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Sulfoderivatives of indanthrone, lyotropic liquid crystal systems and anisotropic films and base it

申请号 JP2004511311 申请日 2003-06-09 公开(公告)号 JP4174774B2 公开(公告)日 2008-11-05
申请人 日東電工株式会社; 发明人 エレナ エヌ シドレンコ; ヴィクトル ヴェー ナザロフ;
摘要
权利要求
  • 以下の構造I及びIIからなる群から選択される構造式を特徴とするインダンスロンスルホ誘導体。
    (式中、nは、3又は4の整数であり、
    Rは、個々に、CH 3 、C 2 H 5 、OCH 3 、OC 2 H 5 、Cl、Br、OH及びNH 2からなる群から選択され、
    zは、0乃至4の整数であり、
    Mは、対イオンであり、かつ
    jは、染料分子中の対イオンの数である。 )
  • 前記誘導体が、リオトロピック液晶相を形成しうる請求項1記載のインダンスロンスルホ誘導体。
  • 前記誘導体が、光学的異方性フィルムを形成しうる請求項1記載のインダンスロンスルホ誘導体。
  • 前記誘導体が、光学的等方性フィルムを形成しうる請求項1記載のインダンスロンスルホ誘導体。
  • 前記誘導体が、少なくとも部分的に結晶質であるフィルムを形成しうる請求項1記載のインダンスロンスルホ誘導体。
  • 前記誘導体が、偏光フィルムを形成しうる請求項3記載のインダンスロンスルホ誘導体。
  • 前記誘導体が、複屈折フィルムを形成しうる請求項3記載のインダンスロンスルホ誘導体。
  • 前記誘導体が、位相遅延フィルムを形成しうる請求項3記載のインダンスロンスルホ誘導体。
  • 請求項1記載のインダンスロンスルホ誘導体を1種以上含むことを特徴とするリオトロピック液晶系。
  • 前記リオトロピック液晶系が、更に水を含む請求項9記載のリオトロピック液晶系。
  • 前記リオトロピック液晶系が、更に水及び有機溶媒の混合物を含み、前記有機溶媒が、水と混和性である請求項9記載のリオトロピック液晶系。
  • 前記インダンスロンスルホ誘導体の含量が、約3乃至40質量%の範囲である請求項9記載のリオトロピック液晶系。
  • 前記インダンスロンスルホ誘導体の含量が、約5乃至25質量%の範囲である請求項12記載のリオトロピック液晶系。
  • 約5質量%以下の界面活性剤を更に含む請求項9記載のリオトロピック液晶系。
  • 約5質量%以下の可塑剤を更に含む請求項9記載のリオトロピック液晶系。
  • 以下の一般式のインダンスロンスルホ誘導体を意味する化合物1種以上を更に含む請求項9記載のリオトロピック液晶系。
    (式中、pは、1又は2の整数であり、
    Rは、個々に、CH 3 、C 2 H 5 、OCH 3 、OC 2 H 5 、Cl、Br、OH及びNH 2からなる群から選択され、
    zは、0乃至4の整数であり、
    Mは、対イオンであり、かつ
    jは、染料分子中の対イオンの数である。 )
  • 約0乃至20質量%の濃度範囲の構造I及びIIのインダンスロンテトラスルホ誘導体、
    約0乃至70質量%の濃度範囲の構造I及びIIのインダンスロントリスルホ誘導体、
    約0乃至70質量%の濃度範囲の構造IIIのインダンスロンジトリスルホ誘導体、及び 約0乃至30質量%の濃度範囲の構造IIIのインダンスロンモノトリスルホ誘導体、
    を更に含む請求項16記載のリオトロピック液晶系。
  • 約0乃至20質量%の濃度範囲の構造I及びIIのインダンスロンテトラスルホ誘導体、
    約10乃至60質量%の濃度範囲の構造I及びIIのインダンスロントリスルホ誘導体、
    約10乃至60質量%の濃度範囲の構造IIIのインダンスロンジトリスルホ誘導体、及び 約0乃至20質量%の濃度範囲の構造IIIのインダンスロンモノトリスルホ誘導体、
    を更に含む請求項17記載のリオトロピック液晶系。
  • 一般的なリオトロピック液晶系を形成しうる1種以上の水溶性有機染料を、1種以上の構造I及び/又はIIのインダンスロンスルホ誘導体とともに更に含む請求項9記載のリオトロピック液晶系。
  • 構造I及びIIから個別に選択された化合物2種以上を更に含む請求項9記載のリオトロピック液晶系。
  • 2種以上の異なる置換基R及び/又はM及び/又は異なるn及び/又はz値を有する構造I及びIIから個々に選択された化合物2種以上を更に含む請求項9記載のリオトロピック液晶系。
  • 以下の構造I及びIIからなる群から選択されるインダンスロンスルホ誘導体を1種以上含むことを特徴とする光学的異方性フィルム。
    (式中、nは、3又は4の整数であり、
    Rは、個々に、CH 3 、C 2 H 5 、OCH 3 、OC 2 H 5 、Cl、Br、OH、NH 2からなる群から選択され、
    zは、0乃至4の整数であり、
    Mは、対イオンであり、かつ
    jは、染料分子中の対イオンの数である。 )
  • 前記フィルムが、少なくとも部分的に結晶質である請求項22記載の光学的異方性フィルム。
  • 前記結晶における平面間の間隔が、光学軸の一に沿って約3.1乃至3.7Åである請求項23記載の光学的異方性フィルム。
  • 構造式IIIのインダンスロンスルホ誘導体1種以上を更に含む請求項22記載の光学的異方性フィルム。
    (式中、pは、1又は2の整数であり、
    Rは、個々に、CH 3 、C 2 H 5 、OCH 3 、OC 2 H 5 、Cl、Br、OH、NH 2からなる群から選択され、
    zは、0乃至4の整数であり、
    Mは、対イオンであり、かつ
    jは、染料分子中の対イオンの数である。 )
  • 約0乃至20質量%の濃度範囲の構造I及びIIのインダンスロンテトラスルホ誘導体、
    約0乃至70質量%の濃度範囲の構造I及びIIのインダンスロントリスルホ誘導体、
    約0乃至70質量%の濃度範囲の構造IIIのインダンスロンジトリスルホ誘導体、及び 約0乃至30質量%の濃度範囲の構造IIIのインダンスロンモノトリスルホ誘導体、
    を含む請求項25記載の光学的異方性フィルム。
  • 約0乃至20質量%の濃度範囲の構造I及びIIのインダンスロンテトラスルホ誘導体、
    約10乃至60質量%の濃度範囲の構造I及びIIのインダンスロントリスルホ誘導体、
    約10乃至60質量%の濃度範囲の構造IIIのインダンスロンジトリスルホ誘導体、及び 約0乃至20質量%の濃度範囲の構造IIIのインダンスロンモノトリスルホ誘導体、
    を更に含む請求項26記載の光学的異方性フィルム。
  • 1種以上の水溶性有機染料を更に含む請求項22記載の光学的異方性フィルム。
  • 構造I及びIIの化合物を2種以上含む請求項22記載の光学的異方性フィルム。
  • 2種以上の異なる置換基R及び/又はM及び/又は異なるn及び/又はz値を有する構造I及びIIの1種以上の化合物2種以上を含む請求項22記載の光学的異方性フィルム。
  • 前記フィルムが、偏光である請求項22記載の光学的異方性フィルム。
  • 前記フィルムが、遅延剤である請求項22記載の光学的異方性フィルム。
  • 請求項8記載のリオトロピック液晶系を支持体上に付着させる工程、
    配向させる力を加える工程、かつ 乾燥工程、
    を含むことを特徴とする光学的異方性フィルムの製造方法。
  • 前記リオトロピック液晶系が、以下の一般式のインダンスロンスルホ誘導体を意味する化合物1種以上を更に含む請求項33記載の光学的異方性フィルムの製造方法。
    (式中、pは、1又は2の整数であり、
    Rは、個々に、CH 3 、C 2 H 5 、OCH 3 、OC 2 H 5 、Cl、Br、OH、NH 2からなる群から選択され、
    zは、0乃至4の整数であり、
    Mは、対イオンであり、かつ
    jは、染料分子中の対イオンの数である。 )
  • 说明书全文

    関連出願
    本出願は、その開示の全てが参考として本出願に導入されている、2002年6月7日に出願されたロシア特許願第2002114926号の優先権を主張する。
    発明の分野
    本発明は有機化学、特に多環状スルホ誘導体化合物の合成及びこれらの化合物を基剤とする光学的異方性塗膜の製造方法に関する。

    発明の背景
    現代の技術の進歩は、新規物質の創造及びそれを基剤とする所望の性質を有する光学素子の開発に基づく。 特に、現代のディスプレイの設計において必要な素子は、所与の用途に最適な組合せの特徴を有する光学的異方性フィルムである。
    光学的異方性フィルムの製造には多くの高分子物質が使用されうる。 これらのフィルムの異方性の光学的性質は、一軸延伸及び有機又は無機(ヨウ素)化合物を用いた改質により生ずる。 Liquid Crystals: Applications and Use, B. Bahadur (ed.), World Scientific, Singapore (1990), Vol. 1, p. 101-103 に記載されているように、ポリビニルアルコール(PVA)が通常基剤ポリマーとして使用される。 しかしながら、PVAを基剤とするフィルムは熱安定性が低いのでその用途は限定される。 これらの理由で、改良された特性を有する光学的異方性フィルムの新規合成法が必要とされる。
    有機二色性染料は、優れた光学的及び作業性特性を示す光学的異方性フィルムの合成に使用しうる。 そのような化合物を基剤とするフィルムは、液晶性の染料溶液を支持体表面に塗布した後、例えば水のような溶媒を蒸発させることにより得られる。 異方性は、例えば米国特許第2,553,961号に記載されているような支持体表面の予備的な機械的配向、又は液晶状態であるフィルム物質への、例えば機械的、電磁的等のような外部配向作用のいずれかによりフィルムに付与されうる。 この方法は、PCT特許第WO 94/28073号に更に詳細に明らかにされている。
    染料溶液の液晶性は先般来公知であるが、これらの系の広範囲にわたる研究は近年始まったばかりである。 新しい研究の努は、これらの染料の一部が“発色(chromonic)”液晶系を形成しうることにより刺激された。 発色系特有の特徴は、染料分子が、中間相(mesophase)の構造要素であるカラムの形を有する超分子複合体に充填されているということである。 これらのカラム内における染料分子の高度な配向構造のために、強く配向された二色性フィルムの形成にこれらの中間相を使用しうる。

    有機染料を含む種々の発色系における分子構造、相図、及び分子凝集機構はすでに総説されている(すなわち、Lydon, J. Chromonics, in: Handbook of Liquid Crystals (Wiley-VCH, Weinheim, 1998), Vol. 2B, pp. 981-1007)。 発色中間相を形成する染料分子特有の特徴は、これらの染料を水溶性にする周辺基の存在である。 全ての発色中間相の主要な構造単位は積み重ねられた分子のカラムである。 有機染料の発色中間相は溶解性で、特別な構造を有し、特定の相図及び光学的性質を特徴とする。
    リオトロピック液晶(LLC)系を形成しうる二色性染料を使用することにより、高度な光学異方性を有するフィルムを得ることが可能になる。 フィルムの形成に高強度染料を使用すると、高熱安定性及び高光安定性を特徴とするフィルムが製造される。
    これらの性質は、光学フィルムに使用するLLC系においてかなりの関心を引き起こす。 リオトロピック液晶(LLC)の新規組成物を有するような染料を基剤とするフィルム新規創成方法の、付着方法の最適化による開発が研究されてきた。 第RU 2047643号及び第WO 99/31535号に記載されているように、新規LLC組成物は、変性剤、安定剤、界面活性剤及びその他の添加剤を公知の染料に添加してフィルムの特性を改良することにより開発することができる。
    種々の波長範囲において選択的な異方性フィルムが増え続ける新規製品により必要とされる。 したがって、必要とされる性質を有するLLC相及びフィルムを形成しうる新しい種類の化合物を開発することが望ましい。 赤外線から紫外線までの幅広いスペクトル範囲に種々の吸光度の極大を有するフィルムも望ましい。 しかしながら、現在入手しうる染料のうちごく少数だけがリオトロピック中間相の形成に有用である。 したがって、新規LC染料の各々が注目に値する目的物である。

    インダンスロンジスルホ誘導体は、光学的異方性フィルムの調製に有用な安定なリオトロピックLC相を形成しうる二色性染料である。 ジスルホインダンスロン−水系におけるリオトロピック中間相はVA Bykov等により研究されている。 “Lyotropic mesophases in the system disulfoindanthrone-water,”Zhurnal Phyzicheskoi Khimii. Vol. LXIII, No. 3,“Nauka”, 1989, pp. 793-796。 インダンスロンは、スルホン化により水溶性の形に変換しうる実質的に水に不溶性のバット染料である。 ジスルホ誘導体を製造するためには、有効量のインダンスロン及び発煙硫酸を所定の条件下でクロロスルホン酸に添加する。 反応の完了後に、混合物を冷却して水で希釈する。 得られた沈殿物を濾過し、塩酸で洗浄して乾燥させる。 次いで製造されたジスルホインダンスロンを水に溶解させ精製する。 ジスルホインダンスロン−水系の性質の分析によれば、ある温度範囲のある染料濃度から安定なリオトロピック六方中間相が形成されると思われる。 かなり狭い温度及び濃度範囲で等方性の相、二層の転移領域及びネマチック相が観察される。 ジスルホインダンスロン−水系における発色タイプのネマチック相及び六方相の存在範囲はすでに研究され、NM Kormilitsin, NV Usol'tseva, VV Bykova, GA Anan'eva,“Supeamolecular Organization in the Disulfoindanthrone-Water System”(1999). Kolloid. J., 61, 75(ロシア)において報告されている。 X線回折分析データ及び立体化学の相関に基づいて、ジスルホインダンスロン超分子凝集体充填モデルが示唆された。
    偏光フィルムの製造において使用するためのインダンスロンジスルホ誘導体に基づく種々の染料はすでに記載されている。 それらの中には、第RU 1753700号に記載されているような約620〜680mmの波長範囲において選択的な染料である、以下の構造の3-クロロインダンスロン-4,4-ジスルホン酸がある。

    第RU 2047643 (EP 961138)号には、これらの化合物を基剤とする異方性フィルムの特性を改良するために種々の変性剤を含むようなLCジスルホインダンスロンの混合物が記載されている。 PCT第WO 94/28073号には、PCT第WO 99/31535号の構造式における種々の有機カチオンを有するジスルホインダンスロン誘導体のような種々の置換基を有する種々のジスルホインダンスロン誘導体が開示されている。
    すでに記載されている水溶性のインダンスロンジスルホ誘導体の主要な欠点の一は、支持体上に均質な性質を有する異方性フィルムを製造することのこれらの化合物に基づく複雑さである。 複雑さは、LC溶液の高粘度、それらの相の不安定さ、及び無配向帯の可能性から生じ、小さな欠点は、液晶が支持体上に塗布された後の溶媒の除去中に不十分に均質なミクロ及びマクロな結晶化が進行することにより形成される。 現在入手しうる染料に基づく溶液の高粘度は、種々の厚さのフィルムが製造される可能性も増大させる。 このことは更に、得られるフィルムのパラメータの再現性を減少させる。 LC系の粘度は溶液における染料濃度を減少させることにより低下させうるが、このことは所望の光学的透過率を有するフィルムの製造を妨げうる。 これらの欠点が光学的特性の高いフィルムの形成法を複雑にする。 再現性が不十分であるということは、塗布から乾燥までのフィルム形成工程の各々における一定の技術条件の正確な調整及び厳しい制御を必要とし、このことはフィルムの製造費用を劇的に増大させうる。
    発明の要約

    製造方法を単純化し、かつフィルムの全ての領域及び容積にわたる再現性のある光学的パラメータを提供し、かつ高いレベルの光学的異方性を成就しつつ、光学的異方性フィルムの用途の実用的な可能性を広げることが本発明の目的である。

    本発明の一実施態様においては、インダンスロンスルホ誘導体が提供される。 このインダンスロンスルホ誘導体は、以下の構造I及びIIからなる群から選択される構造式を特徴とする。

    (式中、nは3又は4の整数であり、Rは個々に、CH

    3 、C

    2 H

    5 、OCH

    3 、OC

    2 H

    5 、Cl、Br、OH、NH

    2からなる群から選択され、zは0乃至4の整数であり、Mは対イオンであり、かつjは染料分子中の対イオンの数である。)

    本発明の別の実施態様においては、リオトロピック液晶系が提供される。 このリオトロピック液晶系は、構造I及び/又はIIのインダンスロンスルホ誘導体を1種以上含む。
    本発明の別の実施態様においては、光学的異方性フィルムが提供される。 この光学的異方性フィルムは、構造I及び/又はIIのインダンスロンスルホ誘導体を1種以上含む。
    本発明の別の実施態様においては、リオトロピック液晶系が提供される。 このリオトロピック液晶系は更に、以下の構造式(III)のインダンスロンスルホ誘導体を1種以上含む。

    (式中、pは、3又は4の整数であり、Rは、個々に、CH

    3 、C

    2 H

    5 、OCH

    3 、OC

    2 H

    5 、Cl、Br、OH及びNH

    2からなる群から選択され、zは、0乃至4の整数であり、Mは、対イオンであり、かつjは染料分子中の対イオンの数である。)

    本発明の更なる実施態様においては、光学的異方性フィルムの製造方法が提供される。 方法は、前述のようなリオトロピック液晶系を支持体上に付着させ、配向させる力を加え、かつフィルムを乾燥させる工程を含む。
    発明の詳細な説明
    本発明は、インダンスロン系の新規水溶性化合物の製造方法並びにこれらの化合物を基剤とする光学素子の製造方法を提供する。 本発明の利点の一は、相の安定性が増大したLLC相を形成しうる、及び少なくとも一部が結晶質であって高い光学特性を有する等方性又は異方性のフィルムの製造に使用しうる染料、すなわちインダンスロンジスルホ誘導体の品揃えを拡大することである。 本発明の化合物は、前述のような現在入手しうる化合物の欠点の多くに解を提供する。
    本発明の一面は、新規有機化合物及びこれらを基剤とするリオトロピック液晶の開発である。 これらのLLC系は、光学フィルムの製造に最適な粘度特性並びに現在入手しうる化合物と比較して幅広い温度及びpH範囲にわたって増大した安定性を有する。 これらの性質は、望ましいことにフィルムの形成方法を単純化し、標準的なコーティング装置の使用を容易にする。 その後、これらの化合物を基剤とするフィルムが再現しうるパラメータを有して容易に製造されうる。
    本発明の別の面は、更に最適化された親水性−疎水性平衡を有する新規有機化合物の開発である。 この特性は、これらの化合物から形成された超分子複合体の寸法及び形状に影響を及ぼす。 複合体自体における分子配向率も改良され、それにより当該化合物の必要とされる溶解性並びにこれらの化合物を基剤とするLLC層の高い安定性を達成しうる。 形成されたフィルムのパラメータの再現性が増大され、フィルムの形成方法はフィルムの製造方法の種々の工程において厳密な工程制御要件が除去されるために簡素化される。 フィルムの製造のために入手しうる化合物の種類が増大することも、特に望ましいパラメータを有するフィルムの製造を容易にする。 フィルムの光学的性能は、支持体上の二色性染料分子の面の整列の均質性の増大により更に改良される。 電子遷移の双極子モーメントも、外部配向応力により決定される方向に関してこれらの面にある。
    本発明による水溶性インダンスロンスルホ誘導体は、以下の一般的な構造式I及びIIの少なくとも一方により表しうる。






    (式中、nは3又は4の整数であり、Rは個々に、CH

    3 、C

    2 H

    5 、OCH

    3 、OC

    2 H

    5 、Cl、Br、OH、NH

    2からなる群から選択され、zは0乃至4の整数であり、Mは対イオンであり、かつjは染料分子中の対イオンの数である。)

    複数の分子に1つの対イオンが属する場合には、jは分数でもよい。 nが1より大きい場合には、対イオンは異種でもよい。
    インダンスロントリスルホ-及びテトラスルホ誘導体及び構造I及びIIのそれらの誘導体は、個々の形で、並びにモノ-及びジスルホ誘導体とのブレンドで異方性フィルムを形成しうる。 例えば、H + 、NH 4 + 、K + 、Li + 、Na + 、Cs + 、Ca 2+ 、Sr 2+ 、Mg 2+ 、Ba 2+ 、Co 2+ 、Mn 2+ 、Zn 2+ 、Cu 2+ 、Pb 2+ 、Fe 2+ 、Ni 2+ 、Al 3+ 、Ce 3+ 、La 3+等の群から選択されたカチオン並びにカチオン混合物を含む種々のカチオンが構造I及びIIに対応する化合物における対イオンとして使用しうる。
    インダンスロントリ-及びテトラスルホ誘導体のLC構造物を形成する強い傾向は、これらのスルホ誘導体の溶液におけるインダンスロンの互変異性形の存在により影響を受ける。 構造IIのヒドロキノン部分は、構造Iのインダンスロンのキノイド構造と供与体−受容体錯体を形成しうる。 供与体−受容体錯体は、供与体ジヒドロアジンフラグメントを含むインダンスロン及び受容体アジンフラグメントを含む酸化インダンスロン(アジン)により形成され、そのような錯体はBer., 36,3429に記載されているようにアズヒドリン(azhydrin)と呼ばれる。










    インダンスロン(構造II)トリ-及びテトラスルホ誘導体のヒドロキノンの形は電子受容体として作用する。 供与体−受容体相互作用は、2種類の分子I及びII間のトリ-及びテトラスルホ誘導体溶液中で可能になる。 例えば、Mark S. Cubberley, Brent L. Iverson, “1H NMR Investigation of solvent Effects in Aromatic Stacking Interaction”, J. Am. Chem. Soc. 2001, p. 7560-7563に報告されているように、溶液における会合過程に関する以前の研究は、溶液における分子相互作用の強さがその供与体−受容体の性質にかなり依存することを示した。 最も強い相互作用は供与体−受容体溶液において観察される。 受容体−受容体溶液は比較的弱い相互作用であり、供与体−供与体相互作用は一般的には最も弱い。 したがって、LC系の構造及び性質は、溶液中における供与体及び受容体分子の割合を変化させることにより調整しうる。 インダンスロンスルホ誘導体の溶液において供与体−受容体錯体を形成しうる互変異性体の存在は、この場合における分子の相互配向が分子間水素結合の形成により提供される追加の支援のために一層完全になるため得られる凝集体の秩序を増大させる。 この現象は、P. Carrer, Kurs organicheskoi chimii(Organic chemistry), Leningrad, 1960, p. 706, に一般的に記載されており、構造Dに示されている。

    水溶液及び水性−有機溶液中における互変異性形の存在は、インダンスロントリ-及びテトラスルホ誘導体の電子吸収スペクトルに存在するアイソベスチック(isobestic)点により確認される。
    溶液中におけるインダンスロンスルホ誘導体のキノイドI及びヒドロキノンIIの形の割合は、pHを変化させ種々の添加剤を用いることにより調整しうる。 特別な条件下では、インダンスロンの個々のキノイドの形(単独)又は個々のヒドロキノンの形(単独)が得られる。
    開示されている合成有機染料は、単独及び相互及び他の二色性染料並びに本発明によるインダンスロンジスルホ誘導体とのブレンドの両方で、安定なLLC相を形成しうる。 安定なLLC相は更に、高い光学特性を有する異方性の少なくとも部分的に結晶質のフィルムを形成しうる。 したがって、本発明によるインダンスロンポリスルホ誘導体を、個々で、並びにモノスルホ誘導体及びジスルホ誘導体とのブレンドを含むブレンドで用いると、異方性フィルムの光学的性質における少なからぬ改良を容易にする。
    本発明の一実施態様においては、LLC系が、2種以上の異なる置換基R及び/又はM及び/又は異なるn及び/又はz値を有する構造I及びIIから個々に選択された2種以上の化合物を含むリオトロピック液晶系が提供される。
    本発明による染料を基剤とするLLC相は、支持体上の塗膜LC構造物の最適粘度、及び幅広い濃度、温度、pH範囲における増大された安定性を特徴とし、このことは実質的にフィルムの形成方法を容易にし、標準的な塗布装置を使用することを可能にし、その上再現性のあるパラメータのフィルムを製造する。 一般的には、構造I及びIIに対応する化合物又はそれらの混合物は、所望の親水性−疎水性平衡が実現されるLC系を形成しうる。 積み重ねて充填するいずれかの種類の分子のための分子の周辺における3又は4このスルホ基の存在は、積み重ね表面上に荷電した基が均質に分布することを促進する。 このことは、溶液中における積み重ね構造物間の疎水性相互作用を減少させる。 同様に、形成された超分子複合体の寸法及び形状は、複合体自体における分子の秩序率と同様に影響を受ける。 このことは、これらの化合物を基剤とするLLC相の高い安定性を促進する。 その結果、、フィルム形成方法の種々の工程における方法条件及び制御の最適化が高品質フィルムの製造においてあまり重要ではなくなるので、製造されるフィルムのパラメータの再現性が改良され、フィルム形成方法が簡素化される。 フィルムの光学的性質は、支持体上における二色性染料分子面の配列の均質性の増大により更に改良される。 これらの面は、外部配向応力により決定された方向に関して電子遷移の双極子モーメントを含む。

    本発明のこの実施態様によるフィルムは異方性であり、少なくとも一部は結晶質である。 これらのフィルムは偏光子、特にE-タイプ偏光子、複屈折フィルム、及び同様な用途に使用しうる。 本明細書に記載したフィルムの性質は、構造I又はIIを有するいずれかの化合物、並びにそれらのブレンド及び本発明によるその他の化合物の場合と同様である。
    構造Iのインダンスロンのスルホ誘導体及び構造IIに対応するインダンスロンの互変異性形のスルホ誘導体は、種々の方法のいずれかにより製造しうる。 例えば、一般式I又はIIのインダンスロンスルホ誘導体は、特別な温度範囲で種々の濃度の発煙硫酸又は発煙硫酸又は一水和物とクロロスルホン酸との混合物を用いてインダンスロン及びその誘導体をスルホン化することにより合成しうる。 別の実施例においては、構造I及びIIのスルホ誘導体はまた、酸化インダンスロン及びその誘導体に対応する分子を求核付加反応させることにより製造しうる。 個々のインダンスロンスルホ誘導体はまた、スルホ誘導体の混合物を分別することにより、特に染料の混合物の硫酸溶液からの染料の分別沈殿により製造しうる。 トリ-又はテトラスルホ誘導体の製造に選択した方法に依存して、キノン型I又はヒドロキノン型IIが抽出されうる。 構造I又はIIの優先する形成に都合のよい条件は、一般的には本発明によるスルホ誘導体の溶液中で創成される。
    本発明のインダンスロンスルホ誘導体はLLC系を形成することができ、それにより光学的異方性フィルムの製造におけるその使用が容易になる。 その他の可能性のある有利な用途のうち、本発明による染料は少なくとも一部が結晶質であるフィルムの形成に特に有用である。 これらの染料はとりわけ偏光フィルムの形成に使用しうる。
    本発明のある実施態様においては、LLC相を得るのに水及び有機染料の混合物を使用する。 染料は水と完全に混和性でもよいし、部分的にのみ水と混和性でもよい。 本発明によるLC系におけるインダンスロンスルホ誘導体又はそれらの混合物の含量は、約3乃至30質量%、特に約5乃至15質量%の範囲内である。 本発明によるインダンスロンスルホ誘導体は、少なくとも2つの異なるR、n、M、又はzを有する構造I及びIIの1種以上により特徴づけられる化合物の混合物で使用しうる。 本発明によるインダンスロンスルホ誘導体は更に、I及びIIからの2種以上の構造式により特徴づけられる化合物の混合物を使用しうる。 本発明のインダンスロンスルホ誘導体は更に、少なくとも、以下の構造IIIにより示されるようなインダンスロンのモノ-及び又はジスルホ誘導体を含みうる。 構造IIIの化合物は、とりわけ、第DBP216891号、第DBP565247号、第EP254681号、第DE604895号、第DE643114号、及び第RU1753700号に記載される方法により合成しうる。

    (式中、pは1又は2の整数であり、Rは個々に、CH

    3 、C

    2 H

    5 、OCH

    3 、OC

    2 H

    5 、Cl、Br、OH、NH

    2からなる群から選択される環置換基であり、zは0乃至4の整数であり、Mは対イオンであり、かつjは染料分子中の対イオンの数である。)

    複数の分子に1つの対イオンが属する場合には、jは分数でもよい。 nが1より大きい場合には、対イオンは異種でもよい。
    本発明の更に別の実施態様においては、前述のインダンスロンスルホ誘導体の混合物は更に、1種以上の水溶性有機染料を含みうる。 この有機染料は製造されるフィルムの性質を改良する。
    本発明によるインダンスロンスルホ誘導体、特に一般的な構造式I又はIIにより特徴づけられるそれら、それらの混合物、又は一般的な構造式IIIにより特徴づけられる化合物との混合物を水に溶解させると、インダンスロンスルホ誘導体分子は異方性(棒状)の凝集体を形成し、そこでは分子がカードの積み重ね遊びに似た構造配置で充填されている。 水溶液中のそのような凝集体の各々は2つの電気層を有するミセルを表す。 溶液は高度に分散した(コロイド)リオトロピック系を形成する。 溶液中のミセルの濃度が増大すると、異方性凝集体の自然の秩序化がネマチックリオトロピック中間相を形成し、系が液晶となる。 LC状態への転移がおこる濃度はインダンスロンスルホ誘導体の比に依存し、典型的には約3乃至50質量%の濃度範囲である。 LC状態は、例えば偏光顕微鏡を用いる標準的な方法で容易に固定される。
    本発明の一実施態様においては、LC系の結晶における平面間の間隔は、光学軸の一に沿って約3.1乃至3.7Åの範囲内である。
    本発明の実施態様によるLLC系は、すでに記載した実施態様のいずれかに対応するインダンスロンスルホ誘導体を含む水を基剤とするLLC系である。 本発明によるLLC系は、いずれの割合でも水と混和しうる、又は制限付きで水と混和する有機染料と水との混合物を基剤としうる。
    本発明の一実施態様においては、LC系におけるインダンスロンスルホ誘導体又はそれらの混合物の濃度は約3乃至40質量%の範囲内である。 あるいは、濃度は5乃至25質量%の範囲内である。 この実施態様によるLC系は更に、約2質量%までの界面活性剤及び/又は可塑剤を含みうる。 あるいは、界面活性剤及び/又は可塑剤の濃度は約1%未満である。

    本発明による一実施態様によるLC系は、以下の濃度で以下のインダンスロンスルホ誘導体の混合物を含む。
    ・約0乃至30質量%の範囲内の濃度の構造I-IIのテトラスルホ誘導体。 好ましくは、
    この濃度は約0乃至20質量%の範囲内でもよい。
    ・約0乃至70質量%の範囲内の濃度の構造I-IIのトリスルホ誘導体。 好ましくは、こ の濃度は約10乃至60質量%の範囲内でもよい。
    ・約0乃至70質量%の範囲内の濃度の構造IIIのジスルホ誘導体。 好ましくは、この 濃度は約10乃至50質量%の範囲内でもよい。
    ・約0乃至30質量%の範囲内の濃度の構造IIIのモノスルホ誘導体。 好ましくは、こ の濃度は約0乃至20質量%の範囲内でもよい。
    一般的な構造式I又はIIにより特徴づけられる個々のインダンスロンスルホ誘導体、それらの混合物、又は一般的な構造式IIIにより特徴づけられる1種以上の化合物との本発明による化合物の混合物のLC溶液は、支持体表面上に付着させ整列させうる。 支持体上のLC溶液の整列方法は、とりわけPCT第WO 94/28073号及び第WO 00/25155号に記載されている。 可能な整列方法には、例えば、剪断応力又は重力場又は電磁場の適用による方法がある。 LC溶液の支持体表面ぬれ及びレオロジー特性を改良するには、溶液に、例えば可塑化水溶性ポリマー及び/又はアニオン又はノニオン性界面活性剤のような変性剤を添加しうる。 前述の添加剤の他に又はその代わりに低分子量の水溶性化合物を使用しうる。 これらの添加剤は、LC溶液の整列を破壊することも、実質的に妨げることもしないのが望ましい。 配向させたフィルムから溶媒を除去すると、厚さ約0.2〜1.2μの異方性多結晶質フィルムが形成される。

    本発明によるフィルムは高い光学的異方性を示す。 例えば、構造I及び/又はIIの染料から形成された偏光フィルムは、典型的にはジスルホインダンスロンを基剤とするフィルムの2〜3倍以上のコントラスト比を有する。 主要な吸収バンドの極大に対応する波長における二色比は約25乃至30の範囲内である。 更に、得られたフィルムは少なくとも部分的に結晶質であり、表面上に高いパラメータ再現性を有する。
    本発明による染料を基剤とするフィルムの吸収スペクトルの分析は、これらのフィルムが選択的に可視スペクトルの異なる領域の光を吸収することを示す。 例として以下に示す構造IV乃至VIIは、それぞれ480nm、580nm、650nm、及び670nmにおいて吸収極大を示す。

















    したがって、本発明によるインダンスロンスルホ誘導体は、高い光学パラメータ及び種々のスペクトル領域における選択性により特徴づけられる有色異方性フィルムの製造を容易にするLLC系を形成しうる。
    実験
    本発明の方法及び系にしたがって多くの実験を実施した。 これらの実験は説明の目的のみを意図し、決して本発明の範囲を限定するつもりはない。

    以下に記載するように、インダンスロンのスルホン化及びインダンスロントリスルホン酸の沈殿によりトリスルホインダンスロンを得た。
    工程1A:スルホン化 50gのインダンスロンを、100mlの30%発煙硫酸及び30mlのクロロスルホン酸の混合物に導入した。 混合物を100〜110℃に加熱した。 反応混合物をこの温度に15時間保持した。 この工程で、インダンスロントリ-及びテトラスルホ誘導体が3:1の割合の混合物が得られた。
    工程1B:インダンスロントリスルホン酸の沈殿 反応混合物を冷却し、最初に92%の硫酸、次いで水で希釈して80%の硫酸濃度とした。 形成された沈殿物を濾過し、2リットルの水で希釈し、次いで6時間沸騰させた。 アンモニアで中和して限外濾過すると、この工程で48gの所望の生成物を含むインダンスロントリスルホン酸アンモニウムの水溶液が得られた。 アンモニウム塩の溶液を更にLC系の調製に使用した。
    インダンスロントリスルホン酸は、500mlの1%アンモニウム塩溶液を100gのイオン交換樹脂に通すことにより、イオン交換によりアンモニウム塩から調製した。 得られた溶液を減圧下で濃縮して乾燥させた。 この工程で、以下の構造のインダンスロントリスルホン酸が4.7g得られた。

    試料の電子スペクトル(分光計Ocean PC 2000、水溶液)はλ max =695nmであった。 赤外スペクトル(IR-Fourier分光計FSM-1201、窓KRS-5上のフィルム)のピークは1036、1188.4(SO 3 H);1643.7cm -1 (C=O)に示された。 質量スペクトル(VISION 2000)の結果は以下のとおりであった。 分子イオン(負の極性)680.2(m/z)、及び分子量の計算値681.97。 元素分析の測定値(%)C49.10;49.06;H1.99;2.11;N3.87;4.02;S14.32;14.54。 C 28 H 14 N 2 O 13 S 3 。 計算値(%)C49.27;H2.07;N4.10;S14.09。

    インダンスロンのスルホン化及びインダンスロンテトラスルホン酸の沈殿によりテトラスルホインダンスロンを得た。
    工程2A:スルホン化 実施例1Aに記載した手順を用いてインダンスロンをスルホン化した。
    工程1B:インダンスロンテトラスルホン酸の沈殿 トリスルホン酸を分離した後硫酸母液からインダンスロンテトラスルホン酸を沈殿させた。 母液をアンモニアで中和して限外濾過により無機塩から精製した。 この工程で25gのテトラスルホ誘導体を含むインダンスロンテトラスルホン酸アンモニウムの水溶液が得られた。
    インダンスロンテトラスルホン酸は、500mlの1%アンモニウム塩溶液を100gのイオン交換樹脂に通すイオン交換によりアンモニウム塩から調製した。 得られた溶液を減圧下で濃縮して乾燥させた。 この工程で、以下の構造のインダンスロンテトラスルホン酸が4.7g得られた。







    試料の電子スペクトル(分光計Ocean PC 2000、水溶液)はλ max =760nmであった。 赤外スペクトル(IR-Fourier分光計FSM-1201、窓KRS-5上のフィルム)のピークは1036.0、1188.4(SO 3 H);1643.7cm -1 (C=O)に示された。 質量スペクトル(VISION 2000)の結果は以下のとおりであった。 分子イオン(負の極性)760.88(m/z)、及び分子量の計算値761.92。 元素分析の測定値(%)C43.59;43.83;H1.67;1.68;N3.39;3.31;S16.78;16.42。 C 28 H 14 N 2 O 16 S 4 。 計算値(%)C44.09;H1.85;N3.67;S16.18。

    トリスルホインダンスロンのスルホン化によりトリスルホクロロインダンスロンを合成した。 13.6gのトリスルホインダンスロンを92%硫酸200ml中に含むトリスルホインダンスロン溶液に50%硝酸4mlを導入した。 溶液が黄色になるまで、溶液を攪拌してトリスルホインダンスロンを完全に酸化した。 得られた溶液に50℃において12時間乾燥HClを通した。 反応混合物を300mlの水で希釈し、沈殿物を濾過し、かつ1リットルの水の中で3時間沸騰させた。 中和及び限外濾過後には、この工程で13gの以下の構造のトリスルホクロロインダンスロンアンモニウムを含むトリスルホインダンスロンの水溶液が得られた。

    試料の電子スペクトル(分光計Ocean PC 2000、水溶液)はλ max =680nmであった。 赤外スペクトル(IR-Fourier分光計FSM-1201、窓KRS-5上のフィルム)のピークは1034.0、1182.4(SO 3 H)、及び1647.5cm -1 (C=O)に示された。 質量スペクトル(VISION 2000)の測定結果は、分子イオン(負の極性)714.2(m/z)であり、分子量の計算値715.93であった。 元素分析の測定値(%)C46.71;46.83;H1.81;1.68;Cl4.54;4.47;N3.11;3.34;S13.93;14.10。 C 28 H 13 ClN 2 O 13 S 3 。 計算値(%)C46.9;H1.83;Cl4.94;N3.91;S13.42。
    他の構造を有するインダンスロンのトリ-及びテトラ誘導体は、同様な条件下で対応するインダンスロン誘導体から、あるいはスルホン化インダンスロンの酸化された形に置換基を導入することにより合成された。

    以下に記載するように、ジヒドロキシインダンスロンのスルホン化及びその後の沈殿によりジヒドロキシインダンスロンテトラスルホン酸を得た。
    工程4A:スルホン化 50gのジヒドロキシインダンスロン(8,17-ジヒドロキシ-6,15-ジヒドロ-5,9,14,18-アントラジンテトロン)を、100mlの10%発煙硫酸及び30mlのクロロスルホン酸の混合物に導入した。 混合物を90〜100℃に加熱した。 反応混合物をこの温度に15時間保持した。 この工程で、ジヒドロキシインダンスロンのテトラスルホ誘導体がが得られた。
    工程4B:ジヒドロキシインダンスロンテトラスルホン酸の沈殿 反応混合物を冷却し、92%の硫酸、次いで水で希釈して80%の硫酸濃度とした。 形成された沈殿物を濾過し、2リットルの水で希釈し、次いで6時間沸騰させた。 その後混合物を冷却した。 アンモニアで中和して限外濾過すると、この工程で48gの所望の生成物を含むジヒドロキシインダンスロンテトラスルホン酸アンモニウムの水溶液が得られた。 アンモニウム塩の溶液は更に液晶系の調製に使用しうる。
    インダンスロンジヒドロキシテトラスルホン酸は、500mlの1%アンモニウム塩溶液を100gのイオン交換樹脂に通すことにより、イオン交換によりアンモニウム塩から調製した。 得られた溶液を減圧下で濃縮して乾燥させた。 この工程で、4.1gの所望の生成物を含むインダンスロンジヒドロキシテトラスルホン酸が得られた。 インダンスロンジヒドロキシテトラスルホン酸の構造は以下のとおりであった。

    試料の電子スペクトル(分光計Ocean PC 2000、水溶液)はλ max =480nm及び650nmであった。 赤外スペクトル(IR-Fourier分光計FSM-1201、窓KRS-5上のフィルム)のピークは1036、1188.4(SO 3 H);1643.7cm -1 (C=O)に示された。 質量スペクトル(VISION 2000)の結果は以下のとおりであった。 分子イオン(負の極性)793.3(m/z)、及び分子量の計算値794.68。 元素分析の測定値(%)C42.17;42.28;H1.79;1.57;N3.77;3.92;S16.26;16.30。 C 28 H 14 N 2 O 13 S 4 。 計算値(%)C42.32;H1.78;N3.53;O36.24;S16.14。

    以下に記載するように、ジアミノインダンスロンのスルホン化及びその後の沈殿によりジアミノインダンスロンテトラスルホン酸を得た。
    工程5A:スルホン化 8,17-ジアミノ-6,15-ジヒドロ-5,9,14,18-アントラジンテトロンを、実施例4Aに記載した手順でスルホン化した。
    工程5B:沈殿 実施例4Bに記載した手順で沈殿を実施した。
    この工程で以下の構造のジアミノインダンスロンテトラスルホン酸が得られた。

    試料の電子スペクトル(分光計Ocean PC 2000、水溶液)はλ max =495nm及び650nmであった。 質量スペクトル(VISION 2000)の結果は以下のとおりであった。 分子イオン(負の極性)790.9(m/z)、及び分子量の計算値792.71。

    ヒドロキシインダンスロントリスルホン酸の合成 8gのテトラスルホインダンスロン及び150mlの硫酸の混合物を150℃に加熱した。 混合物をこの温度において2時間更に保持した。 次いで反応混合物を水で希釈して70%の硫酸濃度とした。 沈殿物を濾過により分離し、次いで1000mlの水で希釈した。 次いで溶液を1時間沸騰させた。 アンモニアで中和して限外濾過すると、この工程で6.5gの所望の生成物を含むジヒドロキシインダンスロンテトラスルホン酸アンモニウムの水溶液が得られた。 アンモニウム塩の溶液は更に液晶系の調製に使用しうる。
    ヒドロキシインダンスロントリスルホン酸はイオン交換によりアンモニウム塩から調製した。 得られた溶液を減圧下で濃縮して乾燥させた。 この工程で、以下の構造の所望の生成物を4.1g含むヒドロキシインダンスロントリスルホン酸が得られた。

    試料の電子スペクトル(分光計Ocean PC 2000、水溶液)はλ max =485nm及び670nmであった。 質量スペクトル(VISION 2000)の結果は以下のとおりであった。 分子イオン(負の極性)697.3(m/z)、及び分子量の計算値698.6。

    メトキシインダンスロントリスルホン酸の合成 3.4gのヒドロキシインダンスロントリスルホン酸及び50mlの水の混合物に6gの硫酸ジメチルを導入した。 混合物を40℃に加熱した。 pHを8.3〜8.6に保持するために、反応混合物に水酸化ナトリウムの10%水溶液を徐々に(1時間にわたって)滴下した。 限外濾過すると、この工程でメトキシインダンスロントリスルホン酸の三ナトリウム塩の水溶液が得られた。 この塩の溶液は更に液晶系の調製に使用しうる。
    メトキシインダンスロントリスルホン酸は、300mlの1%アンモニウム塩溶液をイオン交換樹脂に通すことにより、イオン交換により三ナトリウム塩から調製した。 更に、溶液を減圧下で濃縮して乾燥させた。 この工程で、以下の構造のメトキシインダンスロントリスルホン酸2.6gが得られた。

    試料の電子スペクトル(分光計Ocean PC 2000、水溶液)はλ max =695nmであった。 質量スペクトル(VISION 2000)の結果は以下のとおりであった。 分子イオン(負の極性)711.3(m/z)、及び分子量の計算値712.64。

    ブロモインダンスロントリスルホン酸の合成 亜硝酸ナトリウムの10%水溶液5mlを、3.4gのインダンスロントリスルホン酸を120mlの硫酸に溶解させた溶液に徐々に導入した。 導入は、混合物を40〜45℃の温度に保持するために30分間にわたる滴下により実施した。 混合物を更に1時間攪拌した。 臭化ナトリウムの10%水溶液7mlを得られた黄色い混合物にゆっくり導入(滴下)した。 混合物を更に40〜45℃の温度において10時間攪拌した。 次いで、反応混合物を水で希釈し、60%の最終硫酸した濃度とした。 ブロモインダンスロントリスルホン酸の沈殿物を濾過により分離し、水に溶解させた。 アンモニアで中和して限外濾過すると、この工程でブロモインダンスロントリスルホン酸アンモニウムの水溶液が得られた。
    ブロモインダンスロントリスルホン酸は、イオン交換によりアンモニウム塩から調製した。 得られた溶液を減圧下で濃縮して乾燥させた。 この工程で、以下の構造のブロモインダンスロントリスルホン酸が得られた。

    試料の電子スペクトル(分光計Ocean PC 2000、水溶液)はλ max =680nmであった。 質量スペクトル(VISION 2000)の結果は以下のとおりであった。 分子イオン(負の極性)761.2(m/z)、及び分子量の計算値761.51。

    単独のトリスルホクロロインダンスロンを基剤とする組成物及びフィルムを本発明にしたがって製造して分析し、フィルムの光学特性を決定した。 12gのトリスルホクロロインダンスロン(R=NH 4 、X=Cl、n=3)を、20℃で攪拌しながら78.0gの脱イオン水に導入した。 次いで、0.1gのスルホノール(sulfonol)を10gの水に溶解させた溶液を得られた混合物に添加し、混合物を十分に攪拌した。 得られたものは100gの12%LC溶液であった。 得られた溶液を、20℃の温度及び65%の相対湿度で、25mm/分の線速度のMeyer棒No3を用いてガラス板の表面に塗布した。 フィルムを同一温度及び湿度で乾燥させた。
    フィルムの光学特性を決定するために、溶液付着方向に対して平行及び垂直の両方の入射束偏光面を有する約400〜800nmの波長範囲の偏光でOcean PC 2000分光光度計を用いて試料の透過率スペクトルを測定した(それぞれ、T par及びT per )。 λ=650nmにおける吸収最大波長のコントラスト比CR=T par /2T perは透過率T=40.0%において95であった。

    インダンスロンスルホ誘導体の混合物を基剤とする組成物及びフィルムを本発明にしたがって製造して分析し、フィルムの光学特性を決定した。
    10%のテトラスルホインダンスロン、35%のトリスルホインダンスロン、25%のジスルホインダンスロン、12%のトリスルホクロロインダンスロン、8%のジスルホクロロインダンスロン及び10%のモノスルホインダンスロンを含む染料混合物12gを、20℃で攪拌しながら78.0gの脱イオン水に導入した。 次いで、0.1gのスルホノールを10gの水に溶解させた溶液を得られた混合物に添加し、混合物を十分に攪拌した。 得られたものは100gの12%LC溶液であった。 得られた溶液を、20℃の温度及び65%の相対湿度で、25mm/分の線速度のMeyer棒No3を用いてガラス板の表面に塗布した。 フィルムを同一温度及び湿度で乾燥させた。
    フィルムの光学特性を決定するために、溶液付着方向に対して平行及び垂直の両方の入射束偏光面を有する約400〜800nmの波長範囲の偏光でOcean PC 2000分光光度計を用いて試料の透過率スペクトルを測定した(それぞれ、T par及びT per )。 λ=650nmにおける吸収最大波長のコントラスト比CR=T par /2T perは透過率T=39.8%において98であった。

    インダンスロンスルホ誘導体の混合物とペリレンテトラカルボン酸ジベンズイミダゾールジスルホ誘導体からなる組成物及びフィルムを本発明にしたがって製造して分析し、フィルムの光学特性を決定した。
    5%のテトラスルホインダンスロン、17.5%のトリスルホインダンスロン、12.5%のジスルホインダンスロン、6%のトリスルホクロロインダンスロン、4%のジスルホクロロインダンスロン及び5%のモノスルホインダンスロン及び50%のペリレンテトラカルボン酸ジベンズイミダゾールジスルホ誘導体を含む染料混合物12gを、20℃で攪拌しながら脱イオン水(78.0g)に導入した。 次いで、スルホノール溶液(10gの水に0.1g)を導入し、形成された混合物を十分に攪拌した。 得られたものは100gの12%LC溶液であった。 20℃の温度及び65%の相対湿度で、25mm/分の線速度のMeyer棒No3を用いて溶液をガラス板の表面に塗布した。 フィルムを同一温度及び湿度で乾燥させた。
    フィルムの光学特性を決定するために、溶液付着方向に対して平行及び垂直の両方の入射束偏光面を有する約400〜800nmの波長範囲の偏光でOcean PC 2000分光光度計を用いて試料の透過率スペクトルを測定した(それぞれ、T par及びT per )。 λ=595nmにおける吸収最大波長のコントラスト比CR=T par /2T perは透過率T=41.5%において98であった。

    インダンスロンスルホ誘導体の混合物からなる組成物及びフィルムを本発明にしたがって製造して分析し、フィルムの光学特性を決定した。
    10%のテトラスルホジヒドロキシインダンスロン、35%のトリスルホヒドロキシインダンスロン、25%のジスルホインダンスロン、12%のトリスルホブロモインダンスロン、8%のジスルホクロロインダンスロン及び10%のトリスルホメトキシインダンスロンを含む染料混合物12gを、20℃で攪拌しながら78.0gの脱イオン水に導入した。 次いで、スルホノール溶液(10gの水に0.1gのスルホノール)を導入し、形成された混合物を十分に攪拌した。 得られたものは100gの12%LC溶液であった。 20℃の温度及び65%の相対湿度で、25mm/分の線速度のMeyer棒No3を用いて溶液をガラス板の表面に塗布した。 フィルムを同一温度及び湿度で乾燥させた。
    フィルムの光学特性を決定するために、溶液付着方向に対して平行及び垂直の両方の入射束偏光面を有する約400〜800nmの波長範囲の偏光でOcean PC 2000分光光度計を用いて試料の透過率スペクトルを測定した(それぞれ、T par及びT per )。 λ=630nmにおける吸収最大波長のコントラスト比CR=T par /2T perは透過率T=37.0%において72であった。
    本発明の特定の実施態様及び実施例の前述の記載は説明及び解説のために提供したので、本発明を実施例により説明したが、それにより限定されるつもりはない。 それらは網羅的であるつもりも、本発明を開示されたその形に限定するつもりもなく、明らかに多くの修正、実施態様、及び変化が前述の教示の観点から可能である。 本発明の範囲は本明細書に開示されている、及び特許請求の範囲による一般的な範囲及びそれらと等価なものを包含することを意図する。