一な層の、自己組織化による、形成を助長する。 1つの実施形態では、前記液体をほぼその沸騰温度に加熱する。 1つの実施形態では、添加剤を使用して前記液体の沸騰温度を上昇させる。 1つの実施形態では、超音波を前記液体に印加して、該液体表面でのグラフェンまたはグラフェン誘導体自己組織化を促進する。 1つの実施形態では、紫外線光を前記液体に印加して、該液体表面でのグラフェンまたはグラフェン誘導体自己組織化を促進する。 1つの実施形態では、前記液体の上方のアルゴン雰囲気が、該液体表面でのグラフェンまたはグラフェン誘導体自己組織化を助長する。 1つの実施形態では、減圧を用いて、グラフェンまたはグラフェン誘導体の自己組織化を助長する(Putzら、「Evolution of Order During Vacuum−Assisted Self−Assembly of Graphene Oxide Paper and Associated Polymer Nanocomposites」、ASC Nano、第5巻、6601−6609頁、2001を参照されたし)。

    1つの実施形態では、熱分解段階の完了後にグラファイト状材料が入っている反応フラスコ中に残存する溶剤をコーティング剤として使用して、該グラファイト状材料により補強された組成物を形成する。 1つの実施形態では、コーティングすべき材料をグラファイト状材料含有溶剤(graphitic−containing solvent)に浸漬することにより、グラファイト状材料含有溶剤を塗布する。 1つの実施形態では、個々の繊維をコーティングする。 他の実施形態では、繊維メッシュをコーティングする。 1つの実施形態では、前記グラファイト状材料における一切の亀裂をすっかり覆うように多数の層を堆積させ、それによって前記コーティングを強化する。

    1つの実施形態では、前記グラファイト状材料含有溶剤を構造材料と混合して、グラフェン強化複合材を形成する。 1つの実施形態では、前記グラファイト状材料含有溶剤を予含浸複合材繊維(pre−preg)と併せて、グラフェン補強複合材料を形成する。 1つの実施形態において、前記グラファイト状材料用の炭素源は、該グラファイト状材料によって補強されることとなる粒状樹脂の樹脂前駆体である。

    1つの実施形態では、燃焼生成物蒸気を蓄積するために使用する水性捕集液を金型内で使用して、該燃焼生成物を使用する固体複合材料の作製を助長する

    1つの実施形態では、液体捕集媒体を使用することなく、反応蒸気を捕集し、金型の内面または外面に直接流す。

    1つの実施形態では、反応蒸気を捕集し、固体基板の表面に直接流す。 1つの実施形態において、前記固体基板は繊維であり、堆積によりグラフェン補強繊維複合材を形成する。 1つの実施形態において、前記繊維は、炭素繊維である。 1つの実施形態において、前記繊維は、ポリマー繊維である。 前記グラフェン繊維複合材についての用途および所望の特性に依存して、前記グラフェンコーティングを、前記繊維に、個々の繊維を織り合わせる前に塗布してもよいし、または織り合わせた後に塗布してもよい。 1つの実施形態では、前記グラフェンシートにおける亀裂をすっかり覆うように多層を堆積させ、それによってコーティングを強化する。

    1つの実施形態では、結果として生ずる捕集蒸気を液体に懸濁させ、その後、その液体を排出、蒸発または別様に除去し、それにより、グラフェン、GOまたはrGOシートは金型の内部をコーティングすることができ、あるいは複合材料を生成する目的で、グラフェン、GOまたはrGOシートをかかる金型内に既にある固体もしくは液体上に堆積させるまたは該金型内に導入することができる。

    図3のシステムでは、反応混合物を反応容器10に入れる。 加熱要素12によって反応容器10に熱を印加する。 発生した反応ガスおよびガス浮遊(gas−borne)生成物は、反応容器10内の圧力を上昇させ、導管14により反応容器を出る。 その反応ガス流は、導管14を出て液体16の表面より上に行く。 別の実施形態(図示なし)では、導管14が液体16の表面より下に蒸気を誘導し、その蒸気で液体16の表面18がバブリングされる。 1つの実施形態(図示無し)では、スパージャを導管14の末端に取り付け、このスパージャが、前記液体の表面より下または上のいずれかに反応ガス流バブルを分配するための多数の放出点を提供する。 反応ガスは、液体表面18の上方の雰囲気22に放出されるが、グラフェン/グラフェン誘導体生成物は、その液体中に残存し、主として液体表面18に蓄積する。 あるいは、導管14は、反応ガス流を液体表面18の上方の雰囲気22に直接放出することができる。 一部のかかる実施形態において、反応ガス流は、導管14によって液体表面18のほうに誘導される。

    温度制御要素24を使用して熱または冷却をもたらすことにより液体の温度を制御して、液体表面での疎水性自己組織化による大きなグラフェン酸化物シートの形成を促進する。 温度制御要素24または別個の超音波要素のいずれかが超音波短振動をもたらして、液体表面での大きいグラフェン酸化物シートの形成を促進することができる。 カバー(図示なし)を利用して液体16を覆って、それにより液体16の上方に閉じた制御可能環境22を作ることができる。 1つの実施形態(図示なし)では、弁により圧力源による環境22内の圧力上昇を維持する。 1つの実施形態において、前記圧力源は、液体の上方を不活性環境にするために、アルゴンなどの不活性ガスである。 1つの実施形態(図示なし)では、放出弁が雰囲気22からの過剰圧力の放出を可能にする。 反応容器10は、好ましくは、該反応容器10の中で形成される過剰真空を緩和するための均圧弁34を備えており、それにより、還流および反応中に該反応容器10への導管14に液体が引き込まれるのを防止する。

    1つの実施形態において、前記反応容器は、ブーフナーフラスコ装置である。 1つの実施形態では、前記フラスコの頂部に栓をし、管を該フラスコのホースバーブに接続する。 1つの実施形態では、その管の他端を液面下に配置し、この管のこ末端にはいかなる種類のスパージャもない。 1つの実施形態では、前記均圧弁をブーフナーフラスコの頂部の栓を通って延びるラインに接続する。

    1つの実施形態では、前記液体の表面で形成されたグラフェンまたはグラフェン誘導体を固体基板に、かかる固体基板を前記液体の表面と単に接触させることにより、例えば、ラングミュア・ブロジェット型堆積により移す(例えば、Blodgett、「Films built by depositing successive monomolecular layers on a solid surface」、J. Amer. Chem. Soc., 第57巻、1007−1022頁、1935を参照されたし)。

    1つの実施形態では、捕集されたGOまたはグラフェン生成物をさらに還元して、または別様に処理して、該生成物から残存不純物を除去する。

    1つの実施形態では、GO反応生成物を還元グラフェン酸化物(rGO)に変換する。 1つの実施形態では、反応式4で一般に表されるように、GOを化学的にrGOに還元する:

    1つの実施形態では、GOを水または別の液体にコロイド状に分散させ、ヒドラジン一水和物を使用して化学的rGOに還元する(Stankovichら、「Synthesis of graphene−based nanosheets via chemical reduction of exfoliated graphite oxide」、Carbon、第45巻、1558−1565頁、2007、Gaoら、「Hydrazine and Thermal Reduction of Graphene Oxide:Reaction Mechanisms」、J. Phys. Chem. C、第114巻、832−842頁、2010)、Siら、「Synthesis of Water Soluble Graphene」、Nano Lett., 第9巻、1679−1682頁、2008を参照されたし)。 別の実施形態では、ヒドロキノンを使用してGOを化学的にrGOに還元する(Wangら、「Facile Synthesis and Characterization of Graphene Nanosheets」、J. Phys. Chem. C、第112巻、8192−8195頁、2008を参照されたし)。 別の実施形態では、気体水素を使用してGOを化学的にrGOに還元する(Wuら、「Synthesis of high−quality graphene with a pre−determined number of layers」、Carbon、第47巻、493−499頁、2009を参照されたし)。 他の実施形態では、強塩基性溶液を使用してGOを化学的にrGOに還元する(Fanら、「Deoxygenation of Exfoliated Graphite Oxide under Alkaline Conditions:A Green Route to Graphene Preparation」、Adv. Mater., 第20巻、4490−4493頁、2008、Boehmら、「Das Adsorptionsverhalten sehr dunner Kohlenstoff−Folien」、Z. Anorg. Allg. Chem., 第316巻、119−127頁、1962を参照されたし)。

    1つの実施形態では、熱または電流を使用してGOをrGOに還元する。 1つの実施形態では、1050℃への加熱および生成された二酸化炭素を除去するための押し出しにより、GOを熱的に剥離させ、rGOに還元する(McAllisterら、「Single Sheet Functionalized Graphene by Oxidation and Thermal Expansion of Graphite」、Chem. Mater., 第19巻、4396−4404頁、2007を参照されたし)。 1つの実施形態では、非導電性基板上のグラフェン酸化物皮膜の両端に電極を配置し、電流を印加することにより、GOを電気化学的にrGOに還元する(Zhouら、「Controlled Synthesis of Large−Area and Patterned Electrochemically Reduced Graphene Oxide Films」、Chem.−Eur. J., 第15巻、6116−6120頁、2009を参照されたし)。

    1つの実施形態では、ヒドラジン一水和物を水に添加し、生成されたグラフェン酸化物でそれをバブリングし、その後、その水溶液を≒80℃に加熱することで、グラフェン酸化物生成物を空気−水界面で還元グラフェン酸化物小板の自己組織化膜に変換する(Zhuら、「Transparent self−assembled films of reduced graphene oxide platelets」、Appl. Phys. Lett., 第95巻、103、104−1−103、104−3頁、2009を参照されたし)。 超音波短振動または紫外線をはじめとする(しかしこれらに限定されない)追加の外力を前記液体に印加して、rGO小板の自己組織化を助長する。

    1つの実施形態では、上記生成物をポリマー樹脂と併用して、高強度組成物を形成する。 前記ポリマー樹脂は、好ましくは、エポキシポリマー樹脂である。 一部の実施形態において、前記複合材は、炭素繊維をさらに含む。

    1つの実施形態では、前記ポリマー樹脂および前記グラフェン/グラフェン誘導体を前記複合材中に交互層として形成する。 1つの実施形態では、グラフェン/グラフェン誘導体層をポリマー樹脂層上に蒸気として堆積させる。 1つの実施形態では、グラフェン/グラフェン誘導体層を水性表面からポリマー樹脂層上に堆積させる。 1つの実施形態では、グラフェン/グラフェン誘導体ペーストをポリマー樹脂層に塗布する。

    1つの実施形態では、濃硫酸を使用するスクロースの脱水により、ポリマー樹脂材料が高耐硫酸性であるポリマー樹脂層上で、直接、グラフェン/グラフェン誘導体を形成する。 高耐硫酸性ポリマー材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化PVC(CPVC)、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(CTFE)、エポキシ樹脂繊維ガラス、およびEP21ARエポキシ(Master Bond, Inc., 米国、ニュージャージー州、ハッケンサック)が挙げられるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記樹脂は、次のものの1つ、または次のポリマー樹脂のハイブリッドタイプの組み合わせである(1)1つ以上の熱可塑性アルキルフェノール樹脂、典型的にタイヤの製造に使用されるもの、(2)1つ以上のNOVOLAC(登録商標)タイプのパラオクチルフェノール(POP)ホルムアルデヒド樹脂、(3)1つ以上のPOLYTONE(登録商標)タイプのパラ−tert−ブチルフェノール(PTBP)ホルムアルデヒド非熱反応性粘着付与樹脂、(4)1つ以上のポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、および(5)1つ以上のポリフェニレンオキシド(PPO)樹脂(1つ以上のシロキサンポリフェニレンオキシド樹脂を含むが、これらに限定されない)。

    1つの実施形態では、前記グラフェン/グラフェン誘導体を前記ポリマー樹脂と、該樹脂が硬化する前に混合する。 1つの実施形態では、炭素繊維も前記グラフェン/グラフェン誘導体および未硬化ポリマー樹脂と混合する。 ポリマー樹脂のタイプ、およびグラフェン/グラフェン誘導体と炭素繊維の相対レベルは、好ましくは、結果として生ずる複合生成物についての特定の具体的な使用または用途に好ましい強度と可撓性の適切なバランスが得られるように選択する。

    1つの実施形態では、前記複合材のポリマーのための樹脂は、該複合材のグラフェン/グラフェン誘導体部分の炭素源でもある。

    1つの実施形態では、前記グラフェン/GO補強ポリマー複合材を、金属製材料に従来限定されている構造用途、例えば車両のフレーム、に使用する。 1つの実施形態において、前記ポリマー複合材は、再成形可能であり、したがって、ある構造での使用から別の構造での使用に再循環可能である。

    ゲル化グラフェンまたはグラフェンゼリーを形成する方法では、グラフェン/グラフェン誘導体スケールが入っている水性プールをある期間にわたって放置して蒸発させた。 1つの実施形態では、前記グラフェン/グラフェン誘導体スケールを生成するための反応混合物の生成用出発原料は、スクロース、ベーキングパウダー、エタノールおよび酸化鉄を含む。 1つの実施形態において、前記水性プール中の水は、ゆっくりと蒸発し、ほぼ室温での約1ヶ月の期間の後、流体の≒800mLの原量がビーカー内に残存した。 剥がし取ることができるネバネバしたゲル層が、前記流体の上面に形成した。 この最上層の下に、薄いゼリーの稠度を有する約1 1/2”厚の濁った白っぽい層があった。これらのグラフェンゼリーの組成および物理的特徴をさらに試験しなかったが、これらの形態のグラフェンは、有用な物理的および化学的を有すると予想される。

    1つの実施形態では、前記水性ゲル化グラフェン、または捕集されたグラフェンもしくはグラフェン誘導体を有する水性プールを複合材料の形成の際に水の代わりに使用する。 1つの実施形態では、前記水性ゲル化グラフェン、または捕集されたグラフェンもしくはグラフェン誘導体を有する水性プールをセメント混合物中の水の代わりに使用して、従来のコンクリートに比べて改善された強度を有するグラフェン補強コンクリートを形成する。 1つの実施形態では、前記水性ゲル化グラフェン、または捕集されたグラフェンもしくはグラフェン誘導体を有する水性プールをアスファルトコンクリートの形成の際に使用して、従来のアスファルトコンクリートに比べて改善された強度を有するグラフェン補強アスファルトコンクリートを形成する。

    1つの実施形態では、二酸化炭素または一酸化炭素をグラフェン、グラフェン誘導体、炭素封入金属ナノ粒子、またはナノ鋼の静止の際の炭素源として使用し、それにより、その環境から過剰な炭素をことによると除去する。 一酸化炭素および二酸化炭素は、本明細書に収載の合成方法のための炭素質原料として適する多数の多様な生成物、例えば合成メタノール、に変換可能である(例えば、Sakakuraら、「Transformation of Carbon Dioxide」、Chem. Rev., 第107巻、2365−2387頁、2007、Yuら、「Copper−and copper−N−heterocyclic carbene−catalyzed C−H activating carboxylation of terminal alkynes with CO 2 at ambient conditions」、PNAS、第107巻、20184−20189頁、2010、Jiangら、「Turning carbon dioxide into fuel」、Phil. Trans. R. Soc. A、第368巻、3343−3364頁、2010)。 1つの実施形態では、先ず、一酸化炭素または二酸化炭素を、かかるガスからの炭素原子を有用な炭素−炭素グラファイト状結合に組み込むための燃焼または熱分解反応が可能な、炭素質材料の1つ以上の中間形態に変換する。 1つの実施形態において、かかる変換の中間体は、二酸化炭素と水素ガスの反応によって形成されるアルコールである。 1つの実施形態では、還流混合物の還流によって生成される水素ガスとの反応のために二酸化炭素を還流混合物に直接供給し、それによって合成メタノールをin situで形成する。

    酸化鉄を組み込む1つの実施形態において、前記プロセスは、ナノ鋼を形成するためのナノスケールベッセマー炉のように動作する。 具体的には図7を参照して、有意な帯電が試料全体にわたって、特に球状体の縁部で観察される。 この試料は、総じて帯電しているので、この帯電の原因となる有望な特徴は、試料全体にわたっての非導電物質の存在である。 元素分析に基づき、唯一の可能な非導電性材料は、酸化物であるだろう。 したがって、このスタブ全体にわたって酸化物の層があると推断される。 前記球状体の帯電に関して、鋭利な縁部がこれらの画像では観察されないので、前記球状体は、導電性物質と非導電性物質の両方を含有するはずである。 この現象の最も有望な原因は、非導電性炭素−酸化物マトリックス中に捕捉された鉄元素であろう。

    鉄元素は、導電し、SEMの下で光るが、非導電性炭素−酸化物マトリックスは、非電導性であり、試料全体にわたる酸化物層に電荷を渡すことができないにもかかわらず、球状体構造の破壊を防止する十分な強さがある。 推論は、EDSが鉄、炭素および酸素の存在しか報告しないことにかんがみて、酸化物外層がグラフェン酸化物であり、導電性材料が鉄であるということである。 前記球の外殻が、純粋な炭素であったとすれば、例えば、その構造がグラフェンまたはフラーレンであったとすれば、それは導電性でなかっただろうし、SEM付属品として一般に使用されるカーボンナノチューブまたはカーボンテープ材料についての場合と同様に試料の帯電は見られなかっただろう。 前記外層は帯電しているので、それは非導電性であるはずであり、そのため最も可能性の高い炭素形態は、グラフェン酸化物である。 また、前に述べたように、SEM像で示されるとおりスタブ全体がある程度帯電している。 したがって、グラフェン酸化物の層が試料全体にわたって存在するとも推断される。

    1つの実施形態では、ナノ鋼を機械加工してナノ回路または他のナノ構造を形成する。 一部の実施形態では、レーザー・エッチング・ナノビームを使用して、ナノ鋼を造形する。

    試験結果 本発明に従って、グラフェンおよびその誘導体を作り、回収するために、ならびにSGANを生成するために、幾つかの試験を実行した。

    試験1
    SGANの合成方法では、直火を使用して反応混合物を加熱した。 BayFerrox(登録商標)酸化鉄粉顔料(Lanxess、ドイツ、ケルン)、粉糖およびエタノールを反応容器に入れ、混合してペーストにして反応混合物を形成した。 その反応混合物をプロパントーチの直火で加熱し、その反応混合物の加熱によって生成された煙および/または蒸気中の加熱反応混合物の上にSEMスタブを保持した。

    その後、Philips(登録商標)XLシリーズXL 30 ESEM−FEG(FEI(商標)Company、米国、オレゴン州、ヒルズバラ)を使用し、EDAX(登録商標)Genesis(商標)バージョン4. 61ソフトウェア(AMATEK(登録商標)Inc., 米国、ニュージャージー州、マファ)およびScandium Imaging Platformを使用して、SEMスタブの表面を検分した。 前記スタブの表面について得られた電子顕微鏡像を図4から7に示す。 図4から7の試料採取した枠内の領域について、試料採取領域のEDSによる付随元素分析(と共に、取り外したスタブ自体からの銅およびアルミニウム読取値)は、表1に示す重量百分率(重量%)および原子百分率(原子%)で炭素、酸素および鉄のみを示した。 図4から6は、≒2〜5マイクロメートルの範囲の直径を有する球状体構造を示し、およびこれらの図のすべてが、≒1〜5マイクロメートルの範囲の長さを有する非球状体、不規則形状の構造を示す。

    図4から5Cの球状体の試料採取領域はすべて、主として炭素および酸素と、同様の低い鉄値を示す。 具体的に図4を参照して、ほぼ5μmの直径を有する球状体構造の大きな領域にEDAX(登録商標)ビームを照準する。 具体的に図5Aを参照して、2μmと3μmの間の直径を有する球状体の表面のディボットにEDAX(登録商標)ポイントビームを照準する。 具体的に図5Bを参照して、図5Aの球状体の表面の小さな白色領域にEDAX(登録商標)ビームを照準する。 この画像は、この構造の球状体の性質および表面欠陥の存在を明確に示している。 具体的に図5Cを参照して、図5Aの球状体のより広い部分にEDAX(登録商標)ビームを照準する。 この構造は、EDSによって測定されたものより有意に高い内部鉄レベルを含有すると考えられ、EDSによる鉄の低い読取値は、球状体皮層内への外殻の低いEDAX(登録商標)ビーム透過を示す。 これらの球状体構造は、EDSによる検出から、多数のグラフェン酸化物層が内部の鉄を保護している、多層グラフェン酸化物ナノオニオンであると考えられる。

    図6は、スタブの表面で観察された非球状形体の1つの不規則構造を示す。 これらの構造の形態は、グラフェン酸化物ペーパーであると考えられる。 この画像の領域が明るいほど、高い鉄濃度を示す。 この構造における鉄の量は、EDSによって測定すると、球状体構造で測定されたものよりほぼ10倍多い。 電子ビームは、この薄いグラフェン酸化物ペーパーに、多層球状体に透過することができるより大きく浸透できると考えられ、そのためより多くの鉄がこの試料では報告される。

    観察された球状体構造は、20分より長い間のこの構造へのEDAX(登録商標)ビームの集束がこの構造に観察可能な影響を及ぼさなかったので、高安定性であると判定された。

    一部のSEM画像では、ステム上に正方形の暗い領域が観察された。 これは、電子励起、およびグラフェン酸化物皮膜でおそらくコーティングされた非導電性表面を示す。

    試験2
    SGANのもう1つの合成方法では、直火を使用して反応混合物を加熱した。 BayFerrox(登録商標)酸化鉄粉顔料(Lanxess、ドイツ、ケルン)と、粉糖と、水、ポリアクリル酸および≒60%イソプロピルアルコールを含む一般的なハンドサニタイザーの形態のゲル化アルコールとを反応容器に入れ、混ぜ合わせて反応混合物を形成した。 その反応混合物をプロパントーチの直火で加熱し、その反応混合物の加熱によって生成された煙および/または蒸気中の加熱反応混合物の上にSEMスタブを保持した。

    Philips(登録商標)XLシリーズXL 30 ESEM−FEG(FEI(商標)Company、米国、オレゴン州、ヒルズバラ)を使用し、EDAX(登録商標)Genesis(商標)バージョン4. 61ソフトウェア(AMATEK(登録商標)Inc., 米国、ニュージャージー州、マファ)およびScandium Imaging Platformを使用して、SEMスタブの表面を研究した。 前記スタブの表面の得られた電子顕微鏡像を図8から11に示す。 図8の試料採取領域について、EDSによる付随元素分析(と共に、取り外したスタブ自体からの銅およびアルミニウム読取値)は、炭素(64.40重量%/79.37原子%)、酸素(16.95重量%/15.68原子%)、および鉄(18.65重量%/4.94原子%)のみを示した。 SEMスタブ上で観察された構造は、ゲル化アルコールではなくエタノールを使用する前記合成から観察されたものより一般に小さかった。 フレーク構造に対する球状体構造の数は、エタノールを使用する合成よりはるかに多いことが観察された。 図10は、球状体構造が高濃度の領域を示す。

    図11は、より低い倍率で、SEMスタブのより大きい領域を示す。 この画像は、非常に薄い膜がSEMスタブの大きな領域に継続的に堆積されたことを示す。 イメージングのために、金/パラジウムコーティングを試料上に蒸着した。 しかし、金/パラジウムコーティングは、グラフェン酸化物蒸気コーティングよりはるかに厚いことが観察され、一切のグラフェン酸化物蒸気コーティング細部が金/パラジウムコーティングにより完全マスキングされることとなった。 グラフェン酸化物蒸気コーティングが全スタブ上で破壊されなかったことをこの金/パラジウムコーティングが証明することに注目することも有意義である。

    試験3
    SGANのもう1つの合成方法では、直火を使用して反応混合物を加熱した。 BayFerrox(登録商標)酸化鉄粉顔料(Lanxess、ドイツ、ケルン)、活性炭、メタノールおよび鉱油を反応容器に入れ、混ぜ合わせて反応混合物を形成した。 その反応混合物をプロパントーチの直火で加熱し、その反応混合物の加熱から形成された煙および/または蒸気中の加熱反応混合物の上にSEMスタブを保持した。

    Philips(登録商標)XLシリーズXL 30 ESEM−FEG(FEI(商標)Company、米国、オレゴン州、ヒルズバラ)を使用し、EDAX(登録商標)Genesis(商標)バージョン4. 61ソフトウェア(AMATEK(登録商標)Inc., 米国、ニュージャージー州、マファ)およびScandium Imaging Platformを使用して、SEMスタブの表面を研究した。 そのスタブの表面についての得られた電子顕微鏡写真により、直径が5〜15μmの範囲の球状体および10〜50μmの範囲の最小幅寸法を有する大きな不規則結晶構造を含む、上記実験のものに概観が類似している構造が明らかになった。 EDSによる付随元素分析(と共に、取り外したスタブ自体からの銅およびアルミニウム読取値)は、炭素、酸素および鉄に加えて、カルシウム、銅、ナトリウム、ケイ素および鉛をはじめとする多数の不純物を示し、これらのすべてが面心立方(FCC)結晶を形成し得る。

    試験4
    ナノ粒子のもう1つの合成方法では、ホットプレートを使用して反応混合物を、直火を使用する前記方法の場合より低い温度に加熱した。 酸化鉄粉、粉糖およびエタノールをブーフナーフラスコに入れた。 フラスコの頂部に栓をし、プラスチック管をホースバーブに接続した。 そのプラスチック管の他端を蒸留水のビーカーの中の水面下に配置した。 その反応混合物を加熱し、それに起因して蒸気が形成し、その蒸気で蒸留水をバブリングした。 反応の完了後、その水を放置してビーカーの中でゆっくりと蒸発させた。 水面はゼラチン状稠度を有し、水が蒸発するにつれて白色残留物が水面の上のビーカー壁に堆積した。 その白色残留物を特性評価しなかったが、SGANで構成されていると考えられる。

    試験5
    ナノ粒子のもう1つの合成方法では、粉糖[Whole Foods Market,LP(米国、テキサス州、オースティン)からの「365 Organic Powdered Sugar」。 成分:有機蔗糖、有機タピオカデンプン]、ハンドサニタイザー[Greenbrier International, Inc.(米国、バージニア州、チェサピーク)からの「Instant Hand Sanitizer」。 成分:エチルアルコール62%、水、トリエタノールアミングリセリン、プロピレングリコール、トコフェリルアセタート、アロエ(Aloe Barbadensis)ゲル、カルボマー、芳香剤]、イソプロパノール[Meijer Distributing Inc.(米国、ミシガン州、グランドラピッズ)からの「99% Isopropyl Alcohol」]、ベーキングパウダー[Dr. Oetker Canada, Ltd.(カナダ、オンタリオ州、ミシソーガ)からの「Dr. Oetker Baking Powder」。 成分:ピロリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、コーンスターチ]、および鉱油[Walgreen Co.(米国、イリノイ州、ディアフィールド)からの「Walgreens Mineral Oil Intestinal Lubricant」]をフラスコの中で併せた。 そのフラスコを直火で加熱して、糖をグラファイト状炭素に変換した。 フラスコの頂部に栓をし、バブリングするために蒸気剥離グラフェンスケールを含有する反応ガス流を管で水浴に誘導した。 必要に応じて鉱油をフラスコに添加して、フラスコ内の液体を維持した。

    金属スパチュラを水浴の表面に接触させて、蒸気により輸送された後にそこで形成した反応生成物を回収した。 スパチュラを一晩放置して乾燥させると、目に見える皮膜がその金属スパチュラ上で観察された。 その金属スパチュラを傾けて液体に浸漬したが、固体表面および所望の表面コーティングに依存して、代替的に、液面に対して平行または垂直に固体表面を浸漬することにより反応生成物を固体表面に移してもよい。 あるいは、固体表面を液面下から界面を通って引き上げてもよく、または排液することにより液体中の固体表面上に生成物を堆積させてもよい。

    その後、そのコーティングされた金属面を炭素TEMグリッドにこすり付けて、グラフェンコーティングの一部をTEMグリッドに移した。 そのTEMグリッド上のコーティングを、Phillips(登録商標)TEM(FEI(商標)Company、米国、オレゴン州、ヒルズバラ)、製造番号D609を使用して観察し、図12から17の画像を記録した。 これらの構造は、組成および形態の点でホールカーボンまたはレースカーボンと呼ばれる構造に類似している。 図12は、相当大きい均一なグラフェンシート形態を示す。 図13は、巻きひげ状のものが画像の左に延びている大きなグラフェンシート形態を示す。 図14は、折り畳まれた多層のグラフェンシートを示す。 図16および17は、より大きいシート領域を接続しているグラフェンの薄いストランドを示し、図15は、かかるストランドの多数の層のより高倍率のものを示す。 堆積された層が厚すぎて電子ビームが通過できなかったため、図12から17の画像に加えて、TEMグリッドの複数の部分が、TEMのもとで完全に黒く見えた。 幾つかの他の領域において、皮膜は完全に乾燥しているように見えず、グラフェンコーティングが電子ビームのもとで形状を変えるのが観察された。

    試験6
    グラフェンシートのある形成方法では、蓋をしたブーフナーフラスコの中で活性炭、水、鉱油およびイソプロパノールを加熱した。 その混合物が沸騰して還流し始めるやいなや、白煙が蒸気と共に発生し始めた。 その白っぽい煙が蒸気と共にプラスチック管によってフラスコから運び出され、水性プールに適用され、その表面に不透明な皮膜を形成した。 皮膜が形成された後に数分待った後、その皮膜の複数の部分をさらなる研究のために銅TEMグリッドに移した。

    Philips(登録商標)Tecnai F20(S)TEM(FEI(商標)Company、米国、オレゴン州、ヒルズバラ)を使用して、それらの銅TEMグリッドを研究した。 それらの試料の代表画像を図18および19に示す。 元素分析については、EDAX(登録商標)ビームを使用して、試料中の異なる8ポイントで炭素対酸素比を判定した。 分析の結果は、それらの試料における炭素対酸素比が、97.4:2.6原子%から99.1:0.9原子%の間であり、8試料からの平均が98.4:1.6原子%であることを示した。 反応混合物中に酸化鉄を有する実験と比較して、酸化鉄不在下で得られた生成物は、グラフェン形態のほぼ純粋な炭素であった。

    潤滑組成物中での摩擦学的に有効な量の有益な炭素質堆積物のin situ生成。
    本発明の実施形態は、エンジンまたは機械システム内でin situで急速に熱分解し、摩擦学的に有効な量の有益な炭素質堆積物および分子を生成する傾向がある、ベース潤滑剤用の環式炭素含有添加剤を利用する。 1つの実施形態において、前記添加剤は、ベース潤滑剤が有意に劣化し始める前に、表面をナノポリッシュして凹凸を除去するためのナノポリッシング剤として役立つ有益な研磨剤グラファイト状粒子を潤滑組成物中in situで形成する。 原子レベルでほぼ完璧に摩擦面をナノポリッシュすると、それらの摩擦面には有害な堆積物を収容する凹凸がもはや存在しない。 したがって、内部システム部品上の有害な堆積物形成、および潤滑組成物中の従来の清浄分散剤の必要が、劇的に低減される、またはなくなりさえする。

    本明細書に開示する添加剤は、基礎を成すベース潤滑剤を改善または保護するために選択されない。 その代り、本添加剤は、摩擦学的に有用なグラファイト状炭素含有ナノ粒子または微粒子である多環式芳香族炭化水素または他のグラファイト状炭素形態の摩擦学的に有効な量での迅速な優先的in situ形成を促進するように選択される。 1つの実施形態において、前記添加剤は、炭素、水素および酸素原子のみから成る炭素環含有添加剤を含む。 1つの実施形態において、前記炭素環含有添加剤は、炭化水素である。 前記潤滑組成物中のいずれのラジカルも、好ましくは、有用なグラファイト状炭素粒子の形成を助ける。 1つの実施形態において、前記ナノ粒子は、凹凸の低減または除去、それによる摩耗面間の摩擦の低減により摩擦面を高平滑度にナノポリッシュするためにナノポリッシング剤として作用する。 時が経つにつれて、従来のベース潤滑剤は粘度を失って、摩擦面を損傷の危険にさらす傾向がある。 本発明の実施形態の使用に伴って摩擦面は益々ナノポリッシュされるので、連続使用によるベース潤滑剤の如何なる低粘稠化も、実際に、ベース潤滑剤の粘度の低減によってその機械システムをより効率的に走行させる。 1つの実施形態において、前記ベース潤滑剤は、より重い重量の油として出発し、摩擦面がナノポリッシュされるにつれて経時的により軽い重量の油へと漸進的に低粘稠化する。 1つの実施形態において、前記潤滑組成物は、従来のベース潤滑剤と比較して、延長される排水または交換間隔にもかかわらず有効に潤滑する。

    無定形炭素スラッジに変わる化合物を形成するような減成を経時的に促進するのではなく、前記添加剤の少なくとも1つは、本明細書に記載する1つ以上の摩擦学的に有用なグラファイト状炭素形態の形成を優先的に促進する。

    好ましくは、本発明の潤滑組成物は、ベース潤滑剤が動作中のエンジンまたは他の機械システムを潤滑し続けているときに、グラファイト状炭素のin situ形成のための犠牲炭素源として役に立つように選択された添加剤を含む。 前記ベース潤滑剤は、石油精製または合成油、グリースまたは液であり得る。 動作中のエンジンまたは他の機械システムの条件下で、前記添加剤を熱分解してグラファイト状炭素を形成することができる。 1つの実施形態では、前記添加剤を≒50℃と≒550℃の間の温度で熱分解することができる。 1つの実施形態では、前記添加剤を≒50℃未満の温度または≒550℃より高い温度で熱分解することができる。 動作中のエンジンでは、かかる条件が摩擦面でまたは内部エンジン、ターボ、タービンもしくはギア表面上で局所的に達成されることがある。

    in situ構造が前記潤滑組成物中で形成されてそこに存在するような摩擦学的に有効な量で前記添加剤を供給して、効率的に意図した効果を生ずる減摩コーティングを被潤滑システムの摩擦面上に最初に設ける。 前記潤滑剤に添加すべき添加剤の量は、動作中のエンジンまたは他の機械システムの性能の所望の変化率および未希釈のままのベース潤滑剤の量によって様々であり得る。 より多くの添加剤量の添加は、in situ構造の形成速度を増すが、ベース潤滑剤を希釈することにもなる。 したがって、添加剤の有効量は、ベース潤滑剤1リットルあたり≒10mgからベース潤滑剤1リットルあたり≒500gを含む。 これらの量は、いかなる点でも本発明を制限するためのものではなく、配合者がケース・バイ・ケースでその量を決定することができる。

    1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける摩擦を減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける摩擦を少なくとも1%減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける摩擦を少なくとも2%減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける摩擦を少なくとも3%減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける摩擦を少なくとも4%減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける摩擦を少なくとも5%減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける摩擦を少なくとも10%減少させる。

    1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおけるマイナス馬力を減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける測定馬力を少なくとも1%増加させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける測定馬力を少なくとも2%増加させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける測定馬力を少なくとも5%増加させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける測定馬力を少なくとも10%増加させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける測定馬力を少なくとも20%増加させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける測定馬力を少なくとも50%増加させる。

    1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおけるトルク出力を増加させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおけるトルク出力を少なくとも1%増加させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおけるトルク出力を少なくとも2%増加させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおけるトルク出力を少なくとも5%増加させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおけるトルク出力を少なくとも10%増加させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおけるトルク出力を少なくとも20%増加させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおけるトルク出力を少なくとも50%増加させる。

    1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける内部摩擦面の表面粗度を減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける内部摩擦面の表面粗度を少なくとも5%減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける内部摩擦面の表面粗度を少なくとも10%減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける内部摩擦面の表面粗度を少なくとも20%減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける内部摩擦面の表面粗度を少なくとも50%減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける内部摩擦面の表面粗度を少なくとも75%減少させる。 1つの実施形態において、前記摩擦学的に有効な量の添加剤は、それが添加される従来の潤滑剤による潤滑に比べて被潤滑システムにおける内部摩擦面の表面粗度を少なくとも90%減少させる。

    1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、その被潤滑システムの動作100時間以内に生ずる。 1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、その被潤滑システムの動作80時間以内に生ずる。 1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、その被潤滑システムの動作60時間以内に生ずる。 1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、その被潤滑システムの動作40時間以内に生ずる。 1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、その被潤滑システムの動作20時間以内に生ずる。 1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、その被潤滑システムの動作10時間以内に生ずる。 1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、その被潤滑システムの動作5時間以内に生ずる。 1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、その被潤滑システムの動作2時間以内に生ずる。 1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、その被潤滑システムの動作1時間以内に生ずる。 1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、その被潤滑システムの動作30分以内に生ずる。 1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、その被潤滑システムの動作10分以内に生ずる。 1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、その被潤滑システムの動作5分以内に生ずる。 1つの実施形態において、摩擦の測定可能な変化、マイナス馬力の低減、または表面粗度の低減は、前記摩擦学的に有効な量の添加剤の添加後、実質的に即座に生ずる。

    記載したような少なくとも1つの添加剤を含む潤滑組成物は、エンジン性能およびナノポリッシュ被潤滑金属面を向上させる。 前記添加剤の少なくとも1つは、in situで化学変性されて潤滑およびナノポリッシング粒子を形成し、これを走査型電子顕微鏡観察(SEM)および透過型電子顕微鏡観察(TEM)の両方によって被潤滑金属面上で観察した。 非摩擦面上で観察される球状体構造は、一般に、1〜10マイクロメートルサイズ範囲であり、主として炭素、酸素および鉄で構成されていると判定される。 これらの微粒子構造を、直径が≒3nm以下で、かつ、鋼表面を3.44nmの測定表面粗度(R a )にナノポリッシュするのに十分な硬度の基本粒子に分離する。

    1つの実施形態について、この基本粒子は、SGAN、より具体的には金属SGANであると分析により判定された。 一部の実施形態において、前記金属SGANは、第二鉄SGANである。 前記SGANのコアは、面心立方金属を有する立方最密充填結晶構造であり得る。 前記立方最密充填結晶は、スピネルファミリーの金属酸化物のものであり、それらとしては、磁鉄鉱(Fe 3 O 4 )、スピネル(MgAl 2 O 4 )、亜鉛尖晶石(ZnAl 2 O 4 )、ヘルシナイト(FeAl 2 O 4 )、キュプロスピネット(cuprospinet)(CuFe 2 O 4 )、フランクリナイト、ガラックサイト、磁マンガン鉱(MnFe 2 O 4 )、トレボライト(NiFe 2 O 4 )、ウルボスピネル(ulvospinet)(TiFe 2 O 4 )、亜鉛フェライト、クロム鉄鉱(FeCr 2 O 4 )および苦土クロム鉄鉱(MgCr 2 O 4 )を挙げることができるが、これらに限定されない。 他の実施形態において、前記コアは、非スピネル立方晶構造であり得る。

    前記立方晶構造は、少なくとも1つの鉄原子を含み得る。 一部の実施形態において、前記結晶コアは、スピネル型の水酸化第二鉄である(Bellevilleら、「Crystallization of ferric hydroxide into spinel by adsorption on colloidal magnetite」、Journal of Colloid and Interface Science、第150巻、453−460頁、1992)。 1つの実施形態において、前記結晶コアは、スピネル型のFe x Cu 1−x Rh 2 Se 4 (式中、0<x≦0. 3)である(Kimら、「Magnetic properties of the spinel phase for Fe x Cu 1−x Rh 2 Se 4 」、J. Appl. Phys., 第64巻、342190、1988)。

    1つの実施形態において、前記結晶コアは、in situで形成する。 1つの実施形態において、前記添加剤は、結晶コアを含む。 一部の実施形態において、前記結晶コアは、Dekker(「Chapter 5:Deoxidation in Low Carbon Steel Killed with Aluminum」、Ph. D. 学位論文、Katholieke Universiteit Leuven、Leuven、43−65頁、Belgium、2002)、Bottaら(「Mechanochemical synthesis of hercynite」、Materials Chemistry and Physics、第76巻、104−109頁)、またはChenら(「Synthesis of hercynite by reaction sintering」、Journal of the European Ceramic Society、第31巻、259−263頁、2011)によって記載された1つ以上のメカニズムによって形成され得る。

    1つの実施形態において、前記SGANの殻は、炭素フラーレンまたはフラーレン様構造であると考えられる。 一部の実施形態において、前記炭素源は、Bohme(「PAH and Fullerene Ions and Ion/Molecule Reactions in Interstellar and Circumstellar Chemistry」、Chem. Rev., 第92巻、1487−1508頁、1992)、Mansurov(「Formation of Soot from Polycyclic Aromatic Hydrocarbons as well as Fullerenes and Carbon Nanotubes in the Combustion of Hydrocarbon」、Journal of Engineering Physics and Thermodynamics、第84巻、125−159頁、2011)、またはRavindraら(「Atmospheric polycyclic aromatic hydrocarbons:Source attribution,emission factors and regulation」、Atmospheric Environment、第42巻、2895−2921、2008)によって記載されたように、in situでPAHに変換されてグラフェンシートを形成し、その後、そのグラフェンシートが、Chuvilinら(「Direct transformation of graphene to fullerene」、Nature Chemistry、第2巻、450−453頁、2010)によって開示されたものなどのメカニズムによって、鉄の 存在下でフラーレンに変換されると考えられる。 1つの実施形態において、鉄粒子の表面の炭素堆積物は、Meimaら(「Catalyst deactivation phenomena in styrene production」、Applied Catalysis A:General、第212号、239−245頁、2001)によって開示されたものなどのコークスの形態であると考えられる。 1つの実施形態において、前記SGANは、表面グラファイト化されていると考えられる。

    1つの実施形態において、前記炭素を架橋スチレン球の形態で、例えば、Bararら(「Freidel−Crafts Cross−Linking for Polystyrene Modification」、Ind. Eng. Chem. Prod. Res. Dev., 第22巻、161−166頁、1983)によって記載されたフリーデル・クラフツ・アルキル化、架橋および重合のプロセスで、鉄粒子の表面に堆積させることができる。

    観察されたSGANにおいて、測定された鉄の少なくとも一部は、SGANをフェリ磁性にすることとなる、磁鉄鉱の形態であると予想される。 他の実施形態において、前記SGANまたは架橋スチレン球は、1つ以上の強磁性、常磁性、または超常磁性粒子を含み得る。 1つの実施形態において、前記SGANは、in situで凝塊を形成すると考えられ、多環式芳香族炭化水素(PAH)、グラフェン、グラフェン酸化物(GO)、マイクロチューブおよびフラーレンの1つまたは任意の組み合わせの形態のグラファイト状炭素でそれをコーティングして、より大きい微粒子を形成する。 剪断(sheer)下、これらの凝塊は、より小さい単位または脱離表面層に分解するが、高剪断(high−sheer)環境から除去すると再び凝塊形成すると考えられる。

    前記SGANまたは鉄含有架橋スチレンの磁気的性質は、それらを互いに、グラファイト状炭素に、ならびに潤滑組成物に懸濁された鉄含有表面および鉄含有粒子に引き付けさせる。 第二鉄SGANまたはより大きい凝集体が鋼摩擦面に近づくと、該粒子は、該表面に引き付けられ、潤滑を助けるのにも、該摩擦面のマイクロポリッシングを助けるのにも役立つだろう。 SGANの殻を支持するコアは、鋼部分をポリッシュするために要する力を与えるだろう。

    本開示SGANは、ナノダイヤモンドより優れたナノポリッシャである。 前記SGANのコアは、その殻に化学結合されていると考えられないので、その殻は、そのコアから独立して回転して、ナノボールベアリングとして動作することができると考えられる。 加えて、SGANの未結合殻は、ナノダイヤモンドより剛性が低く、それ故、衝撃力をより拡散できると考えられる。

    1つの実施形態では、上記の結晶質金属含有コアではなく、SGANは、芳香族炭素環含有コアを有し得る。 1つの実施形態において、前記芳香族環含有コアは、スチレン含有コアまたはスチレン誘導体含有コアであり得る。 1つの実施形態において、前記芳香族炭素環含有コアは、芳香族環含有両親媒性分子の自己組織化により潤滑組成物中、in situで形成することができる。 1つの実施形態において、前記芳香族含有両親媒性分子は、スチレンまたはスチレン誘導体両親媒性分子であり得る。 1つの実施形態において、前記自己組織化コアは、自己組織化すると前記分子を互いに化学的に架橋させる反応性の基を含有し得る。 1つの実施形態では、フラーレン殻が前記自己組織化コアの周囲に形成して、ナノポリッシング剤を形成するような上記SGANに類似したナノ粒子を形成することができる。

    試験した添加剤に加えて、多くの他のクラスの添加剤を潤滑組成物において使用して同様の結果を達成することができる。 前記添加剤は、芳香族であってもよいし、または非芳香族であってもよい少なくとも1つの環式環と、その環から伸びる少なくとも1つの官能基、またはその環から伸びる鎖から伸びる少なくとも1つの官能基とを有する構造を好ましくは有する。 1つの実施形態において、前記構造は、縮合環を含む。 前記添加剤は、好ましくは、炭素および水素に加えて少なくとも1個の酸素原子を含む構造を有する。 1つの実施形態では、他のヘテロ原子が前記化学構造内に存在することがあるが、それらは、所望の結果を達成するために必要でないことがあり、嫌われることがある。

    1つの実施形態では、前記添加剤を前記潤滑組成物に溶解する。 1つの実施形態において、前記添加剤は、前記潤滑剤と混和性である液体である。 1つの実施形態において、前記添加剤は、微粒子を含む。 従来のエンジン油フィルタは、≒40μmより大きいサイズの実質的にすべての粒子、≒20μmのサイズの粒子の約半分、および≒10μmのサイズの粒子の約10〜20%を見つけ出すように設計されているので、エンジン油への粒子状添加剤は、好ましくは、油フィルタの目詰まりを防止するために≒10μm未満の平均粒径を有する。 1つの実施形態において、前記粒子の実質的にすべてが≒10μm未満のサイズを有する。 1つの実施形態において、前記粒子状添加剤は、≒5μm未満の平均粒径を有する。 1つの実施形態において、前記粒子の実質的にすべてが≒5μm未満のサイズを有する。 1つの実施形態において、前記粒子状添加剤は、≒1μm未満の平均粒径を有する。 1つの実施形態において、前記粒子の実質的にすべてが≒1μm未満のサイズを有する。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、粉糖(スクロース)を含む。 粉糖は、様々な微粉度で市販されており、一般にベーキングに使用される。 6X粉糖は、≒200μm未満の平均粒径を有する。 10X粉糖は、≒150μm未満の平均粒径を有する。 フォンダンシュガーは、≒50μm未満の平均粒径を有する粉糖である。 市販のフォンダンシュガーとしては、「Celebration」(British Sugar、英国、ピーターバラ)、≒11μmの平均粒径を有する極微細な砂糖、「Silk Sugar」(British Sugar、英国、ピーターバラ)、≒8μmの平均粒径を有する超微細な砂糖、および≒5〜7μmの平均粒径を有するC&H Baker's Drivert(C&H Sugar Company,Inc., 米国、カリフォルニア州、クロケット)が挙げられる。

    1つの実施形態において、前記粉糖は、≒5μm未満の平均粒径を有する。 1つの実施形態において、前記粒子の実質的にすべてが≒5μm未満のサイズを有する。 一部の実施形態において、前記粉糖は、≒1μm未満の平均粒径を有する。 1つの実施形態において、前記粒子の実質的にすべてが≒1μm未満のサイズを有する。 1つの実施形態において、乾燥した環境で結晶スクロースを粉砕することにより、前記粉糖を所定の粒径にする。 1つの実施形態では、結晶を粉砕する公知の乾式マイクロミリング技術を用いて、前記粉糖をマイクロメートルからサブマイクロメートルの粒径に粉砕する。 1つの実施形態では、蒸発技術、例えば、溶解糖溶液の微小液滴からの溶剤の蒸発、または溶解糖溶液の凍結乾燥(フリーズ・ドライ)によって、前記粉糖を所定の粒径にする。

    1つの実施形態では、糖、好ましくは微粉状またはナノ粉末状スクロースを、潤滑組成物が動作中のエンジンを潤滑しているときのグラファイト状炭素のin situ形成のための炭素源として役立つように、従来の潤滑流体に添加する。 1つの実施形態では、糖のみを従来のベース潤滑剤に添加する。 1つの実施形態では、糖およびMarvel Mystery Oil(オリジナル配合、Turtle Wax,Inc., 米国、イリノイ州、ウェストモント、ナフテン系炭化水素およびテルペン源)を従来のベース潤滑剤に添加する。 1つの実施形態では、糖および鉱油を従来のベース潤滑剤に添加する。 1つの実施形態では、ベース潤滑剤への添加前に糖を相溶性にするために糖を油性界面活性剤と併せる、(Hiteshkumarら、「Self−assembly in sugar−oil complex glasses」、Nature Materials、6、287−290頁、2007を参照されたし)。 1つの実施形態において、前記糖の相溶性化は、その糖がゲルまたは固体として被潤滑システム内のフィルタを詰まらせるのを防止する。 1つの実施形態において、前記油性界面活性剤は、テルペンである。 1つの実施形態において、前記テルペンは、リモネンである。 1つの実施形態では、前記糖と油性界面活性剤を約1:1未満の比で併せる。 1つの実施形態において、前記糖−油性界面活性剤混合物は、潤滑流体に添加する時点で液体状態である。 1つの実施形態において前記糖は、糖両親媒性物質である。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、ピラノース、フラノース、環式カルボマー、またはベンゼノイド(Katritzkyら、「Aqueous High−Temperature Chemistry of Carbo− and Heterocycles. 20. 1 Reactions of some Benzenoid Hydrocarbons and Oxygen−Containing Derivatives in Supercritical Water at 460℃」、Energy & Fuels、第8巻、487−497頁、1994参照)を含み、該ベンゼノイドとしては、酸素含有ベンゼノイドが挙げられるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、スクロース以外の糖を含む。 1つの実施形態において、前記糖は、糖蜜もしくは代用糖蜜を含み、該糖蜜または代用糖蜜は、サトウモロコシ、テンサイ糖蜜、ザクロ糖蜜、桑糖蜜、イナゴマメ糖蜜、ナツメヤシ糖蜜、ブドウ糖蜜、廃糖蜜、黒糖蜜、蜂蜜、メープルシロップもしくはコーンシロップ(高果糖コーンシロップを含むが、これに限定されない)を含み得るが、これらに限定されない。 一部の実施形態において、前記糖は転化糖を含み、該転化糖は転化液糖を含み得るが、これに限定されない。

    1つの実施形態において、前記糖はデオキシ糖を含み、該デオキシ糖は、デオキシリボース、フコースまたはラムノースを含み得るが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記糖は単糖類を含み、該単糖類は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロースまたはリボースを含み得るが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記糖は二糖類を含み、該二糖類は、スクロース、ラクツロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオースまたはソホロースを含み得るが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記糖は多糖類を含み、該多糖類は、デンプン、グリコーゲン、アラビノキシラン、セルロース、キチンまたはペクチンを含み得るが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は糖アルコールを含み、該糖アルコールとしては、エリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、イジトール、イソマルト、マルチトールまたはラクチトールを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は代用糖を含み、該代用糖としては、ステビア、アスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、アセスルファムカリウムまたはサッカリンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は糖誘導体を含み、該糖誘導体としては、ソホリトール、フェノール配糖体、ステビオール配糖体、サポニン、配糖体、グルコシドまたはアミグダリンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はシクロメチコンを含み、該シクロメチコンは、フェニルトリメチコンまたはシクロペンタシロキサンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はステロイドを含む、該ステロイドとしては、サポゲニンまたはジオスゲニンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はシンナマートを含み、該シンナマートとしては、桂皮酸メチルまたはエチルを挙げることができるが、これらに限定されない。 1つの実施形態において、前記添加剤は、桂皮酸を含む。 1つの実施形態において、前記添加剤は、桂皮油を含む。

    1つの実施形態において、前記添加剤はフェニルプロパノイド(phenylphopanoid)を含み、該フェニルプロパノイド(phenylphopanoid)としては、桂皮酸、クマル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、5−ヒドロキシフェルラ酸、シナピン酸、シンナムアルデヒド、ウンベリフェロン、レスベラトロール、モノリグノール(これは、コニフェリルアルコール、クマリルアルコール、もしくはシナピルアルコールを含み得るが、これらに限定されない)、またはフェニルプロペン(これは、エンゲノール、カビコール、サフロール、もしくはエストラゴールを含むが、これらに限定されない)を挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はベンゾアートを含み、該ベンゾアートとしては、安息香酸第二鉄、安息香酸ベンジル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸フェニル、安息香酸シクロヘキサノール、2−フェニルベンゾアート、ペンタエリスリトルテトラベンゾアート、安息香酸ナトリウムまたは安息香酸カリウムを挙げることができるが、これらに限定されない。 1つの実施形態において、前記添加剤は、安息香酸を含む。 一部の実施形態において、前記添加剤は、アミノ安息香酸を含む。 1つの実施形態において、前記添加剤は、2−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルを含む。 1つの実施形態において、前記添加剤は、ユビキノンを含む。

    1つの実施形態において、前記添加剤はカルボキシラートを含み、該カルボキシラートとしては、トリメチルcis,cis−1,3,5−シクロヘキサントリカルボキシラートが挙げられるが、これに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はベンゾピランを含み、該ベンゾピランとしては、クロメン、イソクロメン、または置換ベンゾピランを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、天然に存在するフラボンまたは合成フラボンを含み、該フラボンとしては、フラバン−3−オールまたはフラバノンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はサリチラートを含み、該サリチラートとしては、サリチル酸第二鉄、メチル、エチル、ブチル、シンナミル、シクロヘキシル、エチルヘキシル、ヘプチル、イソアミル、オクチル、ベンジル、フェニル、p−クレゾール、o−クレゾール、m−クレゾールまたはナトリウムを挙げることができるが、これらに限定されない。 1つの実施形態において、前記添加剤は、サリチル酸を含む。 1つの実施形態において、前記添加剤は、アミノサリチル酸を含む。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、酸化防止剤を含む。 1つの実施形態において前記酸化防止剤は、環式酸化防止剤である。 1つの実施形態において、前記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤であり、該フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−terti−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−1−ブチルフェノール、2,6−ジ−シクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−オクタデシル−メチルフェノール、2,4,6−トリ−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミル−ヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,2'−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2'−メチレン−ビス−[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2'−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2'−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2'−エチリデン−ビス−(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、4,4'−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4'−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタン、2,6−ジ−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタン、および任意の天然に存在する植物由来フェノール系酸化防止剤を挙げることができるが、これらに限定されず、前記天然に存在する植物由来フェノール系酸化防止剤としては、アスコルビン酸、トコフェロール、トコトリエノール、ロスマリン酸(rosemarinic acid)、および他のフェノール酸およびフラボノイド、例えばブドウ、ベリー、オリーブ、大豆、茶葉、ローズマリー、バジル、オレガノ、シナモン、クミンおよびターメリックにおいて見つけられるものなどを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、4−ビニルフェノール、アントシアニジンまたはクロメニリウムを含む。

    1つの実施形態において、前記添加剤は環式アミノ酸を含み、該環式アミノ酸としては、フェニルアラニン、トリプトファンまたはチロシンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はシクロヘキサン誘導体を含み、該シクロヘキサン誘導体としては、1,3−シクロヘキサジエンまたは1,4−シクロヘキサジエンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はベンゼン誘導体を含み、該ベンゼン誘導体としては、ポリフェノール、ベンズアルデヒド、ベンゾトリアゾール、ベンジル1−ナフチルカルボナート、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、スチレン、ベンゾニトリル、フェノール、無水フタル酸、フタル酸、テレフタル酸、p−トルイル酸、安息香酸、アミノ安息香酸、ベンジルクロリド、イソインドール、エチルフタリルエチルグリコラート、N−フェニルベンズアミン、メトキシベンゾキノン、ベンジルアセトン、ベンジリデンアセトン、ヘキシルシンナムアルデヒド、4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン、3−アミノフェノール、またはバニリンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記ベンゼン誘導体添加剤は、ベンゼンジオールを含み、該ベンゼンジオールとしては、1,2−ジヒドロキシベンゼン(カテコール)、1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、または1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)を挙げることができる。

    1つの実施形態において、前記添加剤はナフトアートを含み、該ナフトアートとしては、2−メトキシ−1−ナフトエ酸メチルまたは3−メトキシ−2−ナフトエ酸メチルが挙げられるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はアクリラートを含み、該アクリラートとしては、2−プロピルアクリル酸ベンジルまたはメタクリル酸2−ナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はフタラートを含み、該フタラートとしては、フタル酸ジアリルが挙げられるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はスクシナートを含み、該スクシナートとしては、コハク酸ビス(2−カルボキシフェニル)が挙げられるが、これに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はカルパートを含み、該カルパートとしては、O−メチルポドカルピン酸メチルが挙げられるが、これに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は蛍光体を含み、該蛍光体としては、フルオレセイン、イソチオシアナート、ローダミン、フタロシアニンまたは銅フタロシアニンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は医薬を含み、該医薬としては、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、イブプロフェンまたはベンゾジアゼピンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤はホスファートを含み、該ホスファートとしては、リン酸クレシルジフェニル、リン酸ジクレシル、リン酸トリオルトクレシル、リン酸トリクレシル、リン酸パラクレシル、リン酸オルトクレシルまたはリン酸メタクレシルを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、エンジンまたは機械システムの動作条件の熱のもとで上述の添加剤のうちの1つ以上に減成することができる化合物、例えば、一定のテルペンまたは一定の天然芳香族もしくは非芳香族環式エステル、ケトンもしくはアルデヒドを含み、それらとしては、サリチル酸メチル(ウインターグリーン油)、シナモン葉/樹皮油(シンナムアルデヒド)、リモネン(ジペンテン)、ピネンおよびカンフェンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、糖または代用糖両親媒性物質をはじめとする市販の可食個人用/性交用潤滑組成物を含む。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、市販紫外線日焼け止め製剤を含み、該紫外線日焼け止め製剤としては、メトキシ桂皮酸オクチル(オクチノキサート(oxctinoxate))、ブチル−メトキシジベンゾイルメタン(B−MDM、Avobenzone)、オクチル−ジメチル−パラ−アミノ安息香酸(OD−PABA)、オクトクリレン、オキシベンゾン、安息香酸アルキル、ジエチルヘキシル2,6−ナフタレート、フェノキシ−エタノール、ホモサラート、エチルヘキシルトリアゾン、4−メチル−ベンジリデンカンファー(4−MBC)、またはポリソルベートを挙げることができる。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、市販のスキンクリーム製剤を含み、該スキンクリーム製剤としては、カルボマー、アスコルビン酸パルミタート、トコフェリルアセタート、ケトコナゾールまたは鉱油を挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、市販のハンドサニタイザー製剤を含み、該ハンドサニタイザー製剤としては、カルボマー、トコフェリルアセタートまたはプロピレングリコールを挙げることができる。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、市販のヒトまたは動物用ヘアケア製品を含み、該ヘアケア製品としては、ベンゾフェノン、安息香酸アルキル、フェノキシエタノール、ソルビタンオレアート、スチレンコポリマー、プロピレングリコール、ヒドロキシイソヘキシル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、ブチルヒドロキシトルエン、ケトコナゾール、ワセリン、鉱油または流動パラフィンを挙げることができる。

    1つの実施形態において、前記市販のヘアケア製品は、カール・アクティベーティングまたはリラクシング溶液を含み、該溶液は、カルボマー、ヘキシルシンナマル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸トロラミン、安息香酸ベンジル、リモネン、オイゲノール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(DMDMヒダントイン)、パラ−アミノ安息香酸(PABA)、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Padimate O)、ブチルフェニルメチルプロピオナール、プロピルパラベン、フェノールスルホンフタレイン(PSP、フェノールレッド)、またはポリソルベートを含み得る。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、市販の毛染め製剤を含み、該毛染め製剤としては、水和酸化鉄(Fe(OH) 3 )、パラ−フェニレンジアミン、オルト−、メタ−もしくはパラ−アミノフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン、トリデセス−2カルボキサミドMEA、フェニルメチルピラゾロン、フェノキシエタノール、ポリクオタニウム、ヘキシルシンナマル、ブチルフェニルメチルプロピオナール、フェノールスルホンフタレイン(PSP、フェノールレッド)、ヒドロキシイソヘキシル3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、二酸化チタン、または酸化鉄が挙げられる。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、市販の有害生物駆除剤を含み、該有害生物駆除剤としては、オルト−フェニルフェノール(OPP)、フェニルヒドロキノン(PHQ)またはフェニルベンゾキノン(PBQ)を挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、二次元構造を含み、該二次元構造としては、リグニン、グラフェン、またはグラフェン酸化物を挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、炭素形態を含み、該炭素形態としては、泥炭、亜炭、歴青炭、亜歴青炭、微粉炭、ナノ石炭、ボイラー用炭、燭炭、無煙炭、木炭、カーボンブラック、活性炭、黒液、グラファイト、グラフェン、グラフェン酸化物または糖炭を挙げることができるが、これらに限定されない。 1つの実施形態において、前記炭素形態は、潤滑組成物において伝熱剤として役立つ。

    1つの実施形態において、前記炭素形態は、ナノパウダーを含む。 1つの実施形態において、前記炭素形態は、増された表面積を有する。 1つの実施形態において、前記炭素形態は、ナノ活性炭を含む。 前記ナノ活性炭は、従来の活性炭からナノ粒子サイズに粉砕された活性炭の粒子を含み得る。 任意の従来の方法を用いて前記活性炭を粉砕して、ナノメートルサイズの粒子を生成することができる。 1つの実施形態では、固体を粉砕する公知の湿式または乾式ナノミリング技術を用いて、前記活性炭をサブマイクロメートル粒径に粉砕する。 1つの実施形態において、前記ナノ活性炭は、≒100nm未満の平均粒径を有する。 1つの実施形態において、前記粒子の実質的にすべてが≒100nm未満のサイズを有する。 一部の実施形態において、前記ナノ活性炭は、≒50nm未満の平均粒径を有する。 1つの実施形態において、前記粒子の実質的にすべてが≒50nm未満のサイズを有する。

    1つの実施形態において、前記炭素形態は、グラファイト状炭素を含む。 1つの実施形態において、前記グラファイト状炭素は、少なくとも1つのPAHを含み、該PAHとしては、ナフタレン、アセナフチレン、アセナフテン、フッ素、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、ピレン、ベンゾ[a]アントラセン、クリセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[e]ピレン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、ベンゾ[g,h,i]ピレン、インデノ[1,2,3−c,d]ピレン、テトラセン、コロネン、コラヌレン、ペンタセン、トリフェニレン、およびオバレンを挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記炭素形態は、熱水炭化プロセスのバイオ炭またはバイオ石炭生成物を含む。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、リン酸トリクレシル(TCP)が与えるのと同じ恩恵を潤滑系に与える。 TCPは、発癌性物質、およびエアロトクシック症候群における要因と考えられており、多くの潤滑系において徐々に削減されている。

    一部の実施形態において、前記添加剤は、高レベルのPAH汚染を伴う「汚れた」または精製不良形態の鉱油を含む。 工業生産される白色鉱油は極低レベルのPAHを含み、「USP」または「食品グレード」として鉱油を販売するためにはPAHを本質的に完全に除去しなければならない。 1つの実施形態では、これらのプロセスからの(最高濃度のPAHを有する)分離された廃鉱油を、未加工で直接、添加剤として使用する、または他の添加剤と併用する。 この廃棄物中の白色鉱油成分は、潤滑組成物において湿潤剤として役立ち、PAHは、SGANおよびSGAN含有マイクロスフェア凝塊の形成の際の伝熱剤およびグラファイト状炭素源として役立つ。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、相溶化剤を含む。 本明細書において用いる場合、相溶化剤は、潤滑剤または潤滑組成物への炭素源の分散を助長する化合物を指す。 一部の実施形態において、前記相溶化剤は、両親媒性物質である。 一部の実施形態において、前記相溶化剤は、界面活性剤を含む。 一部の実施形態において、前記相溶化剤は、液体を含む。 一部の実施形態において、前記相溶化剤は、ポリマーを含む。 一部の実施形態において、前記相溶化剤は、炭素源としても役立つ

    一部の実施形態において、前記相溶化剤は、糖両親媒性物質を含む。 糖両親媒性物質または糖様両親媒性物質は、親水性糖部分および疎水性部分を有する任意の分子であり得、それらとしては、Fenimore(「Interfacial Self−assembly of Sugar−based Amphiphiles:Solid− and Liquid−core Capsules」、University of Cincinnati Ph. D. 学位論文、2009年10月16日付け)Jadhavら(「Sugar−Derived Phase−Selective Molecular Gelators as Model Solidifiers for Oil Spills」、Angew. Chem. Int. Ed., 第49巻、7695−7698頁、2010)、Jungら(「Self−Assembling Structures of Long−Chain Sugar−Based Amphiphiles Influenced by the Introduction of Double Bonds」、Chem. Eur. J., 第11巻、5538−5544頁、2005)、Paletaら(「Novel amphiphilic fluoroalkylated derivatives of xylitol,D−glucose and D−galactose for medical applications:hemocompatibility and co−emulsifying properties」、Carbohydrate Research、第337巻、2411−2418頁、2002)、Germaneau(「Amphiphilic Sugar Metal Carbenes:From Fischer Type to N−Heterocyclic Carbenes (NHCs)」、Rheinische Friederich−Wilhems−Universitat Bonn Ph. D. 学位論文、2007)、およびYeら(「Synthesis of Sugar−Containing Amphiphiles for Liquid and Supercritical Carbon Dioxide」、Ind. Eng. Chem. Res., 第39巻、4564−4566頁、2000)によって記載されたものが挙げられるが、それらに限定されない。 糖両親媒性物質としては、ソホロ脂質(Zhangら、「Synthesis and interfacial properties of sophorolipid derivatives」、Colloids and Surfaces A:Physicochem. Eng. Aspects、第240巻、75−82頁、2004)、またはラムノ脂質(Christovaら、「Rhamnolipid Biosurfactants Produced by Renibacterium salmoninarum 27BN During Growth on n−Hexadecane」、Zeitschrift fur Naturforschung Teil C Biochemie Biophysik Biologie Virologie、第59巻、70−74頁、2004)も挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記相溶化剤は、非糖グラフェン促進両親媒性物質を含む。 グラフェン促進両親媒性物質は、親水性グラフェン促進部分および疎水性部分を有する任意の分子であり得、それらとしては、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、またはDow Chemical Company(米国、ミシガン州、ミッドランド)により商標TRITON(商標)もしくはTERGITOL(商標)で販売されているもの(TRITON(商標)XシリーズのオクチルフェノールエトキシラートおよびTERGITOL(商標)NPシリーズのノニルフェノールエトキシラートを含むが、これらに限定されない)を挙げることができるが、これらに限定されない。 一部の実施形態において、前記グラフェン促進両親媒性物質は、非イオン性両親媒性物質である。 グラフェン促進両親媒性物質は、モノステアリン酸グリセロールまたはノノキシフェノール(nonoxyphenol)界面活性剤も含み得るが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記相溶化剤は、ポリエチレングリコールを含む。

    1つの実施形態では、前記相溶化剤を粒子状添加剤と併用する。 1つの実施形態において、前記相溶化剤は、ベース潤滑剤への前記粒子状添加剤の可溶化を促進する。

    1つの実施形態において、前記添加剤は金属酸化物を含み、該金属酸化物は、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化ニッケル、酸化チタンおよび酸化鉛を含み得るが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、一定の形態の鉄を含む。 多くのジェット・エンジン・タービンなどの、一部の潤滑系は、その系中に鉄が本質的に殆どまたは全く存在しない。 炭素封入鉄粒子がin situで形成するが、本発明の潤滑組成物のナノポリッシング能力をもたらすと考えられる。 したがって、1つの実施形態では、前記潤滑流体に鉄含有添加剤を補足する。

    1つの実施形態において、前記鉄含有添加物は、酸化鉄を含む。 1つの実施形態において、前記酸化鉄は、BayFerrox(登録商標)酸化鉄粉顔料(Lanxess、ドイツ、ケルン)である。 1つの実施形態において、前記鉄含有添加物は、酸化鉄ナノパウダーを含む。 1つの実施形態において、前記鉄源は、鉄錯体分子を含む。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、環式鉄含有化合物を含む、該環式鉄含有化合物としては、(η 2 −trans−シクロオクテン) 2 Fe(CO) 3 ;(ベンジリデンアセトン)鉄トリカルボニル、鉄エンテロケリン、トリカルボニルビス[(1,2−h)−シクロオクテン(cycloctene)]−鉄、鉄(4+)シクロオクタン−1,2−ジイド−一酸化炭素、鉄酸ナトリウム(1−);ビス(3−(4,5−ジヒドロ−4−((2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アゾ)−3−メチル−5−オキソ−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼン−1−スルホンアミダト(2−))鉄酸ナトリウム(1−);フェリチン;(シクロ−1,3−C 4 H 8 −S 2 )Fe(CO) 4 ;鉄2,4−ジニトロベンゼン−1,3−ジオール;鉄フタロシアニン;フェロセン;安息香酸第二鉄;サリチル酸第二鉄;環式鉄酸塩;� �たはコハク酸鉄タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、非環式鉄含有化合物を含み該非環式鉄含有化合物としては、ノナカルボニル二鉄、ペンタカルボニル鉄、非環式鉄酸塩、液体鉄、シュウ酸鉄、水和酸化鉄(Fe(OH) 3 )、または鉄含有栄養補助食品が挙げられるが、これらに限定されない。 1つの実施形態において、前記鉄含有栄養補助食品は、カルボニル鉄である。 1つの実施形態において、前記鉄含有錯体は、カテコラート・鉄錯体である。

    1つの実施形態において、前記添加剤はシデロホアを含み、該シデロホアとしては、2,3−ジヒドロキシ安息香酸(2,3'−DHB)、N,N',N''−((3S,7S,11S)−2,6,10−トリオキソ−1,5,9−トリオキサシクロドデカン−3,7,11−トリイル)トリス(2,3−ジヒドロキシベンズアミド)(エンテロバクチン(enerobactin))、または2,4−ジヒドロキシ安息香酸(2,4'−DHB)を挙げることができるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は駆虫剤を含み、該駆虫剤としては、2−デオキシ−パラヘルクアミド(PHQ)が挙げられるが、これに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は芳香族アミノ酸前駆体を含み、該芳香族アミノ酸前駆体としては、(3R,4R)−3−[(1−カルボキシビニル)オキシ]−4−ヒドロキシシクロヘキサ−1,5−ジエン−1−カルボン酸(コリスミ酸)が挙げられるがこれに限定されない。

    1つの実施形態、前記添加剤は、鉄を封鎖することができる分子を含み、該分子としては、エチレンジアミン四酢酸、2−アミノフェノール(Pulgarinら、「Iron Oxide−Mediated Degradation,Photodegradation,and Biodegradation of Aminophenols」、Langmuir、第11巻、519−526頁、1995およびAndreozziら、「Iron(III) (hydr)oxide−mediated photooxidation of 2−aminophenol in aqueous solution:a kinetic study」、Water Research、第37巻、3682−3688頁、2003参照)、またはテトラフェニルオキソ−メタロポルフィリンが挙げられるが、これらに限定されない。

    1つの実施形態において、前記添加剤は、前記潤滑組成物中でin situで形成されたグラファイト状炭素を含有するナノ粒子または微粒子の成核コア(nucleating core)として役立つことを意図したナノダイヤモンドを含む。

    SGANおよびSGAN含有凝塊のex situ熱分解合成を非潤滑用途でのかかる分子の使用にも適応させる。 1つの実施形態において、前記粒子または凝塊を、材料の表面に、該材料を強化するためのまたは該材料の熱遮蔽もしくは熱吸収を増すためのコーティングとして塗布することができる。 1つの実施形態において、前記コーティングは、サーマルコーティング、ドリルコーティング、またはトーチ・レジスタント・コーティング(torch−resistant coating)である。 1つの実施形態において、前記材料は弾道発射体であり、該弾道発射体としては、弾丸およびミサイルを挙げることができるが、これらに限定されない。 1つの実施形態において、前記材料は対弾道装置であり、該対弾道装置としては、戦車装甲または防具が挙げられるがこれらに限定されず、該防具としては、防弾チョッキまたは板が挙げられるが、これらに限定されない。 1つの実施形態において、前記材料は工具であり得、該工具としては、切削ビット、トンネル掘削用具、研磨ポリッシュ、紙やすりまたは中ぐり用具が挙げられるが、これらに限定されない。 1つの実施形態において、熱遮蔽体、例えば、宇宙船用の再突入熱遮蔽板、ノーズコーンまたはロケット・エンジン・コーンであり得る。 1つの実施形態では、前記粒子または凝塊を一定の材料と併用して、そのベース材料より大きい強度またはより大きい熱遮蔽もしくは熱吸収特性を有する複合材料を形成することができる。 一部の実施形態において、前記材料は、タイヤ、耐火材料、消防器具、または消防服であり得る。

    1つの実施形態において、本発明の前記SGANまたはSGANコーティング凝塊を電気化学システムにおいて使用することができる。 1つの実施形態において、本発明の前記SGANまたはSGANコーティング凝塊を、電荷を保持するためのナノバッテリーとして使用することができる。

    試験結果 エンジン動作条件下でグラファイト状炭素形成を促進すると予想される構造を有する犠牲炭素源を含めて幾つかの潤滑組成物を一連のモータースクーターまたは電動機付きダートバイクにおいて試験した。 これらの試験は、小型内燃機関、変化を測定するために外付けダイナモメータを用いずとも摩擦低減の改善が機械または運転者にとって十分明白であるようなサイズおよび較正のエンジン、の効力を試験するために行った。

    試験7
    調子の悪い8,850マイル1999 Honda Elite 80(CH80モデル)(Honda de Mexico,SA de CV, メキシコ、ハリスコ州、グアダハラ)モータースクーターの従来のValvoline(登録商標)(Ashland Inc., 米国、ケンタッキー州、レキシントン)10W−40モーター油を本発明の潤滑組成物と交換した。 潤滑組成物の添加前、モータースクーターのエンジンは、殆どアイドリングを維持しなかただろう。 試験した時、スクーターは開始しただろうが、その後直ぐにエンストしただろう。 モータースクーターが動作したとき、その最高表示値は、おおよそ30マイル毎時であった。

    試験した潤滑組成物は、Motul(フランス、オベルヴィリエ)5100 10W−40半合成モーター油に混ぜ込まれたWalgreens(米国、イリノイ州、ディアフィールド)Intestinal Lubricant(USP鉱油)と混合されたWhole Foods Market(米国、テキサス州、オースティン)Organic Powdered Sugar(粉末スクロースおよびタピオカ)を数百ミリグラム含んだ。 それらの潤滑組成物は、溶液に懸濁された多量の糖の存在のため、不透明な外観を有した。

    モータースクーターに潤滑組成物を添加し次第、エンジンを開始して、アイドリングを維持した。 その後直ぐに、そのモータースクーターを性能評価試乗に用いた。 前記潤滑組成物は、モータースクーター最高速度を30から35MPH表示速度にほぼ即座に上昇させることが判明した。 エンジン音の明瞭な違いも認められ、前記潤滑組成物を使用したほうがはるかに滑らかで静かなエンジン音であった。 試乗後、その潤滑組成物をエンジンから排出し、このときのその油において特徴的なエポキシ様臭気が認められた。 この特徴的エポキシ様の香りは、潤滑組成物中の一部の残存糖分子の不完全熱分解から形成された、その油中のエポキシ型前駆体化合物の存在を示すと予想した、そしてそれを示すと考えている。

    試験8
    同じ1999 Honda Elite 80モータースクーター(Honda de Mexico,SA de CV, メキシコ、ハリスコ州、グアダハラ)において試験したもう1つの潤滑組成物は、数ミリリットルのCitraSolv(登録商標)(米国、コネチカット州、ダンベリー)天然クリーナーおよびデグリーサー(d−リモネン源)中のSweet'n Low(登録商標)(Cumberland Packing Corp., 米国、ニューヨーク州、ブルックリン)ゼロカロリー甘味料(デキストロース、サッカリン、 酒石英、ケイ酸カルシウム)の1個の個別サービングパケット(1グラム)であって、それを後にValvoline(登録商標)(Ashland Inc., 米国、ケンタッキー州、レキシントン)10W−40従来のモーター油と併せたものから成った。

    モータースクーターは、サッカリン含有潤滑組成物を用いて、上記の糖含有潤滑組成物と同様に動作した。 試験後、この潤滑組成物をモータースクーターから排出し、目に見える粒子は殆ど認められなかった。 排出された油は、リモネン含有CitraSolv(登録商標)クリーナーおよびデグリーサーからの強いシトラス臭を除けば平凡なものであった。

    試験9
    さらにもう1つの潤滑組成物を同じ1999 Honda Elite 80(モデルCH80)(Honda de Mexico, SA de CV, メキシコ、ハリスコ州、グアダハラ)において試験し、この潤滑組成物は、Valvoline(登録商標)(Ashland Inc., 米国、ケンタッキー州、レキシントン)10W−40従来のモーター油へ添加剤としての活性炭と混合された、Whole Foods Market(米国、テキサス州、オースティン)Organic Powdered Sugar(粉末スクロースおよびタピオカ)を含んだ。

    Valvoline(登録商標)モーター油の材料安全性データシートによると、この油は、204℃(399.2°F)の報告引火点および299℃(570.2°F)の報告沸点を有する。 空冷式エンジンシリンダヘッドの通常動作温度は、≒80℃(176°F)であると測定された。

    試験中、エンジンカウリングを、冷却ファンからシリンダヘッドへのすべての空気流を完全に遮断するように修正した。 これは、エンジンが走行するにつれて、シリンダヘッド周囲の空気が捕捉され、加熱し始めることを意味する。 レーザーで狙いを定めてCen−Tech(Zhangzhou Eastern Intelligent Meter Co. Ltd., 中国、福建省、ショウ州)96451非接触型赤外線温度計によりシリンダヘッドの上昇温度をモニターした。

    シリンダヘッドがおおよそ225℃(437°F)の測定温度に達するまでこの温度でエンジンを走行させた。 この温度ポイントで、クランクケースブリーザ弁から渦巻く煙が観察され、エンジンの周りのプラスチックカウリングが溶解し始めるのが見えた。 この状態でおよびこの温度での間に、エンジンを再びWOT(全開スロットル)で走行させ、エンジンは、焼き付くことなく走行し続けた。 その少し後に、エンジンを切り、放置して冷却した。 その後、数マイル、そのモータースクーターに乗り、その間、完璧に円滑に走行するのが観察され、性能低下は認められなかった。

    試験10
    もう1つの潤滑組成物では、≒200mLのWhole Foods Market,LP(米国、テキサス州、オースティン)杏仁油(アミグダリン源)を≒500mLのValvoline(登録商標)(Ashland Inc., 米国、ケンタッキー州、レキシントン)10W−40従来のモーター油と併用した。 この潤滑組成物を125マイル2011 JMStar(Shanghai JMStar Motorcycle Co.,Ltd., 中国、上海)150立方センチメートル排気量GY6型エンジンモータースクーターに入れた。

    このモータースクーターの表示最高速度の測定増加は、評価試乗中に認めることができなかったが、この潤滑油を使用すると、従来の油のみを用いるより質的に良好で滑らかなエンジン音がした。

    試験11
    もう1つの潤滑組成物では、数オンスのRoddenberry's Cane Patch Invert Sugar Cane Syrup(Bay Valley Foods,LLC、米国、ウィスコンシン州、グリーンベイ)および≒100mLのMarvel(登録商標)Mystery Oil(Turtle Wax,Inc., 米国、イリノイ州、ウェストモント)をValvoline(登録商標)(Ashland Inc., 米国、ケンタッキー州、レキシントン)10W−40従来のモーター油と併用した。 この潤滑組成物をBaja Motor Sports(米国、アリゾナ州、フェニックス)Dirt Runner 125立方センチメートル排気量電動機付きダートバイクに入れた。

    試験前、このダートバイクは、走ったが、特に良好ではなかった。 前記潤滑組成物をそのエンジンに添加すると、エンジンは、従来の潤滑油でより質的に良好な音を発して円滑に走行した。 性能評価試験の終わりに油をダートバイクのエンジンから排出し、そして潤滑油中のフェノール系樹脂/エポキシ前駆体の存在を示す予測された特徴的エポキシ様臭気がまた認められた。

    試験12
    もう1つの潤滑組成物では、おおよそ50mLのSpectrum(登録商標)USPグレード安息香酸ベンジル(Spectrum Chemical Mfg. Corp., 米国、ニュージャージー州、ニューブランズウィック)を50mLの5W−30 G−Oil(登録商標)(Green Earth Technologies、米国、フロリダ州、セレブレーション)最終生分解性グリーンモーターオイル、従来の獣脂系モーター油と併用した。 おおよそ100mLの潤滑組成物を125マイル2011 JMStar(Shanghai JMStar Motorcycle Co.,Ltd., 中国、上海)150立方センチメートル排気量GY6型エンジンモータースクーターにおける既存エンジン油に添加した。 この潤滑組成物は、質的に、試験したすべての潤滑組成物のうち最もよく機能するようであった。

    エンジンノイズの有意な変化が潤滑組成物の添加後に観察され、その最大エンジンRPMがおおよそ10,000RPMから11,000RPMへと1000RPM増加したことが、後に認められた。

    試験13
    もう1つの潤滑組成物では、おおよそ20滴のAura Cacia Organic Cinnamon Leaf Oil(Frontier Natural Products Co−Op、米国、アイオワ州、ノルウェー、桂皮酸メチル源)およびおおよそ10mLのWalgreens(米国、イリノイ州、ディアフィールド)Intestinal Lubricant(USP鉱油)を≒200mLのGreen 5W−30 G−Oil(登録商標)(Green Earth Technologies、米国、フロリダ州、セレブレーション)最終生分解性グリーンモーターオイルと併用した。 この潤滑組成物をBaja Motor Sports(米国、アリゾナ州、フェニックス)Dirt Runner 125立方センチメートル排気量電動機付きダートバイクに入れた。 この潤滑組成物は、安息香酸ベンジルを含む前の潤滑組成物と同様に機能したが、動作中に刺激性のシナモンのような香りが認められた。

    試験14
    もう1つの潤滑組成物では、Spectrum(登録商標)USPグレード安息香酸ベンジル(Spectrum Chemical Manufacturing Corp., 米国、ニュージャージー州、ニューブランズウィック)と、Walgreens(米国、イリノイ州、ディアフィールド)Intestinal Lubricant(USP鉱油))と、Lucas Automatic Transmission Fluid Conditioner(Lucas Oil Products,Inc., 米国、カリフォルニア州、コロナ、酸化防止剤源)のおおよそ100mLの混合物を、改良されたトランスミッションおよび排気システムを備えている新型(2マイル)2011 50 ccエンジン・スクーター、モデルGMW−M2(Taizhou Zhongneng Motorcycle Company, Ltd., 中国、泰州)のエンジン用ベース潤滑剤に添加した。 エンジンの馬力のほぼ即時の増加が認められ、スクーターの最高速度は、ほぼ即座に33から39MPHに増加した。 これは18%の増加を示す。

    試験15
    もう1つの潤滑組成物では、Marvel Mystery Oil(オリジナル配合、Turtle Wax, Inc., 米国、イリノイ州、ウェストモント)と、Lucas Synthetic Oil Stabilizer(Lucas Oil Products,Inc., 米国、カリフォルニア州、コロナ)と、Lucas Automatic Transmission Fluid Conditioner(Lucas Oil Products,Inc., 米国、カリフォルニア州、コロナ)と、zMAX(登録商標)(Oil−Chem Research Corporation、米国、イリノイ州、ベッドフォードパーク)とを、約60:17:70:30の体積比で含む約1クウォートの混合物と混合された3クウォートのZDDP含有ハイグレード合成モーターサイクル油を含む配合物を、1000ccエンジンを備えている1999 Yamaha R1(ヤマハ発動機株式会社(Yamaha Motor Co.,Ltd.)、日本、磐田)試験モーターサイクルにおいて、既存のモーター油の代わりに使用した。 Dynojet 250iダイナモメータ(Dynojet Research Inc., 米国、ネバダ州、ラスベガス)を使用してこの配合物でのエンジン性能試験を行って、試験モーターサイクルの後輪における動力およびトルク出力を油交換の10分後および重ねて油交換の1週間後の両方に測定した。 これらの2つの試験走行のダイナモメータ試験結果の要約を表2(a)および表2(b)に示す:

    表2(a)から分かるように、別の市販ハイグレード・モーターサイクル・モーター油を使用してそのモーターサイクルで前に測定された馬力およびトルクと比較して約1馬力のおよび約1ft−lbのトルクの出力増加が10分試験で観察された。 この新規潤滑組成物の効果は、7日の使用後にはさらにいっそう劇的であった。 後続の1週間試験では、10分試験値に対して3%から4%の登録馬力およびトルク出力のさらなる増加が観察された。 具体的には、登録馬力は、試験した全エンジン速度範囲(4500RPMから約11,000RPM)にわたって約3から5HP増加した。 表2(b)から分かるように、後続の1週間試験中に7500RPMで測定された107. 90の馬力出力と比較して、10分試験中に7500RPMで102. 96の馬力出力が測定された。 最大トルクは、10分試験から1週間試験に、約74.04から約75.3ft−lbsに増加した。

    試験16
    もう1つの潤滑組成物では、Marvel Mystery Oil(オリジナル配合、Turtle Wax,Inc., 米国、イリノイ州、ウェストモント)と、Lucas Synthetic Oil Stabilizer(Lucas Oil Products,Inc., 米国、カリフォルニア州、コロナ)と、Lucas Automatic Transmission Fluid Conditioner(Lucas Oil Products,Inc., 米国、カリフォルニア州、コロナ)と、zMAX(登録商標)微小潤滑剤(Oil−Chem Research Corporation、米国、イリノイ州、ベッドフォードパーク)の約12:3:14:10:9の体積比での約3から約4オンスの混合物をMarvel Air Tool Oil(Turtle Wax, Inc., 米国、イリノイ州、ウェストモント)と併せ、その後、2006 Audi A4 2.0 liter Turbo(Audi AG、ドイツ、インゴルシュタット)試験自動車における既存エンジン潤滑剤に添加して、驚異的な性能および燃料節約結果を生じさせた。 この添加剤パッケージならびに同様の添加剤濃縮配合物を、車両の中に既に入っているモーター油に直接添加して、その既存のモーター油を交換する必要なくエンジン性能を向上させることができる。

    試験17
    もう1つの潤滑組成物では、Marvel Mystery Oil(オリジナル配合、Turtle Wax, Inc. 米国、イリノイ州、ウェストモント)と、Lucas Synthetic Oil Stabilizer(Lucas Oil Products,Inc., 米国、カリフォルニア州、コロナ)と、Lucas Automatic Transmission Fluid Conditioner(Lucas Oil Products,Inc., 米国、カリフォルニア州、コロナ)と、Marvel Air Tool Oil(Turtle Wax, Inc., 米国、イリノイ州、ウェストモント)の約12:3:14:16の体積比での約1クウォートの混合物を使用することにより、いずれの既存ベースモータ油またはその添加剤の性能にも影響を及ぼすことを意図したものでない濃縮添加剤パッケージを完成した。

    この濃縮添加剤パッケージを高品質、ZDDP不含、合成モーター油に添加し、2006 Audi A4 2.0 liter Turbo(Audi AG、ドイツ、インゴルシュタット)試験自動車に添加して、驚異的な性能および燃料節約結果を生じさせた。 この添加剤パッケージならびに同様の添加剤濃縮配合物を、車両の中に既に入っているモーター油に直接添加して、その既存のモーター油を交換する必要なくエンジン性能を向上させることができる。

    試験16および17についての潤滑組成物実験観察 続いて、Audi A4試験車両(Audi AG、ドイツ、インゴルシュタット)から金属エンジン要素を取り外し、非破壊科学分析に付した。 この場合、機械加工された鋼カムシャフト、カムフォロアおよびカムフォロア止め輪を、潤滑組成物の様々な具現物と共に150,000マイル使用した後、その試験車両から取り外した。 製造業者によると、これらの部品は、ステンレス鋼製である。 それらの結果は、以下のとおりである。

    前記エンジン要素の第一の科学分析は、NewView(商標)7300白色光光学的表面形状計測用干渉計(Zygo(登録商標)Corporation、米国、コネチカット州、ミッドフィールド)を使用する表面粗度分析であった。 取り外したカムフォロアの摩擦および非摩擦面を、干渉計を使用して評価し、比較した。 算術平均(R a )、山−谷(PV)、および二乗平均平方根(RMS)平均表面粗度を決定した。 結果および調査結果を図20、図21および表3に要約する。

    分かるように、本発明の配合物を使用して、表面平滑度のほぼ2桁の改善が達成された。 平均表面粗度(R a )は、少なくともR a =221.6nmの最小出発値からR a =3.44nmの平均最終値へと低減された。

    図20は、自動車の動作中にシリンダヘッドの壁と繰り返し密接させなかった非摩耗面が、上質の自動車におけるかかるエンジンに典型的である(平均自動車カムフォロア許容範囲R a =300から400nm)、221.6nmのR a値を有すると測定されたことを示す。 図20の左下象限におけるグラフ表示は、評価したカムフォロア切片についての近似的初期表面粗度測定値の推定値、すなわち、その試験自動車のエンジンに組み立てたときのその推定相対条件、と考えることができるものを示す。

    しかし、図21は、エンジンの動作中にシリンダヘッドの壁と定常的に摩擦接触していた摩耗面が、このエンジンの製造および組立時のカムフォロアの近似的および推定の原状態を示す非摩耗面の測定粗度よりほぼ2桁小さい3.44nmのR a値を有すると測定されたことを示す。 図20で観察された元の機械加工凹凸は、図21において観察された凹凸に対して縦向きになっており、これは、その摩耗面における元の機械加工凹凸が、ポリッシングプロセスで少なくとも一ヶ所は完全に除去されたことを示す。

    これらのデータは、カムフォロアの摩耗面が、エンジンの動作中にスーパーポリッシュされたことを示す。 0.4nmの表面粗度R a値に下げる石英ガラス、ケイ素および炭化ケイ素などの材料の表面のスーパーポリッシングは、高度に制御された研究室環境では可能であるが、ポリッシュされた金属面は、概して、数百ナノメートルの範囲内のはるかに高いR a値を有する。 Liuら(SIMTech Technical Reports、第8巻、第3号、142−148頁、7月−9月、2007)は、8.5nmの表面粗度R a値を有するステンレス鋼レンズ金型インサートを(研究室条件下で)製造できる二段階スーパーポリッシングプロセスを報告している。

    接触している2枚の金属片は、ポリッシング剤なしでは図21で観察される平滑度の表面を製造できないが、本発明の試験において達成された表面と同様に平滑な表面を製造することができる潤滑組成物中のポリッシング剤の決定を試みるためにそのカムフォロアの摩耗面をさらに試験した。 カムフォロアの摩耗面は、概して表面硬化鋼製であり、ナノ粒子ポリッシング剤(これらのうちの1つを本明細書ではSGANと呼ぶ)は、表面をポリッシュできるように、ポリッシュされる表面より硬質であると予想される。 図21における摩耗面の2次元表面トポロジーは、直径が1または2ナノメートルのサイズ範囲の多数の円形の形体を示す。

    Philips(登録商標)XLシリーズXL 30 ESEM−FEG(FEI(商標)Company、米国、オレゴン州、ヒルズバラ)を使用し、EDAX(登録商標)Genesis(商標)バージョン4.61ソフトウェア(AMATEK(登録商標)Inc., 米国、ニュージャージー州、マファ)およびScandium Imaging Platformを使用して、カムフォロアの止め輪からの非摩耗面を研究した。 前記止め輪の表面の得られた電子顕微鏡像を図22から41に示す。 4つの表面についてのエネルギー分散型X線分光分析(EDS)からの付随元素分析は、微量(<1原子%)のカリウムおよびクロムを示した図22を除き、図22から25における試料採取した黒枠内の領域について、それぞれ表4(a)に示す重量百分率(重量%)および原子百分率(原子%)で炭素、酸素および鉄のみを示した。 これらの画像は、≒2〜3マイクロメートルの範囲の直径を有する、非摩耗面上の球状体構造を示す。

    図26から37は、カムフォロア止め輪表面の追加のSEM像を示す。 図29から37において、図中の長さの縮尺「Mm」は、実際にはマイクロメートルでのものである。 潤滑プロセス中に、これらのより大きな構造は、より小さいナノ構造へと分解される。

    図22から25からの試料採取領域は、炭素、酸素および鉄の様々な比率を示したので、後続の実験を実行して、同じ構造の異なる領域から試料を採取して、構造が均質であるかどうかを判定した。 図38A〜C、図39A〜G、および図40A〜Cは、試料採取領域である黒枠内の領域に関する構造を示す。

    図38A、38B、および38Cは、直径が≒2マイクロメートルである単一の大きな球状体からの3つの異なる試料採取領域を示す。 表4(b)に示したように、炭素、酸素および鉄のみが検出された。 図38Aでは表面の大部分についての平均をとったが、図38Bでは、表面のより小さい部分を試料採取して、同様の結果を得た。 最後に、図38Cに示すように球状体の底部から伸びる小さな突起の試料を採取した。 この小さい突起は、他の2試料領域での場合のほぼ10倍の鉄量を有した。

    図39A、39B、39C、39D、39E、39Fおよび39Gは、13マイクロメートル幅より大きい大きな不規則結晶構造の7つの異なる試料採取領域を示す。 表4(C)に示したように、鉄を有さなかった図39Eを除き、すべての試料において炭素、酸素、カルシウムおよび鉄が検出された。 加えて、合計を100%にするような量の塩素がこれらの試料の各々において検出された。 カルシウムの塩素に対する比は、約1:1から約6:1の範囲であった。 この範囲内で、約1.5:1、約2:1、および約3:1のカルシウムの塩素に対する比も観察された。 検出された鉄の量は、図39Cの試料採取領域についての12.69原子%を除き、図38シリーズと比較してかなり極微であった。

    図40A、40B、および40Cは、直径が≒1.3マイクロメートルである単一のより小さい球状体からの3つの異なる試料採取領域を示す。 表4(d)に示したように、炭素、酸素および鉄のみが検出された。 図40Aに示すように、球状体を中央部で試料採取し、結果は、図38Aの試料採取領域のものと同様であったが、鉄含有率は、より高く、酸素含有率は、より低かった。 図40Bに示すように、球状体を右上縁部で試料採取し、鉄の含有率は、図38Cにおける領域について観察されたものとほぼ同様の、図40Aに示す領域よりほぼ5倍高かった。 最後に、図40Cに示すように、球状体を左縁部で試料採取し、鉄の含有率は、図40Aの領域におけるものほぼ2倍の高さであったが、図40Bの領域よりはるかに低かった。

    最後に図41は、4マイクロメートルと5マイクロメートルの間の幅である大きい斜方形結晶構造の大きい試料採取領域を示す。 表4(c)に示したように、炭素、酸素および鉄のみが検出された。 それらの比は、鉄含有率がこの場合はさらに低かったことを除き、球状体の低鉄領域のものと同様であった。

    続いて、ヘキサンを使用潤滑組成物の試料に添加した。 その混合物を遠心分離し、飛行時間型(TOF)二次イオン質量分析法(SIMS)で、ならびにFEI(商標)CM20 TEMおよびEDAX(登録商標)Genesis(商標)ソフトウェアを用いて透過型電子顕微鏡法(TEM)で試験した。 これらの試験により前記潤滑組成物においていずれの粒状構造も同定されなかったが、興味深いことに、油の沈降画分においても、または流体画分においても、測定可能な鉄は検出されなかった。 炭素、酸素、および場合により、亜鉛、カルシウムまたはクロムのみがこの試料で検出された。 これらの試験から、鉄の欠如によって証明されるように、カムフォロア止め輪の表面でSEMによって観察された形体は、この流体自体には検出可能なレベルで存在しないことが明らかになった。

    カムフォロアの表面にTEMメッシュグリッドをこすり付ること、およびその後、そのグリッド上の形体をTEMで見ることにより、TEM観察のためのカムフォロア表面の材料の試料を得た。 観察された形体の代表画像を図42から49Bに示す。 これらの図は、多数の異なる形態および構造を明示している。 これらの画像は、グラフェンまたはグラフェン酸化物シート、カーボンナノチューブ、カーボンナノ球状体、カーボンナノオニオン、ならびに他のフラーレン構造および前駆体の存在を確証する。 これらの画像における暗い領域は、元素分析に基づき、高濃度の鉄を表すと考えられる。 グラフェンが鉄粒子を封入することは公知である(例えば、Caoら、「Synthesis and characterization of graphene encapsulated iron nanoparticles」、Nanoscience、第12巻、第1号、35−39頁、2007を参照されたし)。 図42は、画像の下の方の部分に比較的平坦なシート形態、および画像の上の方の部分により皺の寄ったシートを示す。 直径が≒5nmから≒50nmの範囲のより小さい球状体構造も画像上に見える。 図43は、シートの折り目付近にナノチューブ状構造を有する中等度に皺の寄ったシートを主として示す

    図44は、図43と同様の形態を有する領域のより高倍率のものを示す。 図44では、球状体、管状およびシート形態が見える。 図45は、幾つかの曲がりくねった管状構造を高倍率で示す。 図46は、不明瞭な形態を有する暗い球状の塊を高倍率で示すものであり、この塊は、この構造の暗い内部に基づきSGANの凝集体であり得る。 図47は、大きいカーボンナノチューブ構造を示す。 図48は、2つのカーボンナノオニオン構造を示す。 最後に、図49Aおよび49Bは、管状および球状体形態を有するが明白なシート形態はない、結晶質に見える塊を示す。

    したがって、本明細書に記載する本発明の実施形態は、本発明の原理の応用を単に例証するものに過ぎないと解するべきである。 例証した実施形態の詳細への本明細書における言及は、本請求項の範囲を限定するためのものではなく、本請求項自体は、本発明に不可欠と見なされる特徴を詳述するものである。