会员体验
专利管家(专利管理)
工作空间(专利管理)
风险监控(情报监控)
数据分析(专利分析)
侵权分析(诉讼无效)
联系我们
交流群
官方交流:
QQ群: 891211   
微信请扫码    >>>
现在联系顾问~

Method and apparatus for fuel injection into an internal combustion engine

申请号 JP2003584483 申请日 2003-04-09 公开(公告)号 JP2005522626A 公开(公告)日 2005-07-28
申请人 ウエストポート リサーチ インコーポレイテッドWestport Research Inc.; 发明人 アンシマー、リチャード; ターニン、コンスタンチン;
摘要 気体 燃料 を内燃機関の燃焼室内に噴射するための方法及び装置が、動作モードの組合せを用いる。 第1に、低負荷動作モード及び高負荷動作モードの一方が内燃機関の動作中に選択される。 低負荷モードと高負荷モードは、燃焼室に加えられた或る量の霧化気体燃料の燃焼特性により区別される。 燃焼を支持する霧化燃料により高負荷が選択される。 燃焼を支持しない霧化燃料により低負荷が選択される。 或る量の直接噴射燃料が低負荷状態下で供給される。 高負荷において、ピストンが上死点付近にあるときに或る量の直接噴射燃料を追加することにより、霧化燃料によりもたらされるよりも上の負荷要求をエンジンが満たすことが可能になる。
权利要求
  • ピストンを備えた少なくとも1つのシリンダを有し、前記少なくとも1つのシリンダ及び前記ピストンが部分的に燃焼室を画成し、内燃機関が動作しているときに前記ピストンが前記シリンダ内で上死点と下死点の間を振動する、前記内燃機関の燃焼室内に燃料を導入するための方法において、
    a. 霧化気体燃料の燃焼室内での燃焼特性によって互いに区別される、
    i. 前記霧化気体燃料が安定した予混合燃焼を提供することができない状態として定義される低負荷動作モード、及び ii. 前記霧化気体燃料が安定した予混合燃焼を提供することができる状態として定義される高負荷動作モード、
    のいずれかを選択する工程と、
    b. 前記高負荷動作モードでは、圧縮行程の完了時に前記ピストンが上死点に達する前に、前記霧化気体燃料を前記燃焼室内に導入する工程と、
    c. 前記低負荷動作モードでは、前記霧化気体燃料が供給される場合では、前記圧縮行程の完了時に前記ピストンが上死点に達する前に前記霧化気体燃料を前記燃焼室内に導入する工程と、
    d. 前記低負荷動作モードでは、爆発行程の開始前又は開始時に前記ピストンが上死点又はその付近にあるときに、一定量の第2の気体燃料を前記燃焼室内に直接噴射する工程と、
    e. 前記ピストンが上死点又はその付近にあるときに前記気体燃料を前記燃焼室内で着火させる工程とを備える、燃料を導入するための方法。
  • 前記高負荷動作モードでは、前記爆発行程の開始前又は開始時に前記ピストンが上死点又はその付近にあるときに一定量の前記第2気体燃料を前記燃焼室内に直接噴射する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
  • 前記第2の気体燃料が、前記霧化気体燃料中の燃料と同一である請求項2に記載の方法。
  • 前記高負荷動作モードにおいて、前記霧化気体燃料は均一予混合圧縮自己着火により着火される請求項2に記載の方法。
  • 前記第2気体燃料の着火が、第2の気体燃料よりも自己着火性が高いパイロット燃料の着火の結果である請求項2に記載の方法。
  • 前記高負荷動作モードにおいて、前記霧化気体燃料の自己着火特性が、前記霧化気体燃料よりも自己着火性が高いパイロット燃料を、前記霧化気体燃料に追加することにより変化する請求項2に記載の方法。
  • 前記パイロット燃料が前記燃焼室内に直接噴射される請求項6に記載の方法。
  • 前記低負荷動作モードでは、爆発行程の開始前又は開始時に前記ピストンが上死点又はその付近にあるときに、前記パイロット燃料が前記燃焼室内に直接噴射される請求項5に記載の方法。
  • 前記高負荷動作モードでは、前記ピストンの吸気行程中に前記パイロット燃料が前記燃焼室内に直接噴射される請求項7に記載の方法。
  • 前記高負荷動作モードでは、前記ピストンの圧縮行程中に前記パイロット燃料が前記燃焼室内に直接噴射される請求項7に記載の方法。
  • 前記高負荷動作モードでは、前記ピストンが、クランクシャフト回転角度にて測定される上死点手前120度〜60度にあるときに、前記パイロット燃料が前記燃焼室内に直接噴射される請求項10に記載の方法。
  • 前記高負荷動作モードでは、前記圧縮行程の開始前又は開始時に前記ピストンが下死点又はその付近にあるときに、前記パイロット燃料が前記燃焼室内に直接噴射される請求項7に記載の方法。
  • 前記ピストンの吸気行程中の第1の段階、及び、前記爆発行程の開始前又は開始時に前記ピストンが上死点又はその付近にあるときの第2の段階にて、パイロット燃料が前記燃焼室内に直接噴射される請求項2に記載の方法。
  • 前記ピストンの前記圧縮行程中の第1の段階、及び、前記爆発行程の開始前又は開始時に前記ピストンが上死点又はその付近にあるときの第2の段階にて、パイロット燃料が前記燃焼室内に直接噴射される請求項2に記載の方法。
  • 前記高負荷動作モードでは、前記ピストンが、クランクシャフト回転角度で測定される上死点手前120度〜60度にあるときに、前記第1の段階にて前記パイロット燃料が前記燃焼室内に直接噴射される請求項14に記載の方法。
  • 前記圧縮行程の開始前又は開始時に前記ピストンが下死点付近にあるときの第1の段階、及び、前記爆発行程の開始前又は開始時に前記ピストンが上死点付近にあるときの第2の段階にて、パイロット燃料が前記燃焼室内に直接噴射される請求項2に記載の方法。
  • 前記霧化気体燃料及び前記第2の気体燃料が熱面を用いて点火される請求項2に記載の方法。
  • 前記熱面がグロープラグである請求項17に記載の方法。
  • 前記霧化気体燃料及び前記第2の気体燃料が火花を用いて点火される請求項2に記載の方法。
  • a. 前記低負荷動作モードでは、ゼロから予め決められた負荷までのエンジン負荷範囲によって定義される始動時低負荷動作モードと、前記予め決められた動作負荷を超えるエンジン負荷によって定義される移行期低負荷動作モードと使用する工程と、
    b. 前記始動時低負荷動作モードでは、前記霧化気体燃料における燃料を前記燃焼室から遮断することによって、霧化燃料を前記燃焼室から排除する工程と、
    c. 前記移行期低負荷動作モードでは、予め定義された漏れ流量を超える量の、前記霧化気体燃料における燃料の流れを導入する工程とをさらに備える請求項1又は2に記載の方法。
  • 前記移行期低負荷動作モードでは、パイロット燃料が前記霧化気体燃料に、
    a. 前記ピストンが前記圧縮行程の完了時に上死点に達する前、及び、
    b. 前記ピストンが前記爆発行程の開始前又は開始時に上死点付近にあるときに加えられ、
    c. 前記パイロット燃料が、前記気体燃料を着火させるために加えられる請求項20に記載の方法。
  • 前記霧化気体燃料における前記燃料の流れが、遮断弁及び可変制御弁の少なくとも一方により制御され、これらの弁の各々が、燃料導管により画成された燃料通路内に配置され、前記燃料通路が、吸気導管により画成された吸気通路と連通し、これにより、前記燃料通路及び前記吸気通路が、前記霧化気体燃料における燃料を前記ピストンの吸気行程中に前記燃焼室内に向けさせる請求項20に記載の方法。
  • 前記霧化気体燃料中の燃料が、前記吸気通路内で酸素と実質的に混合される請求項22に記載の方法。
  • 前記霧化気体燃料中の燃料が、前記燃焼室内で酸素と実質的に混合される請求項2に記載の方法。
  • 前記霧化気体燃料が、前記高負荷動作モードが用いられているときに予め決められたノック限界以下にある請求項2に記載の方法。
  • 前記高負荷動作モードでは、前記霧化気体燃料の燃焼がエンジン負荷要求を満たしているときに前記第2気体燃料の前記一定量がゼロである請求項2に記載の方法。
  • 前記高負荷動作モードにおいて、前記第2気体燃料の前記量が、前記霧化気体燃料の燃焼により満たされるエンジン負荷要求を超えるエンジン負荷要求により決定される請求項2に記載の方法。
  • ピストンを備えた少なくとも1つのシリンダを有し、前記シリンダ及び前記ピストンが燃焼室を部分的に画成し、内燃機関が動作しているときに前記ピストンが前記シリンダ内で上死点と下死点の間を振動する内燃機関の燃焼室内に燃料を導入するための装置でにおいて、
    a. 前記エンジンから動作データを収集するための測定装置と、前記データが、エンジン速度、エンジン負荷要求、及び過剰ノッキング情報を含むことと、
    b. コントローラと、
    i. 前記コントローラは前記動作データを処理してエンジンプロファイルを作成可能であることと、
    ii. 前記エンジンプロファイルに基づいて、前記エンジンが前記低負荷動作モード及び高負荷動作モードの一方で動作するように命令することができ、前記低負荷動作モードと前記高負荷動作モードが、霧化気体燃料の燃焼室内での燃焼特性により互いに区別され、前記低負荷動作モードは、前記霧化気体燃料が安定した予混合燃焼を提供することができない状態として定義され、前記高負荷動作モードは、前記霧化気体燃料が安定した予混合燃焼を提供することができる状態として定義されることと、
    iii. 第2の気体燃料を前記燃焼室内に直接噴射することができる主燃料インジェクタと、
    iv. パイロット燃料を前記燃焼室内に噴射することができるパイロット燃料インジェクタであって、前記パイロット燃料が、前記霧化気体燃料又は前記第2気体燃料よりも自己着火性が高いパイロット燃料インジェクタと、
    v. 前記霧化気体燃料を前記燃焼室内に向けさせるための吸気導管とを備え、
    前記低負荷動作モードでは、前記制御ユニットは、
    前記霧化気体燃料が供給される場合には、前記ピストンが上死点に達する前に、前記霧化気体燃料を前記燃焼室内で利用可能とすべく前記吸気導管への通過を命令し、
    前記主燃料インジェクタに、前記ピストンが上死点又はその付近にあるときに前記第2気体燃料を前記燃焼室内に導入することを命令し、
    前記パイロット燃料インジェクタに、前記ピストンが上死点又はその付近にあるときに前記パイロット燃料を前記燃焼室内に導入することを命令し、
    前記高負荷動作モードでは、前記制御ユニットは、
    前記ピストンが上死点又はその付近にあるときに、予め決められたノック限界を下回る前記霧化気体燃料が前記吸気導管を通じて前記燃焼室内で利用可能とすることを命令し、
    前記パイロット燃料インジェクタに、前記パイロット燃料を前記燃焼室内に、動作中の前記エンジンの圧縮行程中に導入することを命令する、燃料を導入するための装置。
  • 前記高負荷動作モードにおいて、前記制御ユニットが、さらに、前記主燃料インジェクタに、前記ピストンが上死点又はその付近にあるときに前記第2気体燃料を前記燃焼室内に導入することを命令する請求項28に記載の装置。
  • 前記高負荷動作モードにおいて、前記制御ユニットが、前記主燃料インジェクタに、前記霧化燃料の燃焼により満たされるエンジン負荷要求を超えた前記エンジン負荷要求を、前記ピストンが上死点又はその付近にあるときに前記第2気体燃料が前記燃焼室内に噴射させることにより満たすことを命令する請求項29に記載の装置。
  • 前記低負荷動作モードにおいて、前記制御ユニットが、さらに、前記エンジンプロファイルに基づいて、前記エンジンに、低負荷動作モード又は移行期低負荷動作モードのいずれかで動作するように命令することができ、
    a. 前記始動時低負荷動作モードが、ゼロから予め決められた動作負荷までのエンジン負荷範囲によって定義され、
    b. 前記移行期低負荷動作モードが、前記予め決められた動作負荷以上のエンジン負荷範囲により定義され、
    i. 前記始動時低負荷動作モードにおいて、前記制御ユニットが、
    ii. 前記霧化気体燃料が前記燃焼室に入ることを防止し、
    iii. 前記移行期低負荷動作モードにおいて、前記制御ユニットが、
    iv. 漏れ流量を超えた量の、前記霧化気体燃料における燃料が前記吸気導管を通過するように命令する請求項28に記載の装置。
  • さらに、前記吸気導管と連通している燃料導管を含み、前記燃料導管が燃料遮断弁及び可変制御弁を含み、これらの弁の各々が、前記霧化気体燃料中の燃料の量を制御するためのものである請求項31に記載の装置。
  • ピストンを有する少なくとも1つのシリンダを有する動作中の内燃機関の燃焼室内に燃料を導入するための方法であって、前記エンジンが、低負荷動作モード及び高負荷動作モードを有し、前記燃料が、主燃料、及び、前記主燃料よりも自己着火性が高いパイロット燃料を含み、前記方法が、
    a. 前記エンジンの負荷状態の組を検知する工程と、
    b. 第1の予め決められた負荷状態の組、すなわち、前記主燃料の空気に対する望ましい比率が、較正された、主燃料と吸気との均一混合物の予混合安定限界よりも小さいときに存在する負荷状態に対応する負荷状態の組が検知されたならば、前記低負荷動作をモードを用いることと、第2の予め決められた負荷状態の組、すなわち、前記第1の予め決められた負荷状態の組に対応するエンジン負荷より大きいエンジン負荷に対応している負荷状態の組が検知されたならば、前記高負荷動作モードを用いる工程とを備える方法。
  • 说明书全文

    本発明は、内燃機関(内燃エンジン)の燃焼室内に複式燃料(デュアルフューエル)噴射を行うための方法に関する。 より詳細には、本発明は、車、トラック、バス、機関車、船舶又はその他のエンジン動式輸送機関の内燃機関における利用に好適であり、また、固定的用途、例えば、エネルギー生産に関するエンジン、ならびに、産業上の用途に好適な複式燃料噴射方法に関する。

    ディーゼルストロークエンジンを、気体燃料を燃焼して動作するように変換することによる利益が、エンジン技術のこの分野における最近の多くの開発を加速させてきた。 気体燃料、例えば、天然ガス又は素は、クリーンに燃焼する燃料(ディーゼル燃料と比較して)であり、これが意味することは、これらの気体燃料をディーゼル燃料の代わりにエンジンに与えると、エンジンは、選択される気体燃料を含む多くの可変要素に応じて、粒子状物質(PM)、炭化水素及び窒素酸化物(NO )の排出レベルを低減して動作できることである。

    気体燃料を用いてディーゼルエンジンを動作させる知られた方法は、気体燃料に加え、第2の燃料を用いる。 ここで論じるために、気体燃料を構成するものを天然ガスとするが、他の気体燃料、例えば、水素、メタン、エタン、プロパン、より軽い可燃性炭化水素誘導体などもまた、気体燃料として機能するであろう。 一般に、天然ガスは、吸気と、空気/天然ガス混合物がエンジンシリンダに導入される前に混合される(当分野で霧化として知られているプロセス)。 こうして、均一な空気/天然ガス混合物がピストンシリンダ内に吸気行程中に導入される。 圧縮行程中に、この均一混合物の圧力及び温度は増大する。 圧縮行程の終端付近で、少量のパイロットディーゼル燃料を、空気/天然ガス混合物を着火させるために用いる。 空気とガスの均一な混合物を用いる利点は、燃焼燃料の空気に対する比率(F/A比)を、燃料が希薄で均一に燃焼するように、そしてまた、同等量のディーゼル燃料エンジンよりも、NO 及び粒子状物質の排出を低減するように制御できることにある。

    燃料と空気の均一混合物を、火花又は熱面によっても点火できることに留意されたい。 パイロット燃料の着火ではなく、火花又は熱面を用いて、均一混合物をパワー(燃焼)行程の開始時に上死点付近で最適に着火させるためにことができる。

    この気体燃焼の方法、すなわち、霧化燃料を用いる方法には多数の不利点がある。 第1の主な不利点に直面するのは、高負荷エンジン動作状態において、圧縮行程中にピストンシリンダ内で上昇した温度及び圧力により空気/天然ガス混合物が「過剰ノッキング」を生じ易くなるときである。 ノッキングは、無制御な燃焼プロセスであり、非常に急速な発熱をもたらす。 ノッキングは、多くの場合、燃焼室圧力の比較的急速な変動を特徴とする。 過剰なノッキングは、急速な発熱が、エンジン部品を損傷するに十分な大きさの過剰な燃焼室圧力を発生させる状態と関連している。 過剰ノッキングは、また、過剰な発熱が、エンジン部品、例えば、ピストンクラウンなどに熱的損傷を与えることによるエンジン損傷を引き起こすことがある。

    過剰ノッキングの危険性を低減するための幾つかの手段は、エンジンの圧縮比を低くすること、又は、出力されるパワー及びトルクを制限することを含むが、これらの手段は、これに対応してエンジンのサイクル効率を低下させる(すなわち、各ピストンストロークから十分なパワーが得られない)。 上記のような過剰ノッキングが生じ得るシリンダ内の状態の組(セット)が「ノック限界」(“knock limit”)と称され、定義づけられる。 結局、霧化燃料はノック限界により制限されるため、ノック限界により決定される所定のレベルを超えた負荷要求を満たすことができない。

    この出願のための用語として、「霧化燃料」又は「霧化気体燃料」は、燃料(概して気体)と酸素の混合物とする。 霧化燃料は、燃料/酸素混合物であり、燃料は酸素と、燃焼及びピストンの爆発行程の両方の直前に、ピストンが上死点に達するときまでに混合されている。 酸素は、概して吸気の構成要素として供給されるが、その他の方法でも供給され得る。 霧化燃料は酸素と、燃焼室内で、又は、吸気マニホルド(又は吸気導管)内で混合されることができ、あるいは、吸気マニホルドと燃焼室の両方において部分的に混合されることができる。 ここで論じるために、霧化燃料は、概して、実質的に均一であるとするが、霧化燃料は、或る程度層化されることもある。

    燃料と酸素の均一な混合物の第2の主な不利点は、低負荷エンジン動作状態において、燃料と空気の混合物が、火炎伝播による安定した燃焼を提供するには希薄になり過ぎ、その結果、不完全燃焼又はミスファイアリングを生じることである。 吸気流は、可燃限界より上のF/A比を維持するように絞られることができるが、このような絞り(スロットリング)はエンジン効率に悪影響を与える。 以下にさらに論じるように、可燃限界は、F/A比が火炎伝播燃焼を生じ始めるエンジン状態の限界として定義される。

    第3に、エンジン始動中、シリンダ内に導入された霧化燃料が着火されることが重要である。 しかし、当業界でよく知られているように、霧化燃料、また或る場合にはパイロット燃料のシリンダ内への初期噴射が、その試みのたびにエンジンを必ず始動させるとは限らない。 この状態が生じると、非常に燃えやすい混合物がシリンダに、そしてまた排気システムにも溢れることがある。 これが、次にエンジン点火しようとしたときに無制御の燃焼事象を引き起こすこともあろう。

    最近、異なるタイプの複式燃料燃焼エンジン(本文においては、高圧直接噴射ガスエンジンと称する)が知られてきている。 高圧直接噴射ガスエンジンは、上記の慣用の複式燃料方法と同様に、大量の気体燃料を燃焼し、ディーゼル燃料エンジンに対する改良を、NO 及び粒子状物質の排出レベルを低減することによりもたらしている。 さらに、高圧直噴ガスエンジンが、最新技術のディーゼル燃料エンジンと同じ燃焼効率、パワー及びトルク出力を達成したことが実証されている。 高圧直噴ガスエンジンの基本を成す動作原理は、2つの燃料が圧力下で燃焼室内に、圧縮行程の終端付近で噴射されることである。 1つの方法に従えば、少量の「パイロット燃料」(“pilot fuel”)(典型的にディーゼル燃料)がシリンダ内に噴射され、その直後に、より多くの実質的な量の気体燃料が噴射される。 パイロット燃料は、圧縮行程の終端におけるシリンダ内の圧力及び温度で容易に着火し、このパイロット燃料の燃焼が気体燃料の燃焼を開始させる。 気体燃料の着火はこの方法以外では困難であろう。 知られた高圧直噴ガスエンジンは霧化燃料を有さない。 したがって、直接噴射されたガスは、予混合燃焼モードではなく「拡散燃焼」モードで作用する。 均一燃料燃焼に典型的な拡散燃焼モードにおいて、燃焼の大部分が、局所的な近似化学量論的反応ゾーンで生じると考えられ、この場合、温度と、その結果生じるNO 生成とが相対的に高い(希薄予混合燃焼(リーンバーンな燃焼)により生じる温度と、その結果生じるNO 生成と比較して)。

    本発明の燃料噴射技術は、燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射するための、上記の問題を回避する方法を提供する。
    同時に、本発明の燃料噴射技術は、単一燃料及び複式燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する方法であって、希薄予混合燃焼の、動作状態の範囲に関する利点を、高負荷動作状態及び低負荷動作状態における拡散燃焼の利点の幾つかと組み合わせ、なおかつ、このような方法に関連する問題を回避する方法を提供する。 これらの問題は、限られた直接噴射燃料を用いル場合、また、限られた霧化燃料を用いる場合に生じる。

    霧化燃料の量は、概して、霧化のために導入される燃料の量を可変制御弁によりにより制御することにより制御される。 動作中、燃料ストップ弁が開いているときに可変制御弁を横切って幾らかの漏れが生じる。 したがって、漏れ流量以下の流量が要求される場合、霧化流に対する制御が有効でないことがあり、この場合この流れは、可変制御弁を横切る漏れ流量により決定される。 この問題は、霧化の制御に一般に用いられる装置と、したがって霧化燃料の燃焼とにより発生するが、霧化燃料のみを用いてピストンを駆動する場合には一般に現れない。 すなわち、漏れ流量以下の霧化流量で安定した燃焼を達成することは困難である。 しかし、この問題は、以下に論じるように、霧化燃料を他の燃焼技術、例えば気体燃料の高圧直接噴射と共に用いる場合には重要な考慮事項である。

    本発明の燃料噴射技術は、直接噴射燃料と霧化燃料との組み合わせに関するこれらの問題に対処し、またこれらの問題を解決する。
    本発明の燃料噴射技術は、また、内燃機関の燃焼室内への燃料噴射の方法を提供し、この方法は、慣用の霧化を始動時低負荷状態中に用いるエンジンに知られた、望ましくない可燃混合物がシリンダ内に噴射され、最初に着火に失敗するときの問題に対処する。

    本発明の燃料噴射技術は、さらに、内燃機関の燃焼室内への燃料噴射のための動作パラメータの組を提供し、これは、上記の先行技術に見られるような、高負荷状態に関連する過剰ノッキングを回避する。

    本発明の方法及び装置は、上記の欠点を、燃料を、ピストンを有する少なくとも1つのシリンダを有する内燃エンジンの燃焼室内に導入することにより克服する。 シリンダ及びピストンは燃焼室を部分的に画成し、内燃エンジンが動作しているときにピストンがシリンダ内で上死点と下死点の間を振動する。 この方法は、低負荷動作モード又は高負荷動作モードのいずれかを選択することを含む。 動作モードは、霧化気体燃料の燃焼室内での燃焼特性により区別される。 低負荷動作モードは、霧化気体燃料が安定した予混合燃焼を提供できない状態として定義される。 高負荷動作モードは、霧化気体燃料が安定した予混合燃焼を支持できる状態として定義される。 高負荷動作モードにおいて、霧化気体燃料は、燃焼室内に、ピストンが上死点に達する前に導入される。 低負荷動作モードにおいて、霧化気体燃料が導入される場合、例として、霧化気体燃料が燃焼室内に、ピストンが上死点に達する前に導入されるならば、エンジン始動時には導入されない場合があることが理解されるであろう。 低負荷動作モードにおいて、或る量の第2の気体燃料が燃焼室内に、ピストンが上死点又はその付近にあるときに直接噴射される。 霧化気体燃料と第2の気体燃料は燃焼室内で、ピストンが上死点又はその付近にあるときに着火される。

    本発明の方法及び装置のさらなる実施形態は、高負荷動作モードにおいて、或る量の第2気体燃料を燃焼室内に、ピストンが上死点又はその付近にあるときに直接噴射することを含む。 第2の気体燃料と、霧化燃料中の燃料とは同一であってよい。

    高負荷動作モードにおいて、霧化気体燃料は、(均一)予混合気圧縮(自己)着火により着火されることができる。
    また、第2気体燃料は、第2気体燃料よりも自己着火性が高いパイロット燃料の着火により着火されることができる。 高負荷動作モードにおいて、霧化気体燃料の着火は、霧化気体燃料の自己着火特性を、霧化気体燃料よりも自己着火性が高いパイロット燃料を霧化気体燃料に加えて混合することにより変更したことの結果であり得る。 いずれの場合においても、パイロット燃料は燃焼室内に直接噴射されることができる。

    低負荷動作モードにおいて、パイロット燃料は燃焼室内に、ピストンが上死点又はその付近にあるときに直接噴射される。 高負荷動作モードにおいて、パイロット燃料は前記燃焼室内に、ピストンの吸気行程中もしくは圧縮行程中、又は、ピストンが下死点もしくはその付近にあるときに直接噴射されることができる。 好適な実施形態において、パイロット燃料の噴射がクランクシャフト回転度で測定される上死点手前120度〜60度で行われる。 高負荷モード及び低負荷モードのいずれにおいても、パイロット燃料は、2つの段階にて噴射されることもでき、第1の段階は、ピストンの吸気行程又は圧縮行程中、あるいは、ピストンが下死点付近にあるとき、又は、ピストンが、クランクシャフト回転角度で測定される上死点手前の120度〜60度にあるときである。 第2の段階のパイロット燃料の噴射は、爆発行程の開始前又は開始時に、ピストンが上死点又はその付近にあるときに含まれる。

    本発明の方法のさらなる実施形態は、霧化気体燃料及び第2の気体燃料を、熱面(グロープラグを含む)又は火花を用いて着火させることを含む。
    さらなる実施形態は、低負荷動作モードにおいて、始動時低負荷動作モード及び移行期低負荷動作モードを用いることを含む。 始動時低負荷動作モードは、一部、予め決められた低負荷より下の負荷範囲により画定される。 移行期低負荷動作モードは、予め決められた低負荷以上の負荷により画定される。 始動時低負荷動作モードにおいて、霧化気体燃料における燃料を燃焼室から遮断し、それにより、霧化燃料を燃焼室から排除する。 移行期低負荷動作モードにおいて、霧化気体燃料における燃料の流れが、予め決められた漏れ流量を超えて供給される。

    上記実施形態において、霧化気体燃料における燃料の流れは、遮断弁及び可変制御弁の少なくとも一方により制御される。 これらの弁の各々が、燃料導管により画成された燃料通路内に配置されている。 燃料通路は、吸気導管により画成された吸気通路と連通し、これにより、燃料通路及び吸気通路が、霧化気体燃料における燃料を吸気行程中に燃焼室内に向けさせる。

    さらなる実施形態は、始動時低負荷動作モードにおいて遮断弁が閉じられて、霧化気体燃料における燃料が燃焼室内に入ることを防止する方法を含む。
    霧化気体燃料における燃料は、また、燃焼室内に直接噴射されることができ、それにより、燃焼室内で酸素と実質的に混合されることができる。

    本発明の方法は、高負荷動作モードが用いられているときに、予め決められたノック限界以下の量の霧化気体燃料を含む。 第2気体燃料の量は、霧化気体燃料の燃焼がエンジン負荷要求を満たしているときにゼロにされることができる。 もし、負荷が、霧化気体燃料燃焼の燃焼により満たされなければ、第2気体燃料の量が、霧化気体燃料燃焼の燃焼により満たされるエンジン負荷要求を超えたエンジン負荷要求により決定される。

    燃料を、ピストンを有する少なくとも1つのシリンダを有する内燃機関の燃焼室内に導入するための装置も開示する。 このシリンダ及びピストンは、燃焼室を部分的に画成している。 この装置は、エンジンから、動作データ、例えば、エンジン速度、エンジン負荷要求、及び過剰ノッキングの情報を収集するための測定装置を含む。 また、装置はコントローラを含み、コントローラは動作データを処理してエンジンプロファイルを作成することができ、また、この情報により、エンジンに、エンジンプロファイルに基づいて低負荷動作モード及び高負荷動作モードのうちの一方で動作することを命令することができる。 低負荷動作モードと高負荷動作モードは、霧化気体燃料の燃焼室内での燃焼特性により互いに区別される。 低負荷動作モードにおいては、霧化気体燃料は安定した予混合燃焼を提供できない。 高負荷動作モードにおいては、霧化気体燃料は安定した予混合燃焼を提供できる。 この装置は、さらに、第2の気体燃料を燃焼室内に直接噴射することができる主燃料インジェクタを含む。 またこの装置には、パイロット燃料を燃焼室内に噴射することができるパイロット燃料インジェクタが設けられている。 パイロット燃料は、霧化気体燃料又は第2気体燃料よりも自己着火性が高い。 さらに、この装置には、霧化気体燃料を燃焼室内に向けさせるための吸気導管が設けられている。 低負荷動作モードにおいて、霧化気体燃料が供給されるべきであれば、制御ユニットは、霧化気体燃料が吸気導管を通過することを命令して、ピストンが上死点に達する前に燃焼室内で霧化気体燃料が利用可能になるようにする。 同じ動作モードにおいて、主燃料インジェクタは、ピストンが上死点又はその付近にあるときに第2気体燃料を燃焼室内に導入するように命令される。 そして、低負荷動作モードにおいて、パイロット燃料インジェクタは、ピストンが上死点又はその付近にあるときにパイロット燃料を燃焼室内に導入する。 高負荷動作モードにおいて、制御ユニットは、霧気体燃料が、ピストンが上死点又はその付近にあるときに燃焼室内で利用可能であるように吸気導管を通過することを命令する。 このモードにおける霧化気体燃料は、予め決められたノック限界より下にある。 エンジン動作中、パイロット燃料インジェクタはパイロット燃料を燃焼室内に、エンジンの圧縮行程中に導入する。 低負荷において、幾らかの初期ディーゼルパイロット燃料が後期ディーゼルパイロット燃料と共に導入されてもよい。 この場合、上死点付近で噴射される後期ディーゼルパイロット燃料の量は、初期に(例えば、ピストンの圧縮行程の初期に)噴射されるディーゼルパイロット燃料により補われ得る。

    装置制御ユニットは、さらに、主燃料インジェクタに、第2気体燃料を燃焼室内に、ピストンが上死点又はその付近にあるときに導入するように命令することができる。
    最後に、装置の制御ユニットは、低負荷動作モードにおいて、エンジンに、エンジンプロファイルに基づいて低負荷動作モード又は移行期低負荷動作モードのいずれかで動作するように命令することができる。 低負荷動作モードは、エンジン負荷、及び動作方法自体により区別される。 始動時低負荷動作モードにおいて、エンジン負荷範囲は、ゼロ以上の予め決められた負荷までである。 移行期低負荷動作モードにおいて、エンジン負荷は、予め決められた負荷以上である。 始動時低負荷動作モードにおいて、制御ユニットは、霧化気体燃料が燃焼室に入ることを禁止する。 移行期低負荷動作モードにおいて、制御ユニットは、霧化気体燃料における燃料が予め決められた量だけ吸込導管を通過するように命令する。 概して、この量は、予め画定された漏れ流量を超えている。 この移行期低負荷動作モードは、また、始動時低負荷動作モード中に用いられる後期パイロット噴射に加えて、ディーゼル燃料の初期パイロット噴射を開始し得る。

    本発明の燃料噴射技術は、単一燃料及び複式燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する方法を提供する。 この方法は、希薄霧化燃料の燃焼の、動作状態の範囲に関する利点を、高負荷動作状態及び低負荷動作状態における拡散燃焼の利点の幾つかと組み合わせる。

    本発明の燃料噴射技術は、より確実なエンジン始動をもたらす燃料噴射方法であって、同時に、エンジンが始動されて負荷下で動作しているときには霧化燃料の燃焼特性の利点を利用してエンジンが動作できる方法を提供する。

    本発明の燃料噴射技術は、内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射するための動作パラメータの組を提供する。 このパラメータは、霧化燃料を利用して、高負荷の動作において希薄予混合燃焼(リーンバーン)による利益を得、なおかつ、高負荷状態に関連した過剰ノッキングを回避する。

    本発明の燃料噴射技術は、燃料を内燃機関の燃焼室内に導入する方法であって、高圧直接噴射の高効率及び高サイクル出力を保持し、霧化燃料の希薄燃焼に一般に関連する、NO 排出及び粒子状物質の排出を低減する利点を維持し、かつ、過剰ノッキングを回避しつつ最大出力密度を補助する方法を提供する。

    最後に、本発明の燃料噴射技術は、燃料を、ピストンを有する少なくとも1つのシリンダを有する、動作中の内燃機関の燃焼室内に導入する方法であって、前記エンジンが、低負荷動作モード及び高負荷動作モードを有し、前記燃料が、主燃料、及び、前記主燃料よりも自己着火性の高いパイロット燃料を含み、前記方法は、
    (a)前記エンジンの負荷状態の組を検知することと、
    (b)第1の予め決められた負荷状態の組、すなわち、主燃料の空気に対する望ましい比率が、較正された、主燃料と吸気との均一混合物の予混合安定限界よりも小さいときに存在する負荷状態に対応する負荷状態の組が検知されたときに低負荷動作をモードを用いることと、第2の予め決められた負荷状態の組が検知されたときに高負荷動作モードを用いることを含み、クランクシャフトの毎分回転数の形態で測定されるエンジンの或る動作速度において、負荷状態の第2の組は、予め決められた第1の負荷状態の組に対応するエンジン負荷よりも大きいエンジン負荷に対応している。

    図1において、横軸はエンジン速度を示し、縦軸は負荷状態を示し(負荷状態は、負荷状態と直接に相互関連する変数である燃空比と同等と見なされる)、ラインCは、2つの異なる動作モードを分割する予混合燃焼安定限界を示す。 ラインMはエンジンの最大負荷限度を示す。 領域Pは、高圧直接噴射を用いた初期始動時低負荷状態を示し、領域Lは、予め決められたエンジン負荷より上の、好適な動作モードのための低負荷状態を示し、ラインOが、これらのモード間でエンジンが移行を生じる場所を画定している。 この第2の低負荷動作モードは、移行期低負荷モードである。 領域Hは、高負荷動作モードを示す。 図2はピストンが上死点又はその付近にあるときに、パイロット燃料及び気体燃料の両方が燃焼室内に噴射されている様子を示す。 図3に示す動作モードは、好ましくは、エンジン負荷が予め決められた値を超えた後に用いられ、特には、ここで霧化燃料と直接噴射燃料とが導入される。 この動作モードは、3つの段階又は事象における燃焼室内への連続的な燃料噴射を示す。 図4は、高負荷状態の好適な組における、燃料の燃焼室内への連続噴射を示す。 図5は、図5a及び5bを含み、エンジン燃焼室の部分断面図であり、高負荷状態の第2の組における、燃料の燃焼室内への供給又は噴射の連続事象を示す。 図6は、図6a,6b及び6cを含み、エンジン燃焼室の部分断面図であり、高負荷状態の第3の組における、燃料の燃焼室内への供給又は噴射の連続事象を示す。 図7は、予め決められた動作パラメータの組に従って燃料噴射タイミングを実行するために電子制御ユニットにより用いられる論理の例を提供する。 方法のこの実施形態において、エンジン負荷と相互関連する、空気に対する燃料の比率が、望ましい動作モードを選択するために決定され、用いられる。

    好適な方法において、燃料は、少なくとも1つの往復ピストンと、ピストンに関連するクランクシャフトとを有する内燃エンジンの燃焼室内に噴射される。 この方法は、概して2つの燃料を含み、これらの燃料の一方は、気体燃料よりも容易に自己着火するパイロット燃料である、しかし、この方法は、概して、パイロット燃料以外の着火源、例えば、グロープラグなどの熱面着火源を用いることもできる。 この方法の焦点の大部分は、低負荷状態における予混合燃焼安定限界及びエンジンの要求条件に当てられている。 しかし、好適には用いられる気体燃料は、天然ガス、その他のガス状炭化水素、又は水素ガスである。 パイロット燃料を用いる場合、パイロット燃料は、液体炭化水素燃料又は液体燃料の混合物であってよいが、好適な実施形態において、パイロット燃料は、慣用のディーゼル燃料又はジメチルエーテルである。

    本発明の方法に従えば、エンジンの負荷状態はモニタリングされ、異なる動作モードが始動される所定の条件が画定されている。 例えば、動作中のエンジンの燃焼室への燃料の導入は、低負荷動作モードと高負荷動作モードでは異なるように制御されることができる。

    本発明の方法は、2つの動作モードを考慮に入れており、これらの各々が、少なくとも1つの動作パラメータを用いることができる。 図1は、エンジン速度に対するエンジン負荷のプロットである。 エンジン速度は、例えばクランクシャフトの回転速度を回転数/分(RPM)で測定することにより測定できる。 縦軸に測定値が示されたエンジン負荷が、空気に対する総燃料量の比率と相互関連している。 図1は、燃料の「予混合燃焼安定限界」により決定されるラインCにより分割された2つの領域をグラフで示す。 予混合燃焼安定限界は、所与の燃料の空気に対する比率で示される。 予混合燃焼安定限界は、以下のように定義される。 酸素と混合された燃料(すなわち、霧化された燃料の量は、空気に対する燃料の比率(燃空比)(F/A)をもたらし、ピストンシリンダ内の霧化気体燃料の量が、安定した予混合燃焼を提供しなくなる空燃比(F/A)となる限界が、予混合燃焼安定限界である。例えば、予混合燃焼は、火炎伝播、又は、(均一)予混合圧縮自己着火燃焼により定義され、予混合圧縮自己着火燃焼によれば、霧化された燃料の燃焼は、燃焼室全体における多くのポイントにて実質的に同時に生じ、火炎伝播を実質的に生じない。予混合圧縮自己着火燃焼は、主に、化学反応動力により制御されると考えられ、燃焼室内部の乱流は、この燃焼モードに重大な影響を与えない。したがって、予混合燃焼安定限界は、可燃限界と区別される。これは、可燃限界の定義が、ピストンシリンダ内の気体燃料の、燃焼の火炎伝播モードを支持しなくなるF/A比をもたらす量であることによる。したがって、予混合燃焼は、火炎伝播を支持するには希薄過ぎる燃料混合物を燃焼させることができるため、予混合安定限界と関連する負荷又はF/A比は、可燃限界と関連する負荷又はF/A比よりも小さい。すなわち、予混合安定限界を低負荷動作領域Lのための上限として用いることにより、この領域の範囲が、可燃限界を領域Lの上限として用いる場合よりも小さくなる。これは、すなわち、このような安定した燃焼が、火炎伝播燃焼だけでなくそれ以外のもの、すなわち、均一予混合気燃焼も取り入れているからである。したがって、予混合燃焼安定限界を低負荷動作領域Lの上限として用いることの利点は、高負荷動作領域Hの範囲を増大させることである。

    好適な実施形態において、予め画定された低負荷状態及び高負荷状態に対応する3つの動作モードがある。 これらの動作モードが図1にグラフで示されている。 横軸は、毎分回転数(RPM)で測定されたエンジン速度(すなわち、クランクシャフト回転)を示し、縦軸は、空気に対する燃料の比率(燃空比)を示し、これは、エンジンにかかる負荷と相互関連するパラメータである。 燃空比は、固定されたエンジン速度に関してエンジン負荷と共に増大する。 低負荷領域は、2つの動作領域、すなわち、始動時低負荷動作領域P、及び、移行期低負荷動作領域Lにより示されている。 領域Hは、高負荷状態に対応する領域を示す。 低負荷モード、すなわち、エンジン負荷が、予混合燃焼安定限界(ラインC)より下の燃空比を要求するモードに焦点を当てると、この動作領域は、低負荷動作モードが用いられる負荷条件の組に対応している。 図1は、低負荷動作モードが、エンジン負荷及びエンジンへの要求に従って2つの動作モードに分けられている様子を示す。 したがって、本件の技術は、始動される動作モードの組を、エンジン負荷により、また、エンジン速度のより狭い範囲にわたり最適化する。

    本文にて、領域Pを、始動時低負荷動作モードと称する。 この動作モードはエンジンの始動状態を含む。 このようなモードを望むのであれば、安定したエンジン低負荷動作モードとしてこのモードで運転することも好適であろう。 例えば、より長時間にわたるエンジン動作のために必要なアイドルモードは、始動時低負荷動作モードでの動作から利益をもたらされると言えよう。 領域Pにより提示されているように、この動作モードは、予め画定された負荷より下で、全てのエンジン動作速度に拡がることができる。 このモードは、以下に論じるように、拡散モードで燃焼する直接噴射燃料により実行されるという事実により区別される。

    同様に、本文にて、領域Lを、移行期低負荷動作モードと称する。 この動作モードは、ある範囲のエンジン速度を低負荷状態より上で含む。 以下に論じるように、このモードは、燃焼開始直前のシリンダ内の霧化燃料の最小量により決定される。 この量は、弁漏れ率、又は、漏れ流量より上で選択される比率により設定されることができる。 しかし、その範囲は、この霧化燃料の独立した燃焼、すなわち、この霧化燃料の均一な燃焼又は伝播燃焼を補助するであろう燃空比(霧化燃料のための当量比としても知られる)より下の比率の霧化燃料の量により決定される。 領域Lは、エンジンがアイドル状態で動作する動作モードとして見ることができる。 しかし、以下に述べる理由により、より長時間アイドリングさせる必要があれば、好適には領域P内に戻る。

    始動時モードとしての領域Pが、始動時状態下の燃料の直接噴射に限定される必要はない。 直接噴射のためにガスを加圧する時間が必要であれば、エンジン高圧ガスが直接噴射のために利用可能になるまで、後期ディーゼルパイロットを用いた霧化も用いられ得る。 したがって、この限られた状態において、領域Pは、比較的大量のパイロット燃料の拡散燃焼により着火された霧化充填物(fumigated charge)の燃焼を支持することになる。 これは、理想的な始動モードではないため、上死点付近での気体燃料の直接噴射への移行が、直接噴射のための圧力レベルが固定されれば、概してすぐに開始されるであろう。

    さらに、領域Lは、パイロット燃料のタイミング及び量を初期ディーゼル燃料噴射へと移行させることを開始するために用いられる。 すなわち、ディーゼル燃料の噴射が、圧縮行程のより早い時期に行われるようになり、この燃料が吸気物と混合されることが可能になる。 初期ディーゼルパイロット及び後期ディーゼルパイロットの両方が、この領域内の或る時点で、燃焼を安定させるために用いられるであろう。 ディーゼルパイロットの初期導入の意図は、吸気物の自己着火特性を変化させて、ピストンが上死点又はその付近にあるときに燃焼室内で安定した予混合燃焼状態が生じるよう準備することにある。

    図1に記載したプロットは、異なる動作モードに対応する予め画定された領域の概略的な形状を示すに過ぎない。 当業者は、RPM及び負荷、又は燃空比の実際の数値は、特定のエンジン設計の個々の特性(例えば、シリンダボアの寸法、ストロークの長さ、圧縮比、燃焼室の形状、又は、燃料のタイプ)に依存することを理解するであろう。 すなわち、異なる設計のエンジンは、異なる領域境界を動作モード間に有することができる。 特定の燃料を供給される特定のエンジンのための境界線の数値及び形状は、実験に基づいて、又は論理的に決定されることができる。

    図2,3,4及び6は、開示された方法を用いた好適な3つの動作モードを示す。 説明の全体を通じて、好適な動作方法は、複式燃料による動作を想定している。 しかし、複式燃料噴射のための方法を、単燃料による動作に適応させることができる。 すなわち、この開示を、熱面又は火花点火による燃焼を用いた方法に適応させることができる。 後期パイロット燃料噴射(ピストンが上死点付近にあるときのパイロット燃料の噴射)に関して言及した場合、これを、単燃料動作では、グロープラグ又は火花点火のタイミングに置き換えることができ、このタイミングは、パイロット燃料の燃焼タイミングによりもたらされる作用と同じ作用を点火源にもたらすように調節される。 また、燃焼は、霧化燃料の予混合圧縮自己着火、又は、直接噴射された量の燃料自己着火により、これらのいずれの場合においても、ピストンが上死点又はその付近にあるときに行われる。

    図2は、低負荷状態における、すなわち、始動時低負荷中の好適な初期動作モードを示す。
    最初に、始動時低負荷においては、図2に示されているように、吸気弁11及び排気弁12が閉じている。 ピストン13がピストンシリンダ14内の上死点又はその付近にあり、圧縮行程を完了しつつあり、又はちょうど完了したところである。 圧縮行程の方向は矢印18により示されている。 また、燃料遮断弁22が閉じられて、吸気行程中に燃料が吸気弁を通ってシリンダに入り込むことを防止し、これにより、この実施形態において、霧化燃料が燃焼室内に入ることを防止する。 このとき、パイロット燃料16をインジェクタ15を通して導入することにより、パワー(燃焼)行程が開始される。 パイロット燃料16の導入と、実際の着火及び燃焼との間に「着火遅れ」があるため、パイロット燃料16は、パイロット燃料の実際の着火がピストンが上死点付近にあるときに生じるように、好適にはピストン13が上死点に達する前に導入される。 パイロット燃料16は、上死点の手前50度と、上死点後20度との間(クランクシャフト回転の角度により測定される)に導入されることができる。 この範囲内での実際のタイミングは、測定された動作パラメータ、例えばエンジン速度を考えて設定されることができる。 例えば、エンジン速度が増すと、パイロット燃料16は燃焼室10内に、エンジンサイクルのより初期に導入されることができ、これにより、着火遅れ後の燃焼が、ピストン13が上死点又はその付近にあるときと実質的に同時に起こることになる。

    気体燃料17は、好ましくは、燃焼室10内に連続して、すなわち、パイロット燃料16の導入後に導入される。 しかし、図2に示されているように、パイロット燃料16と気体燃料17を同時に導入することもでき、これは、例えば、パイロット燃料と気体燃料の導入を同時に開始することにより、又は、燃料の導入を部分的に重ねる(すなわち、パイロット燃料16を最初に導入し、次いで気体燃料17を、パイロット燃料16がまだ噴射されている間に導入する)ことにより行われる。 重なりが生じるかどうかは、例えば、エンジン負荷を満たすためのエンジン速度及び/又は燃料の量に依存する。 例えば、エンジン速度及び燃料の量が増大すると、より多くの重なりが生じるであろう。

    この低負荷方法に従えば、気体燃料17は吸気と十分に混合されず、気体燃料17は拡散モードで燃焼する。 低負荷動作モードにおいては、総燃料の空気に対する比率が予混合燃焼安定限界より低いので、燃焼性を高めるために、混合がより少ないことが望ましい。 なぜなら、したがって、このモードにおいて、気体燃料17はより濃度が高められ、パイロット燃料が燃焼しているインジェクタ付近で着火可能である。 気体燃料を吸入空気と共に導入する慣用の方法とは異なり、燃料の燃焼性を保証するために、燃焼室内に引き込まれる空気の量を制限する必要がない。 したがって、この実施形態において、開示されたこの低負荷動作モードを用いると、空気取入口を通る流れを制限することにより生じる付随的な圧力損失が、ほとんど、又は全く生じない。

    さらに、この動作モードは、始動時低負荷における他の利点をもたらす。 始動時低負荷は、気体燃料が高圧で直接噴射される場合、霧化燃料の始動時低負荷と比較して、より一貫性があり、より良好に制御される。 天然ガスの霧化燃料は、着火が比較的困難である。 始動時低負荷モードにおける霧化気体燃料に関連する可変要素の多く、例えば、シリンダに導入される空気のレベルの低減もまた良好に制御される。

    慣用の直接噴射エンジンと同様に、吸気の圧縮が吸気の温度を、圧縮行程の終端にて燃焼室10内の圧力及び温度が、パイロット燃料16導入後(すなわち、着火遅れ後)にパイロット燃料16を着火させるのに十分であるように上昇させる。 パイロット燃料16の着火が気体燃料17の着火を保証する。 低負荷動作モードのこの領域にて導入されるパイロット燃料16及び気体燃料17の量は、特定の速度のエンジン動作にて検知された負荷状態から決定される、計算された総燃料必要量に応じて調節されることができる。

    図3aを参照すると、始動時低負荷が安定し、燃料遮断弁22が開かれている。 この時点で、吸気弁内で少なくとも部分的に霧化された燃料が、シリンダ内に、直接噴射された気体燃料及びパイロット燃料と共に導入される。

    図3aにおいて、ピストン13は上死点から遠ざかり、矢印23の方向に移動している。 燃料24が、開いた燃料遮断弁22を通って吸気マニホルド26に導入される。 燃料の量は可変制御弁30により制御される。 吸気行程のこの段階において、気体燃料24が吸気マニホルド26内の空気と混合され、これにより、霧化燃料25がシリンダ10に吸気弁11を通って導入される。

    図3bを参照すると、ピストン13が矢印27の方向に移動し、圧縮行程を完了しつつある。 ピストンは上死点付近にある。 吸気弁11及び排気弁12が閉じている。 この時点にて、パイロット燃料16aが導入され、また、気体燃料17aが、図2及び始動時低負荷動作モードに関して先に記載したタイミングとほぼ同じのタイミングで導入される。 したがって、先に記載したように、パイロット燃料16aを導入した後、続いて気体燃料17aを直接噴射することができ、あるいは、この2つの燃料を部分的に重ねて導入することができる。

    吸気行程中に導入される霧化気体燃料24の当量比は、概して、可変制御弁の漏れ流量により設定される。 例として、漏れ流量は、1つの弁につき10kg/時であるが、可変制御弁、霧化システム及び他の因子により変化し得る。 弁の最小定格流量より少ない量の、霧化されるべき燃料の流れは、漏れ流量により決定され得る。 漏れ流量の作用は可変であるため、霧化気体燃料の制御は有効でない。 したがって、可変制御弁30は、概して、霧化燃料24が導入されるときに漏れ流量よりもわずかに上に設定される。

    漏れ流量よりも十分に多い霧化燃料を導入することもまた望ましいであろう。 すなわち、霧化燃料の初期導入は、漏れ流量を十分に上回る量に基づき得る。
    動作において、この第2の動作モード中、爆発行程は、その大部分が、ほぼ、直接噴射された気体燃料によってのみ行われる。 エンジンは、予混合燃焼安定限界より下で動作している。 したがって、吸気行程中に導入されるわずかな(nominal)霧化気体燃料は、均一な燃焼、又は伝播燃焼事象を支持できない。 霧化燃料の、移流又はその他の方法で拡散火炎に近づく一部のみが実際に燃焼すると考えられる。

    初期ディーゼルパイロットの導入は、また、霧化充填物(charge)の燃焼を補助し、エンジン制御の、高負荷動作モードへの移行の準備を補助する。 したがって、エンジンマップのこの領域における初期動作は、パイロット燃料及び気体燃料を上死点付近で噴射することにより制御されるが、初期パイロット燃料及び後期パイロット燃料による移行は、好適には霧化充填物が予混合燃焼安定限界を超えるための特性を有する前に行われる。 さらに、低負荷動作モードにおける全ての霧化充填物の燃焼は、充填物の特性が予混合安定限界に達しない場合でも補助される。 初期ディーゼルパイロットの導入は、燃焼を支持する充填物の自己着火特性を、燃焼が、直接噴射される主要量の燃料の拡散燃焼により開始されるときに、効率的に変化させる 当業者には理解されるように、遮断弁及び可変制御弁の両方を、気体燃料を吸気路に直接噴射するインジェクタに替えられることに留意されたい。

    図4,5及び6は、エンジン負荷状態が、図1のラインCに示された予混合燃焼安定限界を超えているときの動作モードを示す。 すなわち、これらの図は、高負荷状態でのエンジン動作モードを示し、このモードにおいて、ピストンの爆発行程が、少なくとも2つの別々の燃焼事象、すなわち、拡散と、伝播又は予混合気圧縮燃焼とにより行われる。 各動作モードが、概して、パイロット燃料及び気体燃料を3つの別々の事象にて噴射することを考慮しており、これらの事象は、幾らかの霧化燃料を燃焼シリンダ内に送ることを含む。

    図4a,4b,4cを含む図4は、予混合燃焼安定限界より上で動作する好適な方法を示す。 概して、高負荷状態での好適な動作方法において、3つの事象の第1(図4aに示す)は、霧化燃料をシリンダ内に、ピストンが矢印31の方向に移動している吸気行程中に導入する。 すなわち、可変制御弁30が、所望の量の気体燃料24aを吸気マニホルド26内に入れさせるように調節される。 気体燃料は吸気と混合され、霧化燃料25aがシリンダ内に、吸気行程の作用により引き込まれる。 霧化燃料25aのさらなる混合がシリンダ内で行われることができる。

    次に、図4bを参照すると、或る量のパイロット燃料が導入されている。 この燃料量は、吸気行程中又は圧縮行程中に導入されることができる。 この選択的モードにおいて、パイロット燃料16bは、吸気行程の完了時に導入されることができるが、好適には圧縮行程中に導入される。 最適には、パイロット燃料16bは、上死点より前の120度〜60度(クランクシャフト回転角度により測定)にて導入される。 こうして、以下の要素が均衡する。 すなわち、
    (a)霧化充填物の燃焼開始の制御―充填物の自己着火特性は、初期パイロット燃料噴射が導入されると変化し、これは、上死点付近での噴射により最良に達成される。

    (b)シリンダ内に見られる、吸気充填物によるパイロット燃料の均一化の機会の増大。 これは、ピストンが上死点に達するより十分に前の噴射により最良に達成される。
    パイロット燃料を上死点より十分に前に導入することは、パイロット燃料が吸気とシリンダ内で、少なくとも部分的に、あるいはかなりの部分が混合されることを可能にし、これにより、パイロット燃料は、一度着火すれば、NO 排出及び粒子状物質の排出を低減したよりクリーンな燃焼を可能にする。 好ましくは、燃焼安定性及び着火タイミングが初期パイロット噴射のみによって適切に制御されるのであれば、この高負荷動作モードにおいて、後期パイロット燃料噴射を省くことができる。 図6に関する以下の説明も参照されたい。

    図4cを参照すると、霧化燃料の供給とパイロット燃料噴射が行われた後、気体燃料17bの、シリンダ内への直接噴射が、爆発行程中又は爆発行程開始直前にピストンが上死点付近にあるときに開始される。

    概して、霧化燃料25aから得られるエネルギーは、或る時間の特定の地点で経験される負荷状態下のシリンダ10内の霧化燃料のノック限界により決定される。 すなわち、所与の高負荷条件の組に対し、吸気行程中の気体燃料の初期噴射の当量比は、運転者による要求にしたがって、好ましくは、その量の霧化燃料のノック限界に近づくまで増大され、これにより、霧化燃料25aの燃焼により供給される動力の量を、霧化燃料の過剰ノッキングを生じずに最大化する。 センサ、例えば、燃焼及びノッキングの開始を検知するセンサを用いて、過剰なノッキングを監視することができる。 同時に、全ての動力が霧化充填物により供給されるならば、直接噴射される燃料の量は、低減、又は排除される。

    高負荷状態において、ノッキングにより制限される予混合燃焼による負荷条件を超えるさらなる負荷要求を、直接噴射される気体燃料17bの供給を増大することにより満たすことができる。 図4cを参照されたい。 この気体燃料は、説明したように、上死点付近に噴射され、拡散モードで燃焼する。 拡散モードの燃焼を用いることにより、排出面での不利益が生じる。 しかし、これらの不利益は、エンジンが、直接噴射により、それ以外の場合よりもかなり高い負荷要求を満たすことができることにより相殺される。 この方法を用いるための重要な策は、広範な動作状態にわたり、可能な限り多くの霧化燃料25aを、過剰ノッキングを生じずに供給し、これによりNO x及び粒子状物質などの排出を制限することにある。

    換言すれば、気体燃料17bが圧縮行程の終端にて、又は爆発行程中に上死点付近で噴射されるため、気体燃料17bは、燃焼室10内で空気と徹底的に混合される機会を有さない。 したがって、この気体燃料17bは、実質的に拡散モードの燃焼で燃焼する。 ピストンが上死点付近にあるときに導入されることができる霧化燃料の量は、ノック限界により限定されるため、所定の地点(通常、このノック限界により決定される)を超えたエンジンパワー出力は、図4cに示されているように直接導入される気体燃料17bの量を調節することにより優先的に制御される。 すなわち、予混合燃焼は、霧化燃料25aのノック限界までのみ、高負荷状態のために働くことになる。

    気体燃料17b及び24bが天然ガス又は水素などの燃料であり、かつパイロット燃料16aがディーゼル燃料である場合、ピストンが上死点付近にあるときに気体燃料17bをさらに導入することにより、高負荷状態下のエンジン要求を満たすために用いられる気体燃料の割合が増大する。 高負荷動作モードの好適な実施形態において、パイロット燃料16bの量は、エネルギー基準で総燃料の約1〜15%を示し、残りの割合を気体燃料17b及び24bが占める。 また、特に、より高いエンジン負荷が要求されている場合、パイロット燃料の量が1未満に下がり得る状態もある。

    したがって、気体燃料及びパイロット燃料を、高負荷状態中の3つの別々の事象において導入する開示された方法は、希薄予混合燃焼及び拡散モードの燃焼の両方を用いることにより、過剰ノッキングの可能性を低減し、かつ、効率的な動作をもたらす。 これらの燃焼の両方を用いることは、エンジンの動作範囲を、予混合燃焼のみを用いる方法に比べて増大する。 予混合燃焼安定限界を高負荷動作のための低限界として用いる(図1のラインC参照)ことの利点は、これにより、エンジンが、可燃限界をこの低限界として用いる場合と比較して、より希薄燃焼性の(リーンバーンな)均一の燃焼から利益を得ることができる(そして排出が低減される)ことである。 この方法は、また、高いエンジンパワー出力を維持し、なおかつ、NOx及び粒子状物質の排出を、慣用の動作方法よりも低減する。

    また、先に述べたように、この高負荷の動作方法が、要求条件のより低い高負荷状態において、幾らかの動力要求を、直接噴射される気体燃料をかなり低減することにより、また或る場合には完全に排除することにより満たせることに留意されたい。 すなわち、動力要求を霧化気体燃料25aのみにより満たせるならば、直接噴射燃料の量をこのように低減することにより、排出物をさらに低減できる。 このような縮小された高負荷動作環境は、ノック限界により、霧化気体燃料が動力要求をノック限界より下の当量比で満たし得るようにほぼ限定される。 この動作モード内で、燃焼室10内に導入される気体燃料24a及び霧化燃料25aの量はエンジン負荷に応答して調節されることができる。 しかし、ノック限界に達したならば、霧化気体燃料の当量比はほぼ一定となり、このとき動力需要は、直接噴射される気体燃料17bの量を変化させることにより満たされる。

    しかし、直接噴射される気体燃料を、低減又は排除して動作するときには注意を払わなければならない。 気体燃料の直接噴射は、インジェクタ先端の過熱をインジェクタの設計に応じて制御することを補助し得る。 インジェクタ先端がシリンダ内に、より高負荷の動作に耐えるように設けられているならば、先端の加熱を、先端の設計に応じてモニタリングできることが有利であろう。 気体燃料の直接噴射の幾らかを、予め決められたインジェクタ先端メンテナンス限界以下に維持することが望ましいであろう。 これが、インジェクタを1つのサイクルから別のサイクルの間に冷却することを補助することになる。

    図5a及び5bに見られるような、高負荷状態における第2のモードである2段階の気体燃料動作(記載されたモードにおいて、パイロット燃料を用いる)は、先に記載したような吸気行程中の霧化気体燃料25bの噴射により開始する(図4参照)。 パイロット燃料16cが上死点付近で噴射され、その後、気体燃料17cが燃焼室内に上死点付近で直接噴射される。 この気体燃料噴射は、パイロット燃料16cの噴射中に、又はそのすぐ後に開始する。 ここでもまた、霧化気体燃料の当量比は、好適にはそのときの負荷状態でのノック限界を超えずに最大化される(これらの負荷状態が、ノック限界により限定された霧化燃料により満たされる負荷状態を超えるのであれば)。 残りの動力要求は、直接噴射された気体燃料17cにより得られる拡散燃焼により満たされる。

    図6a,6b及び6cを参照すると、高負荷状態での動作のためのさらなる実施形態が示されている。 この方法に関しては、先に、各サイクル中の異なる2つの地点におけるパイロット燃料の噴射を例示して述べた。 図6bを参照すると、初期噴射パイロット燃料16dが、好ましくは、圧縮行程の開始時、又はその付近にて導入される。 図6cを参照すると、次いで、後期噴射パイロット燃料16eが、ピストンが上死点付近にあるときに導入される。 これは、燃焼の開始のより良好な制御を可能にする。 なぜなら、要求された量のパイロット燃料が、所望の燃焼開始の直前に、ピストンが上死点付近にあるときに導入されるからである。 そしてまたこれは、或る量のパイロット燃料も吸気又は酸素と混合されることを可能にし、得られた燃料、すなわちパイロット燃料と吸入燃料との混合物の、よりクリーンな燃焼をもたらす。 この実施形態において、霧化燃料25c(図6a)及び直接噴射される燃料17d(図6c)の噴射は、高負荷動作のための、図4及び5に示された実施形態に対応している。

    先に述べた一般的な高負荷多事象の気体燃料導入配列と同じ配列を有する他の動作方法もあることに留意されたい。 これらは、気体燃料を、吸気行程中の、又は圧縮行程の初期の高圧状態下でシリンダ内に直接噴射して導入することを含む。 この配列は、気体燃料を導入し、次いでこの気体燃料を、吸気行程中に引き込まれる吸気と混合させ、これにより、霧化気体燃料を、爆発行程の開始時までに送り込む。 吸気行程中又は圧縮行程の初期に直接噴射される気体燃料は、圧力をかけて噴射される。 すなわち、このような霧化燃料は最初にコンプレッサを通過し、このガスを噴射前に圧縮するためのエネルギーを消費する。 エンジンサイクル中のこの時点で圧力を加えてこの気体燃料を噴射することによる実質的な利点は認められない。 コンプレッサで気体燃料を圧縮するために必要とされるエネルギーは、実質的な利益が得られないため、浪費される。 これは、燃料を液化天然ガスとして貯蔵する場合、さほど重要なことではない。 燃料は液体として加圧されることがより簡単であるため、コンプレッサの必要性は、燃料貯蔵の他の手段である圧縮天然ガスとの比較考慮要素にエネルギーを含めると、重要でなくなる。

    先に説明した動作配列を参照すると、パイロット燃料を用いたサイクルの全体は、好ましくは、以下のように作動する。 始動時低負荷において、エンジンは、パイロット燃料16及び気体燃料17の燃焼を用いて動力を供給され、これらの燃料は、各々、ピストン13が上死点付近にあるときに噴射される。 両方の燃料量が圧力下で直接噴射される。 エンジン始動時後に安定した低負荷動作が達成されたすぐ後に、又は、エンジン負荷が無視できる程度でアイドル状態下で長時間動作している場合(例として、図1の領域Pを参照されたい)、エンジン動作モードが移行期低負荷動作モードLに移行される。 ここで、遮断弁22が開いて気体燃料24が可変制御弁30を介して吸気マニホルド26に導入される。 可変制御弁30は、最初、制御弁漏れ流量により確定された最小流量から導かれる霧化燃料量を超えた低当量比の霧化燃料25をもたらすように設定されている。 運転者が、予混合燃焼安定限界を超えた、より高い負荷需要(例として、図1のラインCより上の領域H)をエンジンが満たすように要求したならば、領域Lにて、パイロット燃料16bがシリンダ内に、圧縮行程の初期又は吸気行程にて導入される。 この初期噴射は、後期パイロット噴射により予混合燃焼安定限界より下で補助される。 徐々に、負荷が増大するにつれ、初期パイロットの量が増大する。

    最終的に、パイロット燃料の量は、負荷需要によりほぼ決定されるように、増大している霧化量と共に、ピストンが上死点付近にあるときの要求時に着火するように、予混合燃焼安定限界に達する。 後期ディーゼルパイロットは、燃焼が、初期パイロット燃料の噴射と混合された霧化充填物の自己着火特性により制御されることにより十分に制御される場合、用いられなくてよい。 ラインCにて領域Hに移行するときに、後期ディーゼルパイロットは遮断されることができ、総エネルギー容量としての直接噴射燃料の量を低減することができる。 この限界を超えたさらなる動力を、霧化燃料をノック限界に達するまで追加することにより提供することができる。 上死点付近に直接噴射される気体燃料17bを増大及び/又は再導入することにより、ノック限界を超えた動力需要を満たすことができる。

    インジェクタ先端の加熱を、パイロット燃料又は気体燃料の流れにより制御することができる。 また、予混合燃焼安定限界に達したならば、通気ニードルを用いて、直接噴射される燃料の量を、領域Lにわたり、後期ディーゼルパイロットにより遮断されるまで低減することが可能である。 すると、霧化充填物のみの燃焼により動力供給される、ラインCを超えた領域が現れるであろう。

    非常に希薄な霧化燃料25を移行期低負荷動作L中にシリンダ13内に導入することは、最初は、シリンダ内に流入する漏れ流量を制御するために行われるが、この動作モードが、可変制御弁の漏れ流量より上の当量比での低負荷動作モードにおいて有益であることに留意されたい。 この配列において、焦点は、霧化段階にてシリンダ内に導入される燃料の量と、これが、高圧直接噴射気体燃料17aのみにより生じる拡散燃焼を超えた第2の燃焼事象を爆発行程中に生じさせるかどうかに当てられている。 この動作モードにおいて、高圧直接噴射気体燃料17aから、安定的な始動時低負荷が固定された後の霧化に移行することが望ましい。 したがって、低負荷状態での霧化及び初期ディーゼルパイロットの利点の1つは、それが、公称動力のみをエンジンに供給する、霧化量を制御した動作モードをもたらすことである。 次いで、このシステムは、複式燃焼低排出高負荷動作への移行のために準備されるが、同時に、高圧直接噴射17のみでの始動時低負荷をなお可能にしている。 同様に、運転者が要求した場合のさらなる負荷要求に備えて、拡散燃焼のみによるアイドルモードに戻る方法もある。

    先に述べたように、他の動作方法もあることは当業者に明らかであろう。 しかし、開示した方法は、
    (a)広範な運転要求にわたってエンジンの負荷要求を満たし、
    (b)排出物、最も重要なものではNO x及び粒子状物質の排出を最小限にし、かつ、
    (c)始動時低負荷から、移行期低負荷を経て、予混合燃焼安定限界を超えた高負荷動作への移行を容易にする動作モードを提供するための好適な方法を示している。

    複数のピストンを含むエンジンに関しては、複数の補助インジェクタを用いることができる。
    好適な実施形態において、気体燃料24,24a,24b,24c及び直接噴射される気体燃料17,17a,17b,17c,17d(場合により)の、パイロット燃料16,16a,16b,16c,16d,16eに対する比率、及び、燃料を燃焼室13に導入するタイミングは、電子制御装置(ECU)により決定される。 図7は、制御論理ダイアグラムであり、このようなECUにプログラミングして実行できる論理を示す。

    図7を参照すると、現下の動作状態に関するデータを収集するために測定サブシステム201が用いられる。 好適な実施形態において、測定サブシステム201は、スロットル位置及びエンジン速度に関するデータを収集する。 測定サブシステム201は、さらなるデータ、例えば、吸気マニホルド充填温度、エンジン冷却材の温度、吸気マニホルド充填圧力、空気流、過剰ノッキングの発生を示す情報、及び、燃焼の開始を示す情報を、状況に応じて提供することができる。

    例えば、ECUは、好ましくは、測定されたスロットル位置を示すデータを受け取り、このデータを用いて、現行のエンジン負荷を満たすのに必要な総燃料量(Ft)をエネルギーベースで計算する。 次いで、ECUは、望ましいパイロット燃料量(Fp)を決定し、これは、例えば、エンジンのために較正されたルックアップテーブルから得ることができる。 そして、気体燃料の量(Fg)は、容易に計算される(すなわち、Fg=Ft−Fp)。

    一方、ECUは、測定サブシステム201から、現下の空気流(A)を示すデータ、又は、ECUがAを計算するために用いることができるデータを受け取ることもできる。 ECUは、既知のFg及びAを用いて、空気に対する気体燃料の比率(すなわち、Fg/A)を計算することができる。

    好適な実施形態において、測定サブシステム201は、また、現下のエンジン速度を示すデータをECUに送る。 したがって、ECUは、システム201に送信された情報から導かれたFg/A及びその他の動作情報を用いて、望ましい動作モードを、例えば、図1に示した情報と類似の情報を記憶しているルックアップテーブルを参照することにより決定することができる。 好適な実施形態において、Fg/Aが予混合燃焼安定限界(C)より小さいならば、低負荷動作モードが選択され、Fg/AがCより大きいならば、高負荷動作モードが選択される。 エンジンマップ上で較正されるブースト圧も、予混合燃焼安定限界を決定するために用いられることができる。 また、ECUは、始動時低負荷での運転者要求(負荷要求)にほぼ基づいて、燃料遮断弁をいつ開き、高圧直接噴射気体燃料及びパイロット燃料のみの供給から、低負荷霧化気体燃料の供給を開始するべきかを決定することになる。

    望ましい動作モードが選択された後、燃料を燃焼室内に導入するためのタイミングが選択される。 先に述べたように、気体燃料(霧化及び直接噴射)ならびにパイロット燃料噴射のタイミング及びシーケンスは、選択された動作モードに依存する。 さらに、動作モード内の特定のタイミングもまた、エンジン速度、及び、噴射されるべき燃料の量により決定されることができる。 したがって、ECUが望ましい動作モードを決定した後、気体燃料及びパイロット燃料の噴射のタイミングが設定される。 最後に、気体燃料及びパイロット燃料が、燃焼室内に、適切に設定された時間に噴射される。

    測定サブシステムが過剰ノッキングの発生を検知する実施形態において、ECUは、過剰ノッキングの再発生を防止するために、記憶されている値を再較正することによりノック限界Kのための値を再較正することができる。 すなわち、過剰ノッキングが高負荷動作モード中に検知されたならば、ECUは、霧化気体燃料(F fg )の量を低減するために、ECU自体を再較正することができる。

    また、ECUは、ノッキングを過剰ノッキング限界レベルより下に戻すために、吸気マニホルド温度、初期ディーゼルパイロット燃料の量、及び燃料の当量比などのパラメータを変更することができる。

    ECUは、また、吸気マニホルド圧力及び温度の変更を補償するために予混合安定限界を再較正することができる。 あるいは、吸気マニホルドの温度及び圧力をモニタリングし、調節することにより、予め決められた動作状態のための実質的に一定の値を維持することができる。

    本文中に用いられるように、用語「スロットル」又は「スロットル位置」は、負荷要求をエンジンに伝えるための一般的な意味で用いられている。 典型的に、このような負荷要求は、ユーザにより設定され、フットペダルの配置(車両エンジンの場合)、又は、予め決められた負荷要求(固定的なエネルギー発生エンジンの場合)であることができる。 一般に、ユーザが負荷要求を設定できる多くの方法があり、用語「スロットル」は、この一般的な意味で理解されるべきである。

    上記の開示は、固定的な動力利用のために導かれた。 この方法ならびに関連する装置及び制御を、車両での利用に適応させ得る。 この2つの用途における主な違いは、固定的な動力利用の場合、車両での利用の場合よりもずっと長時間一定の負荷状態で作用する傾向があることである。 車両は、一般に、負荷の変動性がより高い。 しかし、開示された方法は、固定的な動力利用又は車両での利用のいずれにおいても、異なる負荷状態間を移行する方法を提供する。 車両での利用においては、ただ、領域Pから領域Lを経由した領域Hへの移動が、より頻繁になる。

    さらに、本発明の説明は、4ストロークエンジンに向けられているが、当業者は、本発明の燃料噴射方法が、他のエンジンタイプ、例えば、2ストローク燃焼エンジンにも適用できることを理解するであろう。

    本発明の方法及び装置の特定の要素、実施形態及び用途を示してきたが、当業者により、特に上記の教示に照らし合わせて改良が行われ得るため、本発明がこれらの開示に限定されないことが当然理解されるであろう。 したがって、本発明の範囲内に入る特徴を組み込むような改良を、添付の特許請求の範囲が包含することが意図されている。

    複数の動作モードを画定するためにどのように負荷条件を用いることができるか、及び、これらの動作モード間の相互作用を例示するプロット。

    エンジン燃焼室の部分断面図。

    気体燃料が、吸気行程中に或る量の空気と共に吸気入口を介して導入され、燃焼室内に噴射されている様子を示す、低負荷状態下の第2の動作モードを示すエンジン燃焼室の部分断面図。

    爆発行程の開始前又は開始時に、或る量のパイロット燃料、及び直接噴射される或る量の気体燃料が、ピストンが上死点又はその付近にあるときにシリンダ内に噴射される様子を示す、低負荷状態下の第2の動作モードを示すエンジン燃焼室の部分断面図。

    霧化気体燃料が燃焼室内に、吸気行程中に吸気弁を通して噴射されている様子を示すエンジン燃焼室の部分断面図。

    圧縮行程の初期段階中のパイロット燃料の噴射を示すエンジン燃焼室の部分断面図。

    爆発行程の開始直前又は開始時における上死点付近での気体燃料の最終直接噴射を示すエンジン燃焼室の部分断面図。

    霧化気体燃料が吸気行程中に燃焼室内に吸気弁を通して噴射される様子を示すエンジン燃焼室の部分断面図。

    ピストンが上死点又はその付近にあるときのパイロット燃料及び気体燃料の噴射を示すエンジン燃焼室の部分断面図。

    霧化気体燃料が吸気行程中に燃焼室内に吸気弁を通して噴射される様子を示すエンジン燃焼室の部分断面図。

    第1の量のパイロット燃料を圧縮行程中の初期段階中に噴射する様子を示すエンジン燃焼室の部分断面図。

    ピストンが上死点又はその付近にあるときに第2の量のパイロット燃料が噴射され、また気体燃料が直接噴射されて導入される様子を示すエンジン燃焼室の部分断面図。

    制御論理ダイアグラム。