会员体验
专利管家(专利管理)
工作空间(专利管理)
风险监控(情报监控)
数据分析(专利分析)
侵权分析(诉讼无效)
联系我们
交流群
官方交流:
QQ群: 891211   
微信请扫码    >>>
现在联系顾问~

劣化測定装置、システム、及び方法、並びに潤滑油組成物

申请号 JP2020028061 申请日 2020-02-21 公开(公告)号 JP2021130793A 公开(公告)日 2021-09-09
申请人 出光興産株式会社; 发明人 横溝 真人; 伊藤 耕輝; 鳥居 秀則; 加藤 将太; 奥山 元気;
摘要 【課題】各種用途に用いられる潤滑油組成物の劣化を把握することができる。 【解決手段】照射光を受けて蛍光を発する蛍光化合物を含む測定対象物に向けて、照射光を照射する発光部と、蛍光化合物が発した蛍光を受光して、受光した蛍光に応じた 信号 を送信する受光部と、受光部が送信した信号に基づいて、潤滑油組成物の劣化を検知する検知部とを備える劣化測定装置。 【選択図】図1
权利要求

蛍光を発する蛍光化合物を含む潤滑油組成物であって、 前記蛍光化合物は、前記潤滑油組成物の劣化と所定の関連をもって劣化する特性を有する、潤滑油組成物。前記蛍光化合物は、クマリン系化合物、ローダミン系化合物、オーラミン系化合物、等の複素芳香環化合物、又はターフェニル系化合物等の炭素芳香環化合物である請求項1に記載の潤滑油組成物。前記蛍光化合物が発する蛍光の波長は、300nm以上800nmである請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。前記蛍光化合物が潤滑油組成物に占める割合は、潤滑油組成物の全量に対して、0.1質量ppm以上100質量ppmである請求項1から3のいずれかに記載の潤滑油組成物。照射光を受けて蛍光を発する蛍光化合物を含む測定対象物に向けて、前記照射光を照射する発光部と、 前記蛍光化合物が発した蛍光を受光して、受光した蛍光に応じた信号を送信する受光部と、 前記受光部が送信した信号に基づいて、前記測定対象物の劣化を検知する検知部と を備える劣化測定装置。前記蛍光化合物は、クマリン系化合物、ローダミン系化合物、オーラミン系化合物、又はターフェニル系化合物である請求項5に記載の劣化測定装置。前記発光部は、LED、蛍光管、HIDランプ、又はCDMランプを備える請求項5又は6に記載の劣化測定装置。前記受光部は、光電子倍増管、CMOSイメージセンサ、InGaAsイメージセンサ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、又は光電管を備える請求項5から7のいずれかに記載の劣化測定装置。前記受光部は、前記蛍光化合物が発した蛍光の蛍光強度を測定する請求項5から8のいずれかに記載の劣化測定装置。前記検知部は、前記蛍光化合物が発する蛍光の蛍光強度が所定の閾値未満であるとき、前記潤滑油組成物が劣化したと検知する請求項5から9のいずれかに記載の劣化測定装置。前記潤滑油組成物が劣化していると前記検知部が判断したとき、前記潤滑油組成物が劣化していることを外部に報知する報知部をさらに備える請求項5から10のいずれかに記載の劣化測定装置。請求項1から4のいずれかに記載の潤滑油組成物と請求項5から11のいずれかに記載の劣化測定装置とを備える劣化測定システム。請求項5から11のいずれかに記載の劣化測定装置を備える自動車。照射光に反応して蛍光を発する蛍光化合物を含む測定対象物に向けて、前記照射光を照射するステップと、 前記蛍光化合物が発した蛍光を受光するステップと、 受光した蛍光に応じて信号を送信するステップと、 送信された信号に基づいて、前記潤滑油組成物の劣化を検知するステップと を備える劣化測定方法。

说明书全文

本発明は、液体の劣化を測定する装置、システム、及び方法、並びにこれらに用いられる潤滑油組成物に関する。

従来、所定の間隔に侵入している潤滑油に検出光を透過させ、潤滑油を透過した検出光の色情報を受光素子で検出し、受光素子が検出した検出値を対数関数により増幅して、増幅された値を用いて潤滑油の劣化状態を把握する潤滑油劣化センサが知られている(特許文献1)。対数関数により増幅された検出値は、線形関数によって増幅された検出値と比較して、透過率が低い領域においても透過率の変化量に対して変化量が大きいため、透過率を正確に把握して、透過率の低い潤滑油であっても、潤滑油の劣化状態の検出精度を維持できる。

国際公開第2015/060457号パンフレット

しかしながら、潤滑油の劣化過程における、潤滑油を透過させた検出光の強度は、潤滑油の劣化生成物の量に加え、添加剤の残存量、さらには外来因子である金属粉やカーボン、等の影響を複雑に受ける。これらの因子により、得られる検出光の強度は潤滑油の劣化の程度と必ずしも一致しない可能性がある。このような状況においても、潤滑油組成物の劣化を把握可能な装置、システム、及び方法、並びにこれらに用いられる潤滑油組成物が求められている。

本発明は、劣化測定装置、システム、及び方法、並びに潤滑油組成物を提供する。具体的な本発明の態様としては、下記[1]〜[14]のとおりである。 [1] 蛍光を発する蛍光化合物を含む潤滑油組成物であって、 前記蛍光化合物は、前記潤滑油組成物の劣化と所定の関連をもって劣化する特性を有する、潤滑油組成物。 [2] 前記蛍光化合物は、クマリン系化合物、ローダミン系化合物、オーラミン系化合物、等の複素芳香環化合物、又はターフェニル系化合物等の炭素芳香環化合物である上記[1]に記載の潤滑油組成物。 [3] 前記蛍光化合物が発する蛍光の波長は、300nm以上800nmである上記[1]又は[2]に記載の潤滑油組成物。 [4] 前記蛍光化合物が潤滑油組成物に占める割合は、潤滑油組成物の全量に対して、0.1質量ppm以上100質量ppmである上記[1]から[3]のいずれかに記載の潤滑油組成物。 [5] 照射光を受けて蛍光を発する蛍光化合物を含む測定対象物に向けて、前記照射光を照射する発光部と、 前記蛍光化合物が発した蛍光を受光して、受光した蛍光に応じた信号を送信する受光部と、 前記受光部が送信した信号に基づいて、前記測定対象物の劣化を検知する検知部と を備える劣化測定装置。 [6] 前記蛍光化合物は、クマリン系化合物、ローダミン系化合物、オーラミン系化合物、又はターフェニル系化合物である上記[5]に記載の劣化測定装置。 [7] 前記発光部は、LED、蛍光管、HIDランプ、又はCDMランプを備える上記[5]又は[6]に記載の劣化測定装置。 [8] 前記受光部は、光電子倍増管、CMOSイメージセンサ、InGaAsイメージセンサ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、又は光電管を備える上記[5]から[7]のいずれかに記載の劣化測定装置。 [9] 前記受光部は、前記蛍光化合物が発した蛍光の蛍光強度を測定する上記[5]から[8]のいずれかに記載の劣化測定装置。 [10] 前記検知部は、前記蛍光化合物が発する蛍光の蛍光強度が所定の閾値未満であるとき、前記潤滑油組成物が劣化したと検知する上記[5]から[9]のいずれかに記載の劣化測定装置。 [11] 前記潤滑油組成物が劣化していると前記検知部が判断したとき、前記潤滑油組成物が劣化していることを外部に報知する報知部をさらに備える上記[5]から[10]のいずれかに記載の劣化測定装置。 [12] 上記[1から4のいずれかに記載の潤滑油組成物と上記[5]から[11]のいずれかに記載の劣化測定装置とを備える劣化測定システム。 [13] 上記[5]から[11]のいずれかに記載の劣化測定装置を備える自動車。 [14] 照射光に反応して蛍光を発する蛍光化合物を含む測定対象物に向けて、前記照射光を照射するステップと、 前記蛍光化合物が発した蛍光を受光するステップと、 受光した蛍光に応じて信号を送信するステップと、 送信された信号に基づいて、前記潤滑油組成物の劣化を検知するステップと を備える劣化測定方法。

本発明の好適な一態様の液体の劣化を測定する劣化測定装置、システム、及び方法、並びに潤滑油組成物によれば、各種用途に用いられる潤滑油組成物の劣化を把握することができる。

本発明による劣化測定システムの一例を示す概略図である。

本発明による劣化測定システムを搭載した自動車の一例を示す概略図である。

本発明による劣化測定方法を含むフローチャートである。

潤滑油組成物の酸価の変化を示すグラフである。

蛍光化合物の蛍光強度の変化を示すグラフである。

潤滑油組成物の酸価と蛍光化合物の蛍光強度との関係を示すグラフである。

〔潤滑油組成物の構成〕 初めに、本発明の一実施形態による潤滑油組成物について説明する。本発明で用いられる潤滑油組成物は、蛍光を発する蛍光化合物を含む。蛍光化合物は、光・紫外線・X線などの電磁波や粒子線を受けて光を発する物質であって、潤滑油組成物の劣化と所定の関連をもって劣化する特性を有する。蛍光化合物が発する蛍光を測定することにより、潤滑油組成物は、その劣化状態を把握し得るという特徴を有する。 本発明の一態様で用いる蛍光化合物としては、クマリン系化合物、ローダミン系化合物、オーラミン系化合物等の複素芳香環化合物、又はターフェニル系化合物等の炭素芳香環化合物が好ましく、複素芳香環化合物がより好ましい。 蛍光化合物は、潤滑油組成物と同様の劣化因子、例えば圧、熱、酸素、及び/又は機械的せん断、水及び金属による触媒作用等により劣化して、それに伴って蛍光強度が低下する特性を有し、かつ、潤滑油組成物に含まれる他の成分、例えば添加剤等から影響を受けない特性を有する。 蛍光化合物が発する蛍光の波長は、長波長側であって、好ましくは300nm以上800nm以下、より好ましくは330nm以上750nm以下、更に好ましくは350nm以上700nmである。 蛍光化合物が潤滑油組成物に占める割合は、潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.1質量ppm以上100質量ppm以下、より好ましくは0.5質量ppm以上50質量ppm以下、更に好ましくは1質量ppm以上50質量ppmである。 蛍光化合物が発する蛍光の強度は、潤滑油組成物の劣化と相関関係がある。潤滑油組成物が劣化すると、これに伴い、蛍光化合物もまた劣化する。潤滑油組成物の劣化は、酸価の上昇、塩基価の低下に現れ、蛍光化合物の劣化は蛍光強度の低下に現れる。つまり、酸価の上昇又は塩基価の低下に伴って蛍光強度もまた低下する。そこで、予め、酸価又は塩基価と蛍光強度との関係を調べ、記録しておく。そして、蛍光強度に応じて、潤滑油組成物の劣化を予測する。また、RBOT試験(JIS K2514−3:2013)にて測定される残存寿命(以下、RBOT残存寿命と表記する)は、例えば種々の酸化防止剤の残存量と比例するため、酸価の上昇、塩基価の低下と同様に蛍光強度との相関がある。つまり、酸価の上昇又は塩基価の低下に伴って蛍光強度が低下するのと同様に、RBOT残存寿命の減少に伴って蛍光強度が低下する。そこで、RBOT残存寿命を、酸価又は塩基価と同様の手法をもって、潤滑油組成物の劣化の判断に用いることができる。 本発明の一態様で用いる潤滑油組成物は、基油及び/又は潤滑油用添加剤を含むとともに、蛍光化合物の含有量が上述の範囲になるように調製されていればよく、用途に応じて、基油及び潤滑油用添加剤を適宜選択の上、含有することができる。 本発明による潤滑油組成物は、内燃機関、変速機、デファレンシャル、ガスエンジン、モータ、ガスタービン、油圧、冷凍機、圧延工程、及び/又は摺動面の潤滑や、熱処理、冷却、熱媒体、絶縁の用途等に用いられる。内燃機関には、ガソリンエンジン及びディーゼルエンジン等が含まれる。

以下、本発明の一態様で用いる潤滑油組成物に含み得る、基油及び/又は潤滑油用添加剤について説明する。

<基油> 本発明の一態様で用いる潤滑油組成物に含まれる基油としては、鉱油及び合成油から選ばれる1種以上が挙げられる。 鉱油としては、例えば、パラフィン系原油、中間基系原油、ナフテン系原油等の原油を常圧蒸留して得られる常圧残油;これらの常圧残油を減圧蒸留して得られる留出油;当該留出油を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、及び水素化精製等の精製処理を1つ以上施して得られる精製油;等が挙げられる。 合成油としては、例えば、α−オレフィン単独重合体、又はα−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体等の炭素数8〜14のα−オレフィン共重合体)等のポリα−オレフィン;イソパラフィン;ポリアルキレングリコール;ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステル等のエステル系油;ポリフェニルエーテル等のエーテル系油;アルキルベンゼン;アルキルナフタレン;天然ガスからフィッシャー・トロプシュ法等により製造されるワックス(GTLワックス(Gas To Liquids WAX))を異性化することで得られる合成油(GTL)等が挙げられる。 これらの中でも、本発明の一態様で用いる基油としては、API(米国石油協会)基油カテゴリーのグループ2及びグループ3に分類される鉱油、並びに合成油から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。

<潤滑油用添加剤> 本発明の一態様で用いる潤滑油組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、用途に応じて、上述した成分以外の潤滑油用添加剤を含有してもよい。 上述した成分以外の潤滑油用添加剤としては、例えば、流動点降下剤、粘度指数向上剤、極圧剤、酸化防止剤、金属系清浄剤、無灰系分散剤、耐摩耗剤、抗乳化剤、摩擦調整剤、防錆剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、消泡剤等が挙げられる。これらの潤滑油用添加剤は、それぞれ、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 これらの潤滑油用添加剤のそれぞれの含有量は、本発明の効果を損なわない範囲内で、適宜調製することができるが、潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、それぞれの添加剤ごとに独立して、通常0.001〜15質量%、好ましくは0.005〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。

〔劣化測定システム及び劣化測定装置〕 図1を用いて劣化測定システム100及び劣化測定装置120について説明する。劣化測定システム100は、潤滑油組成物110と劣化測定装置120とを主に備える。劣化測定装置120は、発光部を成す光源121と、受光部を成す検出器123と、信号変換装置125と、検知部を成す処理装置127と、報知部を成す表示装置129とを主に備える。 光源121は、例えばLEDを備え、潤滑油組成物110に含まれる蛍光化合物の吸収波長を含む照射光を発光する。照射光は、測定対象物、すなわち潤滑油組成物に向けて照射される。例えば、蛍光化合物が300nmの波長の光を吸収して、400nmの蛍光を発する場合、光源121は、300nmの波長を含む照射光を発光する。なお、光源はLEDに限定されず、蛍光化合物の吸収波長を含む照射光を発光可能であればよく、例えば蛍光管、HIDランプ、又はCDMランプ等であってもよい。 検出器123は、例えば光電子倍増管を備え、蛍光化合物が発した蛍光を受光して、その強度に応じた電気信号をアナログ信号として信号変換装置125へ送信する。例えば、蛍光化合物が400nmの波長の蛍光を発する場合、検出器123は、400nmの波長の蛍光を受光して電気信号に変換する。なお、検出器123は光電子倍増管に限定されず、蛍光化合物が発光する波長を含む波長帯の蛍光を電気信号に変換可能であればよく、例えばCMOSイメージセンサ、InGaAsイメージセンサ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、又は光電管等であってもよい。 信号変換装置125は、検出器123が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。 処理装置127は、例えばパーソナルコンピュータや持ち運び可能な電子回路装置であって、信号変換装置125からデジタル信号を受信して、このデジタル信号、すなわち蛍光化合物が発した蛍光の強度に基づいて、潤滑油組成物110の劣化を検知する。以下、劣化を検知する手法について、より詳細に説明する。

前述したように、蛍光化合物が発する蛍光の強度は、潤滑油組成物の劣化と相関関係がある。潤滑油組成物が劣化すると、蛍光化合物もまた劣化する。潤滑油組成物の劣化は酸価の上昇、塩基価の低下、又はRBOT残存寿命の低下に現れ、蛍光化合物の劣化は潤滑油組成物の蛍光強度の低下に現れる。そこで、予め、酸価、塩基価又はRBOT残存寿命と蛍光強度との関係を調べ、潤滑油組成物が劣化したと判断するときの酸価又は塩基価に対応する蛍光強度を閾値として処理装置127に記録しておく。そして、処理装置127は、使用に供されている潤滑油組成物の蛍光強度が閾値未満となったとき、潤滑油組成物が劣化したと判断する。

表示装置129は、潤滑油組成物が劣化したと処理装置127が判断したとき、処理装置127から信号を受信して、その旨を外部に向けて表示して報知する。

なお、閾値でなく、予め酸価、塩基価又はRBOT残存寿命と蛍光強度との関係を調べて、蛍光強度から酸価、塩基価又はRBOT残存寿命を求める変換式を作成し、この変換式より得られた酸価、塩基価又はRBOT残存寿命に基づいて潤滑油組成物の劣化を判断してもよい。このとき、予め定めた閾値と得られた酸価、塩基価又はRBOT残存寿命とを比較して劣化を判断してもよく、酸価、塩基価又はRBOT残存寿命の変化に応じて劣化を判断してもよい。また、蛍光強度の変化に応じて潤滑油組成物の劣化を判断してもよい。

次に、図2を用いて、劣化測定システムを備える自動車200について説明する。 自動車200は、エンジン210、変速機220、デファレンシャル230、劣化測定装置120e、120g、120d、及び警告表示モニタ(表示装置)240を主に備える。 エンジン210には、蛍光化合物を含む潤滑油組成物110eが、いわゆるエンジンオイルとして入れられる。変速機220は、蛍光化合物含む潤滑油組成物110gが、いわゆる変速機油として入れられる。デファレンシャル230は、蛍光化合物を含む潤滑油組成物110dが、いわゆるデファレンシャルオイルとして入れられる。劣化測定装置120eは、エンジン210内に保持されている潤滑油組成物110eの劣化を検知する。劣化測定装置120gは、変速機220内に保持されている潤滑油組成物110gの劣化を検知する。劣化測定装置120dは、デファレンシャル230内に保持されている潤滑油組成物110dの劣化を検知する。劣化測定装置120e、120g、120dは、エンジン210、変速機220、及びデファレンシャル230が動作中に、潤滑油組成物を所定時間間隔で監視又は検知する。所定時間間隔は、マイクロ秒、ミリ秒、秒、分、時間、及び/又は日など、監視の目的や機器の性能等に応じて適宜決定される。 警告表示モニタ240は、劣化測定装置120e、120g、120dに接続される表示装置129として動作し、例えば運転席に設けられる。劣化測定装置120e、120g、120dのいずれかが潤滑油組成物110e、110g、110dが劣化したと判断した場合、警告表示モニタ240は、劣化した潤滑油組成物の種別、例えば、エンジンオイル、変速機油、デファレンシャルオイルという種別と共に、そのオイルが劣化した旨を表示する。 なお、劣化測定装置が設けられる機器は、前述のものに限定されず、監視又は検知対象となり得る液体を含む機器であればよい。また、警告表示モニタ240は、劣化測定装置120e、120g、120dに対して1つ設けられてもよいし、劣化測定装置120e、120g、120d毎に1つずつ設けられてもよい。

次に、図3を用いて、劣化測定方法について説明する。 まず、予め、酸価又は塩基価と蛍光強度との関係を調べて、閾値を作成する手法について、ステップS301からS303を用いて説明する。この手法は、潤滑油組成物と蛍光化合物との組み合わせ毎に行われる。 ステップS301では、潤滑油組成物を酸化劣化試験にかけ、劣化に伴う酸価又は塩基価及び蛍光化合物の蛍光強度を所定時間間隔ごとに測定する。 ステップS302では、酸価又は塩基価を独立変数、蛍光強度を従属変数とする変換式を求める。 ステップS303では、ステップS302で求めた変換式を用いて、潤滑油組成物が劣化したと判断するときの酸価又は塩基価に対応する蛍光強度を求め、これを閾値として、処理装置127に記録する。

次に、閾値を用いて潤滑油組成物の劣化を検知する手法について、ステップS304からS306を用いて説明する。 ステップS304では、使用に供されている潤滑油組成物に向けて光源121から照射光を発光し、蛍光化合物が発した蛍光を検出器123によって受光する。そして、処理装置127は、蛍光化合物が発した蛍光の強度が、閾値を超えているか否かを判断する。そして、蛍光強度が閾値を下回っているとき、処理装置127は潤滑油組成物が劣化したと判断して、処理をステップS305に進める。他方、蛍光強度が閾値以上であるとき、処理装置127はステップS304に戻って、ステップS304の処理を繰り返す。 ステップS305では、処理装置127は、潤滑油組成物が劣化したことを示す信号を表示装置129に送信する。 ステップS306では、表示装置129は、処理装置127から信号を受信して、潤滑油組成物が劣化した旨を表示する。そして、処理を終了する。 なお、本発明による劣化測定方法は、少なくともステップS304からS305を含めばよく、ステップS301〜S303及びS306のいずれかを含んでもよい。

本発明の一態様による劣化測定装置120を有する劣化測定システム100によれば、潤滑油組成物の劣化を検知することができる。 また、本発明の一態様による劣化測定システム100及び装置120は、エンジン等の機器や装置の運転監視システムの一部に組み込むことで、潤滑油組成物の劣化の進行状況を任意の時点もしくは連続的に監視して、評価することができる。したがって、本発明の一態様の劣化測定装置120は、各種機器や装置における潤滑油組成物の劣化測定システムとしても用いることができる。また潤滑油劣化測定装置120は、エンジン等の機器に組み込まれずに、エンジン等の機器の外部で、車から抜き出された潤滑油の劣化を検知・判断することもできる。

透過光により潤滑油組成物の劣化を検出する構成では、透過光が潤滑油組成物の色に影響を受けるため、透過率が潤滑油組成物ごとに固有の値となり、透過率と劣化との関係を予め測定しておく必要がある。しかしながら、本発明の一実施形態による潤滑油組成物によれば、長波長側、例えば300nm以上800nm以下の蛍光を発する蛍光化合物を用いることにより、潤滑油組成物の色による影響を排除できる。 また、透過光により潤滑油組成物の劣化を検出する構成では、透過光の強度が潤滑油組成物の劣化に相関しないことがある。しかしながら、本発明の一実施形態による潤滑油組成物によれば、蛍光化合物が、潤滑油組成物と同様の劣化因子、例えば圧力、熱、酸素、及び/又は機械的せん断、水及び金属による触媒作用等により劣化して、それに伴って蛍光強度が低下する特性を有し、かつ、潤滑油組成物に含まれる他の成分、例えば添加剤等から影響を受けない特性を有するため、潤滑油組成物の劣化を正確に検知できる。

次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。

実施例1〜4 表1に示す種類の潤滑油及び蛍光化合物を、表1に示す配合量にて添加して混合し、潤滑油組成物をそれぞれ調製した。当該潤滑油組成物の調製に使用した各成分の詳細は以下のとおりである。

<基油> ・「100N鉱油」:グループIIIに分類されるパラフィン系鉱油、100℃動粘度=4.3mm2/s、粘度指数=125。

調製した潤滑油組成物について、以下のとおりISOT試験を参考とし、劣化油を調製して酸価及び蛍光強度を測定した。酸価の測定は、JIS K2501:2003の電位差法に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。 (1)劣化油の調製 JIS K2514−1:2013に準拠するISOT試験(150℃)を参考に、対象となる試験油(潤滑油組成物)を、触媒を使用せずに強制劣化させ、24時間後、48時間後、72時間後、及び96時間後の劣化油に対して、JIS K2501:2003の電位差法に準拠して酸価をそれぞれ測定した。劣化が進行した潤滑油組成物ほど、その酸価は上昇する。

(2)蛍光強度 光源及び検出器を備える蛍光分光光度計を用いて、新油並びに上記でISOT試験により所定時間強制劣化させた劣化油(24時間劣化油、48時間、72時間劣化油及び96時間劣化油)について、蛍光強度として蛍光ピーク強度をそれぞれ測定した。蛍光分光光度計は、図1に示す劣化測定装置の光源及び検出器に該当する。なお、蛍光強度の測定条件は下記のとおりである。 <測定条件> ・蛍光分光光度計:日本分光社製 品番FP−8600 ・蛍光化合物:Solvent yellow 43 (吸収波長:410nm、蛍光波長:456nm)

表1に示された値をグラフにしたものを図4及び5に示す。表1、図4及び図5により、実施例1〜5で調製した潤滑油組成物については、ISOT試験の試験時間が長くなるほど、劣化を示す酸価が上昇し、これと同時に蛍光ピーク強度は減少している。つまり酸価と蛍光強度に一定の相関性がみられ、蛍光ピーク強度を測定することで油の劣化を判断できることがわかる。

上記の実施例によるデータを用いて、最小二乗法により以下の対数近似式1を得た。 Y=−2.96ln(x) + 16.09 (式1) ここで、Y:酸価 X:蛍光ピーク強度 図6を参照すると、R2値は0.9461であり、式1はデータに対して十分に近似していることがわかる。蛍光分光光度計を用いて潤滑油組成物の蛍光強度を測定し、得られた蛍光強度を式1に代入すれば、潤滑油組成物の酸価が求められる。これにより、潤滑油組成物の劣化を判断することができる。

本発明の好適な一態様の液体の劣化を測定する劣化測定装置、システム、及び方法、並びに潤滑油組成物によれば、各種用途に用いられる潤滑油組成物の劣化を把握することができる。

100 劣化測定システム 110 潤滑油組成物 120 劣化測定装置 121 光源 123 検出器 125 信号変換装置 127 処理装置 129 表示装置 200 自動車 210 エンジン 220 変速機 230 デファレンシャル 120e 劣化測定装置 120g 劣化測定装置 120d 劣化測定装置 240 警告表示モニタ(表示装置)